++ 跡部先輩のメール講座     レッスン2 ++















 ピロリピロリ♪

 

 
 15分ほど経過した後、再び着メロが鳴りました。
 今か今かと携帯を握り締めていた跡部さんは、メロディが鳴り止む前にメールボタンを押しました。
 何を慌てているのか、強打です。

















 FROM: 

 SUB:  
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 めーるとどいてますかあとべせんぱい 
 




 









 



 どこの小学生が送ってきたのでしょうか。





 オールひらがなです。
 「メール」すら「めーる」です。
 しかも句読点もスペースも一切使われていないため、読みにくいことこの上ありません。
 ずいぶんと時間を要した割には、妙に短文なあたりも気になります。
 

 
 これはまたしても教育的指導か、と思われるような一品ですが、跡部さんは苦笑いを浮かべるだけでした。
 おかしな文なのも致し方ありません、なにしろ彼女は初心者なのですから。
 







 TO: 

 SUB:Re:  
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 一応届いてた。仕方ないからこのへん
 で許してやる。変換の仕方は明日教
 えてやるよ。今夜はもう寝ろ。
 
 





 
 まだまだ学ぶべき余地はありそうですが、さんの努力を汲み取ってあげたようです。 
 出来の悪い子ほど可愛いとはこういうことなのかも知れませんね。