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残雪の湿原を抜け、コマクサの大群落が咲き乱れる砂礫の稜線を歩き2時間弱で平らな山
頂の南沢岳に到着。ここにも三角点があります。 |
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南沢岳山頂から南沢乗越までは、ややきつめの下りが続きます。ハイマツの帯の中にルートが延びています。根が入り組んで歩きにくい登りですが、稜線に出れば快適。
乗越から不動岳までは急なアップダウンが続きます。 |
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アップダウンを1時間くらい歩くと、不動岳稜線の登りになります。斜面を斜めにトラバースするように登ると、長い稜線の先にピークがあります。またコマクサの群落があります。 | |||||||||||||||
不動岳の山頂は砂礫に岩が点在する開けた所で不動沢の崩落が一望できます。ここで昼食を取り休憩。コースタイムでは3時間ですが、撮影や水つくりで6時間経過。
山頂の端に岩隗があり、その先から荒れた痩せ尾根の難路が始まります。 |
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山頂の長野県側は、不動沢まで崩落
していて標高差で1,500mあります。 崩落した稜線が、対岸に見える七倉尾 根までU字に続いています。 山頂から降りるとすぐに、クサリが架かった 大岩を下ります。 |
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ルートは崩落の反対側にあり、樹林帯の山道ですので恐さはありません。ただし急傾斜のアップダウンの連続で体力勝負になります。 |
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不動岳から船窪第二ピークの間には
無名のピークが2つあり、樹林帯の細 かいアップダウンを抜けると最初のピー クの登りで標高差は400m。 2つ目のピークから船窪第2ピークまで は鞍部まで40度近い下りで、登り返し はワイヤーとロープが張ってあるもろい 岩場。 ストックをしまって、三点確保をしながら 慎重に通過します。 こういう所が10箇所続きます。 |
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船窪小屋の親父さんが整備している難所。崩落した箇所にはロープが張られ、丸太の橋が架かっています。断崖絶壁ですが、足元を見て歩けば恐くありません。 | |||||||||||||||
船窪第2ピークが最高地点で2,499m。船窪岳の山頂はこの先ですが、標高はここより200m位い低く標識がないと通り越してしまいそう。
船窪岳のテント場は、船窪ピークを船窪乗越の分岐に下り、登り返した所にあります。この登り返しが最大の難所で、谷底まで崩落した80度位の斜面に丸太の橋がかかり、その先 の8mの垂直の岸壁にロープがかっています。足元だけを見てゆっくり通過します。写真は翌日時撮ったものですが、この日は船窪のピークに着く頃には日が沈んで真っ暗。 テント場に着いた時は11時を過ぎていました。 |
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登りきると道の脇にトイレがあり、その先にもう一つ新しいトイレとテント場の看板があります。 | |||||||||||||||
このテント場は昔船窪小屋が立っていた場所。10張り位の広さでとても見晴らしが良い場所。水場の看板がありますが、水場は斜面を10分以上下ってロープで降りた急斜面の沢。
看板に「暗くなったら行かないで」とありますが、確かに夜間に行くのは無理です。船窪小屋のおやじさんが薦めるおいしい水で、みなさんがんばって汲みに降りるようです。 船窪小屋ではここの水を毎日汲みに行っているそうです。小屋で500ml 100円で売ってくれます。 |
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3日目
テント場のすぐ上の岸壁に長いハシゴが架かっていて、登り切ると稜線向かってゆるい登りがが続きます。 |
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途中に分岐があり七倉、北葛、蓮華岳という看板があります。30分で船窪小屋が見えて来ました。 | |||||||||||||||
船窪小屋は針ノ木峠の廃道を復活したご主人と、料理の上手い奥さんの経営。奥さんの作る料理は山菜をふんだんに使った美味しい家庭料理。
食事はおいしく暖かいもてなしで、年に何度も訪れるリピーター登山者がたくさんいる人気の山小屋。 小屋の庭には目の前に、槍ヶ岳から北アルプス核心部、立山連峰まで見渡せる絶景が広がっていて、この景色を眺めるだけでもきついルートを登って来た価値があります。 庭先のベンチで休んでいると青年がお茶を持って来てくれました。これは今まで飲んだ中で一番おいしいお茶で、隣に座ってずっと山を見ている寡黙なご主人が、あの低い白いピークが 船窪岳だと教えてくれました。(上右の写真) |
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鐘を鳴らして見送ってくれる船窪小屋を後に、下山を開始します。七倉尾根は名だたるきついルートで、コースの半分以上は急傾斜の連続。
気が抜けない箇所も多く慎重に下ります。 稜線を下り最初の休憩ポイントが天狗の庭。眺めが良く高瀬渓谷や黒部の谷も見えます。天狗の庭までは小屋から30分。ここで昼食をとり休憩します。 明日から連休なので大きなザックを背負った男女が登ってきます。みなさん縦走の山屋さんでした。 |
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この先から尾根の下りになり、谷底に降りていくような急傾斜にハシゴがかかっています。通称鼻付き八丁(胸ではない)という急坂です。 雲が出て日差しはありませんが、汗が噴出すほど暑く、時々風が抜けると気持ちが良い。 |
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2時間半ほど降りると樹林帯の痩せ尾根に大岩があり、岩小屋という看板。 その先に唐沢のぞきという、木々の隙間から対岸の唐沢岳が見える場所があります。 看板には船窪小屋まで4時間。七倉まで1時間半とあります。 ルートはこの辺から九十九折の急斜面になり、もくもくと降りて行きます。 電力会社の看板や指標が所々にあり、わき道がありますが間違わないように歩きます。 傾斜がゆるくなると、樹林帯のアップダウンになり七倉まではもう一下り。 沢の音が大きくなりそろそろ着くかと期待しますが、谷はまだ深く何も見えません。 地図のコースタイムはやや甘く、小屋から5時間で入山口のトンネルに着きました。 |
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下山した2日後、ツアーパーティーの男性が船窪岳で滑落というニュースを見ました。確かに難所が連続するルートですから、登山スキルが高くないと危険かも知れません。 登りも下りもきついのですが、烏帽子岳や四十八池、コマクサの大群が咲く花崗岩の稜線など美しく荘厳な景観は、深く記憶に残るルートです。 リピーターが多いのは船窪小屋の人気もありますが、この山域はまた登ろうかという気持ちにさせる魅力があります。北アルプスでも最も人の少ない、自然を満喫できる良いルートです。 |
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