GRETSCH アニバーサリー ネックリセット

ヴィンテージ・グレッチは、ネックジョイント部分がウィークポイントですね。
弦に引っ張られてネックが起き、ネックとボディの境目に隙間が生じた個体が多いです。

ネックを外してみると、ダブテイル・ジョイントの加工が雑!
で、隙間にマホガニーの薄板を挟み、ニカワでムリヤリ接着してある感じです。
これだと経年変化でガタがでるのは当然ですね。

このギターは輸送中の衝撃でヒール部分のまん中から折れて、ネックが取れてしまったそうです。

ダブテイル部分に残った古い接着剤などを取り除いたのがこの写真です。(折れたヒール部分は接着しました)

木部は全く削ってないのにこの形状!
この個体は特にヒドイですが、ヴィンテージ・グレッチは非常に大らかな加工がされています。
どう考えてもおかしいですよね。これでは上手く接着できる訳がなく、ガタガタです。

このままでは使えないので、いびつな部分を切り取ってしまいます。
そこにメープル材を貼り付け、ボディ側とピッタリ合うように削ります。

最終的には、接着してない状態でネックを持ち上げるとボディも持ち上がるくらいに仕上げます。
同時にボディとの中心線が揃い、仕込み角度も適正でなければいけません。
高い精度が要求される作業です。

このあとリフレットを行ない、接着をします。

また別のアニバーサリーですが、こちらも重症!
ボディ側も破損しています。

外れてしまった部分を接着しても強度が出ないと判断しました。
この部分はきれいに取り去り、メープル材で新たに作る事にしました。

力のかかる部分でもあるのでビスも併用して接着します。
周辺のバインディングはボロボロ崩れて大部分が欠損していたので新しく入れ直しました。

ネックを接着した後、補修した真っ白なバインディングを周囲のバインディングと馴染むように塗装しました。
激しく汚れた感じを再現してみました(笑)

無事に復活しました!

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