Del Vecchio フレット交換など

またしても珍しいギターが登場!
ブラジルのDel Vecchio(デル・ベッキオ)というメーカーのリゾネーターです。

チェット・アトキンスが使用していた事で有名(らしい)。

本来はナイロン弦を張るそうですね。
ネックのグリップはクラシック・ギターのようにワイドで、指板アールもほとんどフラットなタイプ。

今回の修理内容はフレット交換と、スチール弦にするためナット交換。その他調整。

なかなか素敵なルックスですね!
ボディはハカランダの合板だそうです。

指板もハカランダ。
木目のうねりがが特徴的です。

でも狂いが出ていて、指板が波打ってますねー。
弦高が高くて、ちょっと弾きづらいです。
オーナー様はスライド奏法はしないそうです。

弦高を測った後、分解していきます。

リゾネーター・コーンを外してびっくり!

共鳴用の長いスプリングが4本入ってました!

ネックからボディエンドまでつながっている補強材にはなぜか装飾が。。。(笑)

ヘッドのつき板が剥がれていたので、再接着しておきました。

フレットを抜いて、指板を削って修正します。

このネックにはトラスロッドが入っていないので、弦を張った時の状態を想定し、あらかじめ少し逆反り気味に調整しておきます。

フレットを打ち込み、両サイドに飛び出た余分をカット。

フレット端部を削り揃えた後、頂点のすり合わせを行ないフレット高さを揃えます。

そして専用のヤスリで頂点の形状を整えます。

フレットのエッジは1本1本ヤスリで面取りをします。

これにより指への引っ掛かりを軽減し、弾き心地が向上♪

サンドペーパーでヤスリ痕を消して。。。

スチールウールで磨きあげます。

フレット交換完了〜!

ナットもスチール弦に合わせて製作し、交換。

ブリッジサドルは頂点を削り取り、整形。

オクターブ・チューニングが合わなかったので、サドルの頂点がボディ・エンド寄りになるように加工しました。

本当は更にブリッジ・ガードが付くんですが、欠品。

ドアの取っ手みたいな形状なので、現在似たような物を探しているところ。

作業完了〜♪
(最初の写真と見た目は変わらないですが)

内蔵スプリングはあまり効果がないような。。。(笑)

もう少し線の細いスプリングにするか、コーンとスプリングが連動する構造ならいいと思います。

しかしこのデルベッキオ、日本に何本くらいあるんだろうね。

その後1年ちょっとが過ぎ。。。

オーナー様の御要望により、フレットをジャンボサイズに再交換(前回はミディアムサイズ)。
細かく調べると元々のフレット位置がおかしかったので(要するにフレット音痴ね)フレット溝を全部埋め、正しい位置に溝を切り直してリフレットしました。
また、矢印のように1,2弦の指板を24フレットまで延長しました。

これで理想のスタイルになったそうです。

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