(( パティシエなにゃんこ ))

グラフィック★★★★☆
サウンド★★★★
シナリオ★★★★
システム★★★☆
総合86点


はじめに
同人や美少女ゲームで人気の原画家、大野哲也を擁するぱじゃまソフト。プリズムハート、パンドラの夢、けろけろ王国はかバラエティ版など大小いくつかのタイトルを出していますが、全般には原画重視萌えゲー中心のメーカーです。どちらかというとファンクラブ中心にユーザーフレンドリーなブランド。 またKANON等でも有名なサウンドプロデュース、Odiakesなども盛んに活動しているメーカーでもあります。

ストーリー

「舞台は冬も始まったばかりの望美ヶ丘の街。
そこに構える一つのケーキ屋、ひよこ館。
主人公――矢口翔一はそのひよこ館の長男で、若くからケーキ職人――パティシエを目指し、
ひよこ館の店長である父親と共に、お店を盛り上げていました。

ですが、とある理由により2年前から親元を離れ、一人学園生活を過ごしていた翔一。
ある日、父親から「腰をやっちまった。ひよこ館を頼む」という一本の電話が。
そして親父の代わりにケーキ職人――パティシエとして働き始めます。

そこで翔一を迎えたのは――
久しぶりに出会う幼馴染み。
父親の代わりに働いていた先輩パティシエール――女性ケーキ職人。
新しく出来たライバル店、ショコラ・ル・オールの娘。
そして謎の猫魔法使い。

ケーキ屋が一番忙しくなるクリスマスを目前に、翔一の新しく懐かしい生活が始まります。



各種システム
パティシエであるところの主人公はとある事件がもとで、夜になると猫になってしまうハメに。猫に変身してしまうことは皆には内緒のまま、昼はケーキ屋の店長代理としてお店のやりくりに奮闘する、というのが物語の初め。
基本はAVGで、シナリオ上、夜には猫に変身してしまうほかはごく普通のシステム。登場人物たちのケーキに対する「好き」という気持ちがよく伝わります。ケーキを通じてお客と通じること、学ぶこと、仲間と頑張ったこと、失敗したこと、一緒に笑ったこと、そういった日常の在り様はテーマがゲームに見事に調和している好例だと思います。
ストーリーが特別感動というわけではありませんが、テキストがとても上手で、キャラクター達のドタバタやギャグがどても躍動的で、素直に楽しめます。
ヒロイン達の一人一人が独自のケーキに対する主張や特技、趣向というものがあり、それぞれがキャラの個性に一役かっています。洗練されたシナリオを「読む」ではなく、その場の日常の一コマそれぞれを満喫する萌えゲーとして、非常に好感の持てる作品でした。
音楽も、ギャグ的なものからシリアス的なものまでバラエティに富み、声優の巧みさとあいまって雰囲気の良いゲームに溶け込んでるように思えました。何か個性があるわけでもないですが、丁寧につくられたことがよくわかります。OP、EDは特別歌がうまいわけではないのですが、動画演出など、丁寧に作られていると思えるので、これもトータルとしては◎。 ゲーム時間も5時間前後と、程よい長さ。あえて欠点を言えば「パティシエにゃんこ」というほどには猫という設定を活かしきれていなかった点と、システムがやや重たく感じた点。まあこれは推奨スペックが高度のせいか・・?いずれにしても高レベルでまとまった久しぶりに満足のいくゲームではありました。


  OS CPU メモリ HDD VGA サウンド
必須 Windows
98/2000/Me/XP
PentiumU
300MHz
64MB 約700MB 800X600 WAVE再生
推奨 - PentiumV
800MHz
128MB 1.5GB以上 - -