(( ブラボーミュージック))

グラフィック★★★★
サウンド★★★★
シナリオ★★☆?
システム★★★★
総合70点



ジャンルはビートマニア(コナミ)などに代表されるいわゆる音ゲーに属すると思われます。プレイヤーはオーケストラの指揮者となって数々のクラシックの名曲を演奏を指揮します。プレイヤーが操作するのはまずテンポ。実際の指揮者のように曲によって定められたテンポ(4拍子など)にあわせてボタンを押します。これには強弱があり、PS2のコントローラのボタンがアナログであることをうまく利用して3段階の強弱を指揮します。また各パートへの指示も同時に行います。これを間違えると違った楽器が鳴ってしまうというコミカルさ。操作自体を覚えるのはそれほど難しくは無いでしょうが、これらの操作を同時にこなすにはやや難易度が高いようです。幸いイージーモードも用意されているので初心者でも練習すればすぐに出来るでしょう。

絵柄は基本的に3Dでデフォルメされたキャラたちが演奏時や、ストーリーモードで登場します。 SCEらしい、というか欧米的なマスコットキャラのような印象があります。 ちなみに音声はすべて英語。もちろん字幕はつきますが、この点もすこし海外に意識し過ぎる感があるのも否めないでしょう。ただ低年齢層の英語教育も意識しているのか、本場の英語というよりは日本人に聞き取りやすい、教育向けの発音です。実はこのゲームそれが目的なのか?と危惧してしまうくらいですな。
題材ゆえに気になるのが音質。カルメンや白鳥の湖などの他、題名は知らなくとも聞いたことがあるであろう曲が二十数曲あるのですが、残念なことに音質はこれら名曲を完全に再現しているとは言えません。やや厳しい表現をしましたが、この点は人によってかなり個人差があると思います。じつは個人的にはそれほど気にならなかったのですが、「クラシックが好きな人や音質にこだわる人には・・」と気付くくらいには感じましたね。しかしこれは、楽曲を指揮するゲームのシステム上、本場のクラシックのように・・とはいかないのも事実。強弱やテンポはプレイヤー次第で変わるのですから。それを考えればむしろ上質に類する音質ですが、音にこだわる必要のあるゲームなのでココらへんは厳し目に。

いまや音ゲーはコナミによって確立されたジャンルなので、この作品が特別斬新というわけではありません。が、他にはないゲーム特有の個性とこだわりはあります。残念なのはどうしても見かけで損をしている点。パッケージもそうですし、あまり広告もしてなかったようですから店前でちょっと見かけてもなかなか買う気にはならないでしょう。反面、プレイしてみれば長期とまではいかずとも良い意味で一種の中毒性をもっているのでこの点はおおいに魅力といえます。対象年齢も広く、家族で楽しむにもいいかも知れません。隠れ名作とまではいかなくとも良作には充分、値します。ちなみにこのゲーム、dualshock2専用です。あしからず。