スラムの何でもCDレビュー

THE ALFEE「HIT SINGLE COLLECTION 37」
THE ALFEEがデビュー30周年の日(2004年8月25日)に発売した「メリーアン」以降の3枚組のシングル集です。ブレイクした「メリーアン」以降の
シングルは全てトップテンに送り込んでいるという歴史に残る名バンドであります。桜井賢さん、坂崎幸之助さん、高見沢俊彦さんの3人全員が
メインボーカルをとれるのも魅力で、三者三様の歌を聴かせてくれます。スラム的オススメの曲は、ディスク1ですと「星空のディスタンス」
「恋人達のペイヴメント」「シンデレラは眠れない」「サファイアの瞳」「My Truth」、ディスク2では「WEEKEND SHUFFLE 〜華やかな週末〜」
「19(nineteen)」「FLOWER REVOLUTION」「Promised Love」、ディスク3では「冒険者たち」「エルドラド」「LOVE NEVER DIES」などがあります。
坂崎さんメインの「シンデレラは眠れない」は、私のカラオケでよく歌う曲のひとつです。他に「幽遊白書」の桑原→雪菜のイメージもあります。
面白い曲としては「19」と、1990年の花博のイメージソングだった「FLOWER REVORUTION」があります。「19」は、坂崎さんと高見沢さんの2人で
メインヴォーカルの曲で、坂崎さん→高見沢さん→2人で進行していきます。「FLOWER REVORUTION」は3人が交互に歌うスタイルをとっています。

安全地帯「COMPLETE BEST」
2005年3月に発売された安全地帯の1982〜93年に発売されたシングルと数曲のレアトラックが収録された2枚組30曲のベストアルバムです。
安全地帯のメンバーは、玉置浩二さん(ヴォーカル/ギター)、矢萩渉さん(ギター)、武沢豊さん(ギター)、六土開正さん(ベース/キーボード)、
田中裕二さん(ドラムス)の5人編成です。ドラムの田中さんは、爆笑問題の片割れと同姓同名です。玉置さんのセクシーな歌声が堪能できます。
「ワインレッドの心(『幽遊白書』の蔵馬の声優の緒方恵美さんがカバー)」でブレイクした彼等ですが、ブレイク前の楽曲の中には、
歌詞の一人称が「俺」の曲が多くてビックリです。ワイルドな感じもします(笑)このアルバムの収録曲の中で、私が特に気に入っている曲は、
「ワインレッドの心」「恋の予感」「熱視線」「悲しみにさよなら」「碧い瞳のエリス」「夏の終わりのハーモニー」「俺はシャウト」「好きさ」
「じれったい」などがあります。「夏の終わりのハーモニー」と「俺はシャウト」は、井上陽水さんと共演した曲です。安全地帯はかつて、
井上陽水さんのバックバンドをしていたことがあります。「俺はシャウト」では、共演した陽水さんの弾けっぷりが楽しめる面白い曲です。
「碧い瞳のエリス」は一人称が「私」の女性の気持ち的なバラードだと思います。六土さんは「貝獣物語」の音楽を手掛けた人でもあります。

PRINCES PRINCES「SINGLES 1987-1992」
メンバーが全員女性のバンドの草分け的存在です。そのメンバーはヴォーカルの奥居香さん、ギターの中山加奈子さん、ベースの渡辺淳子さん、
キーボードの今野登茂子さん、ドラムスの富田京子さんの5人組です。デビューの1987年から92年までの5年間にリリースされたシングルが
収録されたベスト盤でもあります。私のオススメは「世界でいちばん熱い夏」「OH!YEAH」「ジュリアン」「M」「SEVEN YEARS AFTER」
「パイロットになりたくて」「DIAMONDS」です。「M」は失恋ソングの定番として名高いですが、意外にもシングルのカップリングです。
代表曲のひとつである「DIAMONDS」と「世界でいちばん熱い夏」は夏になると聴きたくなる曲です。「OH!YEAH」では、AメロからBメロへ
移行するあたりの部分のコーラスが好きです。「ジャングル・プリンセス」を聴くと「香さんは今、かつてジャングルの王者を演じていた人の
旦那さんになったんだな」と思ったりします(笑)1曲目がオーケストラを取り入れたインストメンタルになっているところが凝っています。

hide「BEST 〜PSYCHOMMUNITY〜」
1998年5月2日に33歳の若さで亡くなった元X-JAPANのギターのひとりだったhideさんのベスト版です。ソロデビュー曲の「EYES LOVE YOU」
「50% & 50%」、代表曲である「ROCKET DIVE」「ピンク スパイダー」「ever free」などが収録されています。私が特に気に入っている曲は、
最後に収録してある「MISERY」です。曲名から「アウターゾーン」の主人公を連想しますが、なかなか聴き応えがあります。これ以外には、
まるで空を飛んでいるような錯覚に陥る爽快なアップテンポ曲の「ROCKET DIVE」、再発されたことのあるシングル「TELL ME」などがあります。
このCDを聴くたびに、2000年4月30日の「奇跡体験アンビリバボー」で放送されたhideさんと難病の少女とのドキュメンタリーを思い出します。

とんねるず「みのもんたの逆襲」
歌唱力も素晴らしいお笑いコンビ・とんねるずが、1991年に発表したオリジナルアルバムです。その頃は「みなさんのおかげです」全盛期です。
ジャケット写真がみのもんた氏の顔のアップで、1曲目の「みのもんたの逆襲」と、最後の「情けねぇ 〜みなさんのおかげですバージョン〜」が
終わった後に、みのもんた氏のナレーションが入っています。とんねるずとのコラボレーションと呼べます。「みのもんたの逆襲」の歌詞は、
みのもんた氏について沢山書かれています。みのもんた氏の本名(御法川法男)まで教えてくれます。よく聴くと、カッコいい曲でもあります!
2曲目から9曲目までは、日本の歴代ヒット曲のパロディのオンパレードで、元ネタを考えながら聴くと面白いでしょう。オフコース風があったり、
バブルガム・ブラザーズ風もあったり、さらには、チェッカーズ風やTM NETWORK風もあります(笑)5曲目の「You can do it」では、工藤静香さんが
コーラスとして参加しています。しかも、工藤さん自身の歌のパロディもやってます。それだけでなく、作詞が木梨憲武さん、作曲が元チェッカーズの
藤井尚之さんと後藤次利さんの共作です。「CONTROL NETWORK」の編曲は「メタルマックス」の音楽担当の門倉聡さんというのも注目です(爆)

とんねるず「おまえ百までわしゃ九十九まで」
とんねるず歌謡活動10周年記念に作られたオリジナルアルバムで、このアルバムのすごいところは、豪華な作詞陣が集結したところです。
武豊さん(騎手)、野茂英雄さん(メジャーリーガー)、畑昌憲さん(作家、通称:ムツゴロウ)、由利徹さん(コメディアン/故人)、
所ジョージさん、落合信子さん(現中日ドラゴンズ監督の落合博満さんの奥様)、アントニオ猪木さん等というメンバーがとんねるずのために
作詞してくださいました。これは「よくぞ、参加してくれました!」と思います。野茂さんが作詞した「nothing around」という曲がありますが、
「生でダラダラいかせて」で、石橋貴明さんが「『夕食がうまかった』って、普通の作詞家は書かないぞ」と言ったのを今でも覚えています。
野茂さんがとんねるずの番組に出て、石橋さんに胸倉を掴まれたことがありますが、私はそれを見て「あの『野茂英雄』にこんなことできるのは、
石橋さんぐらいしかいないな」と思いました(笑)「生ダラ」で、作詞した落合信子さんの前で完成したばかりの「エンの下の力持ち」を歌う
場面がありましたが、出来た歌を聴いて、落合信子さんが涙を流す場面も忘れられないです。このアルバムでオススメな曲は、由利徹さん作詞の
「チンチロリンのカックン」という曲です。吉幾三さんの某曲に負けない田舎の老夫婦とその孫をネタにしたコミカルな歌で、曲中に由利さんの
ナレーションが入っているという貴重な歌でもあります。「とんねるずのテーマ」には、デビュー前のとんねるずのネタの音声が入っています。

ASKA「ONE」
ASKAさんが1997年3月12日に発売されたオリジナルアルバムです。私のオススメは「ONE」「バーガーショップで会いましょう」「ID」の3曲です。
「ONE」は2曲目に収録されているドラマの主題歌にもなった軽快な曲です。聴いた途端、不思議と記憶に残って、頭に渦を巻いちゃいますよ(笑)
4曲目に入っている「バーガーショップで会いましょう」は、曲調が滅茶苦茶明るい曲(流石は「パラダイス銀河」と同じ作曲者です…)ですが、
歌詞を見ると、忙しさと戦いながら恋愛する男性像が浮かんできます。バーガーショップで食事をしているASKAさんの姿が浮かぶ1曲もあります。
10曲目の「ID」は、ASKAさんのシングル曲の中で最も好きな曲で、ドラマの主題歌とCMソング(本人出演のCM)にもなった名曲でもあります。
まるで何かの小説を読んでいるかのような歌詞の世界観があり、ドラマチックで打ち込みっぽいアレンジです。このアルバムのこぼれ話として、
ASKAさんがジャケット撮影にベトナムに行ったとき、現地の人からジャッキー・チェンに間違えられました。写真を見てみますと、似てます(笑)
8曲目に「ブラックマーケット」という曲があり、イントロがPUFFYの「アジアの純真」に似ていると話題になりました。作った当初、ASKAさん自身は
気が付いてなかったそうです。それを知ったASKAさんがライブでネタにして、観客を笑わせたそうです(笑)この曲のアレンジも愉快な感じです。

CHAGE&ASKA「VERY BEST ROLL OVER 20TH」
1999年の年末に「結成20周年記念」として発売されたCHAGE&ASKAのベストアルバムです。彼等は日本音楽界を代表するデュオであり、
アジア各国にもその名が知れ渡っているアーティストです。2枚組29曲のボリュームで、フォーク色の強い初期の楽曲、ロックテイストの強い曲、
2人のハモリが生きたバラードなどのいろんなタイプの曲が聴けるのも、このアルバムの魅力です。スラム的オススメとして「万里の河」
「モーニングムーン」「黄昏を待たずに」「恋人はワイン色」「SAY YES」「僕はこの瞳で嘘をつく」「YAH YAH YAH」「NとLの野球帽」などです。
初期の代表曲でもある「万里の河」は、私が生まれた1980年の9月に発売された曲です。このことから、彼等の歴史の長さを実感できます。
この「万里の河」を聴くと、まるで水墨画のような中国の大河の風景が浮かびます。「SAY YES」のイメージが強い人が聴くと、驚くでしょう!
私がチャゲアスの曲の中で最も好きな「僕はこの瞳で嘘をつく」は、ホーンセクションの音が響くアップテンポで、ロック色が強い1曲です。
激しいチャゲアスを堪能できます。この曲でのASKAさんのシャウトがカッコいいです。「YAH YAH YAH」を聴くと、風になびく長いコートを着て、
熱唱する姿が思い浮かびます。「SAY YES」は、90年代を代表する名バラードと言っても過言ではないでしょう。約282万枚を売り上げた名曲です。
「NとLの野球帽(ベースボールキャップ)」というタイトルには「西鉄ライオンズ(西武ライオンズの前身)の野球帽」という意味があります。

緒方恵美「BEST RUNNER」
「幽遊白書」の蔵馬役などでおなじみの人気声優・緒方恵美さんのベストアルバムです。力強く男の子っぽく歌ったいるなと思いきや、
可憐に女の子っぽく歌っている曲もあります。緒方さんの「声の魅力」も楽しめるアルバムでもあります。7曲目には、安全地帯の名曲の
「ワインレッドの心」のカバーが収録しています。このカバー曲は、アレンジが管弦楽風になっていて、情熱的な感じがする一曲です。
作詞・作曲・編曲に関わっている人も豪華で、松尾早人さん(すぎやまこういちさんの弟子と言われている作曲家)、松井五郎さん、
田村直美さん、車田正美さん(「聖闘士星矢」などで有名な漫画家)、千住明さん、羽田健太郎さん等がいます。また、緒方さん自身が
作詞されている楽曲も多いです。私のオススメは、ある意味歌劇っぽい1曲目の「RUN」、2曲目の「罪」、幻想的なアップテンポ曲の
3曲目の「Drive on the Milkyway」、ロックロール風の4曲目「傷つかない愛はいらない」、7曲目のカバー曲「ワインレッドの心」、
同名映画の主題歌に使われた9曲目の「タイム・リープ」、10曲目の「ジェラシーの痣跡(あざ)」などがあります。聴くと、しびれます(笑)

聖飢魔II「入門教典 〜THE BEST OF THE WORST〜」
幅広い分野で活躍した悪魔教のバンド・聖飢魔IIの代表的な曲が詰まったアルバムで、「入門教典」と銘打っておきながら、コアな信者からの
評価も高いアルバムです。「蝋人形の館」は幅広く知られていますが、このイメージが強い人が「白い奇蹟」を聴くと、さぞかし驚かれるでしょう。
「白い奇蹟」は、彼等が1989年の「紅白歌合戦」に出場したときに演奏された名バラードです。聴いている者を圧倒するかのような重圧な曲から、
幻想的で綺麗なバラードまで収録されています。「蝋人形の館'99」と「白い奇蹟」以外の私のオススメは、ラップのような歌い方を見せている
「20世紀狂詩曲」、曲の最後で高島礼子さんが「往生しなっせ」と言っている「赤い玉の伝説(REMASTER VERSION)」、コンピューター社会を
テーマにしたと思われる「デジタリアン・ラプソディ」、歌詞にいろんな歴史に残る女性の名前が出てくるファンキーな「ファラオのように」、
どこか爽やかな「TEENAGE DREAM」「サクラちってサクラ咲いて」「空の雫」などがあります。悪魔の魅力にとりつかれるがいい…フハハハハ!

渡辺美里「M・Renaissance」
渡辺美里さんのデビュー20周年記念の3枚組ベストアルバムで、各ディスクごとにテーマが分かれています。ディスク1に、アルバム未収録だった
デビュー曲の「I'm Free」が収録されています。映画「フットルース」のサウンドトラック盤に入っているケニー・ロギンスのカバー曲でもあります。
「My Revolution」「悲しいね」「サマータイムブルース」「恋したっていいじゃない」「夏が来た!」などといった彼女の代表曲が入っており、
隠れた名曲、根強い人気のある曲、ライブの定番曲もいくつか入っています。ライブの定番となっている初期のシングル曲の「GROWIN' UP」や、
自殺する人を思いとどまらせるための曲ではないかと言われている「Teenage Walk」、ラテン系の「ソレイユ」や「夏灼きたまご」、
切ない夏の歌と呼べる「真夏のサンタクロース」、大江千里さんがコーラスで参加している「すき」、映画「F」の主題歌である「素顔」などが
私にとってのオススメの楽曲です。歌詞カードには、渡辺美里さん本人の楽曲解説があって、これを読むのも面白いと思います。
渡辺美里さんといえば、毎年恒例の西武ドーム(スタジアム)ライブがありますが、これが今年(2005年)で20回目(世界記録!)となります。

BEAT BOYS「BEAT BOYS TOJO!!」
80年代終盤に出現した謎の3人組で、メンバーの名前は「サクライ」「サカザキ」「タカミザワ」…あの日本を代表する息の長いロックバンドの
覆面ユニットが1988年に発表したファーストアルバムなのです!シングルカットされた「HEARTBREAK LONELY RAIN」などの全6曲が
収録されています。このアルバムでのスラムの注目楽曲は「YELLOW SUNSHINE」です。高見沢俊彦さんが明石家さんまさんに提供した
楽曲をカバーしたものです。3人全員がメインボーカルの陽気な曲です。「ボディコン」や「ワンレン」というどこか時代を感じさせる
歌詞もあります。サカザキさんが裏声で歌っている「BAD MORNING」も面白い曲です。バックトラックの音は、THE ALFEEでなく、
全部が外部からのミュージシャンによるものだというのも面白いです。どこかひと味違ったダンス色が強いサウンドばかりです。
BEAT BOYSといえば、一世を風靡した読者投稿コーナー「ジャンプ放送局」の第11巻に彼等に関するネタが2つほど載っています。

BEAT BOYS「GO!GO!BEAT BOYS!!」
1989年の夏に発売されたあの覆面グループの2作目のオリジナルアルバムです。この作品でもほとんどが外部ミュージシャンによる
バックトラックで、しかも、作詞者・作曲者・編曲者のクレジットは変名で書かれています。あのバンドとは一味違います(笑)
このアルバムで最も気に入った楽曲は、先行シングルの「誰よりもLady Jane」です。この曲は、オリコン7位にも入った曲で、
哀愁を感じさせるラテン系なアコースティックギターの音が印象的な曲です。アレンジがどこか歌謡曲チックな感じもする曲調です。
管理人スラムのカラオケでのお気に入りとなりました。他のオススメな曲は、ハードなサカザキさんの声が楽しめる「Happy 泥棒」、
サクライさんがメインボーカルで、イントロでF1のエンジン音が鳴る「迷宮のモンテカルロ」、先行シングルのカップリングで、
どこか弾けている「夏のTAWAGOTO」などがあります。このアルバムは意外なゲストが参加しています。「Let's Break Dance!!」で
小室哲哉さんがキーボードと編曲で参加し、アルバム最後に収録の「I'hiverの追憶」で今井美樹さんがコーラスで参加しています。

上木彩矢「Secret Code」
GIZA studioに大型新人が出現した…その名は「上木彩矢」と書いて「かみきあや」!この上木さんにとってメジャーデビューしてから
初となるアルバムは、CDショップで買ってみて、聴いた途端に全身に電流が走ったように気に入りました。アルバムの1〜3曲目には、
メジャーデビューしてから発売されたシングル曲が収録されています。1曲目の「Communication Break」の力強い歌声に圧倒されました。
2曲目の「ピエロ」はB'zの楽曲のカバーで、新しい「北斗の拳」の映画の主題歌としても使用された曲です。オリコン最高9位にも
ランクインしたこともあります。現時点で、上木さんの楽曲の中で最も好きな曲です。3曲目の「もう君だけを離したりしない」は、
これまでGIZAの先輩アーティストが多く経験した「名探偵コナン」の主題歌でした。これら3つのシングル曲以外でお気に入りの曲は、
聴くと夏の情景が浮かび上がってくる「夏のある日」、歌詞がどこか攻撃的(?)な感じがする「プライド オブ プレイス」、
スピーディーで力強い「傷だらけでも抱きしめて」などがあります。ぜひ、この新星が歌うこの一枚で痺れてみてくださいね!

高見沢俊彦「Kaleidoscope」
THE ALFEEのリーダーである高見沢俊彦さんが2007年7月に発売した16年ぶりになるソロフルアルバムです。収録曲12曲のうち9曲は
外部の作詞家に委託したという面白い構成でもあります。楽曲はバラエティに富んでいて、冒頭部分でグループ魂のメンバーとコントを
行っている「騒音おばさんVS高音おじさん」、歌詞に仏像の名前や仏教用語が出てくるみうらじゅん(芸能界屈指の仏像マニア)さんが
作詞された「愛の偶像(ラブ・アイドル)」、つんく♂さんが作詞された艶のある歌詞の「禁断の果て」、高見沢さんに「母ちゃん」と
歌わせているデジタルロック風の「LONELY LONELY」、リリー・フランキー(作詞するときは『Elvis Woodstock』名義)さんが作詞された
どこか幸せで優しい感じのする「Super Star」、人気漫画家の浦沢直樹さんが作詞されたバラードの「洪水の果て」などがあります。
気志團のヴォーカリストの綾小路翔さんが作詞された先行シングル「千年ロマンス」、高見沢さんが作詞したファンタジーな世界観の
「Kaleidoscope」、真琴つばささんへの楽曲提供のセルフカバーの「Endless Dream 2007」、1967年にヒットした名曲「若者たち」の
カバー曲も収録されています。高見沢さんはこのアルバムの制作で、若手ミュージシャンたちと共演して新たな刺激を受けたそうです。

和幸「ゴールデン・ヒッツ」
THE ALFEEのヴォーカル/アコースティックギター/パーカッションを担当している坂崎幸之助さん、ザ・フォーク・クルセイダースや
サディスティック・ミカ・バンドなどの活動で知られる加藤和彦さんで結成されたユニット「和幸(KAZUKOH)」のデビューアルバムです。
いろんな世代の人々に聴いてもらいたい時代を超えた音楽が一枚に集結しています。オリジナルもあれば、カバー曲もあるという構成です。
私が特に気に入った曲は「サタデイナイト・ムービー」と「バラバラふたり」です。どちらも歌詞が面白く、聴くと気分が幸せになります。
2人の声が調和した「生命 いのち」、今でも歌い継がれる坂本九さんの名曲のカバー「見上げてごらん夜の星を」、時として激しいような
歌い方を見せてくれる「モノリス(ボーナストラックはその楽曲のライブ版)」、歌詞がどこか詩的な「鎮静剤」なども収録されています。
ライナーノーツにある独自の設定が書かれたそれぞれの楽曲の解説、レトロなデザインが光るレコードジャケット風の写真も面白いです。

宇浦冴香「Juke Vox」
GIZA studioの新星の宇浦冴香さんのファーストアルバムです。シングル「Sha・la・la -アヤカシNIGHT-」「マイミライ」「休憩時間10分」も
収録されています。「Sha・la・la -アヤカシNIGHT-」は稲葉浩志さん(このアルバムでは全曲作曲でほぼ半数作詞)が楽曲提供されたことでも
話題になった曲で、稲葉さんはコーラスでも参加しています。3枚目のシングル「マイミライ」は前作と比べて、少しスローな感じになっていて、
タイトルどおり「未来」をイメージしています。「休憩時間10分」は作詞が宇浦さんが担当したシングルで、学園生活がテーマの面白い曲です。
アルバム曲で特に気に入った曲は、歌い上げる感じがするバラード曲の「果実」、宇浦さんが作詞のアップテンポな1曲目「友達以上恋人未満」、
デジタルロック色を感じさせる「DIET NOW」、間奏の友達との会話風の台詞が面白い「フィクション天国」、2枚目のシングルのようなコーラスも
楽しめるアコースティック色が強い「JOURNEY」などがあります。ちなみに「JOURNEY」では稲葉さんがアコースティックギターも担当されています。

北原愛子「AIKO KITAHARA BEST」
ラテン系の楽曲を得意として、2011年7月開催のライブを持って惜しまれつつも引退されることになった北原愛子さんのベストアルバムです。
愛子さんといえば、野菜ソムリエの資格を持つ一面があり、生姜部を結成して、レーベルメイトの方々と一緒に活動された経験もあります。
2枚組34曲の大ボリュームのこのベストアルバムはシングル曲のほぼ全部が網羅できて、アルバム曲やこのベストアルバムで初公開となった
新曲も収録されています。ディスク1はノリも良いデビューシングルの「grand blue」から始まり、走り抜けるようなリズムの「DA DA DA」、
アルゼンチンの舞踏曲の要素もある「TANGO」、名前の通りサンバの要素もある「SAMBA NIGHT」、陽気で弾けた感じの「special Days!!」などの
17曲が収録されています。ディスク2は愛子さん自信が作曲もされたペルー音楽の要素もある「世界中どこを探しても」 、インディーズバンドの
スピカとコラボレーションした「もしも生まれ変わったら もう一度 愛してくれますか?」、FEEL SO BADの川島だりあさんと倉田冬樹さんの
共作曲で歌謡曲要素が強い「その笑顔よ 永遠に」、小松未歩さんが作曲された「Message」、日本の夏の代名詞的のバンドのひとつのTUBEの
ギタリストの春畑道哉さんが作曲された「虹色に光る海」、ロック的な要素がある「向日葵のように」、冬景色とラテン系の化学反応が味わえる
「冬うらら」などの17曲が収録されています。暑い夏に聴いてもよし、寒い冬に聴いてもよしの聴くと心が陽気になるベストアルバムです。

放課後ティータイム「放課後ティータイムII」
2009年に第一期、2010年に第二期が放送されて、楽器の売上激増や音楽系部活動人気、聖地巡礼などの社会現象も巻き起こした
女子高の軽音楽部を題材にした人気アニメ「けいおん」から飛び出したバンドの通算2作目となる劇中歌集アルバム第2弾です。
前作はミニアルバム2枚の扱いでしたが、今回はフルアルバムの扱いとなりました。前作と同様にオリコン1位も獲得したアルバムです。
アニメ「けいおん」から飛び出したバンドの放課後ティータイムのメンバーは、ギター担当の平沢唯(声・豊崎愛生)、ベース担当の
秋山澪(声・日笠陽子)、ドラム担当で軽音楽部の部長の田井中律(声・佐藤聡美)、キーボード担当の琴吹紬(声・寿美菜子)、
もうひとりのギター担当でバンド唯一の下級生の中野梓(声・竹達彩奈)の5人です。実際の各楽曲は声優さんが歌っていますが、
多くの人に支持されるだけのハイクオリティも感じさせます。先行シングルで発売された澪がメインで歌う「ぴゅあぴゅあはーと」、
唯がメインで歌って、作詞は唯が担当した設定の「ごはんはおかず」と「U&I」も収録されています。「U&I」は唯が妹の憂に宛てて
書いたような歌詞で、大切なものがテーマの曲でもあります。アニメの中では歌詞やメロディだけが出てきた曲も楽曲化されていて、
澪が校内のファンの集いで発表したポエムが元になった歌の「ときめきシュガー」、律が郵便受けの中に入っていた澪が書いた歌詞を
ラブレターと勘違いしてしまったエピソードがある「冬の日」、「ムギちゃん」こと紬がメインで歌う「Honey sweet tea time」といった曲が
それに該当します。このアルバムのための書き下ろし曲の澪がメインで歌う「五月雨20ラブ」や、全員がメインヴォーカルとなった
「放課後ティータイム」も収録されていたり、アニメの卒業式エピソードの中で登場して、唯一の下級生メンバーの梓に贈った曲の
「天使にふれたよ!」も収録されています。このアルバムには2枚目のディスクもあり、そこにはドラマパートも入っているカセットへの
録音作業をイメージしたものが収録されていて、そこでは前作アルバムの収録曲でもある「ふわふわ時間」「カレーのちライス」
「わたしの恋はホッチキス」「ふでペン 〜ボールペン〜」といった4曲もカセットミックス(別バージョン)として歌われています。
「五月雨20ラブ」の作曲者の田村信二さんは愛内里菜さんやSMAP等にも作曲提供経験があり、11曲目の「放課後ティータイム」や
前作アルバム収録曲の「わたしの恋はホッチキス」の作曲者の藤末樹さんは倉木麻衣さんや上木彩矢さん、岩田さゆりさん、
中川翔子さん、水樹奈々さん等にも作曲提供された経験があります。「けいおん」の音楽プロデューサーであって、今作の収録曲の
「五月雨20ラブ」と「放課後ティータイム」の編曲も担当された小森茂生さんはGLAYのサポートメンバー(キーボード担当)や
布袋寅泰さんのバックバンドのメンバーとしても知られています。また、「ごはんはおかず」と「Honey sweet tea time」の作曲者で
シンガーソングライターでもあるbiceさんはこれらの楽曲が発表される前の2010年7月26日に38歳の若さで亡くなられいます。
このことを知ったときは驚きました。このアルバムに携わっている方々も凄いメンバーであると改めて思わせてくれる1枚です。

平野綾「AYA MUSEUM」
「涼宮ハルヒの憂鬱」の涼宮ハルヒ、「らき☆すた」の泉こなた、「ドラゴンボール改」のデンデ(Zで演じられた故・鈴木富子氏の後任)、
アニメ版「NANA」の芹澤レイラ、アニメ版「DEATH NOTE」の弥海砂、「キディ・グレイド」のリュミエールといったキャラの声などで知られて、
最近ではバラエティ番組の出演や舞台演劇の主演にもチャレンジされている人気声優アーティストの平野綾さんのベストアルバムです。
ディスク1(通常版はこのCDのみ)の収録曲はシングル曲7曲とアルバム曲とカップリング曲が6曲、シークレットトラック1曲といった
全14曲が収録されています。1曲目はアルバム曲の「水たまり」から始まり、自身の知名度を挙げたアニメの「涼宮ハルヒの憂鬱」の
オープニングテーマだった「冒険でしょでしょ?」、「涼宮ハルヒの憂鬱」の第二期オープニングテーマであり、ロック色が強い楽曲の
「Super Driver」、テンポが早めで感情が強くこもっているような感じがする「Set me free」や「NEOPHILA」、弾けたような雰囲気が
味わえる「RIOT GIRL」「MonStAR」「LOVE★GUN」などの曲が収録されています。全体的にロック色が強く作風となっているようです。
ディスク2(初回限定盤や特別コレクター版にある)は平野綾さんが今までに出されたキャラクターソングの中からの選曲となっていて、
自身名義の曲と違った感じの幅の広さが味わえます。泉こなたのキャラソンの「宇宙鉄人キョーダイン(同名特撮の主題歌のカバー曲)」
「Dドライヴ/ラヴ」「どんだけファンファーレ」は緩めで弾けているような感じが堪能できます。涼宮ハルヒ関連のキャラソンの3曲の
「God knows...」「Lost my music」「First Good-bye」は特にオススメであり、劇中ではハルヒが通う高校にある軽音楽部のバンドとの
共演といった設定です。特に「God knows...」は私がカラオケでよく歌う曲でもあります。ディスク2はアイドルポップスの雰囲気がある
「忘れましょうねヤヤヤヤヤン♪」や「しちゃいましょう」、ジャズの雰囲気がある「Flying Horse」などの全14曲が収録されています。

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