團伊玖磨記念『筑後川』IN大牟田2014
    有明の海 三池港に響け 團 琢磨のこころと『筑後
 (全容)

大牟田は炭都として日本の近代化を支えた歴史ある街です。
團先生の祖父・團琢磨が、最高責任者として三池炭鉱を近代化した足跡がのこる街でもあります。琢磨が築港した三池港は100年を経た今でも稼働しています。「九州・山口の近代化産業遺産群」の世界遺産登録をめざしその主要施設としての動きが活発になってきています。
  團先生は2001年3月20日、大牟田文化会館で「記憶の中の團琢磨」と題し 8歳の目で見た祖父の姿を市民に語られましたが
その57日後に中国 ・蘇州で急逝されました。 
 生前の團先生の思いを継いで開かれてきたコンサート。ゆかりの深いまち大牟田市では 「有明の海 三池港に響け 團琢磨のこころと『筑後川』 」 のテーマのもと團伊玖磨記念『筑後川』IN大牟田2014が行われました。

 本番に先立つ2014年1月19日には、神奈川フィル管弦楽団名誉指揮者の現田茂夫による合同練習が行われ、終了後、三池港に移動し、團先生の祖父・團琢磨が築港した三池港の閘門の見える広場で、『筑後川』全章を歌いました。
                                                      
 またこの日10時から大牟田文化会館では、2001年3月20日に團伊玖磨先生が祖父・團琢磨について講演された「記憶の中の團琢磨」のDVD上映会と朗読の会(朗読・川野一宇)が行われ、大勢の方が團先生の講演の様子を鑑賞しました。
 今回の『筑後川』コンサートの企画の一つに、混声合唱曲に編曲された『炭坑節』の初演があります。
 大牟田と言えば三池炭鉱。日本中で歌われている「炭坑節」を是非地元の方に歌ってもらおうと楽譜を探しましたが、合唱曲に編曲されたものがありませんでした。そこで、三沢治美先生に編曲をお願いして、地元大牟田合唱連盟合同合唱団によって今回初演していただくことが出来ました。「月が出た出た 月が出た~」と見事合唱曲に変身した「炭坑節」。素晴らしい響きでした。三沢先生ご自身が本番前日に合同合唱団の練習に立ち会い、指導してくださいました。
                                                            

 関連企画・「團琢磨・團伊玖磨展」は2014年2月22日から3月9日まで、大牟田石炭産業科学館で行われ、團琢磨の大牟田における偉業、團伊玖磨と大牟田の関係が100点に及ぶ写真、パネルで紹介され、訪れた人の関心を呼んでいました。
 また2月23日には、オープニングコンサートが行われ、地元のピアニスト佐々木洋子さんとソプラノの松岡一恵さんによる團伊玖磨作品のコンサートが行われました。 このコンサートで團伊玖磨の未発表作品が演奏されました。
 中学生の團先生が声楽を勉強していた妹さんのために作曲した「わすれなぐさ」という曲で、家族で歌っていた曲を戦後合唱曲に直したものだとおっしゃっていたそうです。