鳳凰三山 地蔵岳 2,7649m 観音岳 2,840m 薬師岳 2,780m 難易度 中
広河原峠から早川小屋(1泊目)−高嶺−地蔵岳(2泊目)−観音岳−薬師岳−夜叉神峠 テント2泊 3人 装備 25キロ 2011年6月28日から30日 2泊3日
ルート解説 : 鳳凰三山の縦走は夜叉神峠や、御座石鉱泉、青木鉱泉から入山するルートがポピュラーですが、今回は広河原峠から早川尾根に登り南下するコースを行きます。

広河原峠も白鳳峠も他のルートの半分の時間で登る深い樹林帯の急登で、尾根まで3時間半。平均斜度30度を超えるきつい登りがずっと続きます。尾根からは稜線ルートでいくつも

ピークを超えて地蔵岳、観音岳、薬師岳と縦走して杖立峠を夜叉神の森まで下ります。長い行程ですので2泊3日で計画しました。テント場は稜線上の早川尾根小屋、薬師小屋、

南御室小屋と尾根を下った鳳凰小屋にあります。稜線ルートには水場が少なく入山口で大量に水を確保し、重装備での縦走になります。眺望は素晴らしく、北岳や仙丈ヶ岳、地蔵岳の

オベリスクなど見所がたくさんあります。

1日目 夜叉神の森 - バスー40分 - 広河原 - 林道を15分 - 広河原峠入山口 - 森の急登3時間半 - 広河原峠 - 比較的平坦な尾根道40分 - 早川尾根小屋 行動時間 8時間

2日目 早川尾根小屋 - 尾根道30分 - 広河原峠−樹林帯の急登1時間 - 赤薙沢ノ頭 - 樹林帯の急な下り20分 - 白鳳峠 - ハイマツ帯の急登1時間 - 高嶺 - 白砂の尾根道40分

-赤抜沢ノ頭 行動時間 8時間半

3日目 地蔵岳賽ノ河原 - 岩の多いゆるい登り道1時間 - 観音岳 - 稜線のアップダウン1時間40分 - 薬師岳・薬師岳小屋 - 巨岩白砂道からシラビソの樹林帯1時間 - 南御室小屋

- 樹林のるい登り30分 - 苺平 - 杖突峠の長い下り2時間半 - 夜叉神峠 - 下りの尾根道30分 - 夜叉神の森 行動時間 10時間

車は夜叉神の森駐車場に置いてバスで広河原まで行きます。川の向こうに北岳を望み南ア

ルプススーパー林道を北上します。40分で広河原アルペンプラザに到着。

林道を歩き白鳳峠入山口を過ぎて20分ほどで広河原峠の入山口に着きます。

西広河原沢という沢沿いに登山道があります。ここの沢で水を補給します。

砂防提を迂回し沢の右岸の樹林帯をつめて行きます。

倒木が多い30度以上の急登坂です。目指す広河原峠までは3時間半。

テント泊なので装備は20キロほど、6月の沢筋なので涼しいのですが、歩き始めるとすぐに

汗が噴き出しザックの重さが堪えます。小さな歩幅でゆっくり登ります。

登山道は歩きやすくしっかりしていますので、特別に注意する必要はありませんが、なにせ急登坂が最初から最後まで続きます。

30分毎に休憩を取りながらゆっくり5時間半かけて尾根まで登りつめました。

尾根には案内看板があり右が高嶺 鳳凰三山、左が早川尾根小屋 アサヨ峰とあります。

ここからはゆるい登りで、早川尾根ノ頭というピークの手前に早川尾根小屋があります。

見通しの効かない樹林帯を40分登ると、森の中に小屋がありその前の広場がテント場です。

この日はまだ小屋開けしていないので、中には入れますが小屋はしまっています。

水場は小屋のすぐ脇にあり、流し台に清水が流れています。

小屋から10分ほど登った所が2,463mの早川尾根ノ頭という目立たないピークです。

我々の他に3人パーティがテントを張っているだけでした。

10時に出発してテント場に着いたのが4時半、ゆっくり食事をして早めに休みます。

2日目

朝5時半に起きると昨日に続き天気は上々。朝食はパンとソーセージにコーヒーを落とします。小屋の横の登山道を早川尾根ノ頭まで登ると北岳も甲斐駒も仙丈も良く見えます。

昨日来た道を戻り広河原峠に下ります。

早川尾根ノ頭から仙丈ヶ岳。右はミヨシノ頭の向こうに見える甲斐駒ケ岳。

広河原峠の鞍部まで下りて、戻り登り返すと1時間で赤薙沢ノ頭。標高は2,553m 谷を挟んで北岳が良く見えます。

急な下りの先に白鳳峠の鞍部が見えています。テント場からここまで2時間弱。峠の木陰で長休憩。ここから次のピーク高嶺まではハイマツ帯のかなりきつい1時間の登りです。

白鳳峠は眺望も良く、御座石鉱泉から広河原に抜ける最短コース。地蔵岳から下りて来た4,5人の登山者も広河原まで下るそうです。

ハイマツと岩の急峻な道を登りきると360度の眺望。左から高嶺 赤抜沢ノ頭 観音岳 薬師岳

高嶺は2,778m。通ってきた稜線の向こうに仙丈と甲斐駒が見えます。
高嶺を下ると白砂の開けた稜線になります。もうひとつ赤抜沢ノ頭というピークがあり、目の前に地蔵岳のオベリスクが見えます。その先が観音岳。

やはりオベリスクは大きく、異様で存在感があります。

赤抜沢ノ頭は尾根の端のピークで地蔵岳の正面にあります。ここまで4時間弱の行程ですが撮影をしながらですので赤抜沢ノ頭で日が落ちてきました。次のテント場は鳳凰小屋ですが、

あと1時間かかりますのでこの日はここでテントを張る事にしました。

3日目

目覚めるとまたもや好天。食事を済ませ北岳の雄姿を撮影し、賽の河原を歩き回り充分に堪能して出発。

冒険好きなサブリーダーが空身でオベリスクに登りに行きました。上の方はかなり怖いそうです。ロープが残ってたそうです。
賽の河原から観音岳へは岩稜の登りで1時間強。その先薬師岳からはほとんど下りです。
薬師岳も山頂は平らで大岩がころがっています。山頂から白砂のザレた斜面を下ると薬師岳小屋です。この日は小屋を開けたばかりでした。

ここまで水場がないのでしばらく水を飲んでいなかったので喉はカラカラ。ペットボトルの水は500円。コーラも飲んで休みます。

薬師小屋の先に家くらいありある巨岩がゴロゴロした砂地があり、異世界に来た感じ。

ここが森林限界でその先は森に入ります。しばらく行くと鯨の頭のようなガマの岩という巨岩

があります。シラビソの森をどんどん下りかなり急な九十九折を谷めがけて下ると鞍部に

開けた南御室小屋が見えてきます。

南御室小屋は広いテント場があり、小屋の前にはいくつもテーブルがあります。清水も豊富でゆっくり休めます。ここで昼食のラーメンを食べ、またコーヒーを落として長休憩。

地元のおじさんがここまでコーヒーを入れに来ていて仲良くなりました。ここから下るというのでご一緒させてもらいます。

小屋からはちょっときつい登りで、苺平まで30分。この先が杖立峠という樹林帯の長い下りが続きます。1時間ほど行くと開けた場所に出ます。おじさんがここは昔山火事があった所と

教えてくれました。北岳や間ノ岳が良く見える景勝地です。その先は樹林帯で何も見えませんが、古くから歩かれた山道で深山の雰囲気があり楽しく歩けます。

3時間弱で夜叉神峠小屋に着きます。小屋はまだ営業していませんでしたが、開けたテント場があり白鳳三山が見えるこの周辺の森を散歩するのも楽しいと思います。

ここから車を止めた夜叉神の森までは40分ほど。3日目は10時間の行動でかなりゆっくりした行程ですが、天気にも恵まれ3,000m級の絶景も楽しめとても充実した縦走でした。

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