
| 犬のしつけは、一般に同じ行為の反復とほめる、しかるの三要素を上手に組み合わせながら行うものです。 具体的には、まず合図となる言葉や動作を示しながら、最初は手とり足とりして教え、これらを何度か繰り返しながら、犬の理解やのみこみに応じて、手とり足とりを少しずつ減らし、ついに言葉や動作だけで、犬がその行動をとれるように進めていく、というのが基本です。 このとき、飼い主の意志を伝える言葉の信号を訓練用語では「声符」、動作による合図を「視符」といいます。 しつけには、犬が理解してすぐ実行できるものと、なかなか理解しにくいものがありますが、いずれにしても、こうした犬の教育で大事なことは、犬の習性や本能、あるいは知能を良く理解し、無理のないしつけを、犬にわかりやすい方法で、飼い主の意志を十分に伝える、ということがもっとも大切です。 |
| 犬が十分なついていること |
しつけを始めるにあたって犬が飼い主に十分なつき、親和がとれていないと、うまくいかないものです。これは、日頃から犬の面倒をよくみて、愛情をそそぐことです。このようにして子犬の時から育てた犬ならまず問題はありません。 |
| 「ほめる」と「しかる」ははっきり表現する |
「ほめ」と「しかり」は、犬にわかりやすいように、はっきりと示してください。これはタイミングをのがさないよう、よい行動、悪い行動をとったとき、その場で、すぐ与えることが鉄則です。時間がたつほど、犬はその行為と関連づけて飼い主の意志を理解する事が困難になるからです。また、ほめているのか、しかっているのか、わかりにくい意思表示も効果的ではありません。 |
| 多くほめ、少なくしかるようにする |
しかることが、ほめることより効果的だ、と考えるのは間違いです。しつけや訓練の多くは、できるだけほめることを多くして、しかることをあまり与えなくても、犬がどんどん覚えていくよう工夫しながら進めていくのが上手な方法です。うまくほめると、犬は喜び、やる気もひきだせます。 |
| しかっても、感情的に怒らない |
しつけで犬をしかる時、怒った態度を示すのは必要なことです。しかし、感情的に怒ってはいけません。イライラするときは、ひと呼吸おいてください。犬がわかってくれないのではなく、あなたの意志が犬に通じていないのです。短気をおこして、どなったり、感情的になっては、犬の信頼を失うだけでなく萎縮した、いじけた犬になってしまいます。 |
| しつけは厳格な一貫性をもつこと |
| たとえば、犬の同じイタズラに対して、しかったり容認したりといった、気まぐれな態度がもっともいけません。しつけは、いつも一貫した厳格な方針と愛情をもって、はじめてうまくいきます。そうでないと、犬のほうでもどうしたらいいのか理解できません。 |
| しつけは犬の発育に準じて教えていく |
人間もそうであるように、犬の成長過程にもそれぞれ段階があります。ですから、しつけも犬の知力や習性の発達に応じて、時期を逸せず教えることが肝要です。 たとえば、排便のしつけは、子犬がよちよち歩くようになれば始められますし、無駄吠えをやめさせるにも、子犬が未知のものに警戒心をもち、吠えはじめるようになる時期から教えるなど。このように発育に応じてしつける効果は絶大で、わずかの努力で最大の効果を得る秘策といえましょう。時期を逸してもたいていのしつけはできますが、それだけ飼い主の努力と根気を要する、というわけです。 |
| しつけは家族の協力が大切 |
| たとえば、悪い事をした犬を叱っても、家族の誰かが同情したり、甘やかしては効果も半減します。しつけには家族全員の協力と理解が何よりも大切となります。 また、実際にしつける時は、犬と主人だけの落ち着ける環境のほうが、犬は集中できます。他の人がそばで見ていても、声をかけたりしないで、静かに見守るだけにしてください。 |
| 長時間のしつけは禁物 |
犬がうまく覚えないからと、一度に同じしつけを長い時間行うことはよくありません。犬を飽きさせ、嫌悪感を抱かせるだけです。はじめは一日に多くても10分か、せいぜい20分ぐらいの短時間内にとどめるようにしましょう。 また、しつけや訓練は、遊びとはっきり区別します。しつけ中に犬がじゃれついてきたり、仰向けになって応えるようなことは、許すべきではありません。遊びはしつけがうまくいったときのほうびとして、とっておくことです。 |
| いつも同じ動作や言葉を使う |
これも大事なポイントです。飼い主が用いるしつけの言葉は、犬に送る信号であり、合図となるものですから、これが一定していないと、犬になかなか伝わりません。たとえば、ほめるときにヨシ、ヨシといったり、オリコウといったり、あるいはイイコなど、まちまちでは困ります。家族でどれにするかを決め、その言葉だけを使うようにすべきです。これは動作についてもまったく同じことがいえますので、言葉と共に同じジェスチャーを示すようにしてください。 |