(( 秋桜の空に ))

グラフィック★★★
サウンド★★★★
シナリオ★★★★☆
システム★★☆
総合79点


はじめに
秋桜と書いてこすもすと読みます。新ブランドmarronの処女作。発表当時はそれほどでなかったものの、ネット上で評判を博したかくれた名作。

ストーリー

新沢靖臣は自覚は無いが、無茶苦茶な発言と行動で学園からも一目置かれる男だった。 いつも周りには大勢の仲間達とそばには世話焼きの姉がわりの少女。 充実した学園生活がそこには確かにあった。 しかし、彼の奥には暖まることのない心の狭間があった。

それは遠い昔の癒されることのない深い傷痕。
それは決して夢見ることの無い閉ざされた未来。
生来なのか、その傷故か、その奥に隠された優しさもまた、彼そのものであった。

一方で彼は自分にとって最後の日がそう遠くないことに気付いていた。
そのことが誰かを不幸にしてしまうことを一番に恐れていた彼の優しさ。
誰かが自分を好きにならないよう、そして誰かを好きにならないように。

そんな彼の悲しみと優しさを感じた少女たち。
少女たちは彼に惹かれ、また彼が惹かれるとき。
 彼は知る。



各種システム

学園恋愛AVG。ハイ、いいかげん飽きてきましたね、この手のジャンル(笑。ところが巷ではかの名作ONEの亜流とも呼ばれていますが、卓越したシナリオと卓絶した笑いのテキストを誇る稀に見る名作。 普通、笑うシナリオというのは、主人公が少し変な奴というのが定番ですが、この主人公、変人オブ変人。普通やらねぇ、とゆーか絶対やらねェことをやってしまう破天荒少年。なのにそのことがまるで自然なように見えるのもシナリオライターの妙技。周りのヒロインを含めたキャラの掛け合いも楽しく、一貫して楽しい学園生活が見てとれます。もちろん基幹のシナリオはシリアス路線ですよ。

音声は無いです。音楽は個性的ではないが場に適した曲が多く、良かったと思います。たまーに使いどころがヘンなところもありましたが。歌が3曲。OP1曲にED2曲ですが、下手とまではいかないものの、いまひとつ。
システム設定は少ないです。テキスト速度の調整くらい。メッセージスキップは未読既読の判別をしないので少し使いにくいかな。セーブは31箇所可能ですが、見た目、日付しか記録されないのでロード時に特定し辛いです。妙にロードに時間がかかるのも気になる。 また不具合も報告されているようです。修正をmarronのHPから落しましょう。
演出に派手さはありません。効果音は結構あるようですが。キャラの立ち絵は奇麗で表情も割と多彩ですが表情はともかくベースの立ち絵のパターンは少ないです。大体一人につき2パターン、イベントCGがどうも立ち絵と違って見えるのが気に掛かります。しかも立ち絵に比べてクオリティが落ちるような・・・。 クリアに要する時間は6時間前後。2度目以降は4時間くらいです。まあ標準かな。
おおざっぱに見るとパターンな作品で王道典型とも言えるのですが、やってみると意外な深みがあり始めから終わりまで中だるみすることなく楽しめると思います。結構手放しでオススメできる一品。
最後に。ここまで笑ったゲームも久しいです。個人的にはLienと二大双璧をなすギャグウィルス標準搭載。お笑い騒音にご近所が殴りこんでくることもあるでしょうが、仕様です。諦めてくださいHAHAHA(ぉ



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