旅の記憶 その17

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雨の万博



0,旅行計画  

 話は4月初旬の土日にさかのぼる。
 大学時代の友人N氏(愛知県在住)がリクルーターとして仙台にやって来るという。卒業以来およそ3年ぶりに仙台で会い,そこで是非万博に行こうとの話になった。
 時期としては世間が夏休みに入る前の平日が良い。しかし,私は6月下旬まで動きがとれなさそう。ということで,7/1(金)に休暇を取り,万博見物に出かけることにした。この時点で,梅雨のまっただ中=雨の可能性大。しかし,仕方ないところだろう。
 休暇を最小限にするため,6/30(木)の夜,寝台特急「日本海」で名古屋に向かう日程にした。

 6/28,新潟・北陸地方は豪雨に襲われ, この夜の寝台特急「日本海」「トワイライトエクスプレス」などが軒並み運休となる。雨は当分止みそうもない模様。6/29,6/30は,雨模様に一喜一憂しながら過ごすことになった。

 ちなみに,万博関連の動き(作戦)は,すべてN氏にお任せしました。色々と調査していただけ,感謝感謝であります。



1,いざ,万博会場へ 鶴岡駅→(日本海2)→敦賀駅→(各駅停車)→米原駅→(ひかり400)→名古屋駅→(エキスポシャトル)→万博八草駅→(徒歩)→愛知万博・瀬戸会場


 日頃の行いの良さ,もしくは悪運の強さが幸いし,どうにか大雨だけは回避できる雰囲気となった。むろん,快晴は望めないようだが。

 6/30の夜,鶴岡駅から寝台特急「日本海2」号に乗り込む(21:45)。下段寝台がほぼ埋まっており,両隣の方々は既にお休みの様子。浴衣に着替えて,早速横になる。とはいえ,いつもの感覚からすればまだまだ寝るには早い時間。結局,日付が変わってもしっかりとは眠れなかったような気も・・・。
 7/1,4:30ごろ目を覚ます。洗顔・着替えをしていると,車掌さんが起こしに来てくれた。5:07,敦賀駅に到着。敦賀駅では,先頭の機関車を交換するため(運用の都合らしい),敦賀駅に14分停車する。格別やるべきこともないため,機関車交換の様子をぼ〜〜〜っと眺めていた。
 「日本海」が去り,今度は米原行きの快速列車が入線する。車両は419系,おなじみ(?)となった583系の改造車であり,外観も内装も,お里が知れるところ。ガラガラのボックスシートに陣取り,敦賀駅を発車する(5:40)。にぎやかなおばさん集団を集めながら,米原駅に到着(6:29)。

 米原から名古屋まで,時間の関係上新幹線を利用する。ということで,「新幹線愛知万博往復きっぷ」なるものを購入,6,000円也。米原〜名古屋の新幹線(ひかり,こだま限定・・・というか,のぞみは米原に止まらないけど・・・。)と,中央本線・愛知環状鉄道・リニモ経由で万博会場まで往復できるきっぷであった(名古屋〜高蔵寺で途中下車が可能)。
 ほどなく,「ひかり400」号が到着。のぞみの通過待ちをして,6:50に米原駅を発車。新幹線は速い。あっという間に名古屋に到着(7:15)。
 ここからは,名古屋→(中央本線・愛知環状鉄道)→万博八草を結ぶ快速「エキスポライナー」号に乗り換える。ちょうど同行のN氏から電話が入り,3号車に乗ってくれとのこと。名古屋を発車し(7:22),大曽根駅でN氏が合流,車掌さんの片言の英語案内などを聞きつつ,万博八草に到着(8:00)。

 駅を出るとそこは雨。シャトルバスで会場を目指そうとしたが,8:30までバスはない模様。仕方なく,歩いて瀬戸会場に向かったが,さほど遠い距離ではなく,8:20ごろにゲート前に到着した。

 ところで,今回は「瀬戸会場」から入場する,というのが一番のポイントであった。おそらく,メインの「長久手会場」のゲートは長蛇の列であり,入場するだけでも1時間ぐらいかかることもあるらしい。そこで,比較的空いている瀬戸会場から入場し,ゴンドラ(モリゾーゴンドラ)か会場間移動バス(燃料電池バス)で一気に長久手会場に移動する。この方法により,入場の待ち時間の短縮と,迅速な会場入りを両立しようという作戦である。

 事実,8:20(開場40分前)に瀬戸会場ゲートに到着した段階で,入場待ち人数は15〜20名程度。まさしく「ガラガラ」という表現がぴったりの様子であった。



早朝の敦賀駅に到着。
敦賀駅では機関車の交換。
去りゆくEF81−106号機。
(この後,107号機がやってきた)

敦賀→米原は419系に乗る。
おなじみ,583系の改造車。
食パンマンのような顔立ち。



2,費用対効果? 愛知万博・瀬戸〜長久手会場〜万博会場駅→(愛知高速交通:東部丘陵線(リニモ))→藤が丘駅→(名古屋市営地下鉄:東山線)→名古屋駅

 今回の万博見物では,N氏の緻密&大胆な戦略により,企業パビリオンを中心に有名どころを可能な限り回るプランを立てる。事前の評判などから,ターゲットとして「三井・東芝館」「トヨタグループ館」「日立グループ館」「瀬戸日本館」などを設定。どうなる?
 ということで,当日の動きを列挙してみると,こんな感じ(多少の誤差アリ)。

9:00
瀬戸会場ゲート開門
9:00ちょうどにゲートが開門。荷物検査を受けて入場。
会場内は走っていけないため,競歩ばりの早歩きで会場間移動バス乗り場へ。
9:10
長久手会場行きのバスに乗り込む
長久手会場行きの燃料電池バス(FCHV−BUS)に乗り込む。
極めて静かに&そこそこスピーディーに走行する。
最高運転速度は80km/hとのことで,途中観光バスの追い越しを試みるものの・・・断念。
9:20
長久手会場に到着
長久手会場到着。またまた早歩きで企業パビリオンゾーンBを目指す。
北ゲート入り口には長蛇の列が。
8:00に万博八草到着→リニモ乗車を選択した場合は,まだ入場できていなかったのではあるまいか?
9:35
トヨタグループ館の整理券を入手
トヨタグループ館」の整理券を配っている旨の看板を発見。
とりあえず,人の流れに逆らわず歩いていたところ,11:10公演の整理券を入手。
ちなみに,「日立グループ館」はこの時点で4時間待ち。恐るべし。
9:40
三井・東芝館に並ぶ
約40分待ちの表示があった「三井・東芝館」に並ぶ。
次の予定(トヨタグループ館の集合が10:50)を考えるとギリギリか?
少々不安になりながら並ぶ。
10:25
三井・東芝館アトラクション
「グランオデッセイ」開始
「グランオデッセイ」は,映画のストーリーの中に,CGで自分の顔を登場させるもの。
(自分が映画に出演すると言ったほうが適切かも。)
前室で写真撮影を行い,いよいよメインショーのはじまり。
始めに登場人物紹介で自分の顔が出ているはずなのだが・・・確定には至らず。
そんなわけで,ストーリーより自分の顔探しに集中してしまう。
せめて,登場人物紹介で自分のコード番号でも表示されていたなら・・・。
10:55
三井・東芝館アトラクション終了
トヨタグループ館にダッシュ
アトラクション終了。「トヨタグループ館」の集合時間を5分オーバー。
何とか許してくれるかな?ダッシュ(もちろん早歩き)で パビリオンを移動。
結果,ぎりぎりセーフであった。
11:10
トヨタグループ館アトラクション開始
前評判によれば,「トヨタグループ館」のショーはイマイチらしい。

まずは,concero(ロボット楽団?)の演奏から。
演奏もすごいが,ロボット自身の動きもなかなか。
さすがにトロンボーンはピストン式であったが,これが普通にスライドを動かせたらすごいよな。
リップスラーのデモなんかをやってみたら面白かったのに・・・。

ここまでは,結構いい感じ。評価がイマイチなのはどうしてだろう?

それはショーの後半(メイン)を見て納得。
基本的にi−unit(未来カー)のショーなのだが,よく分からない踊りが延々と続く。
なかなか主役が出てこない感じ。
フランスの演出家による作品らしいが,,,一般ウケしないのではないか?自己満足の世界では。
結局,クルマらしい動きは最後の最後に見られた程度。
技術がすごいだけに・・・非常に残念。
12:00
トヨタグループ館を出る
ショーの後は,i−unitの展示を見たり,お土産を物色したり。
そんなこんなでパビリオンを脱出。
12:10
JR東海超電導リニア館に並ぶ
今度は「超電導リニア館」。待ち時間はあまりないようだ。
待っているとうちわとパンフレットが配られた。
このうちわが非常に役に立ったが,後に少々物議を醸すことになる(?)。
12:30?
JR東海超電導リニア館アトラクション
「3Dシアター」開始
「3Dシアター」では,リニアモーターカーの内・外からの映像を放映。
なかなか迫力があって面白いのだが,惜しむらくはリニアの実験線がほとんどトンネルであること。
従って,映像がワンパターンとなってしまっていた,しかたないけど。
13:05
3Dシアター終了・昼食を取る
腹が減ったので,ピザセット(ピザ2斤,チキン,飲み物)を1,000円で購入。
13:25
三菱未来館に並ぶ
後半戦に出陣ということで,三菱未来館に並ぶ。
風のない待ち合わせ場所で,うちわが極めてありがたい。
13:50
三菱未来館アトラクション
「もしも月がなかったら」開始
メインショーの会場は鏡張りのIFXシアター。
強風吹き荒れる地球の情景を「大音響」で見るものだった。
(映像より,「音」の印象が強かった。)
14:30
三菱未来館アトラクション終了
瀬戸会場へ移動(モリゾーゴンドラ)
 相変わらず日立グループ館の待ち時間は短くならない。
時間つぶし(?)で,瀬戸会場へと移動する。
15:00
瀬戸日本館アトラクション
「一粒の種」 開始
人もまばらな瀬戸会場。ほとんど待ち時間無しに瀬戸日本館に入館。
33人の出演者による「群読」は,強く美しいものであった。
でも,相当疲れる公演だろうなあ。
15:40
瀬戸日本館アトラクション終了
瀬戸愛知館アトラクション
「森の劇場」開始
瀬戸日本館からすぐに瀬戸愛知館に移動。こちらも待ち時間は無し。
こちらでは,愛知万博開催までのひと騒動(自然保護といったところか)を解説。
16:15?
長久手会場に戻る(バス)
狭いゴンドラと冷房付きのバスを天秤に掛け,バスを選択。
再び燃料電池バスで長久手会場に向かう。
16:40
グローバルハウス入館整理券
配布場所に並ぶ
グローバルループからセンターゾーンへの階段探しに手惑いつつ,
難なくグローバルハウスの整理券配布場所に並ぶ。
位置的に,ブルーホール(レーザードリームシアター)&マンモスらしい。
17:00
グローバルハウス入館整理券入手
17:20公演の整理券を入手し,すぐグローバルホールへと向かう。
待ち時間に,近くのおばさんから「そのうちわはいつの間に手に入れたのか」と詰問される。
何か,不当に手に入れたのだとでもいうのだろうかねぇ???  
17:20
グローバルハウスアトラクション
(ブルーホール/マンモスラボ)開始
アトラクション開始。
レーザードリームシアターは,幅50m×高さ10mの大画面で映像を映し出すもの。
首尾良く,ほぼ真ん中から映像を眺める。
18:15?
グローバルハウスアトラクション終了
日立グループ館に並ぶ
ということで,本日のメイン&ラストイベント,日立グループ館。
およそ150分待ちとの表示だが,もう少し短くなりそうでもある。
フランクフルトなどで腹ごしらえをしながら,ひたすら待つ。
18:30頃だろうか,順番待ちの受付も終了し,列もまばらになる。ゆったりゆったり。
20:00?
日立グループ館アトラクション
「Nature Contact」開始
さすが人気NO.1のアトラクションだけあり,技術も演出もなかなかのものであった。
特に,メインショーでの,自らの意志で動物とふれあうような体験は,もっといろいろなものに応用できそうだ。遊園地などで導入したら,相当受けるのでは。
とにかく,待った甲斐のあるパビリオンであった。
20:30
日立グループ館アトラクション終了
グローバルコモン1・2をぶらぶら。
とりあえず,見たいパビリオンはあらかた回ったので,余力でその辺をぶらぶら。
しかし,外国館も21:00閉館のところが多く,程なく帰ろうということに。
21:00
万博会場から退場
ということで,万博会場を後にし,リニモに乗って名古屋市内へと向かう。

 とまあ,こんな感じで,目的のパビリオンをほぼすべて回ることに成功。恐るべし,N氏の調査力&雨のおかげ?
 ちなみに,どのパビリオンも順番待ち場所には屋根がついており,ほとんど濡れることなく過ごすことができた。さすがに,日立グループ館では屋根の外に居る時間が長かったが・・・。



瀬戸会場に到着。
会場40分前にして,人出はぱらぱら。

瀬戸会場→長久手会場間を結ぶ,
燃料電池バス。

長久手会場北ゲートで入場を待つ,
大勢の人々。
三井・東芝館。
デジタルカメラ泣かせのデザインか?
雨の中,それでも人でごった返す。
トヨタグループ館。
i−unit(未来カー)。

三菱未来館。
いずれ,文字が見えなくなるのか???

JR東海超電導リニア館。
ブルーホール&マンモスの整理券配布を待つ。
日立グループ館。
本日の営業は終了。


3,セントレア 名鉄名古屋駅→(特急)→中部国際空港駅→(快速特急)→名鉄名古屋駅/名古屋駅→(こだま545)→米原駅→(新快速)→大阪駅


 7/2(土)は9:00頃に目を覚まし,N氏へ電話をかける。どうやら,動ける状況のようだ。ということで,10:00に名古屋駅で待ち合わせする。
 当初は名古屋市内をブラブラする予定であったが,お互い疲れていたため,移動が楽&観光地っぽいところを検討した結果,中部国際空港(セントレア)に向かうことにした。
 名鉄名古屋駅から特急に乗り,セントレアに到着。しばらく,展望デッキで飛行機を眺めることにする。B767やB737が多い中で,ノースウェスタン航空のB747が離陸するときは,展望デッキがにわかに盛り上がる。
 名古屋への戻りには,快速特急の指定席「μシート」を奮発する。350円也。車体傾斜機能を備え,カーブを高速で走行する。客室入り口にある液晶ディスプレイには車窓と走行速度が表示され,「いつもより速度が出ている」かどうかなどが,つぶさに分かるようになっている。カーブの半径や制限速度も併せて表示すべきである,などとN氏と悪い冗談を交わすが,実際に通常の列車よりカーブを高速で通過するのは間違いなく,ある意味では悲しい星の下に生まれた車両なのかもしれない。
 名古屋駅でN氏と別れ,大阪へ。こだま号で名古屋駅を出る(16:48)も,ケチケチ道中のため,新幹線とは米原でお別れ(17:13)。ここから新快速に乗り(17:24),うとうとしている間に大阪駅に到着(18:44)。
 大阪駅では,大学で同じ研究室であったU氏と待ち合わせの予定。U氏が送ってくれた地図を頼りに,大阪駅中央北口で待つ。そのころU氏は・・・中央口(駅の南側)で私を待っていたそうだ。このアバウトさは昔から変わっていないと,むしろ安心した。
 その後,U氏と,ZZ−Rの元の持ち主であるT氏と共に夕食を取り,U氏宅に向かう。銭湯などに行きつつ,一夜を明かす。



ジャンボの離陸では一番の盛り上がり。
カーブを高速で曲がる快速特急。
ただいま,119km/hで走行中。
セントレアで展示していたF1カーのレプリカ。
オーバルコースに弱い??
通天閣から眺める。
さりげなく阪堺線の恵美須町駅。

大阪WTCの展望台より。
ほぼ真下を眺めることができる。



4,大阪周遊パス 大阪市内をぶらりぶらり/大阪駅→(日本海3)→鶴岡駅


 7/3(日),U氏とは所用のため早朝にお別れ,この日はT氏と共に大阪を見物する。
  「大阪周遊パス」という,市営地下鉄のフリーきっぷ&各種施設の入場券がセットになったお得なチケット(2,000円也)を利用し,大阪の主要な観光地を回る。大阪城,通天閣,WTCコスモタワー,なにわの海の時空間など,これだけでもほとんど元は取れるのだ。雨で混み混みの道頓堀や串カツ・お好み焼きなど,それらしきことをひととおり終えた後は,ヨドバシカメラ梅田店へ。いやー,落ち着く落ち着く。それにしても,一つ一つの施設をじっくり見て回ると結構時間がかかるものなのだなと,いまさらながらに感じられた。

 T氏と別れ,いよいよ帰り道。大阪駅のみどりの窓口で寝台特急「日本海3」号の席の埋まり具合を見たところ,結構余裕があるようで,人の少ないところに寝台を変更してもらえた。
 大阪駅を後にし(20:17),ゴロゴロしながらまだ早い夜を過ごす。途中の敦賀駅では,往路に引き続き機関車交換があり,その間に大阪からの特急「サンダーバード」,米原からの特急「しらさぎ」へ道を譲る(つまり,追いつくことが可能なのだ・・・)。

万博見物を控えた往路と異なり,プレッシャーがないおかげか比較的すんなり眠ることができた。あつみ温泉駅付近で目を覚まし,洗顔を済ませる。そして,朝の鶴岡駅に到着(6:32)。「日本海3」号は,ここからヒルネが可能であるため,数人のビジネスマンが乗り込んできた。皆さんお仕事中ごめんなさい,今日まで夏休みです。


傾向と対策

 とにかく雨にたたられたが,そのおかげで人出が少なかったようなので,結果オーライとしようか。しかし,大阪の雨はそれなりにキツかった。もう少し天気の良いときに,のんびり街を眺めることにしよう。
 ところで,今回の旅からはノートPCのMURAMASAも同行。デジタルカメラの写真の保管には活躍したが,LANケーブルを忘れたため,ネットの使用はできず。ホテルには設備があるのに・・・。残念。




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