(( ICO ))

グラフィック★★★★★
サウンド★★★
シナリオ★★★☆
システム★★★★ 
総合81点


はじめに

イコと呼びますアイコではありません(笑

ストーリー
いつだかわからない時代のいつだかわからない場所でのお話。
イコには角が生えていた。村のしきたりで、角の生えた子供は海の上に聳え立つ誰もいない城に、いけにえに捧げられることになっていた。イコが13歳の誕生日を迎えると3人の神官に連れられて城に向った。イコは終始おとなしくしていたが、神官たちが去った後、突如城がゆれ始めいけにえとしてイコが入れられていたカプセルが崩れ、壊れてイコは一人外に放りだされる。広い城の中、唯一自由であることに気付いたイコは何処へいくともなく歩き始めた。
さ迷い歩くイコは檻に閉じ込められた一人の少女に出会う。イコは少女を檻から助け出したが、そのとき影のような不気味な生き物が現れ、少女をさらおうとする。イコは驚いたが、近くにあった棒で影を追い払うことができた。そして、この言葉も通じない不思議な少女を助け出すために、彼女の手を取り、この城を脱出することを決意する。

この人の手を離さない。僕の魂ごと離してしまう気がするから。


各種システム
ジャンルはACT+ADVが一番適切なのでしょうか?他のゲームに例えるなら”トゥームレイダース”が近いでしょう。プレイヤーは少年イコとなって謎の少女の手を取り、ときには彼女を追う正体不明の影から守りながら、またときには謎を解き、彼女のための道を切り開くのが主な内容です。イコはこの手のゲームの例にもれず、普通の人なら骨折確実の高さからでも平気です。しかし連れて行く少女はその枠外なので、イコがちゃんと彼女のために手を差し伸べてあげなくてはいけません。この点が一般の3D・ACT系とのゲームの違いです。城の仕掛けは難解ですが凝った物も多いので冒険した気分になること請け合いです。

特筆すべきはその美麗なグラフィック。PS2であることを考慮いれるとしても、光と影の演出はとにかく奇麗で、窓からさす光、木洩れ日、キャラクターの影など数年前のCGを凌駕するレベルでゲームのプレイ(操作可能)画面を表現します。隔世の念を禁じえません。ここ数年のゲームのグラフィック、特にCGは確かに奇麗なのですが、現実味が薄いのも事実。しかしこのゲーム、リアリティを含みながらもおそらく現実にこんな奇麗な風景はねぇと思わんばかりのゲームの情景。グラフィックについても不備な点が無いわけではないですが、ここまで細部まで徹底したゲームも稀だと思います。

BGMは基本的にありません。セーブ時、エンディング時など特殊な状況下以外ではほとんど無音です。もちろん効果音はあります。逆にBGMがないので風の音、鳥のさえずりなどが奇麗に聞こえます。 邪推ですが、このゲームはPS2でありながらゲームはCDなので音楽とかあまり詰め込めなかったのかな、と最初は思ったのですが、なかなかどうして悪くありません。少ないが音声も入ってます。

大筋をたててストーリー性に富むわけではありませんが、感覚的な冒険心、探求心や保護欲、献身欲などをかきたてる作風です。少女の手をとって城から脱出という設定はなかなかどうして、ありていに言えば心温まるものです。エンディングも個人的には好みといえるところ。プレイ時間は10時間ほどでこの類のゲームとしてごく標準といえるでしょうか。お勧めの一本。