((シュヴァルツシルトV TRUTH))

グラフィック★★★
サウンド★★★☆
シナリオ★★★
システム★★★★
総合60点


はじめに
古くからシュヴァルツシルトシリーズで有名な企画堂(KOGADO)スタジオのねこさんちーむ。 本作はその3作目にあたるシュヴァルツシルトV〜惑星デスぺラン〜(以下旧作)のリメイク版。ちなみに自分が 購入したのはその廉価版ですが。
ストーリー

かつて人類が栄華を誇った第一次銀河帝国が崩壊し、人類は中央星域へと引き上げていった。 人類は辺境聖域において現地種族の理解を超えたハイテクノロジーを残し、彼らは人類が去った後、 その技術を利用することにより星間国家を造っていった。ガーディナル星域もまたそんな辺境であった。

混迷の只中にあった人類圏は、戦乱の末第二次銀河帝国を成立させ、それは短命に終わることになる。 ガーディナルの各種族は安堵の色を隠しきれずにいた。 なぜなら彼らにとって人類の能力は驚愕と尊敬に値するものであったが、同時にその領土的野心は脅威でもあったからだ。

不安をよそに人類中枢銀河が安定し始めると、人類は再び生存圏の拡張に乗りだし、その一部がガーディナル星域にも入る。
各種族は困惑した。
確かに今の生活は人類のおかげである。が、人類をこの星域に受け入れたら再びこの星域は彼らの手に渡ってしまうのでは・・と。
星域では親人類派と反人類派に分かれ、長い意見調整の末、多数の条件の下、人類の受け入れに賛同した。こうして成立したのがパーシオン共和国、アプリオン共和国である。
ガーディナル星域の情勢が大きく変わる前夜であった。



各種システム
宇宙戦略SLG。DOS版ででたもののリメイクというよりはリファインに近いかも。 グラフィックが改善され、シリーズ上の重要人物でもあるルカの語りイベントが追加されたほかはほぼ DOS版のものと変わりありません。 宇宙艦隊を編成し敵勢力の星々を占領し自分の勢力を拡大するのが主な内容です。外交もありますが援助のほかはストーリー性重視のため、あまり意味を持ちません。

非常に残念なのは、静止画としてのグラフィックこそ奇麗で、若干のイベントを追加してはいるのですが、完成度はむしろ劣化しています。なにより致命的なのは、おそらくバグでしょうが、各戦艦の詳細情報の説明がどれも同じになっていること。加えて、音楽がループしないこと、旧作の良い特徴だったアクティブな各ウィンドウ(WindowsOSの開いたり閉じたりする際のアニメに似ているもの)がなくっていることなど。語り手による物語の説明のイベントが追加されてはいますが、これもさして必要ではなかったかも知れません。正直、もとが非常に良作故に、リメイク版でありながらこの結果は残念。それでも旧作と比較すればの話なので、多少のバクを無視すれば、もとが傑作なだけに、けっしてつまらないゲームではないと思います。ただシュミレーションとしては簡単な部類なので、SLG上級者には食い足りないかも。シナリオ重視の方や宇宙戦艦モノが好きな方は試してみるのも良いかと。