読売新聞
2002年11月5日
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團伊玖磨しのび『筑後川』合唱
小国ドーム 全国から325人参加
日本を代表する作曲家、團伊玖磨氏(1924〜2001年)をしのび、合唱組曲『筑後川』
を流域の合唱団らと共に歌いつなぐ「團伊玖磨記念『筑後川』IN小国」が、小国町宮原の小国ドームで開かれた。
全国から8グループ・個人参加の計325人が参加、会場いっぱいに澄み切った歌声を響かせた。『筑後川』の第1章「みなかみ」に当たる同町をスタートに下流の福岡県大川市に向かい、5章「河口」までを5年かけて五つの町で歌い継ぐ。『筑後川』を
作曲したときのように、「上流からずっと歩きながら、流域の合唱団と『筑後川』を歌いたい。」という團氏の思いを実現した。
参加者は故郷の歌や團氏の歌などを披露、同町の保育園児も「ぞうさん」などの童謡を元気に歌った。最後に全員で『筑後川』を合唱して幕を閉じた。
冒頭には昨年5月、中国・蘇州で急逝した團氏と、小国町で1953年同河川の大洪水で亡くなった53人を悼み、黙祷をささげた。
「團伊玖磨さんの音楽を楽しむ会」代表の中野政則さん(62)は「命は滅びても作品は歌い継がれる。みんな我が心の歌としているのだろう」と感激していた。
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熊本日日新聞
2002年11月4日
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筑後川に響け!!歌声
小国町 遺志継ぎ5年で河口へ
團伊玖磨氏しのぶコンサート 代表組曲300人余で熱唱
日本を代表する作曲家の故團伊玖磨(だん・いくま)氏(1924年〜2001年)
をしのぶ記念コンサートが3日、阿蘇郡小国町の小国ドームで開かれ、300
人以上の大合唱団が同氏の代表作の合唱組曲『筑後川』を歌い上げた。
コンサートは阿蘇や筑後川を愛した團氏の「流域を歩いて人々と歌いたい」と
いう遺志を継いで開催。地元・小国町の「コールはなみずき」(河津登志恵代
表)を皮切りに、各合唱団が古里の歌を。第2部では、地元の園児たちが
「ぞうさん」を歌ったほか、特別参加の東洋大混声合唱団が組曲『大阿蘇』を
歌うなど團作品をしのんだ。
メーンの『筑後川』大合唱では、流域の合唱団を中心に東京からの参加含
め8団体・個人の計325人が指揮者の石橋義也氏(63)の下に熱唱。迫力ある
歌声を約500人の聴衆に聴かせた。
河津代表(81)は「こんな大勢の人と一緒に歌えて大感激しました」開催を呼
びかけた「團伊玖磨さんの音楽を楽しむ会」代表の中野政則さん(62)=久留
米市=は「『筑後川』を軸に、團さんの歌の輪を広げていきたい」と話していた。
記念コンサートは今後、5年かけて河口へと歌い継ぐ。次回は福岡県吉井町。
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西日本新聞
2002年11月11日
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四 季
『筑後川』IN小国
今年の文化の日は寒気ひとしお、秋しぐれ。「團伊玖磨記念『筑後川』IN小国」が開かれた熊本県小国町は、合唱組曲・筑後川第1章「みなかみ」の舞台の地。
会場のドーム正面にパイプのけむりをくゆらせる在りし日の遺影。プログラムを手にし、関係の方々の尽力がくみとれた。
第1部「故郷賛歌・わがまちの歌」。ここでは作家故・後藤明生に、朝倉の3連水車を「田園のSL」、または「あさくらのドン・キホーテ」とおもしろくたたえた作詞があったことを知った。
第2部は團伊玖磨作品。世に広く歌われる童謡「ぞうさん」「おつかいありさん」。まだ知られていない合唱組曲『筑後風土記』の「矢部川」「むつごろうの歌」。あらためて九州に親愛の情感を寄せた作曲家の思いを、その多彩な旋律から感受。
第3部は本番『筑後川』。詩人丸山豊、作曲家團伊玖磨がこの世に遺した郷土賛歌全5章、325人の大合唱。
川はうたう さようなら筑後平野の百万の生活の幸を 祈りながら川は下る有明の海へ 筑後川 筑後川 (椎窓)
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