
放映第40話から第51話まで
「ジャギラの樹 −ゴッドジャギラ登場−」
1998年6月13日放送(放映第40話)
脚本 六本木学 監督 児玉高志 特技監督 佐川和夫
「ノリコォー!! 絶対に守ってやる!! 絶対に守ってやるからなぁー!!」
ジャギラ星人
植物学研究者アオキとして暮していた。眼鏡を外すと本性を現す。手から衝撃波を発する。
街の人を昔から遺伝子操作して200年かけて準備を整えていた。地球を故郷ジャギラ星と同じ植物の星にしようとする。
自分の超能力とノリコの生命力があれば完全なる神ゴッドジャギラになれるとして、ノリコと共にジャギラの樹と同化する。
ゴッドジャギラごと倒された時の歪んだ顔がちょっと印象的。
200年前に現れた旅の僧もジャギラ星人の変身した姿だったと思われる。
宇宙魔樹ゴッドジャギラ
身長 59m 体重 4万8千t
今から200年前、森野町に落下した隕石跡から不思議な植物ジャギラが花を咲かせる。
ジャギラの花粉を受けた村人は魂を抜かれたような状態になった。
旅の僧はそれを洗礼と語り、200年後にまたジャギラの花が咲き、この地は楽園になると予言する。
そして200年経った現在、再び花の咲いたジャギラの樹に街の人達は吸い寄せられ、生命力を吸われていく。
ジャギラ星人であったアオキとノリコを取り込む事で完全なる神ゴッドジャギラになる。花粉を撒き散らし、根で相手を締め上げる。
ナカジマの地球人探知機でノリコをダイナに救出され、最後はダイナ・フラッシュタイプのソルジェント光線を受けて炎上、ジャギラ星人ごと燃え尽きた。
物語
大学時代の恋人だったノリコから宇宙人が集会を開いているとの通報を受けてナカジマは調査に向かう。
宇宙人探知機オマエダーで宇宙人を探そうとするが、ノリコからその反応が出る。
感想
ナカジマ頑張る!
ナカジマ主演話。太った科学担当隊員の恋が結ばれると言う展開で『ティガ』のホリイと重なるが、
『ティガ』の「闇にさようなら」がミチル視点のドラマだったのに対し、今回はナカジマ視点のドラマ。
(村人が操られて襲い掛かると言う点では『ティガ』の「霧が来る」にも似ている)
いつもカッコいいホリイと違って、普段はズッコケる役が多かったナカジマが、
自分の中に得体の知れない何かがあると不安に陥るノリコを叱咤激励する場面は最終回で父親について語る場面と並んでのナカジマ名場面だと思う。
又、宇宙人反応が現れた街の人々との格闘でも意外と大活躍だった。
「よせよ……。よせぇー!! ……。例えそれが何であろうが、ノリコはノリコだろう? それでいいじゃないか」。
コメディリリーフ・ナカジマ
ノリコとの会話がメチャクチャ笑える今日のナカジマ。
「ナカジマさん」と言われてなんでそんなによそよそしいの?と尋ね、
今でもお前の事が……と言いかけて、すぐさま大学時代にデートをすっぽかした話をされて言葉に詰まり、アオキにノリコを連れて行かれると気になって神主の話が耳に入らない。
中でも決定的なのは、
「あのー、さっきの植物学者、アオキさん? そそそう、その人ってひょっとして、ノリコのかかかか彼?」、
「さぁ、どうかしらねー?」、
「ねぇー、なぜ否定しない!!」。
TPC一の大天才ナカジマ世紀の大発明
地球外生命体いわゆる宇宙人に反応する超小型宇宙人探知機「オマエダー」。
「遥かなるバオーン」に登場した「声変わり」に次いであまりにもそのまんまなネーミング。
システムを逆にすれば地球人探知機になると言うアイディアが見事。
ダイナにも地球人反応が出たと聞いて慌てるアスカ。怪しすぎ。
アスカのナカジマの物まねが笑える。特徴をよく掴んでいたと思う。
TPCメディカルセンター
マユミ登場はこの話が最後。シンジョウや他の旧GUTS隊員との対面が無かったのが残念。
200年前の花粉を継ぐもの
人間には無いチベリリンに似た成分が検出された森野町の人々。
200年も前から街の人間を遺伝子操作していたと言う展開はウルトラシリーズではあまり無い。
と言うより、ある特定の街の人間全てが関わる話自体少ない。宇宙人が出てこなかったら、金田一耕介が登場する舞台だ。
チベリリンは植物を成長させるホルモン。200年かけて街の人々をジャギラの栄養分にしようとしていたジャギラ星人が怖い。
ところでノリコは花粉の洗礼を継ぎし者達の中でも特別らしいが何でだろう?
ジャギラ出現
名前が似ていれば植物と言う設定も似ているジャギラと『ティガ』に登場したギジェラ。
ジャギラ自身に目新しさはあまり無いが、神社を突き破って出現するジャギラ、ジャギラの攻撃を受けて田んぼに墜落するアルファS等、地方都市を舞台にした感じはよく出ていた。
カリヤとナカジマは墜落したアルファSを修理、あっという間に戦線復帰する。さすがはTPC一の大天才。凄いぞ。
ナカジマVSアオキ
今回はノリコを巡るナカジマとアオキの戦いが見物。
女性を巡って地球人の男と宇宙人の男が戦うと言う展開は意外と無い。
「ずっとあいつだけを想ってきた」、
「男として……、人間として……」、
「甘く見るなよ!」、
「こいつだけは、この俺が……撃ぅーつ!!」。
そう言えば、カリヤがガンナー担当だった事をすっかり忘れていた。
尚、コウダ副隊長が劇中で初めて明確に「副隊長」と呼ばれている。「決断の時」から6話も経っているんだが……。
ナカジマプロポーズ
ゴッドジャギラが倒された事で森野町の人々にあった宇宙人反応も消滅。
人間の持つ生命力が怪獣を倒したんだと語るヒビキ隊長。
コウダ副隊長なら「ナカジマの愛が彼女を元に戻したんだ!」と真顔で言っていそうだ。
そのナカジマはノリコにプロポーズ。ノリコも受け入れ、抱き合う二人。めでたしめでたし。
と思いきやナカジマの一張羅(レンタルかも)が破けてしまう。それでこそナカジマだ!
脚本家・六本木学
今回の話を担当した六本木氏は円谷プロファンクラブ会員で江藤直行氏の推薦で脚本を書いたとの事。
ウルトラシリーズの参加は本作のみだが、この後、『ブースカ! ブースカ!!』にも参加している。
「ぼくたちの地球が見たい −ダイオリウス登場−」
1998年6月20日放送(放映第41話)
脚本 太田愛 監督・特技監督 川崎郷太
「行けるよね? 地球へ……」、
「もちろんだ。きっと……、地球へ……!」
宇宙昆虫ダイオリウス
身長 115m 体重 6万5千t
3年前に建設中のステーションを全滅させた昆虫型怪獣。凶暴な上に頭が良く、生き物なら何でも餌にしてしまう。
触角で電波や光、音あらゆる信号に反応してガゼル号のSOS信号に喰い付く。
成体は大気圏突破が出来ないので、ガゼル号に3体の幼虫を植えつけて地球に送り込もうとした。
幼虫は変態時に地球の気圧の下では数秒で気化する猛毒の体液を分泌する。
成体は何がなんでも幼虫を地球に送り込もうとするが、全ての幼虫がカリヤ達によって倒されたので用無しとなったガゼル号を破壊しようとした。
光弾や電流を発してダイナと戦うが最後はダイナ・フラッシュタイプのソルジェント光線で倒された。
幼虫はしらたきを使って撮影されたとの事。
物語
木星衛星軌道上のステーションで生まれた第一世代の子供6人を乗せた輸送客船ガゼル号が地球へと向かっていた。
そこにダイオリウスが襲撃。船内に幼虫を植えつける。
地球の気圧では数秒で気化する猛毒を持つ幼虫の為、ガゼル号は地球に降りられなくなってしまう。
感想
ネオフロンティア時代の子供達
遂に宇宙ステーションで生まれ育ち、地球には一度も行った事の無い子供達が登場するようになった。
花の種を手にして、大地は掘っても掘っても底が見えないと口癖のように言う。
途中、ダイオリウスに襲われるが子供達は意外と落ち着いていた。騒いだところで事態の打開にはならない事を知っているのだろう。
このぐらいの危機はある意味想定内と言うのもネオフロンティア時代。
ネオフロンティア時代の大人達(ガゼル号)
男気溢れる船長。数多くの危険がひしめいている宇宙を切り抜けるにはやはりこういう人でなければ。
意外に大活躍したシンジ。危険を顧みずに幼虫のいるDブロックに行ってプログラムロックを解除。
あっさり死んでしまったハルさん。船内に火花が散った時に光り輝く頭を熱がっていた。
旧式の銃が科特隊のスーパーガンなのが嬉しい。
ネオフロンティア時代の大人達(スーパーGUTS)
川崎監督が今回の話に設けたテーマの一つが「スーパーGUTSをキチンと描く」。
全ての登場人物にキチンと見せ場を作るのは意外と大変。それを大げさに描かず細かにさり気なく描いていっているのはさすが。
冒頭の「へが書けない!」やガゼル号での冷静な行動等、カリヤが大活躍。それでも印象が薄いのもカリヤらしい?
ネオフロンティア時代の大人達(フカミ総監)
ガゼル号の乗客と地球の人々の事を考えて判断を下していくフカミ総監。
防御衛星ユニコーンの防御ラインを突破したらガゼル号を爆破すると決定し、それを自らガゼル号に伝えるのだが、残念ながら伝えるシーンはカット。
もう一つ、ガゼル号の乗客が無事に地球に降り立った時のフカミ総監が描かれなかったのも残念。
フカミ総監の心情を描いたのはこの話ぐらいなので、ぜひとも描いてほしかった。
ネオフロンティア時代の大人達(ゴンドウ参謀とミヤタ参謀)
ガゼル号にダイオリウスの幼虫が植えつけられた事を知り、ユニコーンでの撃墜を提案するゴンドウ参謀。
ミヤタ参謀はガゼル号の乗客を見殺しには出来ないと反論するが、
ゴンドウ参謀はなら数百万単位の地球の人々を見殺しに出来るのかと返す。ここはゴンドウ参謀の言い分が正しい。
一般に悪役に分類されるゴンドウ参謀だが、この人は自分の私利私欲ではなく、あくまで地球防衛を考えて行動している。
ゴンドウ参謀がフォローのしようがないほど悪役だったのは上原氏が脚本を務めた「チュラサの涙」くらい。
ミヤタ参謀の言い分は人間としては分かる。
ミヤタ参謀自身は印象の薄いキャラクターだが、ゴンドウ参謀のキャラクターを上手く引き立てていたと思う。
ネオフロンティア時代の大人達(ヒビキ隊長)
アスカのような熱い想いを秘めていながら努めて冷静に指示を送るヒビキ隊長。
それが今回の話で唯一感情を出したシーンを効果的に決めた。
「やってみなけりゃ分からん!! ……と、思いますが」
宇宙、静かに時が過ぎていく…
プログラムロックによってダイオリウスの幼虫を乗せたまま地球に向かっていくガゼル号。
子供達が何度も憧れの言葉を呟いていた地球が子供達の命を奪おうとする。
ガゼル号の作業用ハッチから乗客を救出しに行くスーパーGUTS。
しかし、ダイオリウス幼虫の襲撃でドッキングが外れ、アカネ達を残したまま救出が終わってしまう。
弟達を乗せたアスカのガッツイーグルに向けてのアカネの「行って」の口パクが印象的。
アスカはユニコーンを爆破してガゼル号撃墜を阻止しようとするが、ヒビキ隊長はそれを見越して、予め攻撃できないようにしていた。
画面に背を向け、表情を見せずにアスカに帰還命令を下すヒビキ隊長。
窓の外を見ながらガゼル号爆破30秒前のアナウンスを聞くフカミ総監。
二人の心境はどのようなものだったのだろうか。
ガゼル号ブリッジで一人旧式の銃を構えながらダイオリウス幼虫を警戒するアカネ。
そのモニターに映るアカネの姿を指でなぞるマイ。そこにアカネからのメッセージが伝えられる。
アカネ「聞こえますか? 地球」、
マイ「うん……、聞こえるよ」、
アカネ「弟が地球に着いたら、花の種を植えるのに一番いい大地を教えてやってください」、
マイ「……」。
そして運命の時が来る。
様々な想いが宇宙を動かす!
その瞬間、なんとダイオリウスがユニコーンを撃墜。皮肉な形でガゼル号は救われる。
その後、シンジがプログラムロックを解除。ガゼル号を地球から火星に移動させる。
最後の幼虫もカリヤと船長によって倒され、怒りのダイオリウス成体はガゼル号破壊を始める。
そこにやって来たダイナがダイオリウスを食い止め、その間にガゼル号は再び地球へ向かう。
そして遂にダイオリウスを倒したダイナ。その背中には皆が待つ地球があった。
ようこそ地球へ
遂に地球に辿り着いたアカネ達をスーパーGUTSが出迎える。エンディングはその後を描いている。
残念なのは子供達が地球に辿り着いたと実感できるシーンが無かった事。
川崎監督は子供達が大地に花の種を蒔くシーンとかを入れるのがコテコテで嫌だったらしいが、
今回の話は地球を知らない子供達をなんとしてでも地球に降ろさせる事だったので、そこを外してはいけないと思う。
なにも大地に花の種を蒔かなくても、冒頭でフカミ総監がガゼル号の子供達は窓から入ってくる風を感じる事も初めてだと語ったように
窓から入る風を感じるとか、とにかく地球を感じるシーンを入れてほしかった。
ネオフロンティア時代
になってようやく登場したクリムゾンドラゴン。
クリムゾンドラゴンとブルートルネードはカッコ良くて好きなのだが登場が少なすぎ……。
「うたかたの空夢 −レギュラン星人 マウンテンガリバー5号登場−」
1998年6月27日放送(放映第42話)
脚本・監督・特技監督 川崎郷太
「ドアホーーーー!!!!」
*他にもセリフがあっただろうと突っ込まれそうだが、今回の話を(いい意味で)一言で表したセリフかなと思って選びました。
悪質宇宙人レギュラン星人
身長 260cm 体重 200kg
宇宙一の嫌われ者で、その筋では有名なほど悪賢い宇宙人!
地球人がスペシウム砲と言うあんまり凄い武器を持った為に文句を言いに来た!
数多すぎな球体型円盤でスペシウム砲受領を妨害してくる!
さらに強力な彗星爆弾を小惑星帯で爆発させて、広範囲に小惑星の破片を降り注がせる、自らも自画自賛するほど悪賢い「石ぶつけ作戦」と言う素晴らしいネーミングの作戦を行った!
圧倒的な物量攻撃でMG−5のスペシウム砲を破壊し、火星にたぶん10キロメートルくらいの大きな小惑星を落下させようとした!
アスカが乗ったα号を袋叩きするも、ダイナ・フラッシュタイプによって円盤全てを破壊され、「おのれぇ〜、ウルトラマンダイナァッ!!」と言う言葉を残して全滅してしまった!
リーダーと思われるヅウォーカァ将軍はスーパーGUTSの司令室に直接メッセージを送りつけてきた!
が無視される。て、全部夢だけどね。
スーパーロボットマウンテンガリバー5号
身長 58m 体重 6万t
火星マリネリス基地開発部のホリイが「まぁ、こんな事もあろうかと思って」開発していたとっておきのロボット! 略してMG−5!
スペシウム砲を装備するも設計ミスによるコクピットが狭いと言う重大な欠陥を抱える。と言うわけでチビスケのマイが操縦する事になる!
ギアはオートマでアルチハンドが基本と言う初心者にも優しい設計。でも乗り心地はあまり良くない!
スペシウム砲以外の武器は今日のところは……無い。が、コナクソー!なパンチで「あ、凄い」活躍をする!
レギュラン星人の球体型円盤でスペシウム砲を破壊されて一時退却する!
が、火星に落下しようとする大きな小惑星を押し返そうと再び出撃する!
てな感じでアスカの夢で大活躍。
物語
火星で発見された大きなエネルギーを生むスペシウムを元に強力な兵器スペシウム砲が完成!
その受領にアスカとマイが火星に向かう事になるが、それを知ったレギュラン星人の大攻勢が始まる!
と言う夢。
感想
『ダイナ』最大の問題作
川崎監督が再び脚本、本編、特撮全てを一人で担当した『ティガ』の「うたかたの…」の続編。
戦争と言うテーマは同じながらここまで雰囲気の違う話になるのが『ティガ』と『ダイナ』の面白いところ。
今回の話は言葉で面白さの全てを伝えるのは到底無理なので実際に見る事をお勧めする。
平成ウルトラシリーズ最高の特撮
川崎監督が今回のテーマに特撮の充実を設けただけあって特撮は平成ウルトラシリーズ最高レベル。
ミニチュアやCGを駆使して作り上げた格納庫や攻防戦。基地を真上から見た構図やシャトル発射で震える頬等が効果を挙げていた。
今回の特撮は他の話には無い空気感が出ている。
このレベルを毎週出来るようになったらウルトラシリーズは新たな段階に入ると思う。
元ネタ色々
川崎監督は元ネタ探しを熱心にされるのを嫌っているようだが、こういう話で探すなと言う方が無理がある。
とりあえずウルトラ関係では、
@火星の物質を元にナカジマが設計したスペシウム砲。もちろん『初代マン』に登場したスペシウム。スペシウム砲の演出は初代マンのスペシウム光線と同じ。
A戦闘機の発進シーンで合図を送る作業員。あえてウルトラシリーズで考えれば『80』のUGM発進シーンかな?
B「第4ゲート開け!」と言う場内アナウンスは有名な『セブン』の「フォース・ゲート・オープン!」。元ネタと言うわけではないが、川崎監督だけあって、これ以外の場内アナウンスも面白い。
C一旦下がって上がるγ号の発進システム。『セブン』でのウルトラホーク1号の発進シーン。
D発射直前のシャトル。こちらは『セブン』のウルトラホーク2号かな?
ウルトラシリーズ以外では、長距離援護射撃を30秒間行うやリョウの「絶対に、アスカ達をそらに上げるぅー!!」と言うセリフは確かにガンダム。
最後の大きな小惑星を押し返す場面も、やはり『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に見えてしまう。
これ以外では火星方面の巡洋艦が『宇宙戦艦ヤマト』ぐらいは分かるが、冒頭の隊長日誌が『スター・トレック』だとか、円盤の光線が『宇宙大戦争』だとか、
キャプテン・ムナカタのモデルが『キャプテン・ハーロック』だとか、額に血の滲んだ包帯をしているマイが日の丸ハチマキをしている『トップをねらえ!』だとか、
MG−5の足の模様が『帰マン』郷秀樹役の団次郎氏がコマーシャルを務めた男性化粧品がモデルだとかはオリジナルを見ていないので分かりません。
インターネットを見ているとこれ以外にもまだまだ色々あるようなので興味ある人は探してみてください。
「だってぇ〜、今日彼氏に会うかって……」、「彼知ってどの?」、「内緒」
この時期、アスカ役のつるの氏とマイ役の山田まりや氏が付き合っている事が報じられている。
偶然なのだが、今回の話はどうしてもプライベートでの関係がそのまま役に投影して見てしまう。
(尚、二人は後に別れている)
天然なヒビキ隊長
ヒビキ隊長の「スペシウム砲があればデートなんか毎日出来る」に「どういう理屈なんだ?」とカリヤ。
さらに「そんなもん(彗星爆弾)が小惑星帯で爆発したら……あまり良くないんじゃないか?」と妙に間が抜けている。
突っ込もうとするリョウだったがタイミングを逸してしまう。
熱血なコウダ副隊長
球体型円盤に向かって「撃ち落せぇー!!」と熱い命令を下すコウダ副隊長。
その後、アスカとマイを危険だから引き帰させましょうと言っていながら、アスカの訴えを聞いたらあっさりと二人に行ってもらいましょうと言ったのには驚いた。
「決断の時」と違って決断がえらい早く、突っ込もうとするリョウも再びタイミングを逸してしまった。
「早いなこの人」。
哀れなマイ
彗星爆弾の恐怖が迫っている事を知りながら
「火星に落ちてくる石ころをしらみつぶしに叩いてやりますよ。なぁ、マイ」と呼びかけるアスカ。
でもマイは「……」と明らかに不満顔。ところがアスカは「マイも同感だと言っています」。
「!? 言っていません!!」と驚きのマイ。
抗議を訴えるが「ちょっと隊長聞……」と途中であっさり通信を切られてしまう。哀れマイ。
色々な意味でウルトラシリーズ史に燦然と輝くスーパーロボット! その名は……!!
スペシウム砲の射程距離が短く、射程距離まで敵をひきつけてしまったら危険が危ないと語るホリイ。
マイ「なら、外して持って行けばいいじゃないですか?」、
アスカ「誰がやるんだよ?」、
マイ「ダイナ……かな?」、
アスカ「かなじゃないだろ、かなじゃ」と全然他人事なマイ。
ところがホリイのとっておきMG−5は設計ミスでコクピットが狭く、チビスケのマイしか操縦できなかった!
「免許はオートマだけだし……、アルチハンドぐらいしか!」と訴えるも
ギアはオートマでアルチハンドが基本と言う親切(?)設計で
MG−5はマイを乗せて98年長野オリンピックで日本勢が金メダルを取ったスキージャンプ台のような台で出撃するのだった!
マイ、戦いの決意
「どうして? どうして私が戦うの!?」と騒ぐマイ。
スペシウム砲以外の武器が今日のところは……無い。と聞かされて諦めたようにブチ切れたようにコナクソー!!な活躍を始める。
そして戦闘機の支援を受け、キティ小隊のレナに助けられ、後方の様々な人の応援や頑張りを知ってマイは戦う事を決意する!
がスペシウム砲はあっさり撃破され、フラフラで帰って来たら、ナハラもホリイもMG−5の心配ばかり……。そりゃあんまりだ!
『ティガ』、何もかも懐かしい……。
前回に続いて登場のクリムゾンドラゴン。
防空司令部になっていたダイブハンガーから出撃してデキサス砲を発射するガッツウイング2号。
チラッとだけ登場したヴァルキリー砲を試射するステーション・デルタ。
さらに火星マリネリス基地司令のナハラと危険が危ない開発部のホリイ。
かつてムナカタがティガに名付けようとしたマウンテンガリバー。
専用の隊服に身を包んだレナ率いるへこたれませんよなキティ小隊。
そしてそしてトランペットを吹いて颯爽と現れるあの伝説の……キャプテン・ムナカタ!
旧TPCマークにドクロマークとムナカタマークを掲げ、ティガの形をしたドクロを艦首に設けたアートデッセイこと曙丸。
「男には負けると分かっていても戦わなければならない時がある」、「真っ直ぐ突っ込みますか? 親分」、
「親分と呼ぶな。キャプテンと呼べ!」、「ヘイ! お頭」と懐かしいやり取りを見せるムナカタとシンジョウ。
尚、劇中では語られていないが、ムナカタはアートデッセイ号を奪って自由とロマンを求めて宇宙海賊になったとの事。何があったんだ?
ムナカタ役の大滝明利氏によると、ムナカタは戦い無しでは生きていけない人間らしい。
扮装好きだが紛争好きでもあったのか。
VSレギュラン星人!!
風車を持った自分の人形片手に登場するレギュラン星人。
『ティガ』に登場した時も変な言動はあったが、まだ悪役の威厳はあったような……。
球体型円盤の攻撃を受けて「もはや、これまでか……!」とカッコよく語るムナカタ。
「手伝ってくださいよ、リーダー」と消火器片手に語るシンジョウとジョウロや防災バケツで火を消す海賊達。
そんな中「我々はネオフロンティアの捨て石となる!」とムナカタは決意する。
そこに基地内を自転車で移動する男がアスカが前に落っことしていったヤツと言っていたα号に乗ってアスカ見参!!
……だが一機のみだったので静かに無視されてしまう。
球体型円盤にドッグファイトを挑むアスカだが何故か生身で袋叩きに……。
変身したアスカは球体型円盤を一掃するが肝心要の小惑星を撃ち損じていた!
ダイナの活躍に「ウルトラマンダイナ、か……」と肩を落とすムナカタは、
そのダイナが肝心要の小惑星を撃ち損じていた為、溜息と共に再び肩を落とすのであった。
「皆を守りたい」
火星に落ちていく大きな小惑星をストロングタイプで止めようとするダイナ。小惑星がマジでデカ!
皆が小惑星落下を食い止めようとしている時、血が滲んで日の丸に見える包帯をしたマイがMG−5に乗って登場する!「私にも……出来る事を……!」。
そんなマイに帰るよう促すダイナだが、マイは帰らず頑張る!
その時、「いいからどけってぇーの!」と思わずアスカの声で喋ってしまうダイナ。
「今の声?」と驚くマイ。「……」と気まずいダイナ。そこに石が落ちてきてダイナの頭部を直撃。
なんとダイナは気を失ってカラータイマーも点滅してしまう! ダイナに駆け寄るマイ。
「ダイナしっかり! 起きてダイナ! 起きてよもう、目覚めよアスカ!!」。
目覚めたアスカが見たのは自分を起こすマイ。
「俺、ダイナじゃないです」とアスカが語るも、「そんなの皆知ってるわよ」とにべもないマイ。
急いでアスカに服を投げつける。その中には秘密のリーフラッシャーまで…。
窓の外にはアスカとマイが乗る予定だったシャトルが発射していた。
そう、アスカとマイは寝坊したのだった。二人が気付くとドアには恐ろしい顔のヒビキ隊長が……。
「ドアホーーーー!!!!」。シャトルは落ちた。
と言うわけで……
今回の話は夢オチ。過去のウルトラシリーズでも夢か現実か判然としない話はいくつかあったが、明確に夢オチと語ったのはこの話と『Q』の「1/8計画」ぐらい。
書き文字やら何やらと普段では出来ない演出が色々あった。また川崎監督ならではの細かい突っ込みも充実。
エンディングは色々な場面が闇の中に消えていくもので夢らしさがよく出ていた。レギュラン星人のポーズが妙に歌に合っている気がする。
尚、今回の話がツボにハマッた人は『機動警察パトレイバー』の「星から来た女」を見る事を薦める。絶対にハマると断言しよう!
ウルトラシリーズ最終作
今回の話をもって川崎監督がウルトラシリーズの監督を務める事は無くなった。
両者の言い分が食い違っているので、川崎監督が自ら降板を申し入れたのか、上層部が川崎監督を外したのか自分には分からない。
川崎監督作品はうたかたの二部作以外は意外と普通のウルトラ作品となっていて、そんなに掟破りはしていない。
逆に北浦監督や原田監督の方がよっぽど掟破りな話をしている。
川崎監督降板の理由は川崎監督が色々と文句を言ったからだと言われているが、聞く限り、原田監督とかも結構文句は言っている。
思うに、川崎監督は文句の言い方がまずかったのかもしれない。
『ティガ』の「オビコを見た!」でのラスト改変問題等による、やっている事よりやり方が問題になったのかもしれない。
マウンテンガリバー5号
(MG−0005−RX)
開発責任者 ホリイ マサミ
機体番号 へ−0001号
起動 西暦 弐千拾八年四月壱日
「あしなが隊長 −ゴルザU登場−」
1998年7月4日放送(放映第43話)
脚本 右田昌万(原案・満留浩昌) 監督 村石宏實 特技監督 村石宏實・満留浩昌
「頼む! 行ってくれぇー!!
……ハルナちゃん。お礼が言いたいのは、あしながおじさんの方なんだ……。
あしながおじさんはハルナって子に……心を救ってもらったんだ……。
頼んだぞぉー! アスカー!!」
超古代怪獣ゴルザU
身長 62m 体重 7万t
霧門岳の地下でマグマを集めて噴火活動を起こした。ネオドリルビームを受けて地上に出現。口から火炎を吐いてTPC地上部隊を壊滅させた。
ガッツディグのアトミックサンダーやダイナ・フラッシュタイプのソルジェント光線も通じない強敵だったが、怒りの気持ちをコントロールしたダイナのソルジェント光線を再び受けて倒された。
何者かがゴルザ細胞を蘇らせたらしく、スフィアの関連も疑われたが詳細は不明。死体は爆発せずそのまま残された。
物語
アスカに怒りの気持ちをコントロールする事を教えるヒビキ隊長。その時、霧門岳に再びゴルザが出現。
ヒビキ隊長に苦い思い出が蘇る。
感想
ヒビキ隊長のあしながおじさん物語
怪獣災害で親を亡くしたハルナや施設の子供達に色々な支援をしている事が分かる。
ウルトラシリーズの隊長は大きく分けて指揮官タイプと人生の師タイプの二つがあるが、ヒビキ隊長は後者のタイプ。
後者のタイプは第2期ウルトラシリーズに多く見られた。
今回の話は剣道の場面等、妙に『帰マン』っぽいなぁと思っていたら、ムカイ整備班長役としてきくち英一氏が出演していた。ヒビキ隊長とのやり取りが面白い。
あの時、あの場所にいた者達
今回の話は『ティガ』の「ゴルザの逆襲」の後日談と言う要素もある。
再び霧門岳に現れるゴルザ。噴火や避難の描写、ネオドリルビームやガッツディグの描写も「ゴルザの逆襲」を意識している。
「ゴルザの逆襲」はあえてドラマ描写を捨てた話だったが、今回はその裏にあったドラマの紹介と言った感じ。
あまり強調されていないが、『ダイナ」』おける怪獣災害の様子を見ていると、やはり毎回かなりの犠牲者がいたんだと考えさせられる。
12年前、もう一人のアスカ
まだ警務局にいた頃の若きヒビキ隊長。ティガやGUTSの不甲斐なさに怒り、たった一人でゴルザに立ち向かうと言う無茶をしてしまう。
この時のヒビキ隊長の言動は今のアスカに似ている。
ただアスカと違い、ヒビキ隊長は無茶の結果にワシヅと言う仲間を死なせてしまう。
「新たなる光(後編)」で無茶をしてコウダ副隊長を危うく死なせてしまうところだったアスカを叱るのは若い頃の自分の経験があったからだろう。
花を捧げる悲しみを抱えた少女
そのワシヅを死なせてしまったヒビキ隊長の心を救ったのが、ゴルザに親を殺されたハルナであった。
自分の親が殺されたばかりだと言うのに、怒りよりも先に悲しむヒビキ隊長を励まそうとしたハルナ。
そんなハルナを見て、怒りに身を任せて仲間を死なせてしまったヒビキ隊長は衝撃を受ける。
ところで『空想科学のすばらしき世界』(朝日ソノラマ)には『ティガ』から『ダイナ』への時間軸とハルナの成長にはかなりの誤差があるとしているが、
「ゴルザの逆襲」から今回の話まで約12年経っているので、ハルナが4、5歳から16、7歳になったと考えればあまり違和感無いと思う。
人間って何だ?
何でもチビ達と一緒じゃつまんないとふてくされていたシンベエ、ヨッちゃん、タッくんの3人。
怪獣に親を殺されたのに噴火を見に行くとは。怪獣と自然災害は違うのかな? どちらにせよ子供の発想。
もう歩けない、放っておいてくれと駄々をこねる3人に対して、
「私は人間はみんな素晴らしいと思っている。どんなに疲れたって、それに負けないで自分の目標に向かって歩こうとする。それを選ぶ自由な心はあなた達も持っているんだよ」と語るハルナ。
いいセリフだが、ちょっとズレているような気がする。
今回の脚本は右田氏だが、『ダイナ』における右田作品はこういうちょっとクサいセリフが多い。
本人もそれを分かっているのか、後の「君を想う力」ではそれを突き詰めた名ゼリフを右田氏本人が語っている。
憧れの存在と憧れる者
3人を説得するハルナの姿を見ていいお母さんになれると褒めるヒビキ隊長だが、ハルナはあしながおじさんになりたいと答える。
ハルナの優しさが無償なのに対し、ヒビキ隊長のは贖罪も含まれているので、ハルナのあしながおじさんになりたいと言う希望にヒビキ隊長は複雑な気持ちになる。
アスカの戦い
冒頭の剣道でヒビキ隊長に勝てず怒るアスカ。
しかし、ヒビキ隊長は怒りの下僕になり下がったら人間の負けだと語る。
そしてムカイ班長がゴルザに襲われたのを見てアスカは再び激怒。ヒビキ隊長の忠告も無視してダイナに変身してゴルザと戦う。
余裕綽々なゴルザに対しさらに怒りを募らせるダイナ。結果、怒りに支配されたダイナは苦戦を強いられる。
しかし、ヒビキ隊長の言葉を思い出したダイナは怒りの気持ちをコントロールし、更なる力を引き出して遂にゴルザを倒すのだった。
ヒビキの戦い
駄々をこねていた3人もヒビキ隊長の想いが伝わったのか、自分達の力で避難所まで行く。
そしてゴルザが倒され、避難所に帰って来たヒビキ隊長達をハルナ達が待っていた。
「お帰りなさい。……私、あしながおじさんてどんな人かずっと想像しているんです。
ハンサムでスタイルが良くて優しくて、それでいて勇気があって、笑顔の素敵なナイスミドルなんじゃないかって……。……ありがとう」。
昔の場面ではヒビキ隊長が心を救ってくれたハルナに抱きつく構図だったが、今度はハルナがヒビキ隊長に抱きつく構図。それはヒビキ隊長がハルナの心を救ってくれたから。
カッコ良すぎるぜ!
ウルトラシリーズ本格デビュー作
今回の話は満留監督の本格デビュー作。
霧門岳噴火や火花散らして木々を突き抜けるアトミックサンダー、再び登場の八つ裂き光輪等に拘りを感じる。
ダイナとゴルザの戦いはメンチをきったりと擬人化されていたのが面白かった。
「なめるなぁー」と言うダイナの表情が良く出ていて、ダイナ=アスカが表現されていた。
ダイナが尻尾を持ちながらも逆にゴルザがダイナを振り回してしまうのが驚き。ゴルザがかなり強かった。
ゴルザが火炎を吐く場面を真正面から描いた構図は意外と無く面白い試み。
尚、ゴルザのデザインが変更されて頭がかなり小さくなっているが、これは満留監督がゴルザをゴジラ、次回登場のグライキスをガメラのイメージとしたから。
新しいゴルザはかなりカッコイイが、頭が大きくないとあまりゴルザらしくない。
「金星の雪 −グライキス登場−」
1998年7月11日放送(放映第44話)
脚本 長谷川圭一 監督 村石宏實 特技監督 村石宏實・満留浩昌
「博士。夢を簡単に捨てちゃダメっすよ。夢がある限り人は前に進めます。どんな困難にも何度でも挑戦できるはずです。だから……、
終わったなんて言っちゃダメだー!!」
宇宙球体スフィア
身長 不明 体重 不明
時空の歪みから金星に出現。2連式と言う珍しいタイプ。
金星の大気改造システム、アイス・ビーナスを破壊し、中の人工バクテリアをグライキスに突然変異させた。
グライキスに力を与え、自らも先端の開口部から衝撃波を発してダイナやスーパーGUTSを苦しめる。
コスモネットを通じて再び地球人にメッセージを送る。最後はスーパーGUTSに根性で撃ち落された。
「地球人類よ。聖なる宇宙を汚す愚かなる侵略者達よ。もはや警告は無意味だ。もうすぐお前達も知る事になる。その者達の偉大なる意識を、その大いなる安らぎを」。
灼熱怪獣グライキス
身長 54m 体重 7万7千t
スフィアがアイス・ビーナスの人工バクテリアを突然変異させた怪獣。
金星の大気を泳ぐように移動し、口から火球を吐く。戦闘形態と手足を収納した飛行形態とがある。
スフィアと共に金星の環境で力を発揮できないダイナを苦しめるが、最後はスーパーGUTSの根性を受け取ったダイナ・ミラクルタイプの反撃を受け、弱点である頭部を砕かれて爆発した。
その後、呪いから解放されたアイス・ビーナスが雪のように辺りに降り注いだ。
迷子珍獣ハネジロー
身長 33cm 体重 5kg
司令室から金星での戦いを見ていた。
物語
金星の大気改造システムからの信号が途絶え、調査に向かったスーパーGUTS。
そこには地球人の宇宙進出を快く思わないスフィアの呪いが待ち受けていた。
感想
見えてきた最終章
『ティガ』に比べて連続形式に拘らず、1話1話が独立した作りになっている『ダイナ』だが後半から段々と物語が繋がってきた。
「滅びの微笑」に続いて登場したスフィアがいよいよ本格的に動き始める。
尚、この話は当初はもっと前に予定されていたが、撮影が困難だと言う事でこの時期まで持ち越されていたらしい。
しかし、最終章前にネオフロンティアスピリッツやスフィア等、『ダイナ』のメイン要素を振り返る事が出来て結果的にはこの時期で正解だったと思う。
進むネオフロンティア計画
太陽系第二惑星。地球と極めて似た特徴を持ちながらも、生命を寄せ付けぬ灼熱地獄と化してしまった星。
この火星以上に困難な金星の大気改造計画を行っているのが今回の話。
今後の研究の為になんとしてでもデータを回収したいマーク浅川博士。
そしてマーク博士が諦めても、グライキスの破片を持ち帰れば今後の研究に役立つと頑張るアスカ。
結局、今回は駄目だったが、アスカやマーク博士のように決して諦めなかったら、いつかきっと金星の黄色い灼熱地獄が地球のような緑の楽園になる日も来るだろう。
ところで最後に降ったアイス・ビーナスの雪を回収したら今後の研究に役立つと思うが回収したのだろうか?
金星の生物・グライキス
金星に生物はいないと断言するナカジマ。
確かに金星の環境は厳しいが今まで登場した怪獣はそういう環境でも十分平気だったぞ。
アスカも懲りずに何度も無茶をするが、ナカジマも懲りずにいつも自分の常識内で物事を判断してしまう。
レーザーの照準に誤差が生じ、ミサイルも大気圧で押し潰され、ダイナの動きも制限されてしまう等、ある意味、グライキス以上に恐ろしい敵と言える金星の大気。
しかし、グライキスはそんな環境でも全然平気。
その事に関して疑問を持つ人もいるらしいが、地球の環境に慣れた存在が金星の環境では苦戦を強いられるわけで、
グライキスのように金星生まれの金星育ちにとって金星の環境は何とも無いはず。
(逆に地球に来たらグライキスの攻撃にメチャクチャ誤差が生じるかもしれない)
災難続きのクラーコフ
『ティガ』のアートデッセイ号に比べてイマイチ印象の薄いクラーコフNF−3000だが出番は多い。
今回は金星の中でグライキスに襲われ、「滅びの微笑」ではスフィアに乗っ取られ、
「移動要塞浮上せず!」では海底に沈んだりとなんか毎回酷い目に遭っている。
ネオフロンティアスピリッツとは
リスクが大きすぎると金星突入を渋るスーパーGUTSに対し、
「リスクが大きい分、達成感も大きい。それに、どんな危険にも立ち向かっていく……。それがネオフロンティアスピリッツじゃないですか?」と言って出動するアスカ。
そんなアスカを馬鹿と言いながらも付いてくるスーパーGUTS。
警戒してその場に踏みとどまる賢者よりも、たとえ危険を冒しても突っ切る愚者になれ!と言うのが『ダイナ』の基本姿勢なのかもしれない。
フロンティアか、侵略か
金星に投下した大気改造システムは人工バクテリアを増殖させて金星の大気を改造すると言うもの。
それを人類の未来にとっては夢のお城だよと語るマーク博士だが、よくよく考えてみると、それは地球人が他の星の生態系を自分達の都合で変えていると言う事。
「移動要塞浮上せず!」のスヒュームとやっている事は同じ。スフィアが地球人を侵略者と断じたのはあながち間違いではない。
ただし、スフィアのように自分達の思想を他人に押し付けるのも同じく侵略行為。
地球人とスフィアは同じ穴の狢と言える。
「死ねるかぁー!! 俺にも夢は目一杯あるんだ!!」
と叫んで変身するアスカだが、たとえダイナでも金星の環境で戦うのは苦しく、ミラクルタイプのテレポーテーションやレボリウムウェーブ・アタックバージョンでもグライキスを倒せない。
しかし、スーパーGUTSが根性でスフィアを撃ち落し、ダイナも根性で逆転勝利。
ミラクルタイプでも根性でストロングタイプ並の力が出せると言うのがダイナらしい。
コウダ副隊長とマーク博士は語る
あまり話題になっていないが、今回の話はコウダ副隊長がかなり目立っている。有名な「根性で撃ち落せぇー!!」の他、
マーク博士との会話がネオフロンティアと言う『ダイナ」の基本部分なので、二人の会話がそのまま『ダイナ』そのものを語っているとも言える。
マーク「宇宙はまだ人間には測り知れない領域です。私達が追い求める夢は本当に正しいと言えるでしょうか?」、
コウダ「今はまだ分かりません。ただ夢を見る事が出来る人間て生き物が私は大好きです」。
アイス・ビーナスの雪降る金星の中で
アスカ「博士。今回は残念だったけれど、この星にいつか本物の雪を降らせてくださいね。」、
マーク「もちろんさ。未来を共に信じ、戦えるパートナー達がいる限り、私も夢は捨てたりしない」。
「チュラサの涙 −トロンガー登場−」
1998年7月18日放送(放映第45話)
脚本 上原正三 監督・特技監督 高野敏幸
「それよりも……、会えましたか?」、
「あ、あぁ……」、
「それは良かった」
宇宙超獣トロンガー
身長 190cm〜51m 体重 300kg〜4万3千t
かつてギガール星でミヤタ参謀を襲い、チュラサに撃退された宇宙怪獣。
とても執念深く、チュラサに復讐し、ミヤタ参謀に復讐する為に宇宙の果てから地球にやって来た。
雷雲の中にある謎の穴から赤い球として現れ、スーパーGUTSをあざ笑うかのようにTPC関連の基地を次々に襲っていった。
両手から光線を発し、後頭部の触手や口の中から現れる触手で敵を襲う。
攻撃を受けてもすぐさま再生し、不死身と言っていいほどの強さを誇るが心臓が唯一の弱点。
かつては右肩にあったものを右胸に移動させていたが、チュラサの涙をセットしたギガール銃で心臓を撃ち抜かれ、最後はダイナ・フラッシュタイプのソルジェント光線で止めを刺された。
ヤプールとは関係ないのだろうが「超獣」と言う名称を久々に見られたのは嬉しい。
ギガール星人
身長 160cm 体重 60kg
10年前にネオマキシマ航法のテスト中に行方不明になったミヤタ参謀が流れ着いたと語られる星の勇敢な女性戦士チュラサ。
ギガール銃でトロンガーに襲われたミヤタ参謀を助けるが、その後、トロンガーに復讐されたらしい。
トロンガーに再び襲われるミヤタ参謀にコンタクトを送り、自分の宇宙船に招き入れてチュラサの涙とギガール銃を与える。
その後、再びミヤタ参謀の前に現れるが現実か夢かは明らかではない。
沖縄の言葉で「美しい人」と言う意味らしい。
物語
スーパーGUTSに誕生日を祝ってもらうミヤタ参謀。そこに宇宙怪獣トロンガーが出現!
トロンガーを見ていきなり豹変するミヤタ参謀。はたしてミヤタ参謀の過去に何が……?
感想
上原氏の恩返し
『ダイナ』で唯一の上原作品。上原氏によると円谷監督への恩返しの作品らしく、円谷監督の息子である円谷浩氏(ミヤタ参謀)が主役となっている。
尚、上原氏と円谷浩氏は『宇宙刑事シャイダー』で脚本・主演として関係している。
内容も宇宙刑事シリーズっぽいので、いっそのこと宇宙刑事シリーズを担当していた小林監督に担当してもらうと言う手もあったかも。
スーパーGUTSの参謀達
スーパーGUTSに誕生日を祝ってもらうミヤタ参謀。
3日前に誕生日ながら祝ってもらえなかったゴンドウ参謀が哀れだ。
そんなゴンドウ参謀に対し、「部下に愛される参謀になると言う事だ」と言うフカミ総監はさり気にキツイ。
それにしても、ゴンドウ参謀がミヤタ参謀の誕生パーティーに付き合ってくれるとは思わなかった。
シイナ参謀はあまり他の参謀と一緒にいる事がないがどうしているのだろうか?
マイの好きな人
今度はミヤタ参謀のファンである事が判明するマイ。
好きな人の誕生日は全て覚えていると言うマイの発言に軽くショックを受けている誕生日を忘れられていたゴンドウ参謀がちょっとカワイイ。
リョウの意外な一面?
意地悪っぽくミヤタ参謀の腕を引っ張るリョウがカワイイ。
ミヤタ参謀が結婚しないのは好きな人がいるからと当てるのはさすが女の勘?
リョウの好きな人発言に続けて、ナカジマがミヤタ参謀の恋人はかぐや姫だとふざけて言っていたが、
ミヤタ参謀がチュラサと初めて会ったのは月面発の実験だったので当たらずも遠からず。
ミヤタの恐怖
冒頭、ミヤタ参謀の夢にインサートされるトロンガーとチュラサのシーンは物語の出だしとして良い。
その後、トロンガーと再会したミヤタ参謀が怯え、その恐怖が逆に攻撃性に変化していったのが面白い。
いつも気弱なミヤタ参謀だったが、常に心のどこかに恐怖を抱いていたのか。
「怖いんだ……。毎晩のように夢を見る……。ヤツの牙が……。私は腰抜けだ!」。
ゴンドウの反応
スーパーGUTSに特攻まがいの命令をかけてしまうミヤタ参謀に驚くゴンドウ参謀。
後に我々は鉄砲玉じゃないとミヤタ参謀に訴えるコウダ副隊長に続けて、
「君は隊員を見殺しにするつもりか? 10年前に何があったが知らんが、スーパーGUTSを使って個人的な怨みを晴らすような真似は止めるべきだ」と語る。
そう言えば、ゴンドウ参謀は自分の個人的な目的で部下を動かした事は無い。(とりあえず、地球防衛と言う目的がある)
又、ゴンドウ参謀が部下を危険な目に遭わせたのも意外と無い。
パッションレッドは倒されるとは思わずに出撃させたわけだし、劇場版でカプセルに入ったアスカが気を失ったのはモネラ星人の陰謀が入っていたから。
「発熱怪獣3000度」の排熱パイプ接続切り替えの時も大丈夫かどうか一応聞いている。
後の最終章で人造ウルトラマン計画に着手するのも、部下を危険な目に遭わせない為と考える事も出来る。
ミヤタの過去
10年前に新型機ネオマキシマ航法のテストの為に月面基地に向かうが、テスト中に行方不明となってしまった事があるミヤタ参謀。
デスクワークなイメージがあったので、この人が元はパイロットだとは思わなかった。
ミヤタ参謀が言うには、その行方不明になっていた15日間、ギガール星にいたとの事。
しかし、トロンガーに襲われたはずなのに無傷で発見され、火星の近くで発見された為に本当は過重なGを受けて気絶しただけなのではと考えられていた。
この回想は現実か夢か分からないものなので、演出ももう少しぼかした雰囲気にしてほしかった。
ゴンドウの挑発
チュラサに助けられた、銀河系外の星から帰してくれたのかもと語るミヤタ参謀。
しかし、確証は何一つ無く、ミヤタ参謀の妄想と捉えられても仕方が無い。この辺りはゴンドウ参謀の言っている方が真実味はある。
ただし、子供騙しにもならん、チュラサはさぞベッピンだったろうね、君は想像力豊かは、ただ単にミヤタ参謀をからかっているようにしか見えない。
ミヤタの戦い
今までトロンガーの夢に怯えていたミヤタ参謀。
トロンガーとの再会で自分の中の恐怖と向き合う事になり、誘き寄せる為に自ら囮を買って出る。
しかし、トロンガーと言う恐怖との再会はチュラサとの再会も意味していた。
再会したチュラサから愛と言う力を与えられたミヤタ参謀。
それが最後にチュラサの涙をセットしたギガール銃でトロンガーを倒す事に繋がる。
チュラサの涙
そのミヤタ参謀の前に現れるチュラサ。なのだが、もう少しぼかしてほしかった。
はっきりと宇宙船が来たところは止めた方が良かったと思うし、チュラサがトロンガーに復讐されたと言う展開もイマイチ伝わりにくい。
チュラサが殺されたかもと伝えられたミヤタ参謀のリアクションが殆ど無かったのも疑問。
声も違和感あるので、チュラサに喋らせずにミヤタ参謀を通して語らせた方が良かった。
夜中、森の中でチュラサと抱き合うミヤタ参謀。翌朝、自分を狙うトロンガーと戦う。
ここでトロンガーに襲われて一時的に視力を失ったらしいが分かりづらい。
最後、チュラサの涙をセットしたギガール銃でトロンガーを倒すが、撃つ時にチュラサのシーンを入れた方が良かったと思う。
エンディングではチュラサと話し合うミヤタ参謀が描かれている。
言葉の通じないチュラサに自分の名前を教えているように見える。
ウルトラシリーズデビュー作
今回の話は高野敏幸監督のウルトラシリーズデビュー作。
残念だが、出来は良くない。結論を言うと登場人物の心情が描けていない。
高野監督は円谷作品では他に『電光超人グリッドマン』や『平成セブン』等を手掛けているが、それらの作品でも登場人物の心情が描けておらず、かなり唐突な展開が多い。
レギュラー登場人物は他の話で語られた部分も含めて理解できるが、今回登場のチュラサはいまいち理解出来ない。
SF風にしたかったのかファンタジックにしたかったのか迷ったのかもしれない。
しかし、トロンガー関連は上手く描けていた。『プレデター』や『エイリアン』と言ったSFホラーの影響は強いが、
ミヤタ参謀を追って森から出てきた等身大トロンガーを待機していたガッツイーグルが撃つ場面は見事。
今回のコンセプトを無視するかもしれないが、ぶっちゃけ、チュラサの話を無くして、トロンガーとの戦いに絞った方が良かったのかも。
「君を想う力 −モルヴァイア 謎の怪獣軍団登場−」
1998年7月25日放送(放映第46話)
脚本 右田昌万(原案・円谷一夫) 監督・特技監督 原田昌樹
「今? 今見ていたのは……愛だ」
恐怖エネルギー魔体モルヴァイア
身長 57m 体重 6万6千t
長野県松本市に落下した隕石の影響で咲いた黒い花。
黒い花が咲いた場所の近くでは過去に現れた怪獣や宇宙人が次々に現れると言う怪奇現象が見られた。
実は黒い花は宇宙植物で人間の恐怖心を栄養素にしていて、その恐怖心が幻影を作り出していた。
素粒子を出していて、黒い花の素粒子が集まり、人間が思い描く悪魔のような姿をしたモルヴァイアが現れた。
モルヴァイアは口から炎を発し、意外と身軽な動きでダイナを苦しめるが、同じ宇宙植物の白い花から抽出されたエキスを積めたガッツイーグルのMKUミサイルで分解された。
黒い塊となって逃げようとするが、ダイナ・フラッシュタイプのソルジェント光線で完全消滅。その後、白い粉が辺りに降り注ぎ、黒い花は全て消滅した。
リョウによると、初めは全部白い花だったが突然変異で黒い花になったとの事。
迷子珍獣ハネジロー
身長 33cm 体重 5kg
自分のホームページを開いている。ラスト、謎の未確認物体飛来の報に反応するが……。「パム?」。
物語
黒い花の影響で怪獣軍団の巣窟となった松本市。
一方、リョウの幼なじみであるヒラオは白い花の近くで謎の少女と出会う。黒い花と白い花の秘密とは?
感想
俳優・右田昌万
リョウの幼なじみであるヒラオ・テルヒサを演じたのは脚本家の右田氏。
役のイメージにぴったり合っていて、ちょっと生意気な子供3人との絡みも良かった。
今まで『ダイナ』で臭いセリフを連発していた右田氏が、「今見ていたのは……愛だ」と最も臭いセリフを自分自身で演じるのが面白い。
今回は松本ロケと言う事で松本城が妙に目立つ。
謎の怪獣軍団
の正体は黒い花が見せた幻影。
カリヤがゼネキンダール人とイシリス、ナカジマとコウダはディゴンを見、リョウがビシュメルとモズイを見るのは分かるが、アスカがレイビーク星人を見るのが不思議。
子供の時にさらわれたのか? アスカならデスフェイサーの方が合っていそうなんだが。
面白いのは「地上最大の怪獣」でフォーガスに襲われたガードマンが再びフォーガスに襲われる展開。
細かい部分で物語が繋がっているのは原田監督作品の特徴で後の『ガイア』や『コスモス』でも見られる。
それ以外にもギャンザーや姑獲鳥、イーヴィルティガにデスフェイサー、さらにセリフのみでマノン星人とナターン星人が登場している。
尚、ヒラオが見たのはニンジン様なのが笑えた。
ただし、白い花が見せた少女時代のリョウがぶつかっていくのはニンジン様ではなくモズイに変わっている。
ニンジン様にぶつかるのではちょっとマヌケだから変更したらしい。
本日のリョウ
珍しい私服姿が見られる。キャリアウーマンと言った感じで良かったが、その服にサングラスは似合わない。
花を踏むアスカを、花だって生き物なんだから大事にしてよねと怒るリョウ。さすが花を摘む女。
少女を見たと言うヒラオに「妄想よ! も・う・そ・う! あんたいつまでも一人でいるから変な妄想を見たのよ! ヒラオにそんな少女趣味があっただなんて! もう〜! 不潔ぅ〜!!」と大激怒。
ヒラオってリョウにどう説明したんだろう……。その後、八つ当たりされるナカジマが哀れ。
アスカですら気付く黒い花と白い花の違いに気付かないとは、よっぽど頭に血が上っていたんだな。
最後は白い花のエキスを詰めたMKUミサイルでダイナを見事助ける。
「ダイナ…、きっとあなたを守って見せる!」。
ヒラオが見た少女
結論から言うと、白い花が見せたリョウの少女時代の姿。初恋だからか?
リョウはヒラオの少年時代の姿を見ていたがヒラオが初恋相手だったと言う事?
しかし、リョウが一発で気付いたのに対し、ヒラオはあれだけ何回も見たのに気付かず、リョウに同窓会のホームページ作成を頼まれて昔の写真を見てようやく気付いている。
この鈍さもヒラオらしいが……。ところで、
リョウ「みんな気色の悪いエイリアンやモンスター目撃してんのに、どうしてヒラオだけかわいい女の子なわけ?」、
ヒラオ「いや、かわいいかどうかは……」。
まずいんじゃないのか? ヒラオ。
事件解決後、もう気持ちはスーパーGUTSの一員だと、ちょっと弱気にラジャーをするヒラオだが、リョウはヒラオに同窓会のホームページ作成を頼む。
「舐めんなよ、あの男女」と呟くが、それを面と向かって言えないのがヒラオ。
本日のナカジマ
仕事中なのに研究室でフライドチキンをほおばるナカジマ。いいのか?
何で黒い花でマリモが出ないのかと疑問に思う。
確かにマリキュラはナカジマにとってトラウマになっていそうなんだが、何で出なかったんだろう?
黒い花の素粒子について語るが、ヒビキ隊長に具体的に何が起こるのかと尋ねられて答えられない。
平成ウルトラシリーズは難しい説明で具体的に何が起こるのか分かり辛い時が多い。
因みに具体的に何かが起こった時は難しい説明とは別に意外とありふれた展開が多い気がする。
今回も結局は怪獣が現れるだったし……。
本日のアスカ
モルヴァイアに攻撃を当てて「どんなもんだい!」と喜ぶのも束の間、反撃を受けて墜落。成長が無いぞ。
その後、マイに「また墜落したの? もう、カッコ悪いなぁ」と言われ、あれは不時着と言い訳する。
『ティガ』の「怪獣動物園」もそうだったが、原田監督は墜落関係のネタが好きらしい。
少年と少女の時代
ヒラオの少年時代。ゲンタと言うガキ大将にイジメられて泣かされてばかりいた。
そんなヒラオに悔しかったらぶつかって行けと押す強気な少女こそリョウであった。ゲンタもビビるパンチの持ち主。
ヒラオが白い花が見せた少女の正体に気付くまで少女時代のリョウの顔を見せなかったのが良かった。
一番星光る星空の下、花畑での少年時代のヒラオと少女時代のリョウの会話、
ヒラオ「あのさ……、新しい星を一番先に発見した人はその星に……自分の大好きな名前を付けられるんだって……」、
リョウ「ヒラオはなんて名前にするの?」、
ヒラオ「……ユミムラ」、
リョウ「え?」。
その後、ヒラオの頬にキスをするリョウ。
なんとも初々しいと言うか気恥ずかしいと言うか、でもそこがこの話の良いところ。
個人的には右田氏の最高傑作ではないかと思っている。
星空を見上げて……
設備じゃTPCに負けても情熱は負けないと日夜新しい星を探し続けるヒラオ。それはかつてのリョウとの約束だった。
と言ってもすっかり忘れていたが……。
「俺が見付けるのを待っている星があるんだ……」、
「あの約束は、果たしてよね」。
光り輝く星を見付けるヒラオ。約束の星を見付けたのか?
事件解決後
白い花はどこから来たのかと言う話から白い花が咲き誇る星について盛り上がるアスカとマイ。
カワイコちゃんがいっぱいと言うアスカに、ヒムロにハルチカにラブモスもいると言うマイ。そんな二人に呆れるリョウ。
その時、未確認物体飛来の報が! 反応するハネジロー! なんと次回に続く!
「さらばハネジロー −デビルファビラス ファビラス星人登場−」
1998年8月1日放送(放映第47話)
脚本 川上英幸 監督・特技監督 原田昌樹
「ダイナ、ボク、イク……」
放浪宇宙人ファビラス星人
身長 強硬派・2m 穏健派・190cm 体重 強硬派・140kg 穏健派・120kg
惑星消滅の為に放浪の旅に出た宇宙人。宇宙船の中にミクロ化した80億人もの仲間がいる。
元々は武力活動を望まない平和な種族で、様々な星を来訪して受け入れてくれるよう交渉してきたが、その都度、攻撃を受け続け、さらにメラニー遊星で調査チームを全滅させられてしまった。
もう忍耐も限界として、特殊な光線でコーティングした宇宙船でレーダー網をすり抜け、コウダ副隊長とカリヤを捕獲して変身。TPC基地に侵入して基地機能を麻痺させた。
さらに地球の全ての生物をミクロ化して自分達の宇宙船に乗せて地球に移住しようとした。
24時間以内に地球人からの回答が無ければ開発した戦闘機で地球を総攻撃すると宣告するが、ハネジローの説得に思い止まる。
その後、ハネジローを心の支えにして再び放浪生活に入る決心をした。
魔石超人デビルファビラス
身長 2〜54m 体重 140kg〜4万t
地球対策強硬派はかつてムザン星で手に入れた魔石を身に付け、ムザン星人のように残忍な性格になった。
80億の仲間の為に地球移住を推し進めるが、最後は魔石に支配されて多くの血を流す為に暴れてしまう。
巨大化して両手から光線を発し、魔石が作った鎧で身を固め、魔石から発する光線でダイナを苦しめる。
ハネジローに魔石の位置を教えられたダイナ・ミラクルタイプのビームスライサーで魔石は破壊され、鎧もレボリウムウェーブ・アタックバージョンで異次元に追放された。
「平和など、どうでもいい! 多くの血を流せ! この魔石が俺に向かってそう話しかけるんだぁー!!」。
迷子珍獣ハネジロー
身長 33cm 体重 5kg
全国の子供達に大人気。アスカより賢く、コンピューターもマスターしてしまった。
実はファビラス星で平和を招く神ムーキットとして珍重されていた生物だった惑星消滅の際に殆どが死滅していた。
ハネジローはメラニー遊星調査チームにいたが、モンスアーガーによって調査チームは全滅してしまった。
地球人とファビラス星人の戦争を回避させ、ダイナにデビルファビラスの魔石の位置を教える。
最後はファビラス星人の心の支えとして共に放浪生活に旅立つが、アスカにまた会えると約束する。
物語
ホームページも大人気なハネジロー。その時、TPC基地を破壊する謎の宇宙人が出現。
その宇宙人はハネジローの姿を見て驚く。ハネジローの正体はファビラス星のムーキットだった。
感想
大人気のハネジロー
ハネジローが開いているホームページ『PAMPAM NET』。
かつて円谷プロのホームページにはハネジロー主役の掲示板があった。
口でキーボードを操作するハネジローがカワイイ。子供達に大人気なハネジロー。
マイの弟ヒロキの花束の相手もヒビキ隊長でも若きエースアスカでもなく、当然ハネジロー。
最近人気さらわれているなぁとこぼすアスカに対し、さらわれるほどの人気があったのと意地悪く聞くリョウ。
尚、ヒロキは山田まりや氏の実の弟。
ハネジローに近付く運命の時
怪電波を調査しに向かうコウダ副隊長とカリヤ。「ナニカアリマス」と微妙にアバウトな探知機がなんか凄い。
変身したファビラス星人がTPC基地に潜入するシーンは「月に眠る覇王」とほぼ同じ。
いいかげんにセキュリティを考えてほしい。最終回近くで基地が危機に陥るのはウルトラシリーズのお約束。
今回、意外と危機感が無かったのはハネジローが話の焦点だったからだろうか。
ハネジロー、議論に上る
80億と言うのは敵が明かした情報だし、数が多いからと言って軍事力が整備されているかどうかは疑問だと語るミヤタ参謀。
今までの弱気な発言とは違う。トロンガーを倒したので成長したのか。
ハネジローがファビラス星人の為に行動すると考えるの普通と語るシイナ参謀。
シイナ参謀自身、ハネジローが地球の情報をファビラス星人に漏らすとは考えたくないが、この人は任務に私情を挟まない主義。
今回、ゴンドウ参謀がいないが、やはりF計画絡みか?
平和を招く神ハネジローとファビラス星人の議論
宇宙船の中では攻撃を躊躇う穏健派と攻撃を推し進める強硬派とが激しい議論を交わしていた。
強硬派「まだ躊躇っているのか? 苦しかった放浪生活が終わり、我々に平和が訪れるんだぞ!」、
穏健派「血を流して勝ち取る平和、か……」、
強硬派「止むをえんだろう! ではどうすると言うのだ? どうする事も出来まい! 今回は俺の作戦に従ってもらうぞ。80億の民の為にもな」。
その後、ハネジローが見せた笑顔を見て、穏健派は攻撃はやはり誤りだと確信する。
「いい笑顔だ……。かつて我々にもこんな笑顔があった……。長い放浪生活で荒みきっていた我々の心は一番大切なものを失いかけてしまっていた。
武力を使ってこの星を奪っても我々にこのような笑顔は戻ってこない! 平和とは他者から奪うものではない!!」。
平和を招く神ハネジローと争いを招くムザン星の魔石
地球人とファビラス星人との間で板挟みになったハネジローは両者の争いを止めようと奮起する。
一方、強硬派がムザン星で手に入れた魔石は多くの血を流せと強硬派を支配してしまう。
強硬派が魔石を手に入れた経緯は不明だが、ひょっとしたら、自分達が攻撃性を持たない為に交渉する相手に見くびられ、
結果、攻撃を受けて平和を脅かされると言う現状に不満を抱き、自分達の平和の為に攻撃性を手に入れようとしたのかもしれない。
しかし、魔石に振り回され、平和の為に戦うのではなく、ただ暴れる為に平和と言う目的を掲げると言う本末転倒な結果になってしまった。
実は最初にこの話を見た時、結局はムザン星の魔石を持ち出して安易な結論に逃げたなと思っていたが、
後に9・11テロを受けたアメリカが自国の平和の為に他国への先制攻撃を認めた時、強硬派がとった行動はそれと同じだったのかなと思うようになった。
元々は自分達の身を守る武器がやがて他者を傷付ける為の道具になってしまう。
武器を扱っているつもりの人間が、いつの間にか武器に振り回されてしまっている。
ハネジローの助言 VSデビルファビラス
デビルファビラスの鎧をダイナが攻撃すると何故か「カーン」と言うちょっと間抜けな音が入る。
ハネジローがダイナに魔石の位置を教える展開は初登場の「幻の遊星」を思い出す。
ダイナが魔石を破壊すると悲鳴が上がるが、魔石は自分の意思を持っていたと見て良さそう。ムザン星人も魔石に支配されていたのだろうか?
さらばハネジロー
ハネジローに出会わなかったら我々は間違いを犯し続けていたとして、
ハネジローの助言を頼りに苦しい放浪生活を乗り切っていく決心をしたファビラス星人。
それはハネジローと地球との別れを意味していた。ハネジローを見送るダイナが泣いているように見える。
「ダイナ、サヨウナラ……」。
ハネジローよ。いつの日か、きっと……
ハネジローがいなくなって寂しがるスーパーGUTS。
でも一番寂しいのは、メラニー遊星で出会って以来、弟のように可愛がっていたアスカ。
そんなアスカに話しかけるヒビキ隊長。
「アスカ……。出会いがあるから……別れがある。しかしな、別れがあれば、再び出会う事もある。ハネジローはきっと、お前に会いに来るよ……」。
そこにハネジローからのメールが届き、それを読んだアスカは宇宙に向かって手を振る。
「ハネジロー……。ハネジロー、約束だぜ。絶対にまた会おうな!」。
目には涙が溜まっていたアスカ。そしてハネジローは宇宙船から遠ざかる地球を見つめていた。
エンディングはハネジロー回想として過去の映像が見られる。最後はダイナ登場シーンの真似をするハネジローの絵で締め!
「アスカ、マタ、アエル。ゼッタイニ、マタ、アエル。」
「ンダモシテX −モゲドン チャダビン星人登場−」
1998年8月8日放送(放映第48話)
脚本 右田昌万・武上純希(原案・京本政樹) 監督・特技監督 北浦嗣巳
「お前、この星の何が気に入ったんだ?」、
「何もかも……全てや。一瞬一瞬に命を燃やして精一杯生き輝こうとしている。この星の何もかもが美しいんや……」
変心宇宙人チャダビン星人
身長 180cm 体重 100kg
銀河系でも3本の指に入る凶悪宇宙人。強力な兵器を製造しては惑星や衛星を実験台に破壊を繰り返してきた。
しかし、それを知るのは一部の上の人間だけで、現場の人間は命のいない星で純粋に科学的実験を行っていたと思っていた。
太陽系に潜入した3人のチャダビン星人のうち、2人はハヤテ隊長に始末された。
残る1人は地球でンダモシテXを設置中に地球人ムサシ・ホウサクと出会い、ムサシが宇宙船に触れてしまった為、機密保持機能で宇宙船は自爆してムサシは死んでしまった。
大切な命を奪ってしまった事にショックを受け、自分の過ちを償う為にチャダビン星人の姿を捨ててムサシとして生きる決意をする。
その後、地球人の事が本当に好きになっていく。モゲドンの体内にンダモシテXがある事を知り、地球人を守る為に決死の解除作業を行う。
「確かにワシはニセモンじゃ! しかし、ヒサコは愛している!! ナミも愛している!! その気持ちだけは本物じゃー!!」。
地底怪獣モゲドン
身長 55m 体重 5万t
地底から現れたモグラ叩きみたいなヤツ。
ガッツイーグルのフォーメーション・キャットトリックやダイナの猫だましに驚く。
暴れるが実はンダモシテXが喉に刺さって興奮していただけだった。
ムサシとハヤテ隊長にンダモシテXを取り除かれ、ダイナによって宇宙に運ばれた。
劇中では語られていないが、いくら掘っても良い星に連れて行ってもらえたらしい。
目玉みたいな模様が印象的。
物語
丸七花火のちょっとドジだが憎めないムサシ・ホウサク。彼の正体は凶悪宇宙人チャダビン星人だった。
ハヤテ隊長はムサシを始末しようとするが……。
感想
ゲストが豪華な『ダイナ』
今回は『ティガ』にも登場した京本氏がハヤテ隊長役として再登場。さらに赤井英和氏もゲスト出演。気のせいか『ダイナ』はゲストが豪華。
キザでカッコつけしいで怪しさ100%な京本氏とドジだが憎めないどこにでもいそうな父親の赤井氏と正反対なキャラクターで共に光っていた。
余談だが、赤井氏は『コスモス』でムサシの父親役を演じている。ムサシと言う名前は偶然だろうが。
モゲドン大暴れ
冒頭の登場シーンは合成で上手く巨大感が出ていた。モゲドンが大ジャンプして地面に突入するのが凄い。
フォーメーション・キャットトリックでモゲドンを眠らせる時、煙の中から現れて「グンナイ♪」と麻酔弾を撃つリョウがカッコイイ。
その後、モゲドンは予想より早く目覚める。麻酔弾が計算通りに効く事は無いのか?
VSモゲドン TV中継
どうやら『ダイナ』の世界では怪獣事件を実況生中継しているみたいだ。
モゲドンの体内に入るムサシとハヤテ隊長への取材も行われていたが機密保持は無いのか?
帰ってきたハヤテ隊長
コスモアドベンチャー部隊なる組織に所属していたハヤテ隊長。
あの格好でオモチャ屋にいたら通報されそう。
ムサシの話を聞いて思うところがありながらも、なかなか素直になれないのはやはり人一倍照れ屋だからか。
そりゃ知らなかった!
地球そのものを消し去れる悪魔の爆弾ンダモシテXと言う名前をなかなか覚えられないアスカ、コウダ副隊長、ヒビキ隊長。
モゲドンが麻酔弾で眠って倒れた時に起爆装置が入ってしまう。
専門家でもないと解除できないと諦めかけるムサシに、お前さんの好きな地球を守る為にやるんだと説得するハヤテ隊長。
その解除法はンダからモシテを取り外すと言うなんかよく分からないものだった。
ンダモシテXの爆発イメージが2回あるが、2回目は要らない気もする。
宇宙人、宇宙に住む人間
地球人のハヤテ隊長より宇宙人のムサシの方が普通の人間っぽいのが面白い。
チャダビン星人は表情が無いのに表情を感じられる。
上の命令に何の疑問も挟まずに実行して来たチャダビン星人。
確かにチャダビン星人自体に罪の意識は無かったのかもしれないが、その行動で多くの命が失われたのは事実。
たとえ事実を知らなくても、いや、事実を知ろうとしなかった事も罪の一つ。
丸七花火の愉快な人達
モゲドンが現れた場所の近くに会社の命運を握る花火倉庫があり、モゲドンの体内に入るムサシを応援しに来る社員一同。
変な殿様みたいな格好をした社長は会社倒産の危機を救ったらムサシを三階級特進させると明言。
自分の地位を飛び越えられると知った課長は「私も部長になりたい〜」と社長に泣きつく。
他にムサシに惚れてるらしいOLが印象に残る。みんな日の丸ハチマキしているのに、そのOLだけハートマークなのも良い!
ラスト、会社倒産の危機を乗り越え、打ち上げ花火を上げまくる等、この会社は楽しそうだ。
世界に一つだけの花(火)
ムサシがモゲドンの体内に入る事を知って、「何かの間違いじゃないですか? あの人は普通の人なんです」と訴えるムサシの妻。
それに対しコウダ副隊長は「奥さん。普通の人なんてこの世にはいません。御主人には御主人にしか出来ない、特別な仕事があるんです」と答える。
その言葉を聞いた妻は「あの人には……、あの人にはこのままずっと普通の人でいてほしいんです……」と呟く。
アスカとムサシの娘
ムサシの妻とコウダ副隊長が話している時、ジャンケンをしているアスカとムサシの娘がなんか微笑ましい。
そしてムサシの娘に「必ずパパは守ってみせるからな、ナミちゃん!」と力強く語りかけるアスカ。
カズマの事を考えると、アスカのこのセリフには深い意味を感じる。
ムサシの決意
緊急時には青を外せと上に言われていたと語るムサシ。
しかし、ハヤテ隊長は上は失敗したヤツを自爆させるつもりだったのではと疑問を挿む。
「上の奴ら……。実験と偽って星を破壊していたのか……。アンタの言った通りかも……。ワシはいつも騙されて上手く利用されるだけやった……。
ヒサコが言うてくれた……。あなたはすぐ人を信用する不器用な性格やと……。もう騙されるわけにはいかん! ヒサコ、ナミの為にも……!」。
そしてムサシが切ったコードは青、ではなかった。
去る男
ンダモシテXを無事解除し、クシャミでモゲドンから脱出したムサシとハヤテ隊長。
モゲドンも救われてメデタシメデタシ。そして、妻と娘の所にムサシが帰って来る。
娘「早く帰ろ」、
ムサシ「すまんな。パパこれから行かないかん所があるから」、
娘「パパどこに行くの? いつ帰って来るの?」、
ムサシ「……」。
そこにハヤテ隊長がやって来る。
妻「パパは、子煩悩なだけ取り得の普通の人です。……」、
ハヤテ「……。一般の方を危険な目に遭わせて本当に申し訳ありませんでした」。
そう言って背を向けるハヤテ隊長。ムサシが慌てて呼び止める。
ムサシ「しかしお前……」。
しかし、ムサシが全てを語る前にハヤテ隊長が切り返す。
ハヤテ「参ったよ! またチャダビン星人逃がしちゃった……。今度は冥王星にでも行ってみるか……。ジャ!」。
そう言ってムサシ達の前から去る男、ハヤテ隊長。それに一礼するムサシと妻であった。
誕生日プレゼント
「パパ……、ナミのお誕生日プレゼントは?」と眠たそうな目で尋ねる娘。
「ナミ、それはな……」とムサシが話し始めた時、夜空に満天の花火が打ち上がる。
「あれが……パパからナミへのプレゼントよ」と語る妻。「パパ最高!」と喜ぶ娘。
そんな家族にムサシの目に涙が浮かぶのであった。
チャダビン星人はウルトラマン?
実はチャダビン星人の設定は歴代ウルトラマンに通じる部分がある。
ヒーローとして人々の賞賛を受けたウルトラマンとはまた違った物語として今回の話は非常に興味深い。
宇宙人のドラマ
銀河系でも3本の指に入ると言われている凶悪宇宙人チャダビン星人だが、地球にやって来たチャダビン星人は非常に人間味溢れる、我々地球人と同じ人間であった。
ウルトラシリーズでは過去に色々な宇宙人が地球にやって来ていたが、そういう地球の敵であった宇宙人にも、こういう一人の人間としてのドラマがあったのかなと考えさせられる。
オモチャ屋に並ぶ円谷グッズ
前回宇宙に旅立ったハネジローのグッズが色々ある。
その他にもブースカを初めとする円谷プロのキャラクターがいくつか見られる。
「最終章T 新たなる影 −ゼルガノイド テラノイド ネオダランビアU登場−」
1998年8月15日放送(放映第49話)
脚本 長谷川圭一 監督 小中和哉 特技監督 大岡新一
「さあ動け! 人類最強の防衛兵器、ウルトラマンよ!」
宇宙球体スフィア
身長 不明 体重 不明
「光、消エロ!」とダイナであるアスカを襲った。ネオダランビアUを生み出すも敗北。
続いて集団で火星秘密基地を襲撃。テラノイドに取り付いてゼルガノイドを生み出す。
超合成獣ネオダランビアU
身長 65m 体重 6万3千t
スフィアが生み出した合成獣。
口から黄色い光線を吐き、亜空間バリアーを張るが、ダイナ・フラッシュタイプのソルジェント光線連発で倒された。
何故か前回より体重が軽くなっている。金属部分が無いからか? 地面を這って進む攻撃方法がちょっと斬新。
人造ウルトラマンテラノイド
身長 55m 体重 4万3千t
F計画により、マサキ・ケイゴの解明したティガの地の巨人像の分析データを基にゴンドウ参謀が火星秘密基地で復元した石像。
それにアスカの生体エネルギーを照射する事で完成した人が制御できるウルトラマン。
人類最強の防衛兵器と言う肩書き通り、ソルジェント光線やビームスライサーでスフィアを次々に倒していくも、エネルギー切れを起こした後、スフィアに乗っ取られてゼルガノイドと化してしまう。
超合成獣人ゼルガノイド
身長 57m 体重 4万9千t
スフィアがテラノイドに取り付いて生み出した。
ソルジェント光線やビームスライサー、フラッシュサイクラーでブラックバスター隊のガッツシャドーを次々に倒していく。
ゴンドウ参謀の光を得たダイナの反撃を受け、最後はダイナ・フラッシュタイプのソルジェント光線連発を受けて爆発した。
物語
ゴンドウ参謀率いるブラックバスター隊に捕らわれたアスカ。
ゴンドウ参謀はF計画によって人が制御できるウルトラマンを完成させようとしていた。
感想
最終章始まる
『ダイナ』第1話の脚本、監督、特技監督が再び揃っての最終章。
宇宙が『ダイナ』の基本テーマなので、この最終章は意図的に地球のシーンが外されている。
基地の場面を除くと、アスカとカズマの思い出の場所とグランスフィアの人類への宣言以外出ていない。
あれから3年
最終章は第1話から3年後と言う設定。大気改造システムで青さを手に入れつつある火星の空。
初めてダイナになった事を思い出すアスカはそこで再びスフィアと対決。
スフィアを撃ち落して「見たかぁー! 久々の超ファインプレー!」と喜ぶも直後にネオダランビアUに撃ち落されてしまう。見事に成長していないなぁ。
スフィアがネオダランビアUになる場面のCGシーンは第1話に比べて馴染んでいる。スタッフはキチンと成長していた。良かった。
もっと遠くへ!
父との思い出の場所にやって来るアスカ。
少年時代、あんな遠くの位置までボールは届かないと諦めるアスカに対し、カズマは「必ず届く。大切なのはそう信じられる強さだ」と言ってボールを投げる。
そして現在、アスカはかつてのカズマと同じくボールを届かせるのだった。
「見たかよ、父さん……。届いたぜ……」。
命日ではなく記念日
15年前、カズマがゼロドライブ計画実験中に光の中に消えた日。
一般にはカズマの命日とされているが、アスカは父親が未知のそらへと旅立った記念すべき日と位置付けた。
どちらもカズマがいなくなった日と言う事実は変わらないのだが、それをあえて前向きに捉えるのがアスカの、『ダイナ』の強さか。
様子を見に来たリョウに父親の事を語るアスカ。
「親父は生きてる。時間とか空間とか超えたような場所で、今でも大好きなそらを飛び続けているんじゃないかって……。そしていつか、約束通り帰って来るんじゃないかって……」。
しかし、カズマは結局帰っては来なかった。逆にアスカがカズマに会いに行く事になる。
ただ待っているのではなく、自分から近付いていこうとするのがアスカ、そして『ダイナ』。
メッセンジャー・カズマ
アルファSで宇宙を飛ぶアスカに聞こえてくるカズマの声。
「巨大な闇が迫っている……。その闇に光を照らせ。お前なら、出来るはずだ……」。
そして闇に飲み込まれる地球。それらは全てアスカが見た夢であった。
アスカは第1話でも不思議な夢を見ていた。『ティガ』のダイゴも滅びの闇の夢を見ていたが、これらはウルトラマンの能力だろうか?
小中監督によると『ダイナ』は『2001年宇宙の旅』のイメージがあるらしい。カズマは最初のスター・チャイルド、ボーマン船長か。
モノリスによって猿から人間へ、さらにスター・チャイルドへ進化すると言う展開も『ダイナ』に通じる。
(『2001年宇宙の旅』は映画は見たが小説は読んでいないので、小説ではどうなっているか分からないが)
F=FUTURE?
8年前に永久凍結された、ヒビキ隊長ですら聞いた事も無い極秘プロジェクト、F計画。
それはマサキ・ケイゴの解明したティガの地の巨人像の分析データを基に石像を復元。人が制御できるウルトラマンを完成させると言うもの。
昭和のウルトラシリーズと違って、『ティガ』ではウルトラマンの研究が色々と行われていたので、こういう計画が出てくるのは当然。
尚、8年前にF計画が永久凍結される事になった経緯は後の『ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY』で語られる。
警務局特殊部隊ブラックバスター隊
ガッツシャドーってあんなにたくさん作られていたのかとちょっとビックリ。
「最終章・完全版」ではゴンドウ参謀は危機管理に弱腰な態度しか見せない上層部を是正する為にクーデターを起こしたと語られている。
孤立している雰囲気のゴンドウ参謀だがF計画に関わった人々を見ていると意外と考えを理解している人達もいたんだなと思える。
ブラックバスター隊の設定を見ていると、『ネクサス』のナイトレイダーを思い出す。同じ長谷川・小中コンビの作品だし。
人類・ゴンドウ参謀の考え
カプセルに捕えたアスカに復元したテラノイドの石像を見せ、今まで登場した怪獣や宇宙人の映像をバックにゴンドウ参謀は持論を展開する。
「見ろ! 人間の常識を超越したこの怪物どもを。こいつらに対しTPCの現状戦力は、無力だ……。ダイナ抜きではまともに戦う事すら出来ん!
そんな軟弱な防衛力で地球を守りきれるか! 正体も分からぬ巨人に、人間の未来を任して良いのか! 断じてそんなはずは無い!!」。
ゴンドウ参謀のこの考えは過去のウルトラシリーズでも何度か語られた、人類はウルトラマンに助けられてばかりで良いのか、と言う考えと同じ。
ウルトラマンに助けられないといけない程の無力。結果として、ウルトラマンは自分達を無条件で助けてくれるものだと言う盲目的な追従。
そんな状態をいつまでも続けているようでは人類の未来は無かろう。
ウルトラマンである男とウルトラマンを追い求めた男
アスカに対し「その見下した態度は何だぁ!?」と激怒するゴンドウ参謀。続けて「何故お前が……ウルトラマンなんだ?」と尋ねる。
今までアスカと共にいた人達なら、アスカの決して諦めない前向きな心に惹かれるものがあるのだろうが、
アスカと共にいなかったゴンドウ参謀にとっては、いつもヘラヘラしていて、命令を無視して無茶をし、突っ走っては毎回撃墜されている、ある意味、落ちこぼれだったのかもしれない。
そんなアスカがウルトラマンだったと言うのはゴンドウ参謀にとってはとても理解できなかったのだろう。
『初代マン』のハヤタ隊員みたいに科特隊のサブリーダーも務められるほど優秀な人物だったら、ゴンドウ参謀の行動はまた変わっていた可能性がある。
間違っても問答無用で捕える事はせず、自分の考えを話して協力を申し出るくらいはしたかもしれない。
ゴンドウ参謀がアスカを捕えてダイナではなくテラノイドを使おうとしたのは、未熟で品位の欠片もない粗暴なアスカを信用できなかったのであろう。
「最終章・完全版」ではゴンドウ参謀はアスカの事を不適格者だと断じ、そんな奴が今までウルトラマンの力を使っていたと思うとゾッとすると語っている。
ウルトラマンになった者を見た者
最初のネオダランビアUとの戦いの映像を撮っていたブラックバスター隊。
ダイナからアスカに戻る場面を見て驚くリョウ。それは驚くだろうなぁ。
実はこの時、リョウ以外にも初めてダイナとアスカの変身シーンを見た者がいる。何を隠そうアスカ自身だ。
鏡の前でこっそり等身大変身していた事があるのならともかく、自分がダイナに変わっていく場面、ダイナから自分の姿に戻っていく場面と言うのは意外と見る機会が無い。
初めて自分の姿が変わる場面を見たアスカの心境はいかなものだったのだろうか?
「最終章・完全版」ではサエキ隊長がリョウにアスカは理解を超えた存在で怖れる事は当然だろうと語り、リョウはかけがえのない仲間が怖いはずないと答える場面と
アスカがリョウに今まで自分がダイナである事を黙っていた、皆を騙していたと謝り、リョウが騙された覚えは無いが助けられた事ならあると答える場面がある。
人類最強の防衛兵器・ウルトラマン
ウルトラマンは地球防衛の大事な戦力と言うファンの考えが語られる事が何回かあるが、
劇中ではっきりとウルトラマンを地球防衛の戦力として、人類自身がウルトラマンを造ったのはこれが初。
(『ティガ』のイーヴィルティガはウルトラマンを作ったのではなく、ウルトラマンに変身したもの。
『ティガ』最終回でのグリッターティガもGUTSの作戦は失敗した後に奇跡が起きてティガが復活しているので、人類がウルトラマンを造ったとは言えない)
人類最強の防衛兵器・ウルトラマン(続き)
スフィア襲撃に対し、「我らがウルトラマンの力を見せてやる!」とテラノイドを出撃させるゴンドウ参謀。
テラノイドの扱いはロボットそのまま。テラノイドはウルトラマンであっても宇宙人でも人間でもなく、ただ命令で動く兵器であった。
もっとも、ゴンドウ参謀の目的はそこにあったので計画はこれで成功。
しかし、テラノイドのエネルギーは急激に減って、あっけなくスフィアに乗っ取られてしまう。
「私の……ウルトラマンが……」。自らの夢だったテラノイドがゼルガノイドになって自らに牙を剥く。
ウルトラマンを追い求めた男がウルトラマンによって破滅する。
この時、ゴンドウ参謀の全てが終わった。
人類は何も知らないウルトラマン
アスカがダイナだと知っている視聴者にとって人類がダイナに助けられる事にさほど違和感無いのだろうが、
ダイナの正体を知らなかったゴンドウ参謀にとって正体も目的も全然分からないダイナに全てを任せる事は出来なかった。
よく考えれば、正体も目的も分からない存在を無条件で信じられる方がおかしい。
確かに今までのダイナの行動を見ていたら信じるに足る存在なのは分かるが、それに疑問を呈する存在は必要。
疑問も非難も出来ない状況になると、その存在に何かマイナスの要素が働いた時の事を想定できなくなってしまう。
TPCが束になっても敵わない怪獣や宇宙人を倒せるダイナの力がもし敵に回ったらと考えるとかなりの脅威。
自分の思い通りに動くウルトラマンをゴンドウ参謀が欲したのも無理は無かろう。
しかし、それが結果として、もしダイナの力が敵に回ってしまったらを実践してしまうのは皮肉。
諦めた者と諦めない者 力を信じる者と心を信じる者
ゼルガノイドに次々と倒されていくブラックバスター隊。
ゴンドウ「無駄だ! ウルトラマンの力でしか対抗できん! しかし、ダイナはもういない……。人類は何もかも失った!」、
リョウ「失ったのは参謀、あなたの人間としての誇りよ。私は最後まで諦めない。アスカに、そう教わったから……!」、
アスカ「俺もまだ、諦めちゃいないぜ……! あの化け物は……俺が倒す!」、
ゴンドウ「無理だ。お前にはもう、ダイナになる能力は……無い」、
アスカ「そんな事は、やってみなくちゃ分からねぇ!」。
そう言ってアスカはリーフラッシャーを掲げるが、ダイナにはなれなかった。
リョウはアスカに逃げるよう促すが、アスカの目はまだ諦めていなかった。
アスカ「さっき、リョウが言ってたじゃないか……。俺はどんな時にだって諦めないし、絶対に逃げもしない!」。
そう言って駆け出すアスカ。それを見て叫ぶリョウ。
再びリーフラッシャーを掲げた時、光が溢れ、アスカはダイナになる。
ゴンドウ「絶対にありえん……。奴にはもうエネルギーは残っていなかったはず……」、
リョウ「関係無い。アスカには、そんな事関係無い」。
ウルトラマンの力を追い求めたゴンドウ参謀。
しかし、ウルトラマンとは力ではない。それは決して諦めない心。
それが力を持っていながらもエネルギー切れを起こして乗っ取られたテラノイドとエネルギーが残っていない状態でありながら変身したアスカの違い。
なぜアスカがウルトラマンなのか?
過去のウルトラシリーズでは誤って死なせてしまった人への償いとか、勇敢だったところをたまたま見ていたからとか、ウルトラマンがその人間を選んだ理由が説明されている。
それはウルトラマン自身の人格がある為、ウルトラマンが自ら色々と話してくれるから分かる事である。
『ティガ』ではウルトラマンは力だけが残っていて人格は残っていない(と思われる)が、ダイゴが古代英雄戦士の末裔だったからと言う理由がユザレによってなされていた。
しかし、『ダイナ』ではウルトラマンの人格は無く、その理由を知っていそうなカズマも哲学的な問いかけをするだけで明確な理由を話さない。
「最終章・完全版」では、アスカは人並外れた光を持っているが、それは他の人間も持っているし、特にアスカの生体エネルギーが特別なものと言うわけではなかった。
おそらくアスカは古代英雄戦士の末裔とかではなく、完全に普通の人間だったのだろう。
しかし、アスカには人並み外れた決して諦めない、逃げない、前向きな心を持っている。その心がウルトラマンの力を掴み取ったのだろう。
選ばれたり与えられたりしたとかではなく、自分から前に進む為に光を掴み取ったのがアスカだったのだ。
それが……光だ
最初からエネルギーが残り少なく、苦戦するダイナ。
そんなダイナを見て、リョウは自分の生体エネルギーをダイナに照射する事を思いつく。
ゴンドウ参謀は普通の人間には耐えられないと反対するが、リョウの意思は固かった。
ゴンドウ「こんな作戦が成功するはずがない。それでもお前は」、
リョウ「私には、アスカのような特別な力は無い。でも人間の未来を想う気持ちは……負けてないつもりよ」、
ゴンドウ「それが……光か」。
その時、火星秘密基地に大きな爆発が起き、その隙を突いてゴンドウ参謀はリョウから銃を奪う。
ゴンドウ「私もTPC参謀ゴンドウだ。地球を脅かす敵を、許すわけにはいかん!」。
ゴンドウ参謀はカプセルの中に自ら入り、駆け寄るリョウに装置の出力レベルを最大にセットしたから近付くなと叫ぶ。
ゴンドウ「…心配するな。想いの強さなら、私も負けはせん……」。
苦痛に歪みながらもリョウに向けてラジャーをするゴンドウ参謀。
そして、「人間に、未来、あれッ!!」。
今まで心を犠牲にして力を追い求めたゴンドウ参謀。心、想いの強さを知ったゴンドウ参謀。
その心、想いが光となってダイナに照射される。
彼もまたダイナやスーパーGUTSと同じく、人類を想った一人の人間だったのだ。
アスカの力とゴンドウ参謀の心
ゴンドウ参謀の光を得たダイナの大逆転劇。
思えば、ゼルガノイドはアスカのウルトラマンの力とゴンドウ参謀の野心が合わさって誕生した存在。
それをウルトラマンになったアスカの力と光になったゴンドウ参謀の心が打ち倒すと言う展開なのだろう。
ゼルガノイドが今回のみで後の話に出ない事を残念がる意見があり、自分もそう思っていた時もあったが、
こう考えると、ゴンドウ参謀が登場しなくなった後の話にゼルガノイドを出す理由は無かったかもしれない。
(それにゼルガノイドの代わりにゴンドウ参謀の遺産の一つであるネオマキシマ砲が登場している)
新たなる影と共に消えた新たなる光
ゼルガノイドと共に消えたダイナ、アスカ。落ちていたリーフラッシャーを手に周りを見回すリョウ。
「どこ? どこにいるの? アスカァー!!」。火星の空に響くリョウの叫び。
しかし、更なる巨大な闇が迫っていた。そして、それに対する光がまだ求められていた。
エンディング
はダイナと過去の怪獣、宇宙人との戦いの映像が流されていた。
「最終章・完全版 ひかりへ…」
『ダイナ』では未公開シーンを付け加えた「最終章・完全版」がビデオで出されている。
公開作品に未公開シーンを付け加えた特別版を出す事は映画等では多いがTVのウルトラシリーズではこれが初。
「最終章・完全版」では、今回の話が2020年7月7日で「さらばハネジロー」から2週間後の話である事、
アスカの火星での任務が第二期大気改造システム始動式出席の為にサワイTPC前総監が二度目の火星来訪をし、その護衛であった事が語られている。
又、「最終章・完全版」の前にあるジャズバーでのシーンでヒビキ隊長とイルマが目に見えない絆について語っている場面がある。
「最終章U 太陽系消滅 −グランスフィア ネオガイガレード登場−」
1998年8月22日放送(放映第50話)
脚本 長谷川圭一 監督 小中和哉 特技監督 大岡新一
「僕も、君と同じだったよ。なぜ戦うのか? 自分は何者なのか? 誰かにその答えを教えてほしかった。
でも最後は、自分で出さなきゃいけない答えもある。人として出来る事……。それは自分自身で決めるしかないんだ」
暗黒惑星グランスフィア
身長 1万2756km 体重 不明
突如、太陽系に現れて次々と星を飲み込む巨大な闇。発した雷で近付く者を攻撃する。
その正体は惑星規模の大きさを持つ球形生命体グランスフィアであった。
周囲の強力な重力場であらゆるものを飲み込む、今までとは桁違いの怪物で、このまま侵攻を続けると太陽系全てが消滅してしまう。
ネオガイガレードを送り込み、スーパーGUTSのネオマキシマ砲発射を阻止しようとする。
大きさは地球と同じ。尚、「最終章・完全版」ではテラノイド始動と共に行動を起こしている。
超合成獣ネオガイガレード
身長 69m 体重 8万t
グランスフィアが送り込んだスフィア合成獣でスーパーGUTSのネオマキシマ砲発射を阻止しようとする。
光線を撃ち、鎌で襲い掛かり、亜空間バリアーでネオジオモス以上の防御力を持つ。
リョウを人質にとるが…。
物語
太陽系全てを消滅させるような巨大な闇が地球に迫る。スーパーGUTSはネオマキシマ砲使用を決定。
一方、行方不明になっていたアスカを助けたのはなんと……。
感想
『ティガ』『ダイナ』最大の敵
2年間続いてきたシリーズ最後の敵はブラックホールにも似た惑星規模の存在。
宇宙が舞台となった『ダイナ』にとってまさしく最大の敵であろう。
過去にも『帰マン』の「暗黒怪獣 星を吐け!」にブラックホールみたいなバキューモンが登場して北斗七星を飲み込んだが、今回は太陽系の冥王星と言う身近な星が飲み込まれるのが衝撃。
出撃したコスモアタッカー部隊は無念の全滅。ファイナルメガランチャーも使えずに終わってしまった。
ところで「ンダモシテX」でハヤテ隊長は今度は冥王星に行こうかなと言っていたが無事だっただろうか?(この人が死ぬところは想像できんが)
人間と言う存在
前回、ゴンドウ参謀に「何故お前がウルトラマンなんだ?」と問いかけられ。
どうして自分がウルトラマンになったのかを自問するアスカ。思い出すのは父親の言葉。
アスカ「お父さんはどうして宇宙へ行くの?」、
カズマ「それが、人間だからだ。アフリカの深い谷である猿達は道具を使う事を知り、最初の人間と呼ばれるようになったそうだ。
彼らは高く聳える山を見てこう思ったに違いない。あの山の向こうには何があるのか?
見知らぬ世界を目指し、彼らはその深い谷を登りきった。おそらく何度も何度も失敗し、たくさんの仲間を失いながら……」、
アスカ「何でかな? そのまま谷に住んでいた方が楽だったのに?」、
カズマ「それが……人間だからだ。だから今、俺や、シンが、ここにいる」。
道具を手に入れた猿は人間に進化した。
その猿にとって新たな世界へ行くのに理由は要らない。そういう存在なのだ。
そして光を手に入れた人間はウルトラマンに進化した。
その人間にとって新たな世界へ行くのにも理由は要らない。そういう存在なのだ。
アスカがなぜウルトラマンになったのか。それに理由は要らない。そういう存在だったのだ。
サエキ隊長の物語
アスカとリョウの生存を信じているスーパーGUTSを見て、かけがいのない仲間だから信じられるのかと呟くサエキ隊長。
その後、サエキ隊長は火星を彷徨うリョウを保護するが、「最終章・完全版」ではかけがえのない仲間であるスーパーGUTSから頼まれたからと語られている。
「最終章・完全版」前回部分でリョウが語った、かけがえのない仲間を怖いわけないと言うセリフも含め、「かけがえのない仲間」と言う言葉がサエキ隊長の変わる大きな要素になっている。
尚、サエキ隊長がF計画に賛同したのは、かつて大切な人を怪獣に殺されて、本当に人がウルトラマンの力を自由に使えるのならそれも良いと思ったからと語られているが、
その大切な人については『THE FINAL ODYSSEY』で語られている。
今度は頼むぞとアスカに伝えてくれとリョウに頼み、サエキ隊長は物語から姿を消す。
アスカを助けた男
一方、火星で彷徨っていたアスカが目を覚ますと、そこにヒカリ、レナがいた。
部屋に飾られている『ティガ』最終回での写真を眺めるアスカ。そこには笑顔のGUTSが写し出されていた。
アスカがバイオパークで自分を助けてくれた男に礼を述べるとその男は、かつてティガと言うウルトラマンだった男、ダイゴであった。
種を蒔く男・ダイゴ
助けてくれた礼を述べるアスカ。それに対しダイゴはこちらも二度もこの星を守ってくれたと答える。
バイオパークの植物達に水をあげながら語るダイゴ。
「殆どが地球産だけど、この星で生まれた種子もある。まだ実を結んだのはわずかだけど、いつかこの星を、火星生まれの花で一杯に出来たらなと思っている」。
そして植物に戯れるヒカリに目を向ける。
「そこであの子達が、またその子供達が遊べたらって」。
二人のウルトラマン アスカとダイゴ
劇場版でティガに会いたいと願っていたアスカ。
知ってか知らずか、アスカの目の前には今、かつてティガだった男がいる。
アスカ「あの……、ダイゴさんはなぜ前線を離れたんです?」、
ダイゴ「守るべき未来は、人それぞれにきっとあるはずだから……」。
ウルトラマンとして戦い続けたダイゴが出した答え。
それは人はどこで何をしていても、それは何かを守る事になると言う事であった。
ウルトラシリーズで変身前のウルトラマンが作品の壁を越えて顔を会わせるのは非常に珍しい。
アスカとリョウ
アスカを迎えに来たリョウ。ガッツシャドーで衛星ガニメデに向かうが、二人の間には微妙な緊張感が。
やがてアスカはカズマから聞いた最初の人間の話を始める。
親父は光の中に何を見付けたのかなと言うアスカの話を聞いてリョウは、自分は初めて任務放棄してアスカを見付けた。これでスーパーGUTSをクビになったら責任とってよねと語る。
「普通に家庭を持って、大切な人に、いってらっしゃいと送り出すのが、実は子供の頃からの夢なの」。
リョウらしいと言えばらしい気がする。この二人の関係はどうなっているのかちょっと悩む。
恋人と言う感じはしないし、ただの仲間と言うレベルでもない。
恋愛感情と戦友、姉弟愛、心の絆。人間の関係を説明するのは難しい。
ネオマキシマ砲再び
劇場版に登場したネオマキシマ砲とキサラギ博士が再登場。
一度は人類を破滅に追いやろうとした危険すぎる武器。
しかし、力よりも強い心があれば、きっとこの宇宙を守る事も出来る。ダイナがそうであったようにとキサラギ博士は語る。
『ダイナ」を通して見た場合、ゴンドウ参謀のやっている事は裏目裏目に出る事が多かったが、
今回のネオマキシマ砲とリョウが乗るガッツシャドーはそのゴンドウ参謀が遺した力。ゴンドウ参謀のやってきた事は決して無駄ではなかった。
スーパーGUTSはそのゴンドウ参謀が残した力をより強い心で使い、宇宙を守ろうとする。
旧GUTS最後の人物
ネオマキシマ砲接続スタッフとしてヤズミが登場。
これで旧GUTS、『ティガ』のレギュラー、準レギュラーは全員登場した事になる。
(ヨシオカが写真のみなのがちょっと残念だったが)
衛星ガニメデ最終決戦開始!
ネオマキシマ砲接続を進めるスーパーGUTSだが、それを察知したのかいきなり動きを早めるグランスフィア。
さらにスフィア合成獣の識別信号を持つネオガイガレードが襲来。ヒビキ隊長は出撃を命じる。
「この船はなんとしてでも飛ばすぞ! なんとしてでもだ!」。
ダイナ見参!
ガニメデ基地に迫るネオガイガレード。そこに現れる光。ダイナ、ここに復活!
そしてガッツシャドーに乗ったリョウがダイナを援護する。
ヒビキ「待っていたぞ! アスカも一緒だな?」、
リョウ「……はい!」。
衛星ガニメデが巨大重力の影響を受け始めた時、クラーコフにエネルギーが漲る。
ネオマキシマ砲接続完了! クラーコフ出撃!
VSネオガイガレード
最終章のテーマの一つは『ダイナ』における光とアスカとカズマの決着。
このテーマは「運命の光の中で」でも語られている。同じガイガレードが登場したのもその為だろう。
人工太陽カンパネラがグランスフィアに飲み込まれ、闇に塗り潰されていく中でのダイナとネオガイガレードの戦いがカッコイイ。
ウルトラシリーズにおける宇宙での戦闘シーンはさすがに『ダイナ』が一歩抜け出ている。
ダイナに追い詰められるとリョウを人質にとるネオガイガレード。かなりずる賢くなっているのはスフィア化の影響か?
アスカの結論?
クラーコフのスーパーGUTSはネオマキシマ砲でグランスフィア中心核に狙いを定める。
そこにリョウを人質にとったネオガイガレードが。
最大で後退しようとするクラーコフだが後退出来ず、どんどんグランスフィアに引きずり込まれていく。
パニくる隊員達の中、ヒビキ隊長は一つの決断を下した。
ヒビキ「……撃て」、
カリヤ「え?」、
ヒビキ「全てが闇に飲まれてしまうぞ。この船も、いずれ地球もだ!」、
カリヤ「しかし、弾道上にはリョウがッ!」、
ヒビキ「カリヤ。俺達には人類の未来を守る義務がある」。
気付き、その会話を聞いたリョウは「私に構わず撃って!」と叫ぶがカリヤには撃てない。
コウダ副隊長が「俺が撃つ!」とカリヤを押しのけるも、やはり決断できない。
リョウ「撃って! 早く! 撃って! 撃つのよぉー!!」。
その時、クラーコフを超え、リョウの乗るガッツシャドーにダイナが向かう。
グランスフィアからの雷を受けつつも一心不乱に向かって行くダイナ。
リョウ「やめてアスカ! 死ぬ気なの?」、
アスカ「この卑怯者をぶちのめすまでは死にはしねぇ!! それに、俺は! 俺は今、君だけを守りたい」。
エンディング
はスーパーGUTSの今までの活躍が流されていた。
又、本編内容に合わせて歌が『君だけを守りたい』にされている。
出来れば今回のサブタイトルも「太陽系消滅」ではなく「君だけを守りたい」にしてほしかったなぁと思う。
「最終章V 明日へ… −グランスフィア ネオガイガレード登場−」
1998年8月29日放送(放映第51話)
脚本 長谷川圭一 監督 小中和哉 特技監督 大岡新一
「大丈夫です! 俺は必ず帰って来ます!
次にそらを飛ぶ為に……、次もまた、そらを飛ぶ為に……。俺は必ず帰って来ます!」
暗黒惑星グランスフィア
身長 1万2756km 体重 不明
かつては人類と同じような人間で、限りある命に怯え、互いに争い、遂には自らの星をも破滅への危機へと追いやったが、
人、あらゆる有機物、無機物、遂には惑星自体も一つに融合する事でそれらを克服した。
自らを完全無欠な生命体、地球の歩むべき未来と語り、人類を自らに取り込もうとした。
亜空間バリアーでネオマキシマ砲の攻撃を防ぐが、亜空間バリアーを一転に集中させた隙にがら空きになった部分をダイナ・フラッシュタイプのソルジェント光線を受けて爆発、消滅した。
超合成獣ネオガイガレード
身長 69m 体重 8万t
リョウを人質にネオマキシマ砲発射を阻止しようとするが、ダイナのパンチで亜空間バリアーごと倒され、ネオマキシマ砲で消滅した。
物語
ネオマキシマ砲もグランスフィアに通じず絶望感が襲う。それでもアスカはまだ諦めていなかった。
人類の未来をかけた最終決戦が今始まる!
感想
「まだ終わるわけにはいかねぇ!!」
あれだけ引っ張ったネオマキシマ砲だが、なんとグランスフィアの亜空間バリアーによって防がれてしまう。
逆にグランスフィアの発する雷でダメージを受けるクラーコフの前に光、ダイナが現れる。
クラーコフを庇い、ソルジェント光線を発し、ダイナはグランスフィアの奥に中心核を見る。
そして重力場が弱まった隙にクラーコフはネオマキシマで脱出。
ダイナもミラクルタイプになってガッツシャドーごと脱出するのであった。
「君だけを守りたい」
クラーコフに辿り着いたアスカとリョウ。
「君だけを守りたいなんて、正義の味方のセリフじゃないわよ」と言うリョウに対し、「かもな……。でも俺は……俺だから」とアスカ。
グランスフィアは語る
突如、TPC基地の真上に現れたグランスフィア。さらに世界の主要都市にもグランスフィアが現れる。
このイメージは原作版『デビルマン』の魔王ゼノン宣戦布告であろう。あれはかなりのインパクトがあった。
「地球人類よ。その者達へと同化せよ。その者達もかつて、お前達と同じような人間であった。限りある命に怯え、互いに争い、遂には自らの星をも破滅への危機へと追いやった。
だが彼らは克服したのだ。人を、あらゆる有機物、無機物を、遂には惑星自体も一つに融合し完成させた完全無欠な生命体。それが私だ。
まだ間に合う。地球が滅び去るその前に私はお前達を迎え入れよう」。
グランスフィアの世界
全ての存在を一つに融合したと言うグランスフィア。
『G』のゴーデス辺りから『コスモス』のカオスヘッダーまで平成のウルトラシリーズはこの手の敵が多い。
『ダイナ』の場合、時期的な事を考えて『新世紀エヴァンゲリオン』の人類補完計画の影響も無視できない。
人類補完計画は人それぞれの思惑や実際に行われた計画に若干のイレギュラー等があって簡単には説明できないが、
「まごころを、君に」で描かれたのを見ると、全ての人間の肉体と魂を一つに融合する事で人間が持つあらゆる苦痛から開放されると言うものらしい。
しかし、実際にそれを体験した碇シンジは他人の存在を見失ってしまう。
綾波レイによると、全てが一つに融合して人と人との境界が曖昧になった為、自分や他人と言った存在が消えてしまったのだそうだ。
それを感じた碇シンジは他人がいないと自分がいない事を知る。
たとえ苦しい事、辛い事があっても他人がいなければ自分を感じる事は出来ないと考えるようになるのだった。
グランスフィアは人類補完計画とほぼ同じと考えて良かろう。
グランスフィアの一人称が「私」と「その者達」と混ざっているのも自分と他人の存在が曖昧になっているからかもしれない。
人間の未来
人間の科学力が生態系を改造できれば自然破壊による滅亡を回避できると、グランスフィアの言っている事は理には適っていると呟くナカジマ。
確かに人間の最終目標が滅亡、死と言った問題の解決ならばそうであろう。しかし、ヒビキ隊長はそれに異議を申し立てる。
「でもそれは、生きてるって言えるのか? 死が無くなる代わりに、夢も、ロマンも無くした世界。本当に俺達が目指している未来なのか?
不完全でいいじゃないか!! 矛盾だらけで構わねぇっ!! ……人の数だけ夢がある。俺はそんな世界の方が好きだ……」。
グランスフィアのように全ての問題が解決された世界。そこで人間は何をするのか?
問題が無くなってしまった以上、もはやただ生きながらえるだけではないのだろうか?
人間は問題があるから、困難があるからこそ、それを克服しようと頑張る。
矛盾しているが、それこそ人間が生きている証なのだ。
大事なのは問題の克服と言う結果よりも、問題を克服しようとする経緯なのかもしれない。
『ダイナ』が掲げるネオフロンティア。それは常に何かに挑戦し続ける心。
アスカ帰還
スーパーGUTSの元に帰って来るアスカとリョウ。
アスカを抱きしめて「信じていたぜ。こうやってまた、仲間の元へ帰って来てくれるってな」とヒビキ隊長。
ところで前回から今回にかけての衛星ガニメデでのネオマキシマ砲発射時、スーパーGUTSはアスカがどこにいると思っていたのだろうか?
状況的にガッツシャドーにリョウと一緒にいると思っていそうだが、ネオガイガレードがガッツシャドーを掴んだ時にリョウの事しか心配していない。う〜ん、謎だ。
アスカの作戦
いつも後先考えずに突っ走って、その場でどう動くかを決めていたアスカだが、
今回はグランスフィアの亜空間バリアーが一点にしか張られないと言う状況を分析して、釣り球を振らせて勝負球をぶち込むと言う作戦を立てている。
又、今まで一人で突っ走る傾向が強かったのに、今回の作戦は皆の協力も含めてのものになっている。成長したなぁ……。
しかし、考え無しに発言して、自分がどこにいたのか問われてしまうのはやはりアスカ。
明かされる秘密
返答に困るアスカとリョウ。事情を察したヒビキ隊長が代わりにアスカの秘密を語る。
「お前は目立ちたがり屋の単細胞野朗だ。そんなお前が、今まで黙っていた。自分が、ダイナだって事を……。何故だ? なぜ一人で苦労を背負い込む?」。
『ダイナ』と対になっている事が多い『ティガ』ではダイゴがティガである事を明かすつもりは無かったが皆にバレてしまったと言う雰囲気だが、
ヒビキ隊長はあえて皆にアスカの秘密を明かして共に苦労を背負おうと決意した感じがある。
アスカの本音
ヒビキ隊長の問いにアスカは「俺は確かに目立ちたがりだけど……、それ以上に照れ屋なんスよ」と答える。
当然、これが本気な答えではなく、アスカなりの照れ隠し。
「最終章・完全版」ではアスカが本当は自分がダイナである事を知ったら皆怯えるんじゃないかと思って怖かったと心情を吐露し、
リョウが普通はそうかもしれないけれど私達は違うと答える場面がある。
またその後、カリヤ「アスカがダイナだったなんて、俺、意外なほど自然でした」、
コウダ副隊長「自分も何故かすんなり納得できちまった……」、
マイ「まるでずっと前から知っていたみたいに……」と語り合う場面がある。
総監と言う立場
ネオマキシマ砲を封じられて勝算はあるのかと疑問を口にするフカミ総監。
そこに部下達をまず信頼するのも総監の役目だとサワイとイルマがやって来る。
ここでフカミ総監が「サワイ総監……」と呟いて驚いているが、「最終章・完全版」ではその続きがあって、
サワイが「(私は)前総監だよ。今の総監は君だ。自分の育ててきた組織を、それを支える前線の人間を、もっと信頼してやったらどうなんだ?」と言って、フカミ総監が頷くシーンがある。
思えば、スーパーGUTSは旧GUTSとの差別化が出来ていたが、フカミ総監はサワイの存在感の前に上手く自分を出しきれなかった気がする。
サワイに総監としての心構えを説かれたフカミ総監。彼が総監として活躍するのはこれからか?
「彼らはきっと勝ちます。そして、ここへ帰って来ます」とイルマは力強く語る。
スーパーGUTS最終作戦
クラーコフのネオマキシマ砲でグランスフィアの亜空間バリアーを一点に集中させた瞬間、ダイナのウイニングショットで仕留めると言う作戦。
ウルトラシリーズでウルトラマン込みで作戦を立てたのはかなり珍しく、これ以前では『レオ』くらいしか思いつかない。
もはやダイナは人間から遠くかけ離れた存在ではなく、同じスーパーGUTSの隊員アスカとなった。
小野寺丈語る
アルファSの整備をするナカジマとアスカの会話。ここでナカジマが珍しく自分の身の上話をする。
アスカ「さっき俺が戻った時、隊長に反論されてたでしょ」、
ナカジマ「うん。なんかねー。ひっさびさに親父の事思い出しちゃった。隊長に言われた言葉、まるで親父にそっくりだった。
一流の学者なのにさぁ、夢だのロマンだの、まるっきりお金には縁遠くて、結構家族は苦労したんだよ。俺も恨んだ。親父の生き方なんて駄目だとも思った。
だから俺は絶対に人に認められる科学者になってやる。そう思った。……そして、なった。けどな、俺が今、こうやって頑張っていられるのはさ、親父のおかげなんだよね。
俺どっかで親父の事、尊敬しているよ。俺は、ずーと、誰が何と言われようが、どう言われようが、俺は親父の事が好きだった……。矛盾だわ、これ。矛盾。俺の嫌いな矛盾だね」、
アスカ「でもそれって、素敵な矛盾っすよ。俺も、親父に負けないように頑張ります」。
『ダイナ』における小野寺氏一世一代の名演技。
この年に亡くなられた小野寺氏の父親、石ノ森章太郎氏の事を思い出す。
思えば『ダイナ』は父と子の関係が一つのテーマだったのに、アスカ以外のスーパーGUTSに父親との話が無かったのは残念だった。
(これ以外ではヒビキ隊長とソノカの話くらいか)
アスカ出撃
コウダ副隊長が出撃前のアスカに闇の破壊と同時に巨大な重力崩壊が生じ、光ですら脱出は不可能だと注意する場面がある。
アスカは何度も注意は受けたと言うが、コウダ副隊長は何度言ってもお前はすぐ無茶をする!と怒る。
今度ばかりはいつもと違う。時空の歪みに飲み込まれたら二度と帰って来られなくなるぞと念を押すコウダ副隊長。
しかし、アスカは皆の不安を振り退けるかのように答える。
「大丈夫です! 俺は帰って来ます! 次にそらを飛ぶ為に……、その次もまた、そらを飛ぶ為に……。俺は必ず帰って来ます」。
それはかつてカズマがアスカに語った言葉と同じであった。そしてカズマは……。
尚、TV版ではダイナは闇に飲み込まれたが、「最終章・完全版」ではワームホールが生じて全く別の宇宙に飛ばされたとなっている。
闇に飲み込まれたとワームホールで別の宇宙に飛ばされたとでは感じるニュアンスはかなり違う。
人類の道標・アスカ
アルファSで一人出撃するアスカ。その様子はコスモネットで多くの人に知らされていた。
その中にはアスカの教員でカズマの親友であったミシナの姿も。
出撃するアスカにリョウが問う。「一度聞きたかったんだけど。どうしてそう、前にばかり向かおうとするの?」。
その問いにアスカは「それが、人間だから……。親父が教えてくれたんだ。人間は前に進む力を持っている。だから今、俺達はここにいる」と答える。
その答えに満足したリョウはマイにその場を譲る。
「マイ、ダイナなんてカッコイイ名前付けてくれてサンキュ! 結構気に入ってたんだぜ!」と語るアスカ。
泣きそうな顔で答えるマイ。「ダイナミックのダイナだよ……。ダイナマイトのダイナ……。そして……大好きなダイナ」。「ありがとな、マイ」。
そしてリーフラッシャーを見つめるアスカ。「父さん、行くぜ」。
リーフラッシャーから光が放たれ、アルファSを超えて一つの光、ダイナが現れる。
それを見て「ウルトラマンダイナだ!」と叫ぶ子供。「カズマ、見てるか? お前の息子だ」と呟くミシナ教官。
と言う事はアスカがダイナに変身するところが人類全てに中継されていたと言う事か。
人類全ての希望を背負って前に向かうアスカ。
そんなアスカをリョウは「いってらっしゃい」と力強く送り出すのだった。
二つの未来
迫り来るダイナに向かって「お前は何だ?」と問いかけるグランスフィア。
続けて「闇に溶け、地球は正しい進化を遂げる。お前には何が出来る?」と問う。
そして放たれる怪獣達(「最終章・完全版」ではビシュメル、ゾンボーグ、ギアクーダ、バゾブの姿が確認。いまいち選考の基準が分からない)。
「闇に溶けよ。私に従え!」と言うグランスフィアの言葉を「ふざけるなぁ!!」の一言で怪獣ごと一刀両断するダイナ。
グランスフィアは宇宙全てを自分の闇に塗り込めていこうとする存在、ダイナは自分の光で闇に切り込んでいく存在。
どちらの未来に可能性があるか? それは……。
自分は……
グランスフィアの「お前は何だ?」に対し、ダイナは「俺は俺だ! ウルトラマンダイナだぁー!!」と叫び、ネオマキシマ砲で脇ががら空きになったところにソルジェント光線を命中させる。
『ティガ』の「石の神話」で「俺は俺だ! ウルトラマンティガなんかじゃない!」とダイゴは自分がウルトラマンである事を受け入れなかったが、
2年間続いてきたシリーズの最後で「俺は俺だ! ウルトラマンダイナだ!」とアスカは自分がウルトラマンである事を受け入れるのだった。
また余談であるが、変身する人間自らが「自分はウルトラマン○○○だ」と言った場合、その人間は皆の前から去る事が多い。
(モロボシ・ダン、北斗星司、東光太郎、おおとりゲン等)
光と闇の消滅
グランスフィアを倒したダイナだったが、それによって生じた重力崩壊に飲み込まれてしまう。
「負けるかぁぁっー!!」と言う言葉を残して消えていったダイナ、アスカ。
光であるダイナも闇であるグランスフィアも消滅した宇宙。
破壊されたバイオパークの植物を直すダイゴも何かを感じて「光……」と呟く。そこにやって来るレナとヒカリ。
グランスフィアに飲み込まれた全ての惑星が戻った。しかし、アスカだけは帰って来ない。
ナカジマ「星が……戻ったのか……」、
マイ「それじゃあ、どうして!? どうしてアスカは帰って来ないんですか!?」、
カリヤ「俺達はアスカの命と引き換えに……」、
コウダ「アスカが死ぬものか……」、
マイ「でも!!」、
リョウ「アスカは帰って来る……。いつか必ず……」、
ヒビキ「リョウ……」、
リョウ「アスカがそう約束したから……。アスカは今も飛んでるわ……。前へ向かって……」。
ウルトラの星
目覚めたアスカは光の中にいた。目の前にいるのはプラズマ百式と父カズマ。
遂にアスカは父親に追いついたのだった。満足そうに微笑み合う二人。
そのまま二人は前へ向かって飛んでいく。やがて二人の光は宇宙に一つの星を生み出した。
カリヤ「あれは?」、
マイ「星! ウルトラの星」、
ナカジマ「ウルトラの星、か……」、
ヒビキ「俺達も行こうじゃねぇか。アスカに追いつけるようにな!」、
リョウ「隊長……」、
コウダ「ラジャー!」。
最初の人間となった猿達の時代から、人間は誰かが新しい世界へと歩み出し、後に生まれる人間達の道標となっていった。
道標によって、深い谷を越え、果てしない海を越え、遂には宇宙へと飛び出していった人間。
そしてカズマと言う道標を基にアスカは光を掴んでウルトラマンとなり、今度はウルトラマンとなったアスカが人間の道標となった。
アスカが残したウルトラの星を道標に、新たな光溢れる世界を目指すスーパーGUTS。
ヒビキ「夢を信じられる限り、光はそこにある!」。
ウルトラマンの光とは何だったのか?
『ダイナ』ではアスカが遭遇した光について具体的な説明は無い。
脚本の長谷川氏によると『ティガ』で故郷の星雲に帰った光がまた地球にやって来たらしい。
『ティガ』で人間は光になれると語っているので、人間の進化した姿が光、ウルトラマンと考えられる。
ウルトラマンと言う進化した存在と触れる事で人間に新たな世界への道が開け、
それが『ティガ』のグリッターティガや『ダイナ』のカズマやアスカと言った人間のウルトラマン化に繋がっていったのだろう。
『ティガ』で人間をウルトラマンに進化させようとしたマサキ・ケイゴの考えはさほど間違っていたわけではないようだ。
ただし、人間がウルトラマンになればそれで全てが解決するとは限らない。
それはウルトラマンになりながらも暴走したマサキ自身、そして後の『THE FINAL ODYSSEY』での巨人達の争いで描かれる事になる。
最後の問題
『ダイナ』で最もファンの議論に上がるのがアスカの最後。アスカは生きているのか死んでいるのか。
悪いがTV版では死んだと捉えられても仕方が無いと思う。
脱出しようとするアスカが闇に飲み込まれていく展開なので、アスカが最初から死を覚悟した特攻ではない事は分かるが、
エンディング後ぐらいですぐに帰って来てくれなければ、もう永久に帰って来れなさそうな雰囲気だった。
アスカがカズマと二人で飛んでいた光溢れる世界も死後の世界に思えるし。
ただ「新たなる影」で一般には命日とされているカズマが光の中に消えた日をアスカが記念日と称したように、
この話もアスカの死と言うマイナスの要素のみを取り出すのではなく、そこから何かプラスの要素を見付け出すのが大事なのかもしれない。
でも小中監督が言った「これはハッピーエンド」と言うのはさすがに無理かな……。
「本当の戦いは、これからだぜ!」