結局跡部さんがさんに用意したのは、カルティエでもなくブルガリでもなく小さな紙袋につつまれた可愛いヘアピンでした。
本当は指輪でも買ってやろうと思ったのですが、贈り物は自分ではなく相手の気持ちのレベルに合わせて、という厳しくも的確な跡部母のアドバイスによりプレゼントの格を渋々下げたのです(それでも十分高価なブランドのヘアピンです)

受け取ったさんは、このプレゼントに大喜びでした。
ええ、もう、散々部員から脅されていたので、色んな意味で大喜びです。
純粋に嬉しいのもありますが「すごいもんじゃなくて助かった」という安堵の想いも多く込められています。
 
そんなさんの姿に「こんなもんでそんなに喜んでんじゃねーよ」なんて言いながら、跡部さん、なんだかとっても嬉しそうです。

プレゼント贈る方も贈られた方もにこにこと笑顔。
なんて素敵なホワイトデーでしょう。
 
いやあ、何も知らないってことは幸せですね。