1960年代のFender JAGUAR。
さすがヴィンテージ、貫禄あります。

依頼内容は、なんかビビるのとピックアップ高さ調整ができないので見てほしいとの事です。

ちょっと弾いてみるとビビるのは特定のポジションではなく、全体的にビビります。

ブリッジをよく見ると、ミュート機構とボディの間に何か挟まっています。
これによってブリッジが持ち上げられ、ブリッジ高さ調整のネジがボディ側の受けから浮いてしまい、ビビりが生じていました。

ブリッジとミュートを外すとガムテープを折り畳んだ物が挟まってました。

ミュートは使わないとの事なので取り外しました。

次にナットを調べると、ここにも何か挟まってますね。

取り外すと紙が入ってました。
接着剤もたっぷり＆ナット自体もガタガタで指板と密着してません。
ナットは要交換ですね。

ナット溝に残った接着剤を取り除いてきれいに整えます。

牛骨のブロックを削り出して接着。
底面のアールは指板側と密着するように削ります。

接着後、上面を大まかに削り、弦溝を彫ります。

弦を張って微調整が済んだらナット上面を仕上げ、最後はコンパウンドで磨いて完了〜。

ネック・エンドには日付けのスタンプが。

トラスロッド・ナットは一旦取り外して磨きあげ、 ネジ部にロウを塗っておきます。

この一手間で調整がしやすくなります。

ピックアップを外すと、高さ調整用のスポンジゴムが完全に固まっており、炭のように変質してました。
これは交換ですね。

フロント側は。。。

ん？

何か入ってるぞ！

なぜか古いチラシが折り畳まれて入ってました！
これでピックアップの高さ（角度？）を変えようとしたのかな？

開いてみると原由子ソロLPのチラシでした。
昭和56年、裏側はレコード針のナガオカの広告ですね。

このチラシは外したパーツと一緒にオーナー様へ渡しておきました。

その他電気系も洗浄し、組み上げて完了です。

歯切れの良い音が復活しました！