
放映第14話から第26話まで
「月に眠る覇王 −ヌアザ星人登場−」
1997年12月6日放送(放映第14話)
脚本 古怒田健志 監督・特技監督 北浦嗣巳
「月、この地球から一番近い天体にまだ多くの謎が残されている」
宇宙帝王ヌアザ星人
身長 59m 体重 5万2千t
1970年代、月の裏側に古代遺跡が発見され、王家の谷と名付けられた。最新の地質調査で地下に正体不明の構造物がある事が判明。
調査に向かったカリヤ達が謎の棺を開けると黒い煙がカリヤの体を乗っ取り、棺の周りにあったエイリアンの屍から抜け出た魂が他の調査員の体を乗っ取った。
話によると、カリヤの体を乗っ取ったのはヌアザ星の王にしてあまねく星々の上に立つ宇宙の王イシリスで、
調査員の体を乗っ取ったのは全宇宙支配の野望を持ったイシリスによって滅ぼされた、かつて太陽系に住んでいたある種族だった。
イシリスはその種族に封印されたがカリヤ達によって復活。
TPC基地のコンピューターを使って月の重力発生装置を復活させ、質量増加させた月の地球落下を目論む。
さらに肉体を失っていたイシリスはヌアザの神を象った石像に宿って完全復活を果たした。
両手から赤い衝撃波を撃ち、光線を跳ね返す強靭な肉体を持つが、カリヤが棺に眠っているイシリス本体の心臓をかつてイシリスを封印した剣で貫くとイシリスは苦しみ、
ダイナ・ストロングタイプのストロングパンチに吹っ飛ばされて爆発。それと同時に古代遺跡も爆発した。
後に調査員の分析結果からヌアザ星は今から12億年前に星の自然な寿命ではない大爆発を起こして消滅していた事が明かされる。
モデルはエジプト関係だと思われる。
物語
ガッツディグで王家の谷の地下に眠る古代遺跡調査に向かったカリヤ達は謎の棺を見付ける。
その中には億年の時を超えた憎しみと哀しみの物語が眠っていた。
感想
FLY ME TO THE MOON
『ダイナ』らしい壮大な宇宙の話。月にある王家の谷、その地下に眠る古代遺跡が探究心をそそる。
合成を駆使した古代遺跡の場面はさすが「グリーンデビル」の北浦監督だけあってかなりのスケール感。
月と言う事で月面基地ガロアがセリフのみで登場。今はキシナガが隊長だろうか? イシリスとの戦いで出番が無かったのが残念。
ナカジマ自信作・ガッツディグ
ウルトラシリーズでお馴染みの地底戦車ガッツディグが登場。
宇宙で活躍した地底戦車はガッツディグだけだろう。
ただ話の後半で活躍が無かったのは寂しい。イシリスとの戦いで使って欲しかった。
宇宙考古学最大のミステリー
カリヤは考古学でも宇宙考古学のエキスパートだったのか。
カリヤと一緒に行った3人の調査員。シマダとイガラシは名前が呼ばれていながら最後の一人は呼ばれず、ちょっと可哀相。因みに名前はニシ。
放映当時に横浜ベイスターズの中継ぎ投手だった島田直也、五十嵐英樹、西清隆投手がモデルらしい。
イシリスに乗っ取られたカリヤは目にクマが出来ていてかなり怪しい。と思ったら、ちゃんと皆気付いていた。
それを追ってきた3人の調査員の体を乗っ取ったエイリアンだが、剣を持った状態であそこまで入り込めるのは凄い。
もっと前の入り口で検問に引っ掛からないものだろうか? 特別チームのセキュリティが完璧になるのはいつ?
尚、エイリアン達の骨格は人間に似ているとの事。かつて月に住んでいたのだろうが、滅びを免れた一部が地球に移り住んだ可能性も十分考えられる。
ヌアザ星、脅威の科学力
古代遺跡には重力発生装置があり、地球以上の重力があった。
さらにヌアザの神の石像には炎が宿っていたので空気もあった。
イシリスは自分の体を重力発生装置の一部にしていて、起動プログラムを体の中に組み込んでいた。
自分の体を天体の一部にしていると言う事か。よく考えたらかなり凄い科学力。
イシリスは語る
「力を持つ者にはそうでない者を滅ぼす義務がある。そして優れた者だけが最後に生き残る。それが宇宙の意思だ」と語るイシリス。
自分は生きる使命を与えられたとも言っており、かなりの選民思想が見える。
しかし、当のイシリスはとっくの昔に封印され、既に肉体を失っていた。
イシリスの思想を借りれば、イシリス自身滅ぼされるべき弱者と言う事になる。
イシリスは自分の死を認めず、ヌアザの神の石像を使って生き続けようとするが、所詮は無駄な足掻きであった。
「月が…落ちる」
TPC基地のコンピューターで重力発生装置を復活させたイシリス。
さらにTPC基地の機能を完全にシャットダウンして、カリヤの部屋に置いてある自分の本体に誰も近付けないようにした。
そして質量が増加した月を地球に自由落下させる。
「これが王か…? この死に様はまるで…」
「見たかよ! 俺の超ファインプレー!」とはしゃぐアスカ。その後の展開はお約束通り……。
ダイナとイシリスの戦いは宇宙、月面で繰り広げられた。
イシリスはかなりの強敵でカリヤが剣でイシリス本体を貫かなかったら危なかった。
自らイシリスの封印を解いてしまったカリヤは自ら始末をつける。
奇しくも「禁断の地上絵」でゼネキンダール人を蘇らせてしまったアキヅキ博士と同じ過ちを犯してしまったわけだが、それで探究心を失わないのがカリヤ。
「調べていていつも同じ結論に行き当たる。結局、力を誇示する戦いは、いつも憎しみしか残さない」、「だから俺達がそうならないようにしなくちゃいけない」。
過ちを犯してしまった事より、それで何を得、それから何をするのかが大事なのだ。
宇宙へ…
地球に一番近い天体、月を足がかりに展開された遥か彼方に無限に広がる宇宙のお話。
古代遺跡の映像等もあってかなりスケールの大きい話だった。
ただ残念だったのは時間が足りなかった事。小説か映画で2時間ほどじっくりと味わいたい題材であった。
駆け足な展開だったが、3人のエイリアンがイシリス消滅を確認して成仏するシーンは入れて欲しかった。
しかし、TV作品でこのようなスケールの大きい話が作られた事は評価できる。
「優しい標的 −ギャンザー クレア星雲人登場−」
1997年12月13日放送(放映第15話)
脚本 長谷川圭一 監督・特技監督 村石宏實
「あなたはこの世で一番大切なものを踏みにじったんだから……!」、
「何かな? 地球の平和? それとも正義ってやつか?」、
「乙女の純情よ!」
諜報宇宙人クレア星雲人
身長 180cm 体重 75kg
TPCに保護されたシオンがマイに語った話によると、クレア星雲から来た惑星調査員で地球人類の存在を確認する為に遥か彼方から派遣されたが宇宙船に予想外の事故が起きたとの事。
敵意を感じるリョウとの話を拒否してマイとだけ話をする。
「優しい」と言う言葉を教えてくれたマイに緑色の石を与えるが、それは他人を操り、情報を入手する為の物であった。
物質変化の電磁波でギャンザーを自由に出現させられる。
マイを使ってTPC主要施設の機密データを入手しようとするがリョウによって妨害され、次にギャンザーを使ってTPC基地を破壊しようとするが失敗。
宇宙船で逃走しようとするがリョウ怒りの誘導ミサイルによって倒された。
尖兵怪獣ギャンザー
身長 62m 体重 6万3千t
シオンが使う怪獣。唐突に街中に現れて破壊活動を行う。
ガッツイーグルの電磁ネットで動きを封じられそうになるが、シオンによって転移させられる。
目と両手から青い光弾を発する。さらに右手は切断されても中からムチが飛び出る。
山火事を起こしてTPC基地を危機に陥れるが、ダイナ・フラッシュタイプのソルジェント光線で倒され、山火事もネイチャーコントロールで鎮火させられた。
物語
TPCに保護された宇宙人シオンに想いを寄せるマイとそれを危惧するリョウ。
皆がシオンを危険視する中、マイは一人シオンを信じようとする。しかし、シオンの目的は…。
感想
キャラクタードラマの『ティガ』とネオフロンティアの『ダイナ』
『ダイナ』は『ティガ』に比べて話の中で隊員の心情を描く事は少なかった。
「新たなる光(後編)」と「目覚めよアスカ」でアスカの心情が描かれたくらいであろうか。
『ティガ』は隊員の心情がドラマを展開していく話が多かったが『ダイナ』は起きている事象を描く事が多い。
今回はそんな『ダイナ』では珍しい隊員の心情を描いた話。
マイと言う人間
「ウイニングショット」でのヒムロに続き、今度は宇宙人シオンに想いを寄せるマイ。
でもシオンがそんなにチョーチョーチョーカッコイイ!とは思えない。(いや、『超力戦隊オーレンジャー』は好きですが)
マイ自身言っていたが、想いを寄せるとちょっと冷静さを失うところがある。恋は盲目と言ったところか。
メディカルセンターの人に心配され、「失礼しちゃう。私、これでもスーパーGUTSの隊員なのよ」とこぼすが、スーパーGUTS隊員として任せられないのは確か。
スーパーGUTS隊員としてそんな簡単に相手の事を信じてはいけないのだろうが、相手を疑わず、素直に接しられるその性格は人間としては素晴らしいと思う。
最後、皆の反応からマイはシオンの真実に気付いた気がするが……。
尚、エンディングはマイの映像を中心に構成されている。
リョウと言う人間
マイと違い、シオンに対して冷静に対処したリョウ。
と言いたいところだが、シオンが言ったとおり、最初から疑ってかかっていた節がある。
しかし本当はマイのように素直に信じたかったと最後にアスカに漏らしている。
リョウが自分の本音(スーパーGUTS隊員としては弱みとも言っていいのかな)を他人に漏らすのはこれが初めて。
アスカとリョウは互いに今まで決して明かさなかった自分の本音や弱みを明かせる不思議な関係となっている。
アスカとリョウとマイ
冒頭、勤務が終わっても私服姿で楽しく話しているアスカとマイは仲のいい友達。又は年の近い兄妹に見える。
それとは対照的に、最後、隊服姿でシオンとマイについてしんみりと語るアスカとリョウは年の離れた姉弟。又はお互い腹を割って話せるパートナーに見える。
常に冷静なリョウはマイにとって憧れだが自分にはなかなかそれが出来ない。
一方のリョウも素直に相手と接しられるマイにある種の憧れを抱いているように見える。
TPCの人々
「目覚めよアスカ」でヒビキ隊長がコウダに言ったように、先輩としてマイをフォローするリョウ。
何故か今日も寝ぼけ眼なナカジマ。やっぱり今日も銀のマグカップなカリヤ。
彼方からの来訪者が友好的なら良いがと心配するミヤタ参謀。
シオンとギャンザーとの関係を怪しみ、もっと徹底した尋問をするべきだと訴えるゴンドウ参謀。
それに真っ向から反論するヒビキ隊長とそれぞれのキャラクターがだいぶ確立してきた。
その他にメカ関係としてグリーンホーネットなるものが登場。
又、TPC基地は危機状態に陥ると基地を地下に収納するがその状態をディフェンスモードと言うらしい。
VSギャンザー
『ダイナ』の怪獣では目立たない部類に入るが、ギャンザーのデザインはなかなかカッコイイ。
最初に街に登場した時の手前に群衆を置いての破壊シーンが決まっている。
戦い終わった後、ダイナがネイチャーコントロールで山火事を消化するが、なんと往年のウルトラ水流。
まさか平成になって見られるとは思えずちょっと感動。
怪獣使いの青年
意外だがシオンはマイに嘘は一つも言っていない。マイに言っている事は全部真実なのだ。ただ「侵略」と言う一言を入れていないだけだが…。
『A』の「復讐鬼ヤプール」に話が似ているが、
調査にやって来た宇宙人、宇宙船が壊れた、宇宙人を信じられるかどうか、死んだのではなく星に帰った等、実は『帰マン』の「怪獣使いと少年」にも話が似ている。
「怪獣使いと少年」と違って今度の宇宙人は侵略者だったが……。
「女は残酷な現実より優しい嘘が……」
マイにシオンの真実を教えなかったリョウの理由。
これを言うと揉めそうだが、この言葉、最終回でアスカがワームホールに飲み込まれたと言う残酷な現実を
アスカは父親と一緒に宇宙を飛んでいると言う優しい嘘で……とも言えるような気がする。
「激闘! 怪獣島 −ネオザルス クローンシルバゴン クローンシルドロン ハネジロー登場−」
1997年12月20日放送(放映第16話)
脚本 川上英幸 監督・特技監督 村石宏實
「ハネジロー! 無事でいてくれよ!」
ハイパークローン怪獣ネオザルス
身長 73m 体重 7万t
オオトモ博士がザリーナ地帯の地図にも載っていない島の地下で発見した怪獣に様々な怪獣の遺伝子を組み込んで仕上げた最強の怪獣。
まだ知性が無い為、ハネジローの知的遺伝子を組み込もうとするが、スーパーGUTSとクローンシルバゴンに研究所を破壊されそうになり、知的遺伝子を組み込む前に出動させた。
クローンシルバゴンをパワーで圧倒、ジャイアントスウィングの後、胸から発するホーミングビームで倒した。
しかし、そのまま研究所も破壊してしまい、さらにオオトモ博士も踏み殺してしまった。
ダイナ・ストロングタイプに自分のホーミングビームを利用されて尻尾を切られ、最後はガルネイトボンバー・シューティングバージョンでホーミングビームを押し切られ、そのまま倒された。
格納庫に収容された怪獣(ロボットではなく)の絵が生物兵器らしくて良い。
オオトモ博士の発音だと「ネオザウルス」に聞こえるが……。デキサドルの着ぐるみを改造した。
剛力怪獣クローンシルバゴン
身長 67m 体重 7万6千t
オオトモ博士の遺伝子操作によって作られたクローン怪獣。動かないものも認識できるようになった。
トレーニングでクローンシルドロンを尻尾攻撃で圧倒するも、続くネオザルスとの戦いでは逆にパワーで圧倒され、最後はホーミングビームで倒された。
角が青くなり、体が一回り大きくなっている。
変異昆虫クローンシルドロン
身長 64m 体重 4万7千t
オオトモ博士の遺伝子操作によって作られたクローン怪獣。
クローンシルバゴンの尻尾攻撃であえなく倒されてしまった。
体色が赤紫色になり、体が一回り大きくなった。
迷子珍獣ハネジロー
身長 33cm 体重 5kg
メラニー遊星で保護された後、TPC生物工学研究所で飼育されていた。
オオトモ博士によると、人間で言えば小学二年生程度の知能を持っていて、動物が常に持っている凶暴な本能をまるで持ち合わせていないとの事。
オオトモ博士によってザリーナ地帯に連れ去られて知的遺伝子を汲み取られようとされるがスーパーGUTSによって救出された。
物語
ハネジローがオオトモ博士に連れ出されて行方不明に。
スーパーGUTSはオオトモ博士の専用機が消息を絶ったザリーナ地帯に向かうが、そこにはかつて倒されたはずの怪獣達が闊歩していた。
感想
ハネジロー再登場!!
威張ったり、虐待されたり、死んだ振りしたり。くっそぉー!! 可愛いぜ、ハネジロー!!
凶暴な本能を持っていない事からよほど平和な星で生まれ育ったと語るナカジマだが、
後に明かされるファビラス星の窮状を考えると、育ち云々ではなくハネジローの元々の性格だと思う。
オオトモ博士登場
最初、ハネジローについて話をしている時は普通に笑っていたオオトモ博士。これが後に豹変したのは驚き。
『ティガ』のヤオ博士は最初悪役風に登場して目的が判明したらいきなりいい人になったが、オオトモ博士は最初いい人風に登場して目的が判明したらいきなり悪役になった。
両者とも根っこの部分は似ているが全く正反対の描かれ方をしているのが興味深い。(組織内に理解者がいたかどうかの違いだろうなぁ)
「怪獣無法地帯」+「謎の恐竜基地」?
強力な磁場に覆われているザリーナ地帯を使って登場した平成の怪獣島。
シルバゴンとシルドロンによる久々の怪獣対決が見られる。
キングコングのマネをしたり、岩を放り投げたりとシルバゴンは今日も平成のレッドキング。ちゃんと弱点が克服されているのが凄い。
続くネオザルスとシルバゴンとの戦いは尻尾の引き合いと言う珍しい趣向があった。
あのシルバゴンをパワーで圧倒する事でネオザルスの強さを上手く引き立てていた。
人間と怪獣との関係
人間と怪獣が共存出来る関係になれたら、人間の言う事を素直に聞く巨大怪獣がいたとしたら、
人間にとって危険な環境で作業させたり、侵略者を撃退したりと人間を楽にする事が出来ると語るオオトモ博士。
悪いがそれは「共存」ではなく、人間による怪獣の「支配」なのでは? 『コスモス』のノワール星人と変わらんぞ。(と思ったら脚本家が同じ人だった)
ナカジマは水槽に閉じ込められたハネジローを見て虐待と言ったが、そう思えるかどうかで「共存」と「支配」が分かれる気がする。
オオトモ博士の考え方はネオフロンティアの一環として、人間にとっては有意義な事なのだろうが…。
オオトモ博士死亡
ハネジローの知的遺伝子をネオザルスに組み込もうとしたオオトモ博士。
ハネジローには凶暴な本能がまるで無いらしいのでその選択は正解だろう。
人間だって凶暴な本能があるので、それを組み込んだ怪獣が暴れない保証は無い。
もしネオザルスにハネジローの知的遺伝子が組み込まれていたら、ネオザルスはハネジローみたいな仕草をするようになっていたのだろうか? ちょっと見てみたかった?
いつの間にか消えたヤマザキ助手。普通にTPCに捕まったと思っていたので、まさか後に再登場するとは思わなかった。
見よ! ストロングタイプ
ダイナ・ストロングタイプはスーツアクター・中村氏のはまり役。
今回は気力を込めたガルネイトボンバー・シューティングバージョン初披露となった。
アスカとコウダとナカジマ
今回は意外とバランスの取れている3人で行動。
アスカはザリーナ地帯の危険地帯を無茶に突破し、ガッツイーグルα号で研究所を直接攻撃と言う無茶をするが全て結果オーライ。
コウダはヒビキ隊長と連絡が取れない中、冷静に状況を判断して指示を出していた。
最後の悲しむナカジマと「おーい!」とお約束のように帰って来るアスカがナイスコンビ。
ところで最後のハネジローの死んだふりって誰の案? コウダ? ナカジマ? ひょっとしてハネジロー?
「幽霊宇宙船 −ゾンバイユ シルバック星人登場−」
1997年12月27日放送(放映第17話)
脚本 右田昌万 監督 石井てるよし 特技監督 佐川和夫
「三等航海士から右舷65度にゾンバイユらしき姿を見たと報告があった。
ゾンバイユ! 数多の美しい星団から魂を貪りつくし、宇宙に死を広げる伝説の怪獣だ」
幽霊船怪獣ゾンバイユ
身長 60m 体重 12万t
数多の美しい星団から魂を貪りつくし、宇宙に死を広げる伝説の怪獣。シルバック星人の宇宙船を乗組員ごと乗っ取った。
地球にやって来て、青い特殊光線で人間からプラズマエネルギーだけを分離させて吸い上げる。
普段は宇宙船の姿をしているが、攻撃を受けると怪獣の姿に変身する。
一つ目からプラズマエネルギー分離光線と金縛り光線を発する。
体を粒子化させて瞬間移動し、体を無数に分散させる事も可能。
ダイナ・ミラクルタイプに本体を発見され、最後はダイナ・フラッシュタイプにソルジェントエネルギーを叩き込まれて爆発。
体内に閉じ込められていたプラズマエネルギーもダイナによって開放された。
名前の由来は「ゾンビ」かな、やっぱり。
ゾンビ怪人シルバック星人
身長 190cm 体重 80kg
シルバック暦74602に宇宙船ごとゾンバイユに乗っ取られてしまった。
体はミイラ化し、ゾンバイユに操られている。口からプラズマエネルギー分離光線を吐く。
何度倒されても立ち上がり迫ってくるがダイナ・フラッシュタイプのビームスライサーで完全消滅する。
劇中では一体しか登場しなかった。「かーえーれー……」。
物語
突如、街の上空に現れた謎の宇宙船。
宇宙船から発せられる光線を浴びた人間は次々に黒く変色して倒れていく。
宇宙船の正体は人間の魂を貪りつくすゾンバイユだった。
感想
『ダイナ』冬の怪奇シリーズ第1弾
と銘打たれたわけではないが、この時期の『ダイナ』はホラー関係の話が続く。
今回は幽霊船の宇宙版。幽霊宇宙船の操縦が船の舵、おまけに航海日誌とあまりにもストレートなのが逆に良い。
魂=プラズマエネルギー
人間の魂をプラズマエネルギーとした今回の話。
プラズマエネルギーを吸い取られて黒く変色した人間が不気味。
犬を逃がしに帰って来た子供を助けて犠牲になってしまうリョウ。
怪獣が暴れる中、動物を助けに帰って来る子供は『初代マン』の頃からいる。
スーパーGUTSの装備
なんとガッツイーグルの攻撃で宇宙船形態のゾンバイユに大きな穴が開いた。
ガッツイーグルの攻撃力が凄いのか、ゾンバイユの防御力がそれほどなのか。
どんな複雑な地形でも敏捷な操縦が可能な特殊捜索救助艇コネリー07登場。こういう通常の戦闘機以外の飛行装備はもっと欲しい。
今回のコネリー07、なんか必要以上に地面すれすれを上下しながら飛んでいく。
ダイナVSゾンバイユ
冒頭、街上空に現れる宇宙船形態のゾンバイユは巨大感バッチリ!
ダイナとの戦闘で顔のアップが映し出されるのがちょっと恐い。
ゾンバイユに馬乗りになってロデオをするダイナ。そのまま空中へ飛んでいったのが驚き。
ゾンバイユと言う名前は『ダイナ』登場怪獣の中でも印象の薄い方かもしれないが、
ダイナが馬乗りになって、怪獣がパカポコと空を駆け上がっていく場面を覚えている人は多いのではないだろうか。
スーパーGUTSの人々
シルバック星人にプラズマエネルギー分離光線を浴びせられても「俺は…まだまだ色々やりてぇんだよ!」と根性で変身するアスカが凄い。
プラズマエネルギー(魂)だけとなったリョウは「肉体から開放されて初めて地球の何もかも愛しく思えるようになった。この星に住む全ての命を愛している」と語るが、
なんかいきなりな告白でちょっと違和感があった。
そのリョウに「君達が地球を愛するように、まだ地球には君達の事を愛している人がたくさんいるんだ」と訴えかけるコウダ。
コウダって妙に文学的なセリフを吐く。と思ったら趣味がオペラ鑑賞。なるほどね。
最後、死んだふりをするアスカ。ちょっと性格悪いぞ。前回、ハネジローにされた仕返し?
当然、皆から総スカン。リョウにも叩かれる。ところで医者と看護婦は気付いていたの?
ちょっと思い出す昔の話
ゾンビの怪人、前後に二人入る着ぐるみ方式の怪獣、バリアー装置と『初代マン』の「ミイラの叫び」を思い出す展開。
又、宇宙船を乗っ取る怪獣、取り込まれた人間が怪獣の意思を操ろうとする等、『ティガ』の「サ・ヨ・ナ・ラ地球」も思い出す。
「闇を呼ぶ少女たち −ビシュメル登場−」
1998年1月10日放送(放映第18話)
脚本 長谷川圭一 監督 石井てるよし 特技監督 佐川和夫
「この中心に憎んでいる相手の写真を供えれば完成。後はシジルさんが全て上手くやってくれるわ」、
「……シジルさんって?」、
「シジルさんはね。弱い者、心のきれいな者の味方なの。だって、悪い人間に罰を与えてくれるんだもん」
大魔獣ビシュメル
身長 57m 体重 4万3千t
昔から人間が悪魔と言う概念で呼んでいた生物。一種の生命エネルギー体らしい。
聖南女子学園の学園長にすり替わり、エリカに黒魔術を授ける。利用していたエリカ達の憎しみを力にし、人間達を恐怖と絶望で塗りこめようとする。
口から炎を吐き、天変地異を起こし、魔力でダイナと互角の戦いを繰り広げるが、エリカ達によって心臓に当たる魔方陣の中心に弱点の鏡を置かれて魔力を封じられる。
最後はダイナ・ミラクルタイプのレボリウムウェーブ・アタックバージョンで異次元に封じ込められた。
エリカ達は「シジルさん」と呼んでいた。
物語
相次ぐ人間失踪事件を調査するスーパーGUTSは事件の被害者が聖南女子学園に集中している事を知る。
アスカとリョウが調査に向かうが、シジルさんを信仰するエリカが立ちはだかる。
感想
怪奇 THE STRANGENESS
『ダイナ』冬の怪奇シリーズ第2弾。
今回は悪魔。学園が舞台、闇を呼ぶ儀式とまさしく『エコエコアザラク』(見た事無いけど)。
心霊現象やオカルト、そう言った未知の世界の探求もネオフロンティアの一環。
ネオフロンティアと言う言葉がここまで使い勝手良かったとは思わなかった。
石井監督はさすがにホラーが上手く、供えられた写真、悪魔に引き寄せられる車、悪魔を呼び出す儀式、割られた鏡と
ホラーの基本を忠実に押さえながらも見事にウルトラの一本に仕上げている。BGMも良い。
幸せ THE HAPPINESS
3人ではアスカとリョウを倒せなかったエリカ達は4番目の仲間として先輩に目を付けられて部活をさせてもらえない水泳部のユウキを誘う。
エリカは子供の時から他人に優しくしていた為に損ばかりしていた。だから今度は自分が幸せになりたい、ワガママも言いたいと思うようになった。
まぁ、気持ちは分からなくないが、シジルさんを信仰していた時のエリカは、スーパーGUTSと言う敵を作ってしまい、昔から友達だったユウキに当たったりとあまり幸せには見えない。
嫌いな人間を消して気は紛れたかもしれないが、気が紛れたと幸せは違う気がする。
信仰 THE FAITH
そんなエリカを説得するユウキ。
「ぶつかり合うから友情が生まれる」はちょっとクサいセリフだと思うが、人間じゃないものに頼ってまで幸せになりたくないは分かる。
まだウルトラマンみたいなものならともかく、ビシュメルはどう見ても悪そうだし。
最後までシジルさんへの信仰を捨てないエリカをユウキは叩く。こんなに芯の強い子とは思わずビックリした。
友情 THE FRIENDSHIP
苦戦するダイナを見て、ビシュメルの魔方陣を封印しようとするエリカ達。
いつも誰かを傷付ける為に手を繋いでいたのを今度は誰かを助ける為に手を繋ぐ展開が上手い。
皆の手が暖かかった事に気付く件は必要なのは分かるが、つい「そんなゆっくりと話している場合じゃ……」と突っ込みたくなる。
エリカが首にかけていたペンダントはビシュメルから貰ったものだろうか?
リョウ RYO
心霊現象やオカルトもネオフロンティアの一環として一通り勉強したと言うリョウ。
相手の先を読み、ガッツブラスターを駆使して被害者を助け出し、ビシュメルの野望を暴くと大活躍。
アスカ ASUKA
女子高生にニヤケるアスカ。
エリカに「男はバカだけど、女は要注意ね」と言われ、悪魔を呼び出す時に使う図形ペンタグラム(五芒星)を「ペン立て? ゴボウ?」と理解できなかったり、
次の被害者になるであろう女子高生を保護しようとして逆に誤解されたり、エリカに騙されてプールに落とされたりなど、今回は完全にリョウの引き立て役。
それでも根性でビシュメルの魔力を打ち破ったり、「絶対に逃げないってのが俺の信条なんだ」と語ってビシュメルに向かっていく場面はカッコイイ。
やっぱキメるところはキメるね。
超能力対魔力 THE GIANT VS DEVIL
ビシュメルとの戦闘は吹雪やら雷やら鳴って雰囲気抜群。
超能力対魔力は派手でスピーディーな戦闘で見応えあった。
ビシュメルの顔がニヤッと笑うシーンは凶悪さが滲み出ている。
レボリウムウェーブ・アタックバージョンでビシュメルと一緒に異次元に消えた車がちょっと気になる。
結末 THE END
ビシュメルが封じられ、魔方陣を中心に手を繋いだまま意識を失っているエリカ達。ここでのエンディングへの入り方が上手かった。
リョウ「私達の世界には宇宙の闇の他にも、まだまだ探求しなきゃならない闇がたくさんあるのね」、
アスカ「でも一番不可解な闇は人の心の中にあるのかもしれないな」。
カッコ良く決めるアスカだが、やって来たエリカ達に再びニヤケ、呆れるリョウに置いて行かれるのだった。
「夢幻の鳥 −コカクチョウ登場−」
1998年1月17日放送(放映第19話)
脚本 武上純希(原案・円谷一夫) 監督・特技監督 原田昌樹
「時間はね。前へ進むんじゃなくて、ぐるぐる回っているだけだって聞いた事がある…。
だから……、歴史の悲劇も繰り返されるんだって……」、
「でも……、ぐるぐる回っているみたいで、らせん階段は前より高い所に登っているじゃないですか。
昨日よりも……今日は良くなっているはずです。……たとえ少しずつでも……」
凶獣姑獲鳥
身長 62m 体重 5万2千t
中国の伝説に登場する不吉な鳥で人の死や国の滅亡を予言すると言われている。
中国大陸の地震直後に現れ、発電所を破壊しながらマイクロ波発電施設跡を目指す。
かつてガゾートが現れたプラズマ雲から現れたプラズマの塊で、スーパーGUTSのアンチプラズマ弾で一度倒されても電気エネルギーを吸収して復活した。
両手からプラズマ弾を放ち、空中に放電する事で落雷を起こす。
ビーム攻撃が効かず、ダイナ・フラッシュタイプのソルジェント光線も吸収するが、ダイナ・ミラクルタイプのレボリウムウェーブ・アタックバージョンで異次元に追放された。
カリヤは「プラズマ生物姑獲鳥」と呼んだ。尚、日本では「うぶめ」と呼ばれる妖怪らしい。
「ダイナも人類も、皆、滅ぶ」。
迷子珍獣ハネジロー
身長 33cm 体重 5kg
アスカと同じベッドで寝ていたり、司令室を飛んでいたりしている。やっぱりカワイイ。
物語
タクマの夢を見て不安にかられるマユミの所に謎の鳥が現れて不吉な予言を告げる。
「また悲劇が起こるよ。昔と同じようにね……」。
感想
『ダイナ』冬の怪奇シリーズ第3弾
中国の妖怪・姑獲鳥が登場。クチバシの中にある女性の顔がニヤッと笑うのが気持ち悪い。
成層圏は地球の中のネオフロンティア。まだまだ未知の生物が隠れている可能性がある。
一見、怪奇現象とは無関係な言葉であるネオフロンティアだが、『Q』のアンバランス・ゾーン並みにあらゆる設定を成立させられる魔法の言葉になっている。
あれから10年
今までもガッツウィングが登場したりしていたが、今回は初めて『ティガ』の話を明確に受け継いでいる。
婦長になって落ち着いた(暗くなった?)マユミ。語られるガゾートによる悲劇。タクマの弟ハルチカ登場。
地上の施設は撤去されても地下に非常用の電力システムが残されていたマイクロ波発電施設。(ガゾート問題で計画が中止されていたのが嬉しい)
さらに物語後半は意識的に『ティガ』の「幻の疾走」と同じ展開、構図がとられている。
ぐるぐる回っているみたいで、らせん階段は前より高い所へ登っているとアスカが言ったように、
途中まで「幻の疾走」と同じ展開にして、最後に前回の悲しみを乗り越えた結末にしたのが見事。
(『ウルトラマンダイナSPECIAL』を見ていると「幻の疾走」との構図の関係がよく分かる)
「俺、絶対に歴史を変えてみせます」
歴史と言うよりは運命と言った方が近いかもしれない。
タクマを失った過去に怯えるマユミ。アスカは姑獲鳥を倒し、マユミが恐れる運命を変えようと奮闘。
デリカシーの無いところもあるが、停滞してしまいそうな気持ちを奮い立たせていくのはさすがである。
「兄貴でもきっとそうする」
ハルチカを助けに再びやって来たタクマはアスカ(ダイナ)に諦めない事を伝える。
その言葉を聞いたダイナは姑獲鳥に逆転勝利。
ちょっと穿った見方かもしれないが、死んだタクマの志を継いでレーサーになったハルチカと光に消えたカズマの志を継いでパイロットになったアスカは同じ存在と言える。
タクマが魂となって助けに来たのも、カズマがアスカの所に現れるようなものか。
青木琢磨氏の弟、青木治親氏のセリフがかなり棒読みだが、兄と同じく役者でないので温かく見守ろう。
マユミ救済
「幻の疾走」では現実を受け入れられず、タクマに別れを言えなかったマユミ。
しかし今回、タクマがバイクのエンジン音で別れを告げ、マユミも黙ってそれを見送る。
そしてかつてタクマが走ったサーキットで「歴史は繰り返す……。でも、少しずつ、歴史は良い方に変わっていくのかも……」と笑みを浮かべるマユミ。
『ティガ』では果たせなかったマユミの救済された瞬間だった。
原田空中特撮
原田監督の話はドラマがよく語られているが、実は特撮にもかなりの力が入れられている。
今回はCGを使ったガッツイーグル急旋回が印象的。
恋多き女?
今度は来年世界にうって出るレーサー、ハルチカを追っかけるマイ。
大リーガーもいいけど今はレーサーが旬って、ヒムロの立場は……。
今日もマイはプレゼント攻撃。さらに出かけるハルチカに付いて行き、タクマの思い出の地まで来てしまう。
マイが出かけている為、リョウがオペレーターをしているが、事件が起きている最中に私用で出かけて良いのだろうか?
マイがマユミの事を「シンジョウ婦長」と呼ぶが、マユミがシンジョウと呼ばれたのはここだけ。
最後にマイが「幻の疾走」でホリイが言った人間の魂はプラズマ云々と言うセリフを再び語る。
「幽霊宇宙船」では人間の魂はプラズマとしていたなぁと言うのはここではあまり気にしてはいけないか。
寝ぼけ眼のスーパーGUTS
妙にカワイイパジャマのアスカ。妙にカワイイウサギのスリッパを履くヒビキ隊長。
気のせいか、スーパーGUTSって寝起きのシーンが多い。
関係無いが、カリヤは今回と次回も銀のマグカップでコーヒーを飲んでいる。
エンディングにて
今回はメイキングがいくつか入っている。
楽しそうに語り合い、肩を抱き合うタクマとマユミの画は『ティガ』から見続けた者には感動的。
ただ残念なのはスタッフクレジットがマユミの顔に重なっている事。今回は左側に寄せて欲しかった。
「少年宇宙人 −ラセスタ星人登場−」
1998年1月24日放送(放映第20話)
脚本 太田愛 監督・特技監督 原田昌樹
「ぼくたちの未来」 5年2組 岸悟
僕は生まれてからずっとこの街を離れた事が無い。ずっと昔から母さんと二人で暮していたし、たっちゃんやみのっちと一緒に遊んでいた。だから、ずっとこのままだと思っていた。社会はあんまり得意じゃない。望遠鏡で星を見るのは好きだけど、本当に星の世界に行くとはあんまり考えなかった。
あの朝、ケリガン星系の氷の惑星ラセスタが恒星系の惑星ビビドラに吸収されて消滅したと言うニュースがあった。そのニュースを見た母さんが僕に秘密を打ち明けた。僕は、ラセスタ星人だった。
その日は一日勉強に手が付かなかった。ボーっとしていたので太田先生に心配された。でも、自分が宇宙人だったって言えない。でも、このままどうしていいか分からない。僕は、たっちゃんとみのっちに告白する事にした。
僕達はいつも学校が終わったら、公園の秘密基地で宿題をやっつけて遊びに行く。その日も作文をやっつけて神社に行く事になった。僕は色々考えて、たっちゃんとみのっちに告白した。僕は僕の目が光る事を今まで知らなかった。朝、母さんに言われて、初めて鏡で自分の目を見た時、凄く驚いた。僕は宇宙人なんだなと思った。僕の光る目を見たたっちゃんとみのっちは驚いて逃げてしまった。もう皆で秘密基地で遊ぶ事は無いんだと思った。
その夜、家にたっちゃんとみのっちがやって来て、僕の事を皆には黙っていてくれると言った。たっちゃんとみのっちが惑星ラセスタの事を詳しく聞きたいと言ったので説明する事にした。僕も、まだ母さんから聞いたばかりで、あまり実感が無いんだけれど……。
大昔、惑星ラセスタに氷河期が始まった時、ラセスタ星人は母星を離れて色んな星に移住した。そして、それぞれの星の種族に同化していった。母星を離れる時、ラセスタ星人は二つの約束をした。いつか氷が解けた時に必ず惑星ラセスタに戻って来よう。もし、惑星ラセスタが消滅した時、その年、ラセスタ周期5歳の者は自然に元の姿に戻ってしまい、約束の場所、トナカイ座のイリスに集まって新たな母星を探しに行く。
ラセスタ周期5歳は地球の年齢でちょうど10歳、僕の年。それを過ぎるとラセスタ星人の体は住んでいる種族にすっかり同化して元に戻らなくなる。母さんも、死んだ父さんもおじいちゃんも、すっかり地球人になっていた。何年も、何十年も、何百年もの長い時間の中、ちょうど自分の年が当たったって言うのは凄い偶然でなんか凄いと思った。
僕の話を聞いたみのっちは僕は地球生まれの代表だと言った。僕は自分が地球を代表しているなんてその時まで感じなかった。なんか、自分は凄く重いものを背負った気になった。新しいラセスタ星人の仲間に地球の事を色々教えようと言う事になって百科事典でエジプトとか色々調べた。僕は地球生まれの代表。ラセスタ星人に地球の事を聞かれたらちゃんと答えなくちゃいけない。
その時、母さんからテレパシーでスーパーGUTSの人が来たと教えてくれた。もし僕が宇宙人だと、地球人じゃないと知られたら、僕は倒されてしまうかもしれない。皆でおじいちゃんの使っていた囲碁で何とかごまかしたけれど、アスカさんと言う人にはバレたらしい。
結局、ピラミッドとかは行けないので、自分の街の名所を調べる事になった。その日は学校だったけれど、学校をズル休みして神社に行く事になった。皆でスーパーGUTSの人にバレないように変装したけれどなんか余計に目立っていた気がする。神社に行くと、アスカさんが来ていた。あの人も、あの人は僕以上に色々なものを背負っていた。
その夜、母さんは暖まるからと言ってホットミルクを入れてくれた。寒いからと言ってマフラーをしてくれた。父さんが死んで、僕がいなくなって、母さんはこれからどうするんだろうと思った。でも聞けなかった。家を出るとたっちゃんとみのっちが待っていてくれた。僕達は自転車で近くの研究所に行く事にした。その前に僕達は秘密基地に寄った。僕は秘密基地にカードの箱を隠していた。最後にそれを片付けようとしたけれどやっぱり止めてそのままにした。出来るだけ夜になってから旅立つ事になっていたので、僕達は秘密基地でしばらく時間を潰した。たっちゃんとみのっちが最後に僕の好きな人は3組のミキちゃんか1組の小林さんか聞いてきた。僕は恥ずかしいので秘密のまま答えなかった。母さんの事を話すと、たっちゃんとみのっちがこれからも僕の家に遊びに来てくれると言った。
研究所にやって来た僕達はそこで別れる事になった。僕達は手袋を脱いで握手をした。僕は昨日の夜から何度か変身の練習をしていた。でも、変身の瞬間をたっちゃんやみのっちに見られたくなかったので見えない所で変身した。
僕が巨大化すると、スーパーGUTSの人達が来た。僕はビックリして、つい研究所を破壊してしまった。よろけた僕が高圧送電線の方に倒れると、ウルトラマンダイナ、アスカさんが助けてくれた。アスカさんも、ウルトラマンダイナも、この人も僕と同じだった。僕の先輩だった。僕は聞きたい事を聞いた。
地球を出たら、もうたっちゃんもみのっちもいない。それに母さんも……。僕は、恐いんだ。新しい星は見つかる? 新しい仲間と友達になれる? 僕は、僕は……、どうなっちゃうの?
「君の未来は……誰にも分からない。何故だか分かるかい? それは……君が作っていくからなんだ。どこへ行っても、どんな時も、君の未来は、君の手で作っていくんだ」。
その時のダイナの答えは、よく分からないけれど、なんだか分かった気がする。ダイナは僕の事を黙って見ていた。僕は自分で飛ばなければいけないと思った。そして僕は飛んだ。初めて飛んだ空、地上にはたっちゃんとみのっち、そして母さんがいた。ダイナは宇宙まで僕を導いてくれた。そして、僕の旅立ちを黙って見てくれた。
イリスにはたくさんの仲間がいた。皆、色んな星からやって来ていた。皆、恐かったらしい。皆、自分が住んでいた星の事を教えてくれた。僕も、僕が住んでいた星、地球の事を、たっちゃんやみのっち、母さんやアスカさんの事を話した。地球の方を見ると、地球が小さい星のように光っていた。いつも望遠鏡で見ていた宇宙の星のように……。そこからたっちゃんが宇宙飛行士になって、みのっちが科学者になって宇宙船を作ると言う声が聞こえてきた。僕に会いに来てくれる為に……。僕も、たっちゃんやみのっち、母さんやアスカさんに会う為に頑張ろうと思う。
「ありがとう」
瑠璃色宇宙人ラセスタ星人
身長 145cm〜54m 体重 43kg〜3万8千t
大昔、ケリガン星系の惑星ラセスタに氷河期が始まった時に母星を離れて色んな星に移住し、それぞれの星の種族に同化していった。
母星を離れる時に、いつか氷が解けた時に必ず惑星ラセスタに戻って来る。
もし惑星ラセスタが消滅した時、その年、ラセスタ周期5歳の者は自然に元の姿に戻って、
約束の場所、トナカイ座のイリスに集まって新たな母星を探しに行くと言う二つの約束をしていた。
ラセスタ周期5歳は地球の年齢でちょうど10歳に当たり、それを過ぎるとラセスタ星人の体は住んでいる種族にすっかり同化して元に戻らなくなる。
悟の母も死んだ父も祖父もすっかり地球人になっていて、その資格があるのは悟ただ一人だった。
惑星ラセスタが惑星ビビドラに吸収されて消滅した為、悟は皆に見送られて地球を旅立っていった。
*今回の作文形式のレビューは「少年宇宙人」の物語に当ホームページのオリジナル要素を組み込んだものです。
「発熱怪獣3000度 −ソドム登場−」
1998年1月31日放送(放映第21話)
脚本 古怒田健志 監督・特技監督 北浦嗣巳
「ある日、TPC本部基地は真冬にもかかわらず猛烈な暑さに襲われた」
超高熱怪獣ソドム
身長 59m 体重 7万7千t
火山に棲む火の神に遣えると言われている、ニューギニアの火山地帯に伝わる伝説の怪獣。
マグマによって作られた変成岩を食べる為に横穴を掘り、そこにマグマが流れて噴火の原因になるマグマの圧力が下がる為、
地元では火の神の怒りを鎮め、人々を噴火から守る守り神だと思われていた。
口から火を吹き、2500度もの体温を誇り、TPC本部基地を灼熱地獄にしてしまう。
スーパーGUTSの冷却作戦でも体温は下がらず、逆に3000度に上がってしまう。
ダイナも手を焼いたが、実は寒い地表に迷い出ていて風邪をひいていただけだった。
最後はダイナ・ミラクルタイプのウルトラサイキックで地底に帰される。
人間だけでなく、森やそこに住む動物達、様々な自然を守っていた。
名前の由来は『旧約聖書』に登場する退廃の限りを尽くし神に滅ぼされた街「ソドム」から。
物語
暑い! 暑い!! 暑いー!!!
真冬なのに真夏以上の暑さとなったTPC本部基地。その原因は怪獣にあった!
感想
ある暑い冬の日
上着を脱いでアイスを食べる一般職員。だらけまくりなアスカとコウダ。メチャクチャデカイ温度計。
パラソルにトロピカルジュースとリゾート気分満喫なマイ。金太郎になったナカジマ。団扇やセンスで扇ぐ皆。ボンネットで目玉焼きが焼けるガッツディグ。
足下に氷を入れて気持ち良さそうなフカミ総監とミヤタ、ゴンドウ両参謀と暑い中でのギャグシーンが面白い。
怒るヒビキ隊長を見て、なんだかドリフを思い出すドタバタ劇。
個人的には「水道から水でなくお湯が出ると風呂を沸かす手間が省けていいだろう!」がお気に入り。
ある熱い二人の仲
そんな中、パトロールがてらTPC本部基地の灼熱地獄から逃れたリョウとカリヤ。
リョウのマフラー姿がかわいい。カリヤはコーヒーの香りを当てたりとコーヒー通を披露。
この二人、今回は妙に仲が良い。
今日も熱いぜ! スーパーGUTS
排熱パイプの接続を切り替えて冷凍ガスを流し込む事でTPC本部基地の地下シャフトで眠っているソドムを地上に押し出す事になる。
非常に危険な任務だが「出来なくったって、やるっきゃないでしょ!」(byアスカ)、
「スーパーGUTSのスーパーは伊達じゃないってね!」(byリョウ)と今日も熱く根性と気合で成功させる。
研究に熱が入る男と分析に熱が入る男
神話や伝説に真実があるもんだと古文書の研究をするカリヤ。
カリヤは古文書に書かれていた伝説をもとにソドムに接していく。
一方のナカジマは伝説は伝説と割り切り、あくまで現象を分析していく事で伝説の真実に気付いていく。
同じ学者タイプでも二人のスタンスの違いが現れていて面白かった。
ところで二人がソドムについて話をしていた場所はグランドームではなくダイブハンガーに見えるが?
灼熱の怪獣ソドム
ソドムの造型はシンプルながらも正当派な怪獣デザインで好感持てる。
赤く輝く体表が熱さをよく表していた。蜃気楼に浮かび上がるソドムの姿がカッコイイ。
灼熱を誇る伝説の怪獣でありながら実は風邪をひいていたと言うオチが面白かった。
燃える冷却作戦
ふざけていると思われがちなスーパーGUTSだが、いざ作戦が始まるといたって真面目。怪獣冷却作戦は意外と理に適っていた。
作戦開始と共にワンダバがかかるのが良い。やっぱりワンダバは心が熱くなる。
やっぱり寒い冬の日
ソドムを地底に帰した後、わざとリョウのガッツイーグルに接近して驚かすダイナ。
こういうところは今までのウルトラマンにあまり見られなかったダイナ(アスカ)らしさ。
事件解決後、急に寒さが戻って今度は皆風邪をひいてしまったと言うお約束なオチ。
「寒い日が続きますが、皆さんも風邪には十分ご注意ください」。
「ツクヨの兵士 −モズイ登場−」
1998年2月7日放送(放映第22話)
脚本 太田愛 監督・特技監督 北浦嗣巳
「怖かったのよ……。怖くて動けなかった……」
妖獣モズイ
身長 61m 体重 6万2千t
4世紀前半、ツクヨの泉の底に棲み、ツクヨの兵士の怖れを込めた石を喰らっていた。守り神だと思われていたが本当は魔物だった。
怖れを失う事の真実に気付いたツクヨの兵士によって凍れる泉と呼ばれる青銅の鏡に封じられたが、ジオフロント計画作業中に発掘され、綾野博士の解析によって封印が解かれた。
ツクヨの泉跡に建設された超高層ビルのガラスの壁面から巨大な姿となって現れる。
黒い煙になって移動し、口からツクヨの兵士の怖れが込められた石を吐き出して相手に怖れを与える。
現代の兵士たるスーパーGUTSの怖れを喰らおうとする。
月の光の下でしか力を発揮できないらしく、月が雲に隠れて、ガラスに逃げ込もうとしたところをリョウに阻止され、最後はダイナ・フラッシュタイプのソルジェント光線を受けて爆発した。
物語
発掘された青銅盤を解析していた綾野博士はモズイの怖ろしさを知る。
リョウは綾野博士を救いに行くが、モズイの与えた怖れで立ちすくんでしまう。
感想
『ダイナ』冬の怪奇シリーズ第4弾
ちょっと間が離れたが今回も怪奇モノ。
今回は妖怪譚だが、怪奇モノ5本全ての傾向が違っているのがさすが『ダイナ』。
何故かリョウは怪奇モノに縁があり、その都度怖い目に遭っている。
ただその分、活躍も当然している。XXバズーカでモズイを撃ったシーンがカッコ良すぎ!
北浦監督のホラー演出
『ダイナ』ではミジー星人編と言ったギャグ編の印象が強い北浦監督だが実は怪奇モノも多く手掛けている。
今回も揺れる鏡、停電で闇に包まれた研究所、徘徊するモズイ、音や画面効果が怖さを引き出していた。
特撮シーンでは超高層ビルのガラスの壁面から現れるモズイの画が良い。
モズイの力の源である、紫に美しくも不気味に輝く月が作品の雰囲気を彩っていた。
語るカリヤ
今日も銀のマグカップ片手にツクヨの兵士について語るカリヤ。
ヒビキ隊長に若い女性である綾野博士を説明する時、残念な事にリョウの小学校時代の先輩だと語っている。
美人とか若いとかより、リョウの先輩の方を重要視しているのが笑える。
「幻の遊星」で殴られたのがそんなに怖かった?(いや、美人とかは人それぞれだけどね)
美人で秀才、綾野博士
特に何かしなくても十分に印象に残った片桐はいり氏演じる綾野博士。
モズイの怖ろしさを知った綾野先輩の対処が凄く手際良い。さすがはリョウの先輩。
最後、意識を取り戻して「お見舞いは、絶対っ!! カニ」と書いたのが笑える。そんなにカニ好き?
綾野博士恐怖(?)の投げキッス! 怖がり思わずリョウに抱きつくアスカとキッスをキャッチするナカジマ。はたしてアスカとナカジマの運命は?
怖れと言う感情
怖さで立ちすくみ、綾野博士を救えなかった事を後悔するリョウ。
怖れを捨てようとするが捨てられず再び立ちすくむが、そこで綾野博士が残したディスクを発見する。
怖れを捨ててモズイと戦おうとするリョウに対し、怖れについて語るヒビキ隊長。
「何故ツクヨの兵士がモズイを封じたか分かるか? 怖れを全て捨てた兵士は自分の命も他人の命も顧みない、死と破壊しか生まないからだ。
怖れを恥じる事は無い。俺だって怖いと思う事はある。ただ大事なのは自分自身の怖れと真正面から向き合う事なんだ。それが戦うって事なんだ」。
怖れを捨てた兵士は人間ではなくただの殺戮兵器に過ぎない。
ヒビキ隊長は兵士である前にまず人間である事を語ったのだ。
怖れるダイナ
今回は赤い光球となって登場したダイナ。北浦監督のウルトラマン登場は色々なパターンがあって面白い。
ダイナ(アスカ)の怖れだが、やはり父親関係だろうか?
怖れを持つダイナ。彼も兵器ではなく我々と同じ人間だったのだ。
「夢のとりで −ディプラス登場−」
1998年2月14日放送(放映第23話)
脚本 大西信介 監督 小林義明 特技監督 佐川和夫
「アスカも藤倉もトライトンも! どこまで奪えば気が済むってんだ!!
あいつを倒してトライトンを守る!!
夢のとりでなんだ!! あれは俺達の!
俺達の夢を……夢を壊すなぁ!!!」
深海竜ディプラス
身長 155m 体重 5万2千t
海底研究基地トライトンJUを破壊した。耐圧シールドに反応する。触覚から赤い光線を撃ち、巻き付いた相手に電流を流す。
ガッツマリンによるコウダ怒りのブレイクシャーク全弾発射で触角を破壊され、ダイナ・フラッシュタイプのソルジェント光線で倒された。意外と強かった印象がある。
物語
コウダの研究生時代の同期だった藤倉が海底研究基地トライトンJUごと何物かに襲われた。
アスカと共に生存者救出に向かうコウダは必死に熱さを抑えて任務に当たるが……。
感想
宇宙と海と
ネオフロンティア計画の一環として今回は海底開発が取り上げられている。
水圧の恐怖に加え、潜水艦や海底研究基地に迫り来る海蛇ディプラスの恐怖がなかなかのもの。
やはり操演怪獣は一作品に2、3体は欲しい。
尚、海底シーンは実際に水中で撮影したのではなく、また、泡はあえて付けなかったらしい。
CGで加工した泡が浮いて見える事があるので泡が無くても特に気にならなかった。
脚本の大西氏は後に『ガイア』や『コスモス』でも海底の話を書いていて「海の大西」とも呼ばれている。
強い男・藤倉・・・「やりぬく意思があれば、きっと夢は叶う」
コウダと藤倉のセリフ。左足のケガで夢だった潜水艦乗りの夢を絶たれても、第二の夢である海底研究基地設計の夢を叶えた藤倉はアスカの言う通り強い人だ。
それだけにディプラスに襲われ、死亡してしまったのが悔やまれる。
熱い男・アスカ・・・「無茶は俺の専売特許なもので……」
コウダから藤倉の話を聞き、その藤倉の仇をとる為にディプラスに挑むアスカ。
気持ちは分かるが今は生存者救出が先。それに後先考えずに攻撃して武器の残数も少なくなってしまった。まだまだ若い。
「俺は誰かさんみたいに無茶はしませんから」。
熱い男・コウダ・・・「熱くならなきゃ……、後悔する時だってあるんだ……」
藤倉の事を心配しながらもスーパーGUTSの任務を果たそうとするコウダ。
無茶をして謝るアスカに対し、止められなかったのは自分の責任と答える。「目覚めよアスカ」でのヒビキ隊長の言葉をちゃんと実行していた。
後先考えないアスカと違い、周りの状況を計算に入れて見事ディプラスから逃れる。
しかし、藤倉に続きアスカもディプラスに襲われ、遂にコウダの怒りが爆発。
考え無しに攻撃し続け、生存者救出よりも攻撃を優先し、迫り来るディプラスに「上等だ!!」とまで言い放つ。
普段の冷静に状況を見て後輩のフォローに徹するコウダからは思いもつかない切れっぷりが凄かった。
スーパーGUTSとしては駄目だろうが気持ちは分かる。
「無茶はどっちだ!」。
熱い男・ヒビキ・・・「どうしてこうも熱い奴らばっかりで……」、「君の部下だからな」
コウダをあえてアスカと組ませたヒビキ隊長。
その真意は一人が熱くなればもう一人は冷めてくる。ましてアスカが相手ならコウダもそう熱くはなれないとの事。
その考えは見事に当たり、アスカと組んでいる時のコウダはまだ冷静だった。ヒビキ隊長の部下の心情を組み込んでの指揮はかなり的確である。
ところがアスカの代わりにリョウと組み、アスカがディプラスに襲われるとコウダはメチャクチャ熱くなってしまった。まぁ、不測の事態なので仕方が無い。
尚、コウダが熱くなっている時、今度はリョウが冷静になっていた(ならざるをえなかった)。
スーパーGUTSの熱い男3人を見ていると、アスカからコウダ、そこからヒビキ隊長へと一本の道が見える。
アスカも成長したらコウダやヒビキ隊長のように少しは冷静さを身に付けるのだろうか?
「どっちもどっちだ!」。
いくらなんでもそりゃ無理だ
ディプラスに襲われたアスカのガッツマリンは海底近くで大破。そこでダイナに変身。いくらなんでもバレるのでは?
たとえバレなくても、海底近くで爆発を受けたアスカが海面にいたのは無理がある。
あの状況でアスカが生きていたら藤倉だって生きている可能性があると思うものではないだろうか?
ここだけは何とかしてほしかった。
ネオフロンティアにかける夢
事件解決後、星空を見て「昔はよくこうやって星を見ていた。忘れかけていたよ。俺だってまだ夢の途中だって事を……」と語るコウダ。
「ネオフロンティアって言ったって、まだ宇宙のほんの入り口ですからね」と続けるアスカ。
そして「だからやりぬかなきゃ……。やりぬく意思があれば……、きっと夢は叶う……」と締めるコウダ。
今回の藤倉のように、ネオフロンティアの犠牲になった人は他にも大勢いるのだろう。
しかし、いや、だからこそ、残った者は死んでいった者の夢も継いでいかなければいかないのだ。
ウルトラシリーズ唯一の参加作品
小林義明監督がウルトラシリーズを担当したのは今回と次回の2回だけ。
小林監督は元東映の監督で宇宙刑事シリーズ等を手掛けていた。
「湖の吸血鬼 −マリキュラ登場−」
1998年2月21日放送(放映第24話)
脚本 川上英幸 監督 小林義明 特技監督 佐川和夫
「ああ、あのマリモ、バケモンだ……!」
吸血生命体マリキュラ
身長 64m 体重 4万4千t
宇宙から降り注いだ謎の光線で遺伝子が狂って誕生した凶悪なミュータント。外見はマリモに似ているが内部構造はヒルに似ている。
束良湖で異常繁殖し、口で生物に噛み付いて血を吸い尽くす。さらに無数のマリキュラが合体して巨大化した。
口から火炎、腐食性の蒸気を発し、触手を伸ばして獲物を捕える。レーザーを吸収する。
口と繋がっている大量の毒を貯蔵している臓器をガッツイーグルで攻撃され、自分の毒で苦しむ。
最後は吐いた火炎をダイナ・ストロングタイプに受け止められ、そのままガルネイトボンバー・シューティングバージョンで倒された。
名前の由来は「マリモ+ドラキュラ」から。タラコ唇が印象的。
物語
まとまった休みを取ったナカジマは趣味の釣りに出かけるが、そこで怪事件に遭遇して調査を開始する。
謎のマリモの正体とは?
感想
『ダイナ』冬の怪奇シリーズ第5弾
謎のマリモを巡る話はちょっとホラーな雰囲気。霧のたちこめる湖に響く女性の歌声が怖い。
様々な場所に張り付いたり、パカッと口を開くマリモが怖いが、喋りながらコロコロ転がるマリモはちょっとカワイイ?
ナカジマの趣味
釣りが趣味らしい。目覚まし時計も魚型。またもや寝ぼけて「出動だ!」と叫ぶ。
謎のマリモ出現に釣りをあっさり諦めて調査に加わるところがナカジマらしい。
調査から外されて腹の立ったナカジマがバカ食いするのはフライドチキン。
これ以降、カリヤの銀のマグカップと共にナカジマのフライドチキンも何度かお目にかかれる。
尚、食べるのはいつも「フライドチキン K.K.N」。お気に入りなのだろうか。
TPC生物工学班
ちょっと嫌味な態度の小松チーフ。オオトモ博士もそうだったがTPCの生物工学関係の人はちょっと嫌な人が多い。
助手の富田はマリモに襲われながらもデータを小松チーフに届ける凄い人。
ダイナVSマリキュラ
球体に変化したマリキュラを使ってサッカーやバレーをするダイナが楽しい。
途中、挿入歌が流れる演出は王道だがやはり燃える。
アスカ化するコウダ
前回で何かが吹っ切れたのか、今回のコウダはなんだかアスカみたいによく叫ぶ。
ブチュッ
どんなに美しい自然も突然人間に牙を剥く事があると語ってのラスト。
マリモを車のタイヤで轢き潰す場面が妙に印象に残る。
「移動要塞浮上せず!(前編) −レイキュバス ディゴン スヒューム登場−」
1998年2月28日放送(放映第25話)
脚本 長谷川圭一 監督・特技監督 村石宏實
「本当の戦いは……これからだぜ!」
水棲生命体スヒューム
身長 193m 体重 7万9千t
自らを宇宙で最も優れた知的生命体と呼称。
人類を下等生物と見下し、自分こそ地球の支配者に相応しいと語る。
クラーコフNF−3000のメインコンピューターを乗っ取り、人工太陽NSPカンパネラを火星衛星軌道から外して南極に落下させ、
南極の氷を溶かして人類の文明を沈め、地球を完全なる水の惑星に改造しようとする。
コンピューターのメモリーから音声データを読み取ってハラシマ主任やその娘のサオリ、コウダの声を真似て人類を挑発する。
デザインは巨大なイカ。なんとオールCG。イメージは『宇宙大怪獣ドゴラ』のドゴラらしい。
宇宙海獣レイキュバス
身長 65m 体重 7万2千t
クラーコフを救出しようとするダイナの前に海底から突如出現した。
高熱で南極の氷を溶かしていた。南極の氷上でダイナと戦う。
目が赤い時は火球を、目が青い時は冷凍ガスを吐く。ダイナを一瞬で氷付けにしてしまった。
半魚人兵士ディゴン
身長 230cm 体重 190kg
スヒュームの指示でアイスキャッスルやクラーコフを襲撃した。
アスカやカリヤ、ダイナに倒されていくが、それでもまだかなりの数がいる。
名前の由来はクトゥルー神話のダゴンから。
物語
南極の氷が溶け出す事件が起き、スーパーGUTSはエジリ博士の指揮の下で調査を開始するが見識の違いから対立してしまう。
一方、人類を下等生物と見下すスヒュームの恐るべき侵略が始まる。
感想
進むネオフロンティア計画
人工太陽試験機カンパネラ登場。クラーコフNF−3000も久々登場。
一方、宇宙開拓時代の新しい夜明けと共に地球開拓も進んでいて南極の海底基地アイスキャッスルも登場。
エジリ博士登場
海洋開発局のエジリ博士登場。
最初は南極の水温上昇の原因究明の為にスーパーGUTSの力を貸していただきたいと頭を下げていながら、現地に着くといきなり態度が大きくなる。
『ティガ』の博士関係は途中からいい人になっていくが、『ダイナ』は途中から憎まれ役になるのが多い。
マイ、突然の前線任務
そう言えばあまり前線に出る事は無かったんだな、マイ。
そのマイに若いが大丈夫かと苦言を呈するエジリ博士。
初めての出動で舞い上がっているのではと軽口を叩くカリヤ。
一方のリョウは優しい先輩としてマイに接する。
軽口を叩いたカリヤに「それ、本気で言ってるわけ?」と握り拳を見せて凄み、「オイ、殴るなよ」とビビらせたのが笑える。
上司の鑑
スーパーGUTSが自分の指示を聞かないとヒビキ隊長に苦言を呈するエジリ博士だが、
ヒビキ隊長は「それは…困りますな。いえいえ、私が言っているのは、彼らが従えないような指示を出すあなたに困った、と。私はいかなる場合でも自分の部下達を信頼しています」とピシャリ。
特別チームの隊長って、どうしてこんなに人間が出来ているんだ?
そのヒビキ隊長の片腕であるコウダも、マイを信頼して的確に指示を出している。この時はまだ副隊長ではないが、十分にその役割は果たしている。
スヒュームの声
ハラシマ主任やその娘のサオリ、コウダの声を利用して人類を挑発するスヒューム。
「宇宙に出ていこうなんて身の程知らずもいいところね」、
「この星ね、最近とっても注目されてるわよ。滅びを繰り返すだけの下等生物が、何故か宇宙にまで出てくるようになったんだもん」、
「邪魔だって言ってるの」、
「ヒーローのお出ましね」、
「ここに太陽が到着するまで、一緒に最高のショーを見物しませんか?」
と憎たらしい事この上ないセリフを連発する。
無邪気な少女の声での恐ろしい言葉が底知れない悪意をかもし出していた。
村石等身大バトル
今回は「幽霊宇宙船」に続いてのダイナ等身大バトルが見られる。
小中監督が劇場版の撮影でTVシリーズをしばらく抜けた為、村石監督が『ダイナ』中盤のメインストーリーを担当する事になった。
スヒュームの侵略
スヒュームの触手で海底に沈められるクラーコフ。潜水モードへの切り替えが間に合わず、次々と浸水していく。
さらにスヒュームはクラーコフのメインコンピューターを乗っ取り、今度は火星衛星軌道上にある人工太陽カンパネラを南極に落下させようとする。
出撃するアスカとカリヤだが分断され、ディゴンに襲われる。
アスカはダイナに変身して南極氷上に出るが、レイキュバスによって一瞬で氷付けにされてしまう!
「移動要塞浮上せず!(後編) −レイキュバス ディゴン スヒューム登場−」
1998年3月7日放送(放映第26話)
脚本 長谷川圭一 監督・特技監督 村石宏實
「父さん! 俺を一人にしないでくれ!」、
「シン、お前は一人じゃない」
水棲生命体スヒューム
身長 193m 体重 7万9千t
地球を偉大なるスヒュームの美しき楽園にしようとする。
クラーコフのメインコンピューターを乗っ取り、人工太陽カンパネラを操作するが、マイの活躍によって奪還される。
さらにダイナにレイキュバスを、スーパーGUTSにディゴンを倒され、
また出直そうと宇宙に逃げるが、ダイナ・ミラクルタイプによって人工太陽カンパネラで焼き尽くされる。
宇宙海獣レイキュバス
身長 65m 体重 7万2千t
冷凍ガスでダイナを氷付けにして倒した。
その後、ヒビキ隊長との戦いで誤って火球をダイナにぶつけて復活させてしまう。
巨大なハサミでダイナを追い詰めるが、人工太陽カンパネラのエネルギーを受けたダイナの反撃を受け、
最後はダイナ・ミラクルタイプのレボリウムウェーブ・アタックバージョンでブラックホールに吸い込まれた。
半魚人兵士ディゴン
身長 230cm 体重 190kg
次々にクラーコフを襲うがスーパーGUTSの活躍に倒されていき、最後の一匹もマイによって倒された。
物語
スヒュームによって絶体絶命の危機に陥ったダイナとスーパーGUTS。
しかし、それでも尚、諦めない者達によって大逆転劇が繰り広げられる。
感想
ダイナ敗北!
にパニクるマイとエジリ博士。しかし、リョウがマイを勇気付け、コウダがエジリ博士を叱咤する。
総監と三幹部
人工太陽カンパネラを爆破するしかないと提案するゴンドウ参謀だが、シイナ参謀は人類の未来にとってあまりに大きな損失と訴える。
ゴンドウ参謀も言っていたが、今はそんな事言っている場合ではない。
憎まれ役の位置にいるゴンドウ参謀だが、実は三幹部の中で一番マトモなのではと思う。
TPCの戦力がスーパーGUTSだけでない事を思い知らせてやると言うが、出撃させたパッションレッドはあえなく敗北。
これらの積み重ねが後のブラックバスター隊設立に繋がったか。
それにしても南極氷上から宇宙空間のパッションレッドを火球で撃ち落すレイキュバスは凄い!
「誘導電波の解除法でも考えたらどうですか!? 誰かに責任を擦り付ける前に!」
人工太陽カンパネラへの誘導電波を切る最後の手段としてクラーコフを自爆させる事にしたコウダとナカジマ。
しかし、エジリ博士は自分は犠牲になりたくないとスヒュームに教えてしまう。正直な人だな。
コウダのように人類の犠牲になろうと考えるのも、エジリ博士のように死にたくないと騒ぐのも同じ人間か。
「ここで諦めるわけには……いかない!」
ハラシマ主任が持っていた娘サオリの写真を見て諦めちゃいけないと決意を新たにするリョウ。
水中ミサイルで排水口からクラーコフに突入する事を思いつくがマイは怖がり拒否する。
「私、リョウ先輩みたいに勇敢じゃないし! 戦いにあまり出た事ないし! 本当はスーパーGUTSの隊員になんて……!」と叫ぶマイをリョウが叩く。
その叩いた手をマイに見せ、「これがそんなに勇敢な人間の手? 私だって怖い……! 戦うのが怖い!でも、それは自分自身で乗り越えていくしかないのよ!」と説得する。
「ツクヨの兵士」でリョウは自分の中の怖さと真正面から向き合った。それがリョウをさらに強くした。
闇の中、氷付けのアスカが見たもの
「さすがに……、今度ばかりは、限界だぜ……」と力尽きるアスカ。
そこに「限界を超えた時、初めて見えてくるものもある」と語りかけるアスカ・カズマ。
去っていく父カズマに「父さん! 俺を一人にしないでくれ!」と叫ぶアスカ。
それに対しカズマは「シン、お前は一人じゃない」と答える。
「皆、諦めるんじゃねぇぞ!」
ディゴンと戦うコウダとナカジマ。絶体絶命の危機に遂にエジリ博士も自ら戦う。
そこに通風孔を利用して駆けつけたカリヤがディゴンを倒す。
そして出撃し、レイキュバスと死闘を繰り広げるヒビキ隊長。
「ダイナ! いつまでそうやって寝ている気だ! 地球がピンチなんだ! 聞こえるかー! ダイナー!
お前が何者で、なぜ俺達の為に戦ってくれるか知らねえ! でも、この星の事が好きなら! 人間を、俺達の仲間を嫌いじゃなかったら! もう一度立ち上がってくれぇー!」。
闇の中に横たわるアスカ。カズマの先に見える光が大きくなり、アスカを包んでいく。そして、遂にダイナ復活!
一方、リョウとマイも水中ミサイルでクラーコフに突入しようとしていた。
「大事な何かを……守る為」
極度の緊張に襲われるマイとリョウ。
二人は『君だけを守りたい』を歌う。『ティガ』に続いて主題歌がドラマ内で効果的に使われたシーン。
今回でエンディング曲が変更になるのでそれも兼ねての事だったらしい。
「マイ。戦う事に、もし理由があるならね……。誰かを守る為だと思う……」、
「誰かを……守る……」、
「皆を守って。頼んだわよ」、
「ラジャー」。
遂にクラーコフに向けて突入するマイ。
スヒュームの妨害をリョウが阻止し、マイは15秒間、クラーコフのコンピューターをスヒュームから奪還。
遂に人工太陽落下の危機を回避したのだった。
それを知ったエジリ博士は「あの子……、我々を救おうとしている……」。
「私も、スーパーGUTSの戦士よ!」
クラーコフのコンピューターを奪還したマイに忍び寄るディゴンの影。それを迎え撃ったマイの放った名台詞。
似たセリフは「優しい標的」でも言っていたが、今回は中身が伴っていた。
大逆転勝利!
クラーコフのコンピューターを奪還し、ディゴンを倒したマイ。
クラーコフの熱線で張り付いていたスヒュームを撃つカリヤ。
そして人工太陽カンパネラのエネルギーを受けてエネルギー回復するダイナ。
見事、レイキュバスを倒し、宇宙に逃げるスヒュームも倒すのだった。
この大逆転勝利は『ダイナ』でもトップクラスに盛り上がる。
クラーコフの自爆システムはわずか2秒の時点で解除され、
ハラシマ主任の娘サオリの写真を見たリョウは「守ったんだよ、マイ」と笑顔で呟く。
戦い終わって歌いに行こう!
『君だけを守りたい』を歌うハラシマ主任の娘サオリ。スヒュームのイメージがあるせいかちょっと怖い。
幸せな一家を見て、自分達が戦う理由を再確認するスーパーGUTS。珍しい私服姿。
そこにやって来たエジリ博士も「とても素晴らしいチームでした!」と感想を述べる。
そして皆で歌を歌いに行くのであった。