うさんくさいポップス


「うさんくさいポップス」とは?
90年代に話題になった「赤坂泰彦のミリオンナイツ」というラジオ番組のワンコーナーのことです。DJの赤坂泰彦氏曰く、
「誰がいつ、どこで、何のために歌ったか分からない胡散臭い曲」を紹介するコーナーでした。そこで紹介される曲は
突っ込みどころが多くて、どこか怪しくて、面白いものばかりでした。私もかなり楽しませていただいたコーナーです。
赤坂氏のラジオ番組は夜、自分の部屋で学校の宿題などをやるときのお供に欠かせないもので、よく聴いていました。

スラムが選ぶ思い出の「うさんくさい」ポップス
夜を抱きしめたい 歌っている方は渋い俳優の平泉成(当時の芸名は平泉征)さんです。「バットマン」ばりに
カッコイイ感じのアレンジですが、突っ込みどころが多い歌詞もあります。「辛い昨日」でなく
「辛い明日を忘れて」と歌うところがあったり、「俺が魔女なら」と歌うところもあったりします。
この曲の「俺が魔女なら」というフレーズは今でも忘れられません。「神」や「魔法使い」なら
分かりますが、あえて魔女ですから…。「末吉くん」という平泉成さんの物真似を得意とする
コメディアンがいますが、その「末吉くん」にぜひともカバーしてもらいたい曲でもあります。
雪子のロック ロック曲かと思いきや、クラシカルな映画音楽っぽい静かな弦楽をバックに男が恋人の
雪子に対して語りかける感じの曲です。最後に「雪子ーッ!」と叫ぶところがありますが、
叫んだ直後に車にひかれてしまいます(急ブレーキとぶつかった効果音が聞こえた)。
演奏時間が短くて、壮絶なオチがある曲です。番組にゲスト出演して、「雪子のロック」を
聴いたある方は「まるで交通違反したときに見せられる映画みたいだ」と語っていました。
太陽に抱かれたい 歌っている方はジョニー広瀬さんという方で、本職は吉本興業に所属するマジシャンです。
インパクトのあるハスキーな歌声で、赤坂氏は「泥からあがってきたザリガニのような声」
「ザリガニボイス」と表現していました。「太陽に抱かれたい」や「大地から逃れたい」の
表現に対するツッコミもありました。表面温度6000℃の太陽に抱かれるわけですから…。
タブー 主に1950〜60年代に活躍された歌手の浜村美智子さんが歌った曲であり、ラテン音楽の
「タブー(演奏:ペレス・ブラード楽団)」に歌詞をつけた曲でもあります。「タブー」といえば、
加藤茶さんが「ちょっとだけよ」「あんたも好きね」の往年のネタをやるときのBGMとして
使われている曲として有名です。「タブー」について説明するときに赤坂氏がミュートされた
トランペットの物真似をされました。このトランペットの物真似に私は大爆笑していました。
謎の女B 2006年5月に亡くなられた女優&声優の曽我町子さんが歌った曲です。曽我さんといえば、
特撮ドラマで「魔女を演じさせたら右に出る者はいない」と言われているほどの名優でした。
「仮に僕をAとする」の歌詞が印象に残る曲でもあり、何を指しているのか気になりました。
ドッキング・ダンス サトー・ノトという歌手が歌った曲です。アップテンポでポップな感じの曲で、赤坂氏曰く
タイトルの「ドッキング・ダンス」が一体、何を意味するものなのか分からなかったです。
「歌詞の展開がベタベタなんだよ」や「(ドッキングなだけに)お前は着陸船と指令船か」、
「お前はアポロか」といったツッコミもありました。踊れるのかどうか分からない曲です。
六本木24時間 インストメンタル曲であり、冒頭で男性ナレーターがこの曲についての趣旨を説明して、
演奏に入りました。曲の冒頭の説明での「でも、彼女のお尻は叩いちゃ駄目ですよ」が
ツボにハマりました。演奏時間がやたらと長く、途中をカットしてオンエアしていました。
最初はメトロノームの音だけでしたが、時間が経つといろんな楽器の音が入りました。
楽器の音が増えるのは良いですが、その鳴らし方が滅茶苦茶で適当な感じの音でした。
スナッキーで踊ろう 「海道はじめとスナッキーガールズ」というユニットが歌っていた曲です。まるで銭湯や
トンネル、洞窟の中で歌っているかの様なエコーが印象に残りいます。赤坂氏はこの曲を
「地獄谷からのひとりGS(グループサウンズ)」と表現しました。この曲はプリマハムから
発売されたソーセージの「スナッキー」のCM曲としても使われていました。現在でこそ、
よく行われる「タイアップ」という手法ですが、日本で最も初期に行われた製品と音楽との
タイアップじゃないでしょうか?作曲は主に演歌界で活躍する大御所の船村徹氏です。
花の対抗試合 昔のスポ根ドラマのような雰囲気がある曲で、何かの試合に意気込む男性が主役です。
曲の後半で試合に負けたことが分かり、最後には「一本背負い」という言葉が出てきて、
この曲は最後まで聞かないと柔道の歌、主人公は柔道部員だということが分かりません。
なぜなら、柔道だと特定できる言葉が最後の「一本背負い」だけしか出てこないからです。
まさお イントロ部分で聞こえる「まさおーーーッ!!」のシャウトと語りがインパクトが大きい歌です。
曲の雰囲気はどこか男臭く、曲名の「まさお」は歌の主人公の友人の名前みたいです。
この曲の歌い手は赤木さとしさんで、1979年頃にジャニーズ事務所に所属していました。
若い突風 石原裕次郎さんの「嵐を呼ぶ男」を思わせるドラマーが主役の曲です。この歌の主人公は
どこか機嫌が悪そうな感じで、赤坂さんは「ドラムセットは持っているけど、バンドを組む
仲間がいないのでは」と推測されていました。不機嫌そうな歌い方や喋り方が面白いです。
うちの家族は女の天下 ホームクッキーズというグループが歌っていた曲です。赤坂さんはこの曲のサビの部分が
「サザエさん」っぽいことを指摘したり、曲中に出てくる末っ子の女の子の態度を叱ったり、
ところどころで聞こえるお爺さんの掛け声が面白かったりしました。家族モノな1曲です。
ハイティーン・ゴー・ゴー 森本和子さんという方が歌った曲で、全体的にパワフルな感じで弾ける若さを感じます。
聴き所はサビ直前の口でエレキギターの音を表現した「テケテケテケテケ…」の擬音で、
サビの終わりあたりで爆発音が鳴ります。それにしても、曲中に口ギターを入れるとは!


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