旅の記憶 その14

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いけるところまで2



0.出発前夜  

 2003年春,JR東日本の完全民営化を記念して,「JR東日本パス」なる乗り放題きっぷが発売された。1日用が8,000円(座席指定2回まで),2日用が12,000円(同4回まで)と,格安で旅行ができる。これを利用しないわけにはいかない,ということで,ぶらり旅に出かけることにする。
 むろん,同じようなことを考える人は大勢いるわけで,新幹線・特急はどれも満席の状態らしい。きっぷ本券だけは出発の前日に購入し,だいたいのプランを立てては見たものの,あとは当日どうにかなれ状態で出発。



1.とりあえず長野へ 鶴岡駅→(いなほ4)→新潟駅→(Maxとき)→高崎駅|11:19→(あさま511)→12:08|長野駅|12:41→(しなの14)→塩尻駅→(各駅停車)→下諏訪駅


 最初の目的地は長野の下諏訪。ここには研究室の同期T氏が住んでいるので,久々に会うことにする。
 まずは出発当日(3月1日)の朝,鶴岡駅で座席指定券確保に挑む。新潟までの「いなほ」,その先の「とき」ともに満席らしいが,何とか座れるだろう。ただ,高崎からの「あさま」は途中駅からの乗車ということもあり何とか押さえたいところ。ムリかな〜と思っていたのだが,首尾良く窓側(A席)を確保できた。その先の「しなの」も長野から松本まで指定券を確保。とりあえずは安泰だ。

 さて,酒田からやってきた「いなほ」の自由席は,ほどよく空席がある乗り具合で,右に日本海を眺めながらのんびり南下する。しかし,村上から先はのんびりムードが一転,大量の乗車があり通路に立ち客が出る状態となる。相席となった方も東京方面に向かうらしく,「Maxとき」の座席確保が話題となる。ちょっと我慢して一緒に喫煙車に向かおうということになり,新潟駅で乗り継ぎダッシュ,本当に「どうにか」座席を確保できた。旅の話題を楽しみながら,私は高崎で下車。相変わらず満員の「Maxとき」を見送る。

 ほどなく,高崎に「あさま」がやってきた。私にとって,「あさま」は初乗りだ。それにしても,よくぞ「あさま」の指定席が取れたな〜,という感じだったのだが,高崎で意外と下車する客が多く納得。当たり前だが,全員が長野方面に向かうわけではないのだ・・・。私の確保した席も,高崎まで先客の利用があったようだが・・・おそらく6人グループで,3列席を対面にした状態で到着。私以外にも,この区画を利用する高崎からの利用者が居たが,周りの状況から回転が困難で,そのまま長野方面に向かうこととした。(軽井沢でまとまった下車があり,無事前向きに)

 長野からは,またも初乗りの「しなの」だ。この日は長野側の先頭グリーン車が貫通型で,ちょっと残念。でも,普通車に乗る私にはあまり関係ないし,姨捨からの眺め(日本三大車窓の一つ)も楽しめたので満足。ところで,当初は「しなの」利用は松本までで,各駅停車で下諏訪に向かう予定であった。しかし,時刻表を良く見ると,塩尻で接続列車があり,これを利用した方が早く着けるらしい。指定券は松本までしか持っていないので,松本手前でとぼとぼと自由席に乗り換えることとした。
 「しなの」の自由席は名古屋側に連結されているので,この列車としては先頭側となる。意外と自由席が空いており,眺めの良い最前列に座ることができた。これだった,初めから自由席に乗っておけば・・・と後悔するも,後の祭り。以後の課題とする。

 塩尻から115系の各駅停車に乗り換え,無事下諏訪に到着。迎えに来てくれたT氏と昼食(塩天丼)を食べ,しばらく過ごす。
 



特急「(ワイドビュー)しなの」の長野側先頭車
ちょっとがっかり感のある貫通型グリーン車だ

特急「スーパーあずさ」



2.とりあえず水戸へ 茅野駅|19:06→(スーパーあずさ14)→21:06|新宿駅→(各駅停車)→上野駅→(フレッシュひたち)→赤塚駅

 T氏のアパートにも立ち寄り,だいぶのんびりした後,次なる目的地,水戸を目指す。今夜は水戸に住む従弟のアパートに宿泊だ。
 茅野駅でまたまた初乗りの「スーパーあずさ」の指定券を入手。すっかり暗くなり,特に景色が楽しめる状況ではない中,「スーパーあずさ」は飛ばしに飛ばす。あっという間に新宿に着いた感じであった。今夜の東京は雨,明日はどうなるのだろう。

 上野駅に移動し,最後の指定券として「つばさ」の座席確保に挑む。水戸からは常磐・磐越東線経由で郡山に出て,そこから「つばさ」に乗る予定であった。日曜日午後の下り列車,絶対にムリだろうと思っていたら,見事に窓際席が取れた。「あさま」と同様に,郡山での下車客が居たのだ。いつもなら迷惑がるところだが,この日は素直に感謝することとなった。

 従弟との待ち合わせは水戸の手前の赤塚駅としたので,赤塚停車の「フレッシュひたち」までしばらく時間をつぶす。通常は「スーパーひたち」で活躍する651系による運転だ。常磐線を快調に飛ばし,日付が変わる間際の赤塚駅で従弟と合流。



上野駅で,寝台特急「あけぼの」を見物

遠く青森へ向かう

 
651系による特急「フレッシュひたち」

 



3.とりあえず帰り道 偕楽園駅→(スーパーひたち)→いわき駅→(快速)→郡山駅|15:59→(つばさ117)→18:04|新庄駅→(各駅停車)→余目駅→(各駅停車)→鶴岡駅

 2日目,今日はいい天気,よかった。せっかく水戸に来たからと偕楽園に寄る。というより,今日の汽車旅のスタートもここだ。
 偕楽園の下を走る常磐線には,梅のシーズンのみ開設される臨時の「偕楽園」駅があり,上野からの特急列車も停車する。偕楽園からいわきまで「スーパーひたち」でササっと移動。フリーきっぷのありがたさを実感。

 いわきでちょっと時間をつぶし,今度は磐越東線に初乗り。臨時快速列車(「あぶくま」だったかな)で,のどかな風景をゆっくり進む。車両の前方に陣取り眺めを満喫,といったところだが,ちょっとゆっくり過ぎて(駅の通過も含めて・・・)多少ストレスがたまったかも。

 郡山からは再び新幹線(特急)の旅。降車客と入れ替えに「つばさ117」へ乗り込む。この人のおかげで指定席をゲットできたのかな?などと,ちらりと思う。思えば,新庄までのつばさ利用は初めて?
 そして,新庄から陸羽東線で余目へ。陸羽東線も,初乗りではないだろうか。そんな初乗りづくしの旅は,鶴岡でおしまい。




傾向と対策

 今回は実質的に片道きっぷの旅であった。移動距離は中抜け(下諏訪→茅野)を考慮すると,営業キロベースで約1320km。通算で計算すると,運賃は14,600円相当(運賃計算キロ:1347km)であった。これに,特急料金が14,950円相当(すべて自由席だった場合)だから,ざっと3万円ぐらいの「ムダ走り」を12,000円で楽しめたわけだ。
 今思えば,土・日きっぷ(既に廃止)のエリア外である北東北に照準を合わせても良かったかな・・・と思うものの,非常に有意義な2日間でありました。なんだかんだで,初乗りづくしの旅だったしね。




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