| 登場人物紹介 |
| 「私」 これを書いている本人。「紅」のこと。犬は世界で一番だと思っている。大和文明で他国を蹂躙するのが好き。 |
| 「R」 私の友人。犬より猫が好きという理解しかねる人種である。常に私と争っている。どんな文明にも手を出す節操なしの上に猫好き。家ではLANを組んでおりネットワークゲームを電話台無しで対戦可能。 |
| 某月某日「出会い」 |
| 「TAY君これやってみ」 友人が勧めてきたゲーム、それがエイジ・オブ・エンパイア(以下AOE)だった。 「気に入った文明を選択して、それを進化させながら他の文明を滅ぼすの」 征服系シミュレーション。私の好む分野である。しかも、洋ゲーのくせに大和文明があるではないか。これは日本で世界を蹂躙せよとの天の声に相違あるまい。いやや上にもやる気は高まる。 「だろ? TAY君こういうの好きだろ。」 …‥この反応を予期されていたのは気にくわないが、この際気にしない。 |
| 同日「のどか」 |
| ゲームを開始すると「街の中心」という建物と「町の人」がいる。 「まず、建物の作り方から教えるね。右クリックで人を選択して、このコマンドを実行するんだ」 おお、人が家を建て始めている。動きがなかなか細かい。 「そしたら次は人を増やすんだ。こうして獲物を選択すると…‥」 ふむ、人が狩りを始めた。しばらくすると肉を持って町に帰ってくる。食料が10増加する。 「食料50で人が一人つくれる。で、人が増えたら木を切らせて建物を建てる」 なるほど、そうやって文明を育てるわけか。しかし、リアルタイムシミュレーションだというのに狩りや漁、家を建てたりとのどかなゲームだ。 「初めのうちはね。文明が発展して青銅の時代ぐらいになると大変になるよ。僕は平和な方が好きなんだけどね」 |
| 数時間後「戦い」 |
| 操作も覚え、何度かのゲームで敵文明も滅ぼせるようになってきた。 「そろそろ対戦してみるかい?」 もちろんだ。猫好きなどに私が負けるわけがない。 「なんだと。猫を馬鹿にしやがったな。お前なんか、猫より犬が好きな変態のくせに。」 ふん、犬は犬だから良いのだ。 |
| 数分後「文明選択」 |
| 「せっかくだから、俺はこの大和の文明を選ぶぜ!」 ふん、面白い。どちらが大和文明使いとしてふさわしいか証明してやろう。 「CPUは2プレイヤー分いれるよ」 こうして、私とR、CPU2人の戦いは始まった。 |
| 少し後「序盤」 |
| いつも通り狩りで食料を増やし、人が12人になったところで道具の時代に進化する。いい調子だ。相手の本拠地も斥候で発見済み。すでに居場所がばれているなど、Rは夢にも思うまい。 |
| 1時間後「接触」 |
| 青銅の時代へと進化。鎧と武器の開発を始める。これで5騎ほどの騎兵で攻めればR文明は全滅、晴れて犬の優性が証明されるわけだ。とりあえず、試しに1騎送り込む。 楽勝。戦のホラ貝が鳴るたびに人を斬り殺してゆける。いい気分だ。しばらくして騎兵はやられてしまったが、相手にかなりの打撃を与えた。そろそろ騎兵の生産も終わっている頃だ。早速本格的に攻めるとしよう。 |
| すぐ後「全滅」 |
| 本拠地に画面を切り替えると…‥なにもない! いるのはCPU兵士のみ。なんということだ!Rを滅ぼす前にCPUにやられるとは! そのCPU兵士もしばらく後に来たR兵に殺されていき、天下はR文明のものに。 |
| 次の日「戦後」 |
| 「これで猫の優性は証明されたわけだ。」 馬鹿な。ゲームごときで犬の偉大さをはかれるわけがない。いや、それ以前に私はお前に負けてはいない。CPUに負けたのだ。今日の所はお互いに引き分けだろう。 「じゃあ、そういうことで俺の勝ちということにしておいてやろう。じゃ、もう一回やろうか」 今日は疲れたから寝る。続きは明日だ。 |
| 数日後「購入」 |
| 約1万円。AOEの値段である。PC用ゲームは高い。 「なんでそんな高いの買ってきたの?」 うむ。つまり、強敵に勝つためだ。遊びに行ったときは引き分けだったが次は勝たなくてはいけないのでな。 「お兄ちゃん負けてきたんだ」 …‥そんなことはない。 |
| 「訓練」 |
| 突然だが、CPU強すぎ!キャンペーンモード難しすぎ!しかも実戦で役にたたなそうな事ばかりを要求してくる。練習用の(不十分な)シナリオ以外は圧倒的勢力の敵を撃ち破るシナリオか、ルーチンワークを要求するシナリオどちらかしかない。ふざけるな!私はもっと段階を踏んでうまくなりたいのだ! 少し戦闘ができるぐらい基礎訓練が終わった瞬間に極めて不利な状態から戦争して勝てというシナリオに。せめて対等な条件で戦わせて欲しい。開発者は何を考えてこのモードをつけたのだろう? それでも気合いで全て解いてゆく。1日3時間以上のプレイの末、大和以外のキャンペーンをクリアすることに成功。洋ゲーはシビアが基本だが、ここまで来るとクリアしている者がいることすら疑わしい。 CPUは初心者に優しくないので、初心者から脱するまでにかなり厳しいことになることは請け合い。私の友人もゲームに合わなかった者が半分、キャンペーンで挫折した者がだいたい半分、結局1人しか残らなかった。PCでなければクソゲー評価を受けているだろう。いや、対戦がなければPCでもクソゲーと言わざるをえない。 |
| 数ヶ月後「再戦」 |
| ふふふ…‥今日こそRに犬こそ至上の生き物だということを教えてやる。 「馬鹿め、犬が猫に勝てるか!」 まず文明の選択である。私は大和、向こうは漢文明となった。なかなか嫌な選択ではあるが、大和文明の方がやや有利だろう。 |
| 30分後「新作戦」 |
| 30分程度で道具の時代に進み、斥候兵を4騎つくる。武器・防具も持たせる。CPU戦では斥候兵は戦闘には向かないが、対人戦ではちまちまと町の人を殺すことができることを発見。R文明の人を殺しに行かせる。 斥候は足が速い。それを生かして町の人を攻撃しては逃げるのだ。それをひたすら繰り返す。それだけで町の人は混乱し、数を減じ、発展の効率は極めて悪くなる。少々せこいが有効な手段ではある。 |
| 数分後「勝利」 |
| 作戦は成功。R文明の人間はかなり殺され、斥候兵は帰還してきた。 「あんな事やられたらなにもできないだろ!」 Rの今にも泣き出しそうな叫びが聞こえる。いい気分だ。 そしてRが青銅の時代に入る前に攻め込み、騎兵で町の中心を壊滅させる。 勝った。あとはCPUを全滅させるだけである。建物が残っている限り滅亡にはならないが、塔(敵を矢で攻撃してくれる建物)をたてておいたからそのうち全滅するだろう。 |
| 2時間後「殲滅」 |
| CPUに手間取ったもののようやくほぼ壊滅させることができた。残るは残党狩りのみ。やはり圧倒的勝利は気分がいい。 と思ったそのとき、本拠地が急襲を受ける。あの弩弓部隊の色はR文明!?なぜだ! 「ずいぶんCPUに時間を食ったようだな。俺は別の所に拠点を移して力を蓄えていたのだ」 CPU狩りに兵士が出払っていたため町は壊滅。残り兵士も補給がきかないためにやられて減るのみ。 悔しいことに再戦は私の敗北に終わった。 |
| すぐ後「3回戦」 |
| 納得がいかん、もう1回だ! 「いいだろう」 今度も私は大和文明。向こうは…‥エジプト文明!?エジプト文明は聖職者(宗教で敵を洗脳して寝返らせることができる)が強い。私が苦手とする文明の1つだ。どうやら向こうも本気になったらしい。 「適当に選んだだけなんだけどね。」 私が本気といったら本気なのだ。 |
| 1時間後「戦闘」 |
| 聖職者はできるまでに時間がかかる。よって、R文明は攻めてくるまでに時間がかかるはず。この予測を元に私は本拠地の防備を全て捨て、ひたすら文明を育てることに全力を尽くした。 町の人を20人作り、武装を強化せずにひたすら青銅の時代まで突き進む。騎兵ができたところで即座に部隊を組んで攻め込んだ。 |
| 10分後「今度こそ勝利」 |
| 10分後、R文明は全滅していた。もちろん、今度は完全に叩き、復活できないまでに。 「あんなので立て直せるかよ!」 めでたく私の勝ちだ。意外なほどの楽勝。しかし、とある事情によって4回戦不可能となり、ゲームは終わった。 |
| しばらくして「その後」 |
| あれからも訓練を続け、全ての文明が使えるようになった私は対戦相手を求めてこのゲームを広めることにした。そもそもこんな面白いゲームを広めないのは間違っている。布教開始。 弟「お兄ちゃんのやるゲームクソだからやんない」 Iさん「俺には合わなかった」 F君「面白いけど、TAYほどに極めなくてもいい」 K君「1人用クリアできないから返す」 Tさん「難しそうだからいいや」 何故だ!?何故みんな避ける。少し間口は狭くても面白いのに!仕方がない、こうなっては聖地(電話代無しで対戦できるR宅)に行くしかない。 「あっ、TAY君。」 私たちの間に言葉はいらない。AOEで対戦だ。 「ごめん、AOE最近やってないんだ。ACで対戦しない?」 何故だ〜! |
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