『母います国』が吹奏楽曲に編曲され演奏された。
 それは1995年10月4日、中国合肥市で行なわれた「久留米・合肥友好都市締結15周年記念演奏会」でのことである。
    中国・合肥市長江劇場で行なわれた「久留米・合肥友好
    都市締結15周年記念演奏会」で演奏する ブリヂストン
    吹奏楽団と生田流正派のみなさんの演奏


 久留米市の文化使節として合肥市を訪れることになった「ブリヂストン吹奏楽団久留米」は、「久留米の四季」という組曲を構想し、春は「久留米小唄」、夏の曲には「ソロバン踊り」、冬の曲には「鬼夜」。そして秋の曲に『母います国』を合肥市の人にも馴染みのある「櫨」と改題して、ブラスバンドと中国伝来の楽器・筝(琴)を組み合わせたものに編曲した。
 55名の吹奏楽団の演奏にあわせ、和服姿5名の筝奏者は、「わが国は 筑紫の国や白日別・・・」と弾きながら歌った。合肥市の人たちは勿論、同行した久留米市代表の人たちの中には初めて聞く人もいて、喜んだ。
 『母います国』の中国初演であった。



そして帰国後の11月27日、久留米市山本小学校で、再びこの吹奏楽版『母います国』が演奏された。「けしけし祭」で毎年歌い続けている子供たちに、日本一の吹奏楽団が演奏するこの曲を聞いてもらいたいという思いからであった。
 この日は、先ず小学生たちがアコーデイオンの伴奏で『母います国』の原曲を合唱。続いて吹奏楽団と筝によ『母います国』(櫨)が演奏され、子供たちは初めて聞く壮大な『母います国』に感激していた。                                                                                                                                                                                 



 郷土の偉大な画家・青木繁のうたに息子・福田蘭童が作曲した作品。
 青木のうたを自分の合唱作品に取り入れた團伊玖磨の合唱組曲『筑後風土記』。
 
 『母います国』に心を寄せる人たちによって受け継がれている。いつまでも歌い続けてほしいものである。