雲ノ平 高天原 難易度 中
折立から入山太郎平、薬師沢、雲ノ平、高天原、祖父岳 同ルートを下山 テント泊 装備重量 25キロ 2009年8月24日から28日 テント4泊

ルート解説 :岐阜県の折立から太郎平、薬師沢、雲ノ平、高天原温泉、祖父岳と巡り折立へ戻る4泊5日の縦走です。北アルプスの最深部黒部川の源流域は周りを北アルプスの高峰

に取り囲まれた本当の秘境です。どこから入山しても3泊以上しなければ行く事は出来ません。雲ノ平に行くには稜線を縦走して黒部五郎岳を経由するダイアモンドコースと、薬師沢に

下りて渓谷を登るゴールデンコースがあります。今回はゴールデンコースを行きます。

初日 折立入山口−きつい登り2時間−三角点ベンチ−段差の多いきつい登り1時間半−五光ベンチ−ゆるい稜線歩き1時間半−太郎平−平坦な稜線25分−薬師平キャンプ場

合計7時間

2日目 テント場−25分−太郎平小屋−尾根の下り1時間20分−左俣出合橋−ゆるい木道の下り1時間−薬師沢小屋−吊橋を渡り岩だらけの急斜面2時間半(難所)−木道−30分

アラスカ庭園−平坦な木道1時間−雲ノ平山荘−木道−30分−雲ノ平キャンプ場 合計9時間

3日目 テント場−30分−奥の平分岐−30分−電波塔−岩の多いゆるい下り30分−森の小道看板−急傾斜の森の坂道1時間−高天原峠の看板−平坦な山道1時間−高天原山荘

沢筋の下り25分−高天原温泉−30分−高天原山荘−5分−岩苔乗越分岐看板−森の登り1時間−水晶池看板−山腹のややきつい登り2時間半−岩苔乗越分岐−稜線のゆるい

登り40分−祖父岳山頂−小石のガレ場の下り20分−木道の分岐− 木道30分−雷岩分岐−木道10分−雲ノ平キャンプ場 合計13時間

4日目 テント場−木道20分−雲ノ平山荘−木道1時間−アラスカ庭園−木道を30分・岩場の急坂(難所)1時間半−薬師沢小屋−木道のアップダウン1時間20分−左俣出合(橋)−

木道30分−2本目の橋−急な尾根筋の登り1時間−太郎平小屋−30分−薬師平キャンプ場 合計9時間

5日目 テント場−30分−太郎平小屋−稜線の下り1時間−五光ベンチ−草原の下り1時間−三角点ベンチ−森のやや急な下り1時間20分−折立 合計5時間

富山県の有峰湖の有料道路を行

き、折立から入山します。

キャンプ場の向かいの広い駐車場

に車を止めて、折立ヒュッテ脇の広

場に入山口があります。

ここには清水の水道がありますが、

どこも「生水は飲めません」と、看

板に書いてあります。

入山口のすぐ奥に薬師如来をまつる石塔が建っています。

太郎坂という森の階段状の急坂で始まります。

しばらく登るとアラレちゃんの看板。段差のある急坂を登る事2時間。

視界が開けベンチがたくさん並んだ三角点のある丘に出ます。

道はオオシラビソやコメツガの森のアップダウンがしばらく続き、次は石

が敷き詰められた、低草木の林のアップダウンを繰り返し1時間半。

石畳のような見晴らしの良い丘陵に出ると傾斜はゆるくなり、見通しが

利く坂の途中にベンチがあます。雲間に薬師岳が頭を見せます。

ここから先は稜線歩きが続き、太郎山や薬師岳、さらには立山まで

見えてきます。

約1時間半登ると五光岩ベンチという看板のある休憩ポイント。

このあたりまで来ると標高は2,100mを越え、緩やかな丘陵が続く気持ち

の良い1時間半の登り。木道になると太郎平はすぐそこです。

トータル5時間のコースを休憩を入れて6時間半かけて、ようやく稜線に太郎平小屋が見えてきました。

今回はテント4泊なのでザックの重量は26キロ。装備が重いと休憩も多くなりますのでまずまずのタイムです。

ただし目指す薬師平のテント場までは、山荘からさらに25分かかります。

とりあえず太郎平小屋で休憩して日が落ちる前にテント場まで行くことにします。

テント場の受付は太郎小屋でもできますが、現場に薬師平小屋から受付の人が来ていますので、6時までに

入れば現場で申し込みが出来ます。

薬師平キャンプ場は鞍部のゆるい傾斜地にあり、管理棟兼休憩所の建物の横の道を少し下ると水洗トイレと清水がいつも出ているコンクリートの流し台があります。

管理の青年に天幕料1人500円を払って、明日行く薬師沢の状況等をたずねます。

薬師沢は増水すると沢筋の大東新道は危険なので、注意が必要です。この日の情報は8月31日で雲ノ平山荘が改築のため閉鎖という事。登山道は支障はないとの事。

2日目

朝4時過ぎに起きて朝食を済ませて6時前に出発。まずテント場から急坂を登って太郎平に向かいます。平坦な草原に木道が続き、お花畑が広がりチングルマが咲き乱れています。

30分弱で太郎平小屋に着き小屋の横を抜け稜線の道に出ます。前方に北ノ俣から黒部五郎に続くダイアモンドコースが見えます。目を転じると雲ノ平の向こうに赤牛岳、水晶岳、鷲羽岳

の等がかすんで見えます。5分ほど歩くと薬師沢への分岐があり、左に行くと谷に下る急坂が始まります。石の多い坂を気をつけながら下り、30分もすると眼下に中俣の沢が見えてきます。

最初の橋を渡ると道は木道になり、

軽いアップダウンを繰り返しながら

雑木林の中を歩いて行きます。

3つ目の橋が左俣出合。

ここまで1時間半。

小休止をするのは少し先のベンチ。

草原の中の平坦な木道を1時間。谷間に小鳥のさえずりが響き渡り、時折風が吹き抜け心が癒される楽しいトレッキングです。

ところどころ木道が切れて岩の多いアップダウン。沢を渡り、切り株のベンチがある森を抜け、また開けた木道。このあたりはカベッケヶ原といいます。

木道が終わり、深い渓谷のやせ尾根の急坂になると、5分ほど降りると薬師沢小屋の赤い屋根が見えます。

薬師沢小屋は黒部川の奥の廊下と薬師沢の合流地点にあり、薬師沢出合と

いいます。 岩棚の上に建てられた小屋とテラスの先に釣り橋が架かって居ます。

小屋の入り口の水槽に缶ビールやジュースが冷えています。「のどが渇いたー!」

小屋のテラスに座っていた笠ヶ岳から雲ノ平をぬけて縦走して来たという青年と話

をして、ラーメンを食べてしばし小休止。ここのラーメンはなかなかおいしい。

わざわざここまで釣りに来る人や、黒部の沢登りをする人も訪れます。

エメラルドグリーンの美しい川底にイワナの魚影が見えます。

ここからいよいよ雲ノ平に登ります。吊橋は足元から川底が見えスリル満点。

行く手に最大の難所、湿った岩のごろごろした2時間半の急登坂です。

気を引き締めてアタック開始。ルートは橋を渡り鉄梯子を降りて対岸の滝をぬけた

河原に分岐があります。

急な岩場を登ると雲ノ平、川沿いに行くのが高天原峠にぬける大東新道。

薬師沢出合の登りは湿気が多い急斜面で、大きな岩には苔が生えていて結構

滑ります。斜度45度以上の登りが2時間続きます。

早朝出ると時間的にも空腹になる

時間。坂の途中で休んで食事を

する人もいます。

我々も半分位登った所で、軽い

食事とコーヒーでエネルギー充填。

足が張り極端にスピード落ちる。

汗が滴り落ちて、上を見上げると

まだまだ登りが続いてる。

本当に疲れます。

傾斜がゆるやかになってくると、岩

が少なくなり深い森を木の根に気

をつけながら歩いて行きます。

木道が出てくると急坂も終わり。

30分程歩くと森が終わり、急に視

界が開け遠くに薬師岳や祖母岳、

黒部五郎が見える平原になります。

やがてアラスカ庭園という標識と木

のベンチがある広場に出ます。

ここが雲ノ平。難所を越えた後だけに感激もひとしお。重いザックを下ろしてベンチに座りコーヒーを入れながら景色を見ていると、聖域に足を踏み入れた感動が込み上げて来ます。

2人で「ここの住めたらなあ」などと話しながら、写真を撮り喜びを噛みしめます。 心と体が軽くなりすっかり疲れも吹き飛んでしまいました。

この日は天候が良く、薬師岳の奥に剣岳(上右)黒部五郎(下左)水晶岳(下右)など北アルプスの名峰が見えました。

標高2,500メートルの高原の素晴らしい景色を眺めながら平坦な木道を1時間歩くと、やがて雲ノ平山荘の屋根が見えてきます。(下右の写真)

高山植物が咲く草原と、庭園と呼ぶにふさわしい秘境の高原を歩くと、足が軽くなり予定よりもかなり早く山荘に着きました。

山荘越しに黒部五郎岳の雄大な姿が美しい。雲ノ平山荘でテント場の受付を済ませ、木道を20分ほど東に行くと丘を越えた向こうに雲ノ平キャンプ場が見えてきます。

テントが5張りほど見えます。奥に水洗トイレの建物。祖父岳の方に少し登った所に見える黄色いタンクのあたりが水場です。

夜になるとガスが晴れて、気温は低いのですが空気が澄んでいるので、これほどたくさんあるのかと思うほどの星が満天に輝いていました。

寒さも忘れて星空に見入ってしまう2人でした。 これで2日目は終了です。

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