ビートたけしのお笑いウルトラクイズ


このスペシャル番組について
1989年にスタートしたビートたけしがメイン司会のクイズ番組とは名ばかりの特番で放送されたバラエティー番組です。
たけし軍団の皆さんや若手芸人達の体を張って笑いを提供する姿が印象的で、この番組の出演をキッカケにブレイクした芸人も多いです。
出演経験者には、ダチョウ倶楽部や松村邦洋さん、出川哲郎さん、ナインティナイン、キャイ〜ン、極楽とんぼ等がいます。
「格闘技クイズ」「米軍ヘリ爆破クイズ」「人間ロケットクイズ」「カースタントクイズ」等という多くのヒット企画を生み出し、
後のバラエティ番組に何らかの影響を与えています。この番組のロケ地は、熱海、福島、沖縄、富士五湖などという国内でした。
この番組のエンディングテーマは、アメリカの女性ロックシンガーのスージー・クワトロさんが歌った「WILD ONE」という曲です。

スラムが選ぶ思い出の名場面
格闘技クイズ
本題は「格闘家の足の裏に書いてある文字を読む」というものでありますが、これがすっかり忘れ去られていました。
歴代の出演者には、ウィリー・ウィリアムズ(通称:熊殺し)、佐竹雅昭(当時は正道会館)、角田信朗、ヘルレイザーズ、
ブル中野、アジャ・コング、藤波辰巳、獣神サンダーライガー等という豪華なメンバーがいます。芸人達は体を張って、
猛者達に対抗していました。井手らっきょさんが自前のパンツ(蛙とか孔雀とか、象とかのデザイン)で参戦したり、
春一番さんがアントニオ猪木さんのモノマネで会場を盛り上げたり、ダチョウ倶楽部が仲間をひとり置いて逃げたりと
名勝負が多いです。リングの周りにトリモチやカレー粉プール、電流ゾーンなどの仕掛けが用意されていました。
ワニクイズ
桜金造さんが熱川バナナワニ園の餌を抜いてあるワニと対面するクイズで、クイズに外れると、ワニに接近するという
仕掛けがありました。今や伝説となった「ワニクイズ」は2度行われ、1度目は、そのまんま東さんが仕掛けを引っ張る
棒(のようなもの?)をとってしまい、「あっ、とれちゃった」と言い、金造さんが「とれちゃったじゃねえだろ!」と
絶叫し、最後には泣き出してしまいました。2度目は、外れると角度が急になる滑り台に乗ってクイズをし、恐怖のあまり
失禁してしまいました。「俺なんか食ったっておいしくないよ!」とか「今度、子供が高校行くんだよ」とか絶叫しました。
この番組で、熱川バナナワニ園の存在を知った人は少なくないかもしれません。実は、私もそのひとりです(笑)
人間性クイズ
平たく言えば「ドッキリ企画」です。数々の名場面が生まれ、ドッキリと思わせておいて、逆ドッキリというパターンが
多かったです。出演者の「真の姿」が垣間見えます。「指パッチン」で一世を風靡したポール牧さんによるオカマキャラの
演技は面白かったです。何を思ったのか、いきなり「知ってた?俺がオカマだってこと」と言い出すのがぶっ飛んでいます。
この企画で、岡村隆史VS出川哲郎のマジ喧嘩がありました。切れた岡村さんが一方的に攻撃し、仕掛け人だと思いきや
ターゲットである出川さんはビビりまくりでした。この2人は、後に「ぐるぐるナインティナイン」等で共演していますね。
出川さんは2度もこの企画の餌食になりました。内容は、たけしさんが急病で「誰か若手に司会をやってほしい」と言い、
出川さんに司会を任せて、その気にさせるというドッキリでした。出川さんが同室の山崎邦正さんに得意げに語ったり、
スタッフ(仕掛人)の「脳の神経が切れた(他に言い方がなかったのか?)」という説明をしたりするのが忘れられません。
出川さんと岡村さんが参加した「人間性クイズ」のVTRは、2006年の「24時間テレビ」の深夜企画内で紹介されました。
カースタントクイズ
カースタント集団「高橋レーシング」の協力によって行われるクイズで、何度か決勝で取り上げられた企画です。
ドライバーは目隠しで運転し、同乗した芸人たちがドライバーに指示を送ります。炎の壁に激突したり、片輪走行したり、
高いところからペンキが降ってきたりとハラハラドキドキな仕掛けが満載でした。これだと、指示どころではないです。
たけしさん自らもこの企画に挑戦したことがありましたが、最後にはドライバーに対して、激怒してしまいました。
「お笑いアカデミー賞」という特別企画の後に行われたカースタントでは、ニワトリ小屋の仕掛けに突っ込んでいました。
沖縄決戦では、乗り物をバスに変えて、全員参加の「バススタント平成教育委員会」というものまで行われていました。
井手らっきょ
スカイダイビング
前日の「人間性クイズ」で、自分の助平さを家族の前でさらけ出した(泣いた人もいた)井手さんは、次の日の決勝で、
スカイダイビングクイズに挑戦することになりました。クイズで不正解となり、インストラクターがついた状態で、大空へと
放り出されました。井手さんは絶叫し、空中でひっくり返った時に「グェッ!」と声を出しました。客席は、大爆笑でした。
空から戻ってきた井手さんの前には、涙ぐんでいるポール牧さんの姿がありました。こんなにも人を感動させました。
全身金粉
ダジャレマラソン
舞台は福島県内で、参加者は全員、全身に金粉を塗っていました。「皮膚呼吸できないんじゃないか」という具合に…。
走る参加者達は、ゲーム開始前にトラックに乗ったゲストの渡嘉敷勝男さんの講演を聞かなくてはなりません。しかも、
講演が長いので、参加者から「早くしろ」コールが…。ゲームが始まると、たけしさんがお題を出し、参加者がダジャレを
作ります。お題が「レモン」の駄洒落を言えといっているのに、宅八郎さんが「ママレモン」とか言っていました(苦笑)
WAHAHA本舗の梅垣義明さんは、全身金粉にどこかの民族の角付き衣装で参戦し、ラストスパートも見せたりしました。
爆破系○×クイズ
クイズに外れたときに爆破系の攻撃が起こり、不正解の時の攻撃が、戦車から戦闘ヘリ、ミサイルへと変遷しました。
爆破した時にバック転をした者が出たり、照準から逃げようとしたら、追ってきたというシーンがあったりしました。
たけしさんもこの攻撃にタジタジでした。しかも毎回、逃げ出そうとするものがいます。熱海で行われた時に、ボートで
逃げた者達に対して、桜金造さんが「逃げれば逃げるほど追いかけていくんだ…だって地球は丸いんだもん」という
台詞が忘れられないです。調べてみたら、昔の歌が元ネタだということが分かりました。ジープで逃げようとして、
お約束どおりに車が勝手に止まるというパターンもありました。坂田利夫さんと前田五郎さんのコンビ・コメディNo.1が、
米軍の兵士に挨拶するときに「ギブミー・チョコレート」や「(アレを指して)ビッグ!」とかいうジョークをいいました。
しかも、ジョークを言われた代表者の後ろにいた兵士が笑っていました。よくあんなこと言えましたね…凄い勇気です。
人間ロケットクイズ
不正解だと、逆バンジージャンプの要領で解答者が飛んでしまうという内容のクイズ。ダチョウ倶楽部の上島さんは、
このクイズに命を懸けていたようです。それは、飛ぶと瞬時に脱げる衣装の考案です。最初の頃は、うまく脱げずに、
自分で衣装を取っていたという間抜けな姿でしたが、回を重ねると、綺麗に脱げるようになりました。ウド鈴木さんと
組んで挑戦したこともありました。2人の衣装が脱げたときは、空中で抱き合って、喜びを分かち合いました。
「人間ロケットクイズ」の時の衣装は、服に紐が何本も出ていて、勘の良い視聴者からしてバレバレな姿でした。
上島さんの奥様である広川ひかるさんと参加したとき(ロケ地は福島県)は、広川さんがクイズを正解した喜びで、
間違ってボタンを押してしまい、またも上島さんが宙に舞って派手に服が脱げました。帰還した上島さんは広川さんと
キスを交わしました。そのときのVTRは、2006年の「24時間テレビ」の深夜企画内でちょっとだけ放送されました。
ダンカンの珍回答
茨城のマリンタワーというビルの屋上で行われたクイズです。ダンカンさんが決勝戦の前に、たけしさんに対して
「たけし…俺、行って来るよ」と言っていました。決勝のクイズは、外れると屋上からバンジージャンプしてしまいます。
「現存する世界最大の両生類は?」という問題で、ダンカンさんは「カルーセル麻紀」という歴史に残る珍回答をしました。
見事に「せい」の字が違います。これだと「両性類」になります。こんな面白いことを考えるなんて、素晴らしいです。
たけし十番勝負
たけしさんが体を張ってゲームにチャレンジする企画です。弟子とのポカポカドボンゲーム、「魔法陣グルグル」で
ネタにもなった天井に吊るされて焼肉を食べるというゲーム、噂の真相を聞かされる水車拷問等がありました。
中でも凄かったのは、デビルタワー脱出です。爆弾が仕掛けられたデビルタワーという建物にたけしさんが閉じ込められ、
制限時間内に脱出しないと、爆破されるというものでした。たけしさんが制限時間内に脱出できなくて、出演者達を
心配させましたが、瓦礫の中から出てきたり、海上に漂っていたりしました。いつの間に、出てきたのでしょうか?
ガダルカナル・タカさんが「どうなっているのですか?」と現場監督の人に聞いた後、現場監督がヘッドホン式のマイクを
いじろうとして「今何しようとしたのですか?」と、ガダルカナル・タカさんに突っ込まれたシーンも印象的です。
海に沈むバス
港に新品のように整った観光バスと、廃車同然の窓ガラスのないバスが港にあり、○×クイズを行い、○もしくは×と
書かれた横断幕が張られたバスに乗り込みます。外れの答えが書かれたバスは、容赦なく海に浸かることになります。
何人かの人は、何故か堂々と廃車同然のバスに乗っていきます。そして、廃車同然のバスは不正解のバスだったので、
クレーンで吊るされて、海に浸かることになりました。海に浸かるのが分かっていて、乗り込んだとしか思えません。
しかも、この収録の日の海は荒れ模様で、窓から脱出して、屋根に乗っても、揺れで海に落ちる人もいました。
お笑いウルトラで
知った雑学
☆「サイモン&ガーファンクル(フォークデュオ)の昔の名前は『トムとジェリー』である。○か×か」→正解は○
☆「現存する世界最大の両生類は?」→オオサンショウウオ(日本では岐阜県以西で見られる)
☆「『十分に生きた、悔いはない』と言う言葉を残して他界した世界的な歌手の名前は何?」→イブ・モンタン
 この問題で、井手らっきょさんは、同じ歌手である「ティナ・ターナー」と答えていました。
 桑田圭祐さんは、イブ・モンタンをもじった「夷撫悶汰(いぶもんた)」という名前でライブをしたことがあります。
☆「ライト兄弟の実家は、何屋さん?」→自転車屋
 誰かが「豆腐屋」と答えていました(笑)現代ならともかく、昔のアメリカにそんな店があるのか?(苦笑)
スターにしきの
サウナで講演?
「お笑いウルトラクイズ」の「サウナダジャレクイズ」に錦野旦さんもゲスト出演されました。時期的には、錦野さんが
人気再燃するキッカケとなった「生でダラダラいかせて」に初出演するちょっと前だと思われます。錦野さんのトークと
歌を聞いたあとにゲームが開始されますが、陰謀によって何度も歌を聞かされるハメになります。参加者は最初、
好意的に「♪愛してるゥ〜!」と返しましたが、次第にやけっぱちとなって、歌の途中に「帰れコール」をしました。
この回では、たけしさんの「ヘチマでダジャレを作りなさい」という出題で、蛭子能収さんによる「ヘチマンボ!」という
ギャグが生まれました。よく考えれば、ダジャレでなく一発ギャグのような気がしますが、たけしさんはOKしました。
全身金粉で
怒られた男たち
1994年に放送された番組の中(ルーレットで当たった芸人同士と組んで宴会芸で勝負する企画)で、梅垣義明さんは
謎(?)の軍団「イヨマンテーズ」を率いて、全員が全身に金粉を塗り、1949年にヒットして、伊藤久男さんが歌った
「イヨマンテの夜」を熱唱しました。何故か皆でボール(サイズや感触がバスケットボール?)遊びをしていました。
それを放送した後に、北海道のある団体から抗議を受けました。今では絶対に放送することのできない場面です。


前にもどるホームにもどる