烏帽子岳 2,939.2m 南沢岳 2,610.9m 不動岳 2,418.3m 船窪岳 難易度 中高
ブナ立尾根を登り烏帽子岳から船窪岳を縦走。七倉尾根を下山 テント1泊 装備 25キロ 2011年7月13日から15日 2泊3日

ルート解説 : 高瀬川に沿って七倉から東電の管理道路が湯又まで続きます。この道路沿いに七倉尾根、ブナ立尾根、竹村新道という3本の北アルプス屈指の急登ルートの入山口が

あります。一番きついのが鼻付八丁という急坂がある七倉尾根。次が急坂とガレ場が多く、長丁場の竹村新道。最短のブナ立尾根は最初から最後まで急登。船窪岳から烏帽子岳、裏

銀座ルートに続くこの縦走ルートは入山者が少ないのですが、烏帽子田圃という高層湿原や、奇岩の山烏帽子岳など見所も多い玄人好みのコースです。烏帽子岳から船窪岳に至るル

ートは、傾斜のきつい長いアップダウンが連続する上に、崩落が激しく谷底まで切れ落ちた急斜面をワイヤーとロープでトラバースする箇所が数箇所。船窪岳直下には垂直に切れ落ち

た断崖に架かった丸太を渡り、垂直の岸壁をロープを頼りに登る危険箇所があります。行程も7時間以上でかなり厳しいコースです。

1日目 七倉山荘 - タクシー20分 - 高瀬ダムを渡り不動沢トンネル - つり橋を渡り不動沢キャンプ場を抜け40分 - 水場の入山口 - 鉄の階段のきつい登り1時間10分 - 権太落とし(大

岩)- 木の根が多いきつい登り2時間半 - 三角点 - きつい尾根道1時間半 - 烏帽子小屋 - 三ツ岳方面へ1分 - 烏帽子小屋テント場 行動時間 9時間

2日目 烏帽子小屋 - ゆるい登り20分 - 前烏帽子岳山頂−ゆるい下り10分 - 烏帽子岳分岐(山頂はここから10分) - 岩ゴロの湿地30分 - 烏帽子田圃(四十八池) - 開けたゆるい

り40分南沢岳山頂 - 稜線のアップダウン1時間半 - 不動岳山頂 - 針葉樹林帯のアップダウン1時間 - 無名ピーク(2,341m) - 長野県側が崩落したきつい痩せ尾根30分 - 無名ピ

ーク(2,290m) -痩せ尾根のきついアップダウン50分 - 船窪岳第2ピーク - 崩落した急斜面にワイヤー、ロープが連続する悪場のアップダウン40分 - 船窪岳(看板あり) - 急な下り30分

- 船窪乗越(分岐)- きつい痩せ尾根の登り40分 - 船窪テント場 行動時間 15時間半

3日目 船窪テント場 - はしごを登りゆるい登り20分 - 船窪小屋 - 見晴らしの良い稜線のゆるい下り30分 - 天狗の庭 - 樹林帯のはしごの多いきつい下り2時間半 - 唐沢のぞき -

十九折りの急坂1時間半 - 山の神トンネル出口(橋を渡るとゲートがあり七倉山荘) 行動時間 8時間

朝8時に七倉山荘に到着。すでにタクシーが2台客待ちをしていました。ゲート横のトイレの前に管理小屋があり登山届けを書いてポストに投函。

タクシー料金は1台1,900円(高瀬ダムが終点)。タクシーの運転手がこの辺の事を話してくれました。かってこの道路は鉄道だったそうで、昔は線路を歩いて山に入ったそうです。

高瀬川をつめると湯俣温泉があり、有名な噴搭もあります。急登の竹村新道を登れば水晶、鷲羽を越え雲ノ平へ。このルートも魅力的。

高瀬ダムまでは20分ほど。ダムの真ん中あたりがタクシー降車場で向こう岸にトンネルが見えます。

ここもかつてはトンネルはなく、峰を登って入山口まで歩いたそうです。今でもかつてのルートのなごりが見えます。 下山したらダムの端に赤電話がありタクシーを呼べます。

トンネルを抜けるとすぐ吊橋があります。橋を渡り林を抜けると河原に出ます。そこに小屋があり、横の広場がキャンプ場。さらに進むと濁沢の滝が見えます。

河原を進むとガイドロープが切れたあたりに左へ道がありますが、踏み後がまっすぐ滝に続いているので、間違える人が多いようです。案内看板はありません。

入山口は川を渡った向こうですが、地図にある釣り橋はなく(残骸の柱が2本立っている)丸太の橋を渡ります。その先に登山道の看板があり唯一の水場があります。

沢にまわり込み沢の水を汲みます。この先ずっと山小屋の販売するろ過した雨水しかないのでここで充分補給しましょう。

水場の横から登山道が始まります。最初は谷沿いの歩き易いゆるい傾斜の登りです。少し行くと急な斜面に鉄骨で組まれた階段がいくつか続きます。
谷の奥に続く良く

踏まれた道を登

っていくと1時間

強で大岩があり

ます。

ここが権太落シ。

ここから急登が始まります。道は良く整備されていますが、階段やハシゴがいくつも続き足腰に堪えます。三角点までは見通しが効かない樹林帯のきつい登りです。

登り始めて3時間半ほどで三角点のあるちょっとした広場に着きます。

ここで12時。お弁当を食べ30分の長休憩。

ここからがブナ立

尾根。

傾斜はさらにきつ

くなり大岩がごろ

ごろした尾根道

をしばらく登ると、

タヌキ岩という看

板の巨岩があり

ます。

時々視界が効き見通せる場所がありますが、稜線はまだ遠くひたすら急坂が続きます。比較的道が整備されてるのでペースが掴み易く、疲労感はそれほどありません。

三角点から1時間半。尾根を登りきると森の中に烏帽子小屋の看板が現れます。

下った先に小屋が見えます。こじんまりとした山小屋でご主人が暖かく迎えてくれます。

テント場は小屋の前を通り、ヘリポートの看板を過ぎ三ツ岳が見える場所にあります。この日は連休前で単独で白馬から縦走してきたという男性が一人だけ。

10時に登りはじめて烏帽子小屋のテント場に着いたのが5時半。休憩も入れて7時間半。装備が重いのでかなりゆっくりしたペースでした。

ここは水場がないので、明日以降に備えてテント場の残雪で飲み水を作りました。

2日目

テント場からは目の前に三ツ岳。さらに野口五郎岳から裏銀座に続くルートが見えます。陽が登りテントも乾いたので8時に烏帽子小屋を出発。

昨日登ってきた小屋の先の分岐の看板を烏帽子岳方面へ。

巨岩の横を抜けると視界が開け、前烏帽子が目に入ります。花崗岩の砂礫の登山道が続いています。

前烏帽子の山頂までは20分ほど。山頂からは眼前に烏帽子岳、薬師岳から立山に続く稜線も真近に見え絶景が楽しめます。

前烏帽子の山頂から下った鞍部に烏帽子岳への分岐があります。烏帽子岳は切り立った岩峰でいくつもロープがかかっていて、ちょっとしたクライミングをして山頂に立てます。

この日はまだ先が長いので烏帽子岳はパスして先に進みます。 山頂を巻いて続くヤブの中の窪地を進みます。まだ残雪があり木の根や岩を越えて、トレースに沿って進みます。

雪が残っているとルートを見つけるのに苦労しますが、明瞭な道がありますので良く見極めて慎重に進みます。

烏帽子田圃、四十八池と呼ばれる高層湿原は小さな池塘が点在する美しい所。7月でも残雪が残り、池塘も見えず花も咲いていません。初秋が一番美しい時期です。

ここまで小屋からは1時間。残雪を溶かして水をつくるために一休み。ガスが流れて来ますが、天気が良く気持ちが良いのでゆっくりしてしまいました。

この長めの休憩が後から響いて、後半が大変になってしまいます。

<<戻る 次へ>>
Copylight by Studio Canna. All right reserved. since1997〜 このサイトはリンクフリーです。