2001日本イタリア中学生ソフトテニス交流
八王子市立椚田中学校 野口 英一
日本を出発したのはアメリカの世界貿易センターにおけるテロ事件の4日後。何とも言えない緊張感が成田空港にただよう中の出発であった。しかし、見送りに来て下さった保護者の心配をよそに子供達は明るく振る舞い、ローマでの生活が待ち遠しくてしょうがないという様子であった。その後の行程や生活については、大栄中学校の川口先生にゆだねることにし、昨年と今年のイタリアにおけるソフトテニス事情の変化について書かせていただく。
まず、今回のイタリア訪問でソフトテニスが確実に認知され始めた事を感じることができた。それは、昨年と比べ、我々のデモンストレーションに始めから興味、感心を示し、積極的にソフトテニスをやってみようという姿勢が見られたからだ。
デモに訪れた3校では、我々の訪問を全校で歓迎し、玄関に日本語の「歓迎」と言う文字が掲示されていた。昨年はややもすると、担当の先生が対応して下さっただけで、「何しに来たの」という感じを受けたこともあったが、今年はどの学校も違っていた。これはロッシーニ先生が事前に学校側に働きかけをして下さったのと、この一年間のソフトテニス活動の結果ではないだろうか。
さてロスミニ中学校では近くのブラスポーツクラブで、週2回、2時間ほどの練習を続けている。6月から8月までは夏休みで練習ができないため、我々が行った時は調子が出なかったが、練習を重ねるごとに調子を取り戻してきた。技術的には確実に上達しており、トップの選手は中学校都大会新人戦出場ぐらいの実力があるのではないか。しかし今年の四月に日本に来たシモーネとアレッシオという男の子は6月に卒業し、アレッシオだけが、ブラスポーツクラブで高校の授業が終わってから練習している。高校でソフトテニスを続けることは現状ではできないのが厳しい。今後、中学を卒業した子供達がソフトテニスをやれる場所の確保が問題となってきている。
もう一つ昨年と大きく変わった点はラツィオクラブが本格的にソフトテニスを導入しようとしていることだ。昨年は副会長のグロリオッソさん個人の力で動いていたものが、今年はラツィオクラブとしての催し物が多かった。グロリオッソさんの他にクリケット専門のマリオさん、ジュゼッペさんが常に我々と行動を共にして下さった。特に、キャッスル・ガンドルフでの、デモンストレイションはラツィオクラブから著名人に正式な招待状が送られ、30人を超えるお客様が集まった。硬式テニスに比べ、ラケットが軽く、安全であり、子供達にも手軽に出きることで興味を持たれて帰られた方が多かった。「今後はここをソフトテニスの本拠地にしたい。」とグロリオッソさんが熱く語られていたのが印象的であった。また、来年にはローマでジュニアの世界大会を開く計画が進んでおり、日本からの出場も要請されている。このようにイタリアでのソフトテニスはラツィオクラブを中心にグロリオッソさん、ロッシーニ先生の力で着実に定着してきている。日本も負けずに頑張って行かなくては・・・。
最後に前回も感じたことであるが、イタリア人の指導者を育成すること、それにともなって日本からの長期滞在ができる日本人指導者を送ることが急務となっている。そしてヨーロッパの他の国でもソフトテニスを始めようとする動きがあり、オーストリアやスコットランドではジュニア交流の計画が進んでいるという。大変嬉しい話であるが、日本側の受け入れ態勢も整えておかなくてはならない。今回大栄中学校の川口先生に同行していただいたことで、ジュニア交流の輪も広がることができ、大変感謝している。オリンピック種目になる夢が少しずつであるが、前進しているのを感じながらイタリア訪問を終えることができた。
今回も多方面からご協力をいただきありがとうございました。文末をお借りして感謝申し上げます。