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(( "Hello world" ))
はじめに 熱きゲームを本流とする異彩のメーカー、ニトロプラス。ファントムや吸血殲鬼ヴェドゴニアなど、一風１８禁とは思えない個性あるタイトルで評判を博したブランド。転じて本タイトルはニトロ独自の燃え＋萌えを追求したという一品。 ストーリー 同時にロボット工学にも著しい進歩はあったが人工知能の分野では遅れをとっており、代わりにパターン認識機能を向上させたペットロボットなどが世の中で流行する一方、暗部では様々な社会問題が囁かれつつある、そんな時代。 一つの工場に、廃棄されていく多くの仲間と共に、役目を終えて静かに停止してゆく一台のロボット。 「ＨＩＫＡＲＩ」と呼ばれる存在は彼に「友永和樹」と言う名を授け、時代の技術を遥かに超えた極めて人のそれに近い人工知能を有する無機頭脳と、同じく人に極めて近いボディ、そして「目的」を与えた。 「目的」とは、人の感情を理解すること。 「ＨＩＫＡＲＩ」の周到の準備の元、「目的」の為に東京の一つの学園に通うことになる和樹。 自らの正体を伏せ、人間として彼は様々な少女と出会い、その感情の調査を続ける。 だが、彼女を調査していくうちに蓄積されていく「価値」は 「目的」をも上回る「意志」を形成してゆく。 たとえそれが創造主の意志に反することになろうとも・・ 各種システム ジャンルはハートフルラブコメ学園ＡＶＧとのこと。主人公が人間でないことと、近未来という時代背景もありインターフェイス等に幾分かの工夫は見られますがゲームシステムそのものは普通のＡＶＧです。ポップアップメニュー式の設定項目は少、AirやKanonなどに代表される古くからあるタイプで簡素です。音声関連で不具合が報告されており、修正パッチが出ています。誤字脱字やスクリプト他細かいバグも修正してくれるのでまず必須かと 主人公友永和樹はその「目的」のため主として学校での人との交流が中心になるのでヒロインも学生が多いです。おっとり&パニック系愛原奈都美水泳の記録ももつスポーツ少女笹ヶ瀬薫、有数の財閥の一人娘で風景画を描くのが趣味という北城千絵梨、卓絶したハードウェア知識をもつ天才少女久我山深佳とその姉であり学園の教師でもあるソフトウェアに強い久我山若佳菜、新たに無機頭脳を与えられ和樹の妹として生を受けた遥香他、多くのサブキャラが登場。 音声は女性のみフルボイス。BMG曲数が３０曲を超え、クオリティも高め。日常の穏やかな曲と戦慄の緊張感溢れる曲とでＢＧＭとしての効果もバッチリ。歌はＯＰ、ＥＤ、挿入歌含め４曲＋αでどの曲もとっても素敵。個人的には特にＯＰムービーと曲（の組み合わせ）は必見の出来栄え。 絵柄はクセが強めで、かわいい系でありながら色彩が濃い目で、好みの別れるところ。 熱きエロゲー、ニトロ魂は健在 肝心のシナリオですが、好みで感想を述べれば最高に近い傑作！ 平常な日常である前半部、非日常的な後半部など基本の流れは従来のゲームのお約束ですが、とにかく主人公が素敵ハナマル。ロボットである和樹が人間の感情を学ぶ課程、和樹自身の感情の芽生えなど彼自身の心境の変化や成長などが丁寧に描写されており、また豊かに表現されているといっていいと思います。機械人形故の真摯さ実直さ、打算のなさなど人間の正の部分ばかりが目立つ所があるものの、主人公としてカッコいい物語は読んでいて心地よいのも事実。 ただし、欠点（？）は、とにかく長いこと。これでクライマックスかという場面が幾たびかあり、終りかと思えばまだ続き・・といった具合です。また選択肢によってはシナリオの前後にいくつか矛盾があるなど少なからず問題はありますが、誤字脱字などはそう多くもなく好印象。 ビックリ長編。旨いモノは最後に 一つのシナリオをクリアするだけでも１２時間はかかるでしょう。フルコンプしようと思えば既読スキップを用いても３０時間を超えるかも。AVGの典型であるこのゲームは読み物ＯＮＬＹなので、その部分がつらいとなかなか受け入れられないかも知れません。とくに序盤は山場もなく基本的にまったり進行なのでここで挫折することも。うまい部分はむしろ後半かと。
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