
作品第1話から第13話まで・その他
第1話 「銀色の巨人 −邪悪生命体ゴーデス 双脳地獣ブローズ登場−」
脚本 テリー・ラーセン(原案・会川昇) 監督 アンドリュー・プラウズ 特殊技術 ポール・ニコラ
「神は救世主を遣わせる……か」
・・・・ウルトラマンと神を関係付けたセリフが劇中でハッキリと出るのは当時では非常に珍しく、後の平成ウルトラシリーズに大きな影響を与えた。
邪悪生命体ゴーデス
身長 83m 体重 12万7千t
火星でジャックとスタンレーを襲い、グレートと戦った全宇宙の破壊者。両腕の触手でグレートを追い詰める。
バーニング=プラズマを連続して受け、続いてディゾルバーで分解させられるが、
細胞単位で地球に逃げ込み、各地に自分の細胞を撒き散らし、後にゴーデス怪獣を生み出す事となる。
双脳地獣ブローズ
身長 72m 体重 9万4千t
地球に降り注いだゴーデス細胞が地球の両生類に取り憑いた姿。アーサー隊長曰く「変種のオタマジャクシ」。
オーストラリアの都市地下から出現。毒ガスを吐き、念力カプセルで相手を閉じ込める。
ジャックによるとゴーデスに操られているだけで日没になると力が衰えるらしい。
バーニング=プラズマ連発を受けて消滅した。
物語
火星でグレートとゴーデスの戦いに遭遇したジャック・シンドー。その後、地球に謎の光が現れる。
火星でグレートに倒されたゴーデスの細胞が地球に逃げ込んだのだった。
感想
原題は「SIGNS OF LIFE」。「生命の兆候」とでも訳せば良いだろうか?
地球各地に潜伏したゴーデスの事を指していると思われる。
オーストラリアとの合作作品。
その為、グレートのスーツはこれまでのものとは違った素材が使われている。
素材のせいか、銀色の巨人と言うより白い巨人に見える。
『G』は吹き替え版と字幕版が販売されているが、字幕版は入手できなかったので当ホームページでは吹き替え版で更新を進めていく。
(コマーシャルを見ると吹き替え版と字幕版ではセリフが微妙に違っているように思えるが)
吹き替え版の声優は豪華。特撮ファン、アニメファンならどこかで聞いた名前がズラリと並んでいる。
キャスティングに関して言えば、ウルトラシリーズで一番話題が集められる作品かもしれない。
冒頭、火星から物語が始まる。
人類が新たなフロンティアとして火星開発に乗り出したと言う設定は『ダイナ』を思い起こさせる。
ゴーデスに襲われるジャックとスタンレー。
この時のスタンレーはジャックに対し敬語。どうやらジャックはスタンレーの上司らしい。(同僚だと思っていた)
負傷したジャックはスタンレーだけでも逃がそうとするが、そのスタンレーがゴーデスに襲われ、細胞に冒され、一方のジャックがグレートに助けられ、一体化するとは皮肉だ。
もし負傷したのがスタンレーだったら両者の運命は逆になっていたのだろうか?
グレートに倒されながらも不気味な笑い声と共に地球に逃げ込むゴーデス。
夜空をゴーデス細胞の光が覆う場面は『コスモス』のカオスヘッダーを思い起こさせる。
(どちらも生物等に取り憑くし)
数日後、大規模な地震が起き、地下から謎の煙が噴き出す。
この場面と前後して火星から帰還したジャックが現れるのだが、サングラスをかけ、一言も発せずにジーンを見つめる姿は怪しすぎ。
次回登場のスタンレーとさほど変わらん怪しさだ。
成層圏や地下に謎の細菌(ゴーデス細胞)が潜伏している事を知るUMA。
尚、アーサー隊長は謎の細菌や地下に怪獣が潜んでいる事、ジャックが火星でグレートと遭遇している事を知っていながら隊員には知らせていなかった。
こういう組織が情報を隠蔽していると言う展開はいかにも海外作品。日本のウルトラシリーズでは『ネクサス』や『SEVEN X』にあったぐらい。
UMAの特徴は各隊員の言動が細かい事。
日本のドラマは本筋以外の言動をあまりしないが、UMA隊員は飲んだり食べたりお喋りしたりととにかく細かく演技する。
又、着ている服も制服一つのみではなく、それぞれ細かな工夫がなされていてキャラクター分けに非常に役立っている。
日本のウルトラシリーズも見習ってほしいと思う部分だ。
火星で酸欠状態に陥ったジャックの心に語りかけてきたグレート。おそらくこの時に一体化したと思われる。
その後の変身シーンでジャックとグレートの顔が重なるのが両者の一体化を表している。
ビル街の中を巨大化しながら登場するグレートがなかなか良い。
グレートを見て「もう1匹現れた」と言い、どちらも仕留めようとしてグレートを攻撃するUMA。
過去にあまり例を見ない展開だが、これが当然の反応かもしれない。
ウルトラマンが自分達の味方だとすんなり信じた昭和のウルトラシリーズと違い、本作以降のウルトラシリーズは初めて登場するウルトラマンを自分達の味方かどうか怪しむようになる。
攻撃に倒れないグレートを見て「凄い装甲だ」「サイボーグか?」と驚くUMA。
自分達を助けようとしてブローズと戦っているのではと隊員達は考え出すが、アーサー隊長はあんな巨人が味方だとは思えず、見せ掛けと断言。
その後、キムの調査で生体組織が人類によく似ている事が判明し、倒せる可能性があると分かったら、両者を戦わせて勝った方を倒そうと考える。
なんか今までにいないタイプの隊長だ。
戦いが長引き、グレートのカラータイマーが点滅する。
キムが危険信号を鳴らしていると語るが、劇中の人物がカラータイマーについて触れたのは凄く久し振りな気がする。
ナレーションによると「大気汚染が激しい地球上ではウルトラマングレートはその巨体を3分間しか保つ事が出来ない」となっている。
大気汚染がウルトラマンの活動時間に関わったのは『G』のみ。
『G』は日本のウルトラシリーズと違って、ウルトラマンや怪獣よりビルの方が高いが、この事が逆にウルトラマンや怪獣の巨大感を表す結果となっている。
又、戦い終わったグレートが飛び去る場面を真下から映す等、今までとは少し違った切り口の特撮場面が見られる。
尚、アーサー隊長は飛び去るグレートを追えと命令するが、隊員達は通信の電波が悪いと言って無視してしまう。
ラスト、バイクに乗って走り去るジャック。
よく考えたら今回はジーン以外のUMA隊員と会っていない。珍しい第1話だ。
「ジャック・シンドーは火星からただ1人無事に生還した。だが、彼は誰にも自分の秘密を打ち明ける事は出来ない。
彼こそが神秘のヒーロー、ウルトラマングレートであると……」。
なんか『仮面ライダー』みたいなラストシーン。ナレーションが藤岡弘氏なだけに余計に…。
ところでゴーデスのデザインを見てクトゥルー神話を思い出した。
グレートとゴーデスの関係もクトゥルー神話の旧神と旧支配者を思わせる。
原案に会川昇氏と小中千昭氏が関わっているので、ひょっとしたらイメージであったのかもしれない。
第2話 「凍てついた龍 −古代怪獣ギガザウルス登場−」
脚本 テリー・ラーセン(原案・会川昇) 監督 アンドリュー・プラウズ 特殊技術 ポール・ニコラ
「何を迷っているんだ?」、「このままだと僕はただの臆病者になってしまう」、
「我々には別に使命がある」、「それは君の使命だろ?」、
「ゴーデスを滅ぼさなければ君達も私達も滅ぼされてしまうのだ」、「ゴーデスとは戦う。しかし…」、
「では何が問題なのだ?」、「僕にとってはやはり人類の平和が一番大事なんだ」、「ジャック…」
・・・・上はグレートとジャックの会話。明らかに意見が対立している。
『ザ☆ウル』でもあったが、実写作品で主人公とウルトラマンの意見が対立するのは初。
どうやらグレートはゴーデス怪獣以外の事件にはあまり関わらないつもりだが、ジャックは自分の力を人類の平和に役立てたく、UMAへの入隊を考えているようだ。
古代怪獣ギガザウルス
身長 120m 体重 14万9千t
南極の氷山の中で冬眠していた白亜紀の恐竜。
スタンレーによって冬眠から目覚め、急激に巨大化していく。日没になると眠りにつく。
暑さに弱く、太陽の日差しから逃れようと、アイスガスで辺りを冷気で覆う。
強靭な生命力でゴーデス細胞を拒否したが、スタンレーが起こしたコンビナート爆発による熱で暴れ回る。
マグナム=シュートでアイスガスをはね返され、最後はディゾルバーで分解させられる。
物語
ゴーデス細胞により地球の気候に異常が現れ、気温の上昇で南極の氷山からギガザウルスが発見される。
ギガザウルスは強靭な生命力でゴーデス細胞を拒否するが……。
感想
原題は「THE HIBERNATOR」。「冬眠するもの」となり、そのままギガザウルスを指している。
ゴーデス細胞はただ生物等に取り憑くだけでなく、大気圏を侵食する事で気候に異常を起こしてしまう。
ますます『コスモス』のカオスヘッダーを思い起こさせる。
前回はセリフのみだったARMYが初登場。
アイクは嫌味なキャラとして登場しているが、UMAのARMYに対する態度もなかなか嫌味。
UMAとARMYは互いに縄張り意識を剥き出しにし、手柄を取り合ったり、責任を擦り付けたりしている。
ところで「仮死状態」って専門用語かな?
前回同様怪しさ大爆発なジャック。
今回もいきなり現れ、火星からどうやって帰還したのか、グレートとの関係はどうなのかと言う質問にも、自分にも今はまだ説明できないと言って結局答えず。
結果、後にスタンレーがUMA基地に忍び込んだ時、真っ先にアリバイを確かめられてしまう事になる。
チャールズが謎の細菌について話すと、あれは細菌ではなく正確には細胞だと話すジャック。
火星でグレートに倒されたゴーデスは死んだ振りをして細胞単位で地球に逃げ込み、人類だけでなく生きとし生けるものを滅ぼそうとしている。
そして地球の様々な生命を奪い、やがて火星の時と同じ体を取り戻すと、UMAでもまだ把握していないゴーデスについて説明を行う。
これが気に入らなかったのか、チャールズはジャックの事を皮肉交じりに「博士」と呼ぶ。
こんな怪しさ100%なジャックをUMAに入隊させたいと言うアーサー隊長。当然、ロイド副隊長は異議を唱える。
ひょっとしたらアーサー隊長はジャックとグレートの関係を感ずいているのか?
ロイド副隊長とチャールズがジャックに不信感を持つ中、ジーン繋がりかキムはジャックに好意的。
キムはゴーデス細胞が発する電磁波を捉えるセンサーを開発するが、今回は使われなかった。
ゴーデスの使いとナレーションされるスタンレーは冷却システムを停止させてギガザウルスを冬眠から目覚めさせる。
その後、ゴーデス細胞を拒否するギガザウルスを熱で暴れさせる為、コンビナートに爆弾を仕掛ける。
一方のジャックは勝手にハマーに乗り、ギガザウルスを熱の無い所に誘導しようとするが、爆風の向こうにスタンレー、そしてゴーデスの姿を見て動揺し、墜落してしまう。
ジャックはギガザウルスを倒したくないと言っていたが、グレートはギガザウルスを倒す。
UMA隊員が「これでもう誰にも邪魔をされない」、「魂だけでも救われたかね」と言っていたが他に救う方法は無かったのかと考えてしまう。
第1話でもジャックがブローズに同情的だったのに対し、グレートは普通に倒していた。
ジャックの時はジャックの、グレートの時はグレートの人格が前面に出るが、グレートはジャックと違い、あまり怪獣に同情せず、打倒ゴーデスの使命を優先させるようだ。
前回と違い、グレートを攻撃せず、ギガザウルスとの戦いを見守るアーサー隊長。
どうやらグレートを利用して怪獣を倒そうと考えているようだ。
「これからは一緒に戦ってくれる?」と言うジーンの問いかけに「同じ人間としてね」と答えるジャック。
この事からUMA入隊がグレートの意思ではなくジャックの意思である事、ジャックはあまりグレートの力を使いたくない事が分かる。
ところでジャックは無断でハマーに乗った時に、それはデリケートな上に非常に値が張る機体だとアーサー隊長に注意されている。
その時のジャックは自分はアストロノーツでハマーの操縦ぐらい簡単と答えていたが、結局は墜落している。
それでもロイド副隊長の質問にハマーはまだ十分に飛べると平然と答えている。
どう考えてもダメそうなんですけど、スペースカウボーイさん。
第3話 「魅入られた少年 −火災飛龍ゲルカドン登場−」
脚本 テリー・ラーセン(原案・宮沢秀則) 監督 アンドリュー・プラウズ 特殊技術 ポール・ニコラ
「一体コイツは何なんだ? ジャック!」、「人間の心かな?」、「ゲルカドンよ!」
・・・・『G』はわずか13話しかないのに内容はかなりバラエティ溢れている。
(第2話でいきなりゴーデス細胞を拒否する怪獣が出てくるし)
今回のゴーデス怪獣は人間の心を利用して誕生する『A』や『80』を思わせる展開。
火災飛龍ゲルカドン
身長 67m 体重 6万5千t
アクミ・タワーの地下に眠っていた大型爬虫類の化石とジミーの友達であるトカゲのガスがゴーデス細胞によって融合し、ジミーの怨念を受けて実体化した。
ゴーデスの思念波を流す石を通じたジミーの怒りの受け、アクミ・タワー周辺を破壊する。
一度消えるが再び出現し、今度はゴーデス細胞が作り出したジミーの怨念だけを取り出したクローンの命令を聞いて動く。
口から吐く炎、目からの怪光線、瞬間移動を駆使して街を破壊し、グレートと戦うが、
本物のジミーがゴーデスに打ち克ち、グレートのマグナム=シュートで炎をはね返されると、ゴーデス細胞から解き放たれる。
最後はジミーを乗せて空の彼方へ消えていった。
物語
かつてキムがいたストーン財団孤児院のジミー少年はアクミ・タワーの建設工事で事故に遭い、友達であるトカゲのガスを失う。
その代わり、ジミーは謎の石を見付けていたが、その石はゴーデスの思念波を流すものだった。
感想
原題は「A CHILD’S DREAM」。そのまま「ある子供の夢」。
今回は過去の様々な話を思い出す内容となっている。
まず建設現場で化石が発掘されるが工事の為に埋められてしまうのが『帰マン』の「恐竜爆破指令」、
ジミーの描いたゲルカドンの絵が実体化するのが『初代マン』の「恐怖の宇宙線」と『帰マン』の「戦慄! マンション怪獣誕生」、
ゴーデスの思念波を流す石を通じてジミーの怒りのままゲルカドンが暴れるのが『A』や『80』の各話、
ジミーを乗せたゲルカドンが空の彼方に消えていくのが『初代マン』の「恐怖のルート87」と言ったところ。
ゲルカドンのデザインは過去のウルトラシリーズに無いもので斬新。
最近はCGも使えるのだからもっと人型を崩したデザインの怪獣が登場しても良いと思う。
ところでジミーは発掘された化石の復元図としてゲルカドンを描いたようだが、あんな生物どうやって思いついたんだ?
相変わらず神出鬼没なジャック。ジミーが建設現場で事故に遭った時には既にゴーデスの気配を察知していた。
その後、ジミーが小型のゲルカドンと遊園地で遊んでいた時も、いきなりジミーの真後ろに現れている。
この時にジミーがいなくなったガスが帰って来て一緒に空を飛ぶ夢を見たと語るが、その夢は現実になるとあっさり答えたジャックは少し無責任なような……。
それとも、既にジミーの運命を感じていたのだろうか?
遂にと言うか、まだだったのかと言うか、ようやくUMAに入隊するジャック。
第3話での入隊はウルトラシリーズで最も遅いのではないだろうか。
チャールズはジャックの入隊を露骨に嫌がり、最近事件が起きていないからゴーデスはもう地球の事は諦めた。つまり、ジャックが入隊する必要は無いと言っている。
しかし、ジャックはゴーデスは今も密かに活動していると答える。
文明の象徴たるアクミ・タワーを破壊するゲルカドン。
ジミーの話で脇にいってしまったが、今回の話は文明に追いやられた古代生物の復讐と言う側面も持っている。
キムは完成したゴーデスセンサーを持ってジミーの所に駆けつけるが、ジミーにゴーデス反応が。
その後、ゴーデスの思念波を流す石で操られたジミーはキムを倒し、ゴーデス細胞のある所へ誘導されて完全に取り込まれてしまう。
ところでキムはジミーがアクミ・タワーに良くない事が起こると予言していたと報告するが、そう言った場面は劇中には無い。カットされたのだろうか?
その他にも今回はカットされたと思われる場面が多く、展開が少し分かりづらくなっている。
ジミーがゴーデスと戦っている間、ゲルカドンは一度消えるが、ゴーデス細胞はジミーの怨念だけを取り出したクローンを作り出してゲルカドンを暴れさせる。
ジミーはキムに助けを求めるが、ジミーの精神とシンクロしたキムにもゴーデスの影響が現れてしまう。
それでもキムが必死にジミーを応援すると、ジミーの精神にジャックが現れる。
精神世界でグレートが見守る前で会話するジャックとジミー。
ジャックはジミーに「君とガスはもう離れる事はない」と言い、どうして分かるのかと言うジミーの問いに「僕も君と同じなんだ」と答えている。
現実世界でのグレートとゲルカドンとの戦いは光線技を使った一進一退の攻防でなかなか見応えがある。(欲を言えば、引きの絵が欲しかったが)
一方の精神世界ではジミーが命をかけてゴーデスと戦っていた。
そしてゴーデスの思念波を流す石は破壊され、クローンのジミーは消滅。ジミーは勝ったのだ。
ゴーデス細胞から解き放たれたゲルカドンは今こそ大空を自由に舞う。
そしてジミーを乗せて空の彼方へ消えていった。「人間を超えたのさ」とジャック。
本作は宮沢秀則氏のウルトラシリーズデビュー作。
「僕はガスと大空を飛ぶんだ」
第4話 「デガンジャの風 −風魔神デガンジャ登場−」
脚本 テリー・ラーセン(原案・小中千昭) 監督 アンドリュー・プラウズ 特殊技術 ポール・ニコラ
「あれは神が人類に下した怒りなのかもしれません」
・・・・自分はアボリジニーの伝説に詳しくないが、原案が小中氏である事を考えるとクトゥルー神話の可能性もある。
デガンジャが風の神と言われている事から、風の属性を持つ旧支配者「イタカ」がモデルか?
風魔神デガンジャ
身長 89m 体重 7万4千t
オーストラリアの原住民アボリジニーが多く住む地に古くから伝えられた風の神デガンジャの魂にゴーデス細胞が取り憑き操った。
地の怒りを伝え、人々を戒める存在で、竜巻を使いとする。
精霊の墓を荒らしたハンターに怒り、アボリジニーであるムジャリが行った儀式で姿を現す。UMAの攻撃を受けて怒り狂った。
指先から光線を撃ち、グレートの光線を弾いて追い詰める。グレートが勝負をかけた最後の技で消滅し、黒い雨雲となった。
最後はゴーデス細胞から解放され、恵みの雨をもたらした。
物語
平原で狩りをしていたハンターが精霊の墓と言われる石を銃で撃つと、突如、巨大な竜巻が襲ってきた。
調査に向かったジャックとロイド副隊長だが原住民達に煙たげられる。
感想
原題は「THE STORM HUNTER」。「嵐を追い求める者」となり、ジャックやムジャリの事を指す。冒頭のハンターは関係無かった。
ハンターが竜巻に襲われた事がニュースになり、人々が現場に押し寄せる前に調査を始めてしまうよう命令するアーサー隊長。
ジャックとロイド副隊長が調査に行く事になるが、ロイド副隊長はジャックと組む事に不満を漏らす。
ジャックはUMAの制服も着ないし、時々宇宙人みたいな事を言うし、自分とはウマが合わないとの事。ごもっともな意見。
そのアーサー隊長はジーンと共に資金集めのパーティーに出席。特別チームの運営も大変だ。
ところでジャック達は竜巻と出会う為にハンターと同じコースを走る事になったが、もし何かあったら隊長不在の状態でどうするつもりだったのだろう?
ジャックに発信機付きの腕輪を渡すジーン。ジャックは「僕の首に鈴を付けるつもり?」と皮肉を言う。
ジャックは放っておけば勝手に行動してしまいそうだから、その通りだろう。
だが実際は、ムジャリの儀式をUMAが邪魔しに来ないかを知る道具となり、結果的にジャックがUMAの首に鈴を付けた格好となった。
現場に到着したジャック達だが、原住民達は軍服を着たロイド副隊長に嫌悪感を露わにする。
その後のムジャリとの会話や、第1話でアーサー隊長にUMAではARMY時代の習慣を止めるように注意されたりと、どうもロイド副隊長は相手に合わせるのが苦手らしい。
「郷に入っては郷に従え」だぞ。
原住民の1人で、ロイド副隊長とはボクシングジムで知り合った友人のムジャリ。
デガンジャの怒りを鎮める為に街から帰って来る。
出会ったそうそうジャックと意味深に見詰め合うが何か感じたのだろうか?
ロイド副隊長は自分達はこういう現象には慣れていると言うが、ムジャリに「その割には最近活躍を聞くのはあの銀色の奴の事ばかりだな」と皮肉られてしまう。
ロイド副隊長は彼が手伝いたいって言うんでねとかわすが、ムジャリはグレートの事をロイド副隊長達の神と称する。
「君らは無謀だ。敵を知らずに戦おうとしている」とロイド副隊長に言うムジャリ。
この後、戦わず儀式でデガンジャの怒りを鎮めようとするムジャリとUMAの武器でデガンジャを倒そうとするロイド副隊長は徹底的に対立する。
「この荒野にあるものは土と石だけではない。そう言う我々を君らはすぐに笑うだろうが……」、
「神々を否定するわけではないが、私はまず人間を守りたい」、
「それで上手くいくんならいいが……。人間が神聖な大地を汚染している。そして自然を破壊する。いいか、ロイド。人間だけでは生きてはいけない」、
「私は私の世界を守る!」、
「世界は一つだ、ロイド」。
この思想は『G』後半に引き継がれ、やがて小中氏がメインライターを務める『ガイア』へと繋がっていく。
ジャックはムジャリの考えに共感し、デガンジャは何かに操られていると告げる。
それを聞いたムジャリは1万年前から残っているデガンジャの物語が記された洞窟を案内する。
どうやらゴーデス細胞が洞窟に眠っていたデガンジャの魂に取り憑いたらしい。
ところでこの洞窟の壁画、グレートとゴーデスの事を記しているようにも見えるが、グレートとゴーデスはそんな昔から戦い続けていたのだろうか? それとも予言みたいなものなのだろうか?
これと似た壁画は『ガイア』や『コスモス』にも登場している。
ムジャリは「我々はデガンジャに守られている。今度は我々がデガンジャを助けてあげる」と儀式を始める。
しかし、UMAの攻撃を受けてデガンジャは怒り狂う。
チャールズ、アーサー隊長からジーンの指示で攻撃しろと言われているのに、なぜ勝手に攻撃する?
おまけにジーンの攻撃中止の指示も無視するし……。
デガンジャのデザインは今までのウルトラシリーズに見られなかったタイプ。
見かけによらず、グレートと光線技を駆使した戦いを展開。
苦戦するグレートは勝負をかけた最後の技でデガンジャを消滅させる。
本にはマグナム=シュートで倒されたと書かれているが、デガンジャの技をはね返したようには見えない。
デガンジャがゴーデス細胞から解放されて自然界のバランスが戻った。
そしてムジャリは自然やそこに宿る神々についてもっとよく知る為に街には戻らず現場に残る事にした。
本作は『ティガ』や『ガイア』のメインライターとして有名な小中氏のウルトラシリーズデビュー作。
因みに自分がラヴクラフトやクトゥルー神話を知るきっかけとなった人物でもあります。
第5話 「悪夢からの使い −毒ガス幻影怪獣バランガス登場−」
脚本 テリー・ラーセン(原案・遠藤昭範) 監督 アンドリュー・プラウズ 特殊技術 ポール・ニコラ
「まさか彼が君も助けていたとはな」、「これでも助けたと言えるのか?」、
「何が不満なんだ?」、「借り物の時間の中に生きている気がしないか?」、
「時間なんて小さな問題だよ。永遠な存在にとっては……」
・・・・火星で死んだスタンレーはゴーデスによって、ジャックはグレートによって救われた。
ここでスタンレーが言う彼とはグレートの事なのだが、ジャックはグレートに助けられた事に不満を抱いている。
ハヤタ隊員を始め歴代主人公の殆どは一度死んでウルトラマンと一体化して生き返っている。つまり他人の命で生きている状態なのだ。
しかし、その事について不満や疑問を持った主人公はジャックぐらいではなかろうか?
わずか80年そこらしか生きられない人間が何万年も生きられる存在と一体になる。ジャックが自分の存在に疑問を持つのは当然かもしれない。
毒ガス幻影怪獣バランガス
身長 79m 体重 12万9千t
突如、都市地下から赤い煙と共に出現した。スタンレーの攻撃で一時退却するも、続いてUMA基地近くに出現して砲台を破壊する。
真の目的はグレートやUMAが破壊する前にゴーデス細胞を吸収して1ヶ所に運ぶ事。
ゴーデス細胞自身がより強力な存在になりつつある為、今まで登場したゴーデス怪獣より強い。
オーストラリアの都市地下にゴーデス細胞を集めていた。最後はスタンレーと同化して出現。
肉体を赤い煙に変えて瞬間移動し、毒ガスを吐いて躊躇うグレートを追い詰める。
UMAの援護を受けたグレートのアロービームで消滅したが、都市地下のゴーデス細胞と共にゴーデスの本体がいる場所に逃げたらしい。
物語
バランガスが突如出現。それを撃退したのは火星で死んだはずのスタンレーだった。
スタンレーのUMA入隊が決まるが、ジャックは彼が既にかつての親友ではない事を知った。
感想
原題は「BLAST FROM THE PAST」。「過去からの風」とでも訳すか?
今回は『A』の「決戦! エース対郷秀樹」と展開が非常によく似ている。
冒頭のバランガス出現時、市民を避難させようと言うジャックと怪獣を倒した方が早いと言うロイド副隊長が対立。
その後、ジャックがゴーデス細胞はより強力になっていると語るが、
チャールズに「また君の直感(つまり根拠が無い)か?」と、キムに「だからと言って尻尾を巻いて逃げるのかい?」と言われてしまう。
さらにジーンにも「怪獣を放っておけば街が破壊され、人が死ぬ事になる」と言われ、ジャックはUMA内で孤立してしまう。
火星で死んだはずのスタンレーが生還。第1話ではジャックに敬語を使っていたが今回はタメ口。
どうやらスタンレーはARMYの情報部所属だったらしい。
アーサー隊長はARMY情報部は無能だ、我々の方が君を生かせるとしてスタンレーを引き抜く。
一般的にARMYが悪役として捉えられているが、どっちもどっち。
スタンレーのUMA入隊を「強運の持ち主が2人も!?」と喜ぶジーン。
スタンレーは「僕らには見守ってくれる存在がいるんですよ」と答え、ジャックはスタンレーに「君は命を2つ持っているんじゃないかい?」と尋ねる。
その後、スタンレーとの関係がギクシャクしている事に気付いたジーンに対し、ジャックは「スタンレーは僕の友達だった! 友達だった!」と告げる。
おそらく、この時既にスタンレーを助けたのがグレートではなくゴーデスである事に気付いたのだろう。
この後、ジャックはジーンにしばらくUMA基地を離れないか?ともちかける。
ゴーデスと関係しているスタンレーを警戒しての事だが、UMA基地が危機に瀕していると分かっていながら、
その危機を救おうとするのではなく、2人でそこから離れようと言うのがジャックらしい?
そしてUMA基地にバランガス出現。
「基地は我々の命だ! 我々の手で守り抜くんだ!」と言って全員出撃させるアーサー隊長。
さらに前線に立って「この私を倒してから基地を破壊するがいい!」と宣言して銃を構える。カッコいいぞ!
それを受けてロイド副隊長が「次は俺だ!」と銃を構えるが、チャールズだけはやれやれ仕方が無いなぁと言った感じで銃を構える。こういうところがチャールズらしい。
実はバランガスは囮。
その隙にスタンレーはゴーデスセンサーを破壊し、ゴーデスに関するデータも消去してしまう。
それにしても、いつの間にか衛星カメラまで使って全国のゴーデス細胞を探知できるようになっていたとはUMAは凄いなぁ。
「まもなくゴーデスは一つになるって言うのにな」。
そこに出撃していなかったジャックが登場。ジャックとスタンレーの戦いが始まる。
「僕は使者の1人にすぎない。お互い変わったんだよ」、「何も変わっちゃいない!」、
「変化や進歩を恐れるのか?」、「ゴーデス! スタンレーに感染したな!」、
「全ての生命がゴーデスの一部になるんだ。どうして分からない? これは運命なんだ!」。
そこにアーサー隊長達がやって来て、UMA基地内にスパイがいる可能性があるとして2人を拘束。
ジャックのデルタ=プラズマーも取り上げてしまう。
それぞれ独房に入れられるが、スタンレーは赤い煙に変化して脱出。
「お別れに素敵なプレゼントをあげよう」とジャックの独房にゴーデス細胞を送る。
「ゴーデスなんかじゃない! スタンレー・ハガートともう一度話をしたいんだ! 人間として!」と言うジャックに対し、
「そんな奴はもうどこにもいない。僕は進化しているのさ」と答えるスタンレー。
ジャックは「それはいつか宇宙全体を死に追いやる破滅への進化だ」と切って捨てる。
この全ての生命を一つにして進化すると言うゴーデスの設定は『ダイナ』のスフィアや『コスモス』のカオスヘッダーに繋がる。
デルタ=プラズマーを分析中のチャールズの所にスタンレーがやって来て、手から出すガスで眠らせてデルタ=プラズマーを奪う。
そしてガスバーナーの火を吹き消して一言、「火の用心、火の用心♪」。
ジーンがバランガスを撃退したスタンレーの武器がニセモノである事を突き止め、さらにスタンレーの逃亡が判明し、ジャックの無実が証明される。
ジャックの独房にあるゴーデス細胞を撃ったロイド副隊長はジャックに向かって「どうやら借りを作っちまったようだな」と語る。
これ以降、ロイド副隊長は今まで苦手だったジャックを信用するようになる。
逃亡したスタンレーを追跡する為にジーンがサルトップに乗るが、そこにスタンレーが現れて人質に取られる。
「君はジャック・シンドーにとって重要な存在だからな」、「彼はあなたの友達でしょ?」、「友達……だと?」。
ゴーデス細胞に感染し、ゴーデスと共に生きる運命を受け入れたスタンレーだが、時折、どこか迷いが残っているような感じを見せる。
バランガスの襲撃で10年かかって建設した砲台が破壊され、さらにスタンレーが仕掛けた爆弾でハマーも次々に爆破され、UMAは最大の危機に陥る。
一方、スタンレーはジーンを連れてゴーデス細胞が集められた穴に辿り着く。
「あなたは人間でしょ?」、「もう選択の余地は無い!」。そこにジャックが登場。
「命乞いか? それとも友情? どっちにしろ、今の僕には無縁だな」、「スタンレー! 君を救いたいんだ!」、「火星で聞きたかったな!」。
遂に両者の戦いが始まる。
なんとかスタンレーの後ろを取って銃を構えるジャックだったが、やはり引き金が引けない。
「はたして撃てるかな? 友達だろ? 何度も宇宙に飛んだっけ……。引き金を引けよ!
僕を殺させてやる。もう僕は昔のスタンレー・ハガートじゃない。人間なんてちっぽけな生き物にすぎない」。
そう言ってデルタ=プラズマーを捨てるスタンレー。何を望んでいるんだ?と問うジャック。
「ここから出たいんだ、ジャック! 人間の体が邪魔なんだ! 完全なゴーデスになりたいんだ! そして肉体を殺して俺達を自由にしてくれ!
俺達は宇宙を支配する生命の一部となってこれから永遠に生き続ける事が出来る! そして君達もな……。ゴーデスこそ神なのだ!」。
既にスタンレーの声はスタンレーのものではなくなっていた。
そしてスタンレーはバランガスと同化して完全なゴーデス怪獣となった。
スタンレー(ゴーデス?)の宣言に対し、ジーンは「私はそんなもの望まない!」と言ってデルタ=プラズマーをジャックの元に投げようとするが、ゴーデス細胞の穴に落ちてしまう。
「ゴーデスと戦って!」と言いながら穴に落ちていくジーン。ジャックとグレートの関係に気付いたのだろうか?
「ウルトラマンを援護しろ!」と言うアーサー隊長の命令で出撃するUMA。
第1話でチャールズはジーンにハマーの同乗を申し込むが断られ、「きっと後悔する事になるよ。僕の腕前が見られなくて」と言っていた。
今回の冒頭、バランガス戦でようやくジーンとチャールズがハマーに同乗するが、相性が悪いのか、コンビとしてはチグハグ。
今度はキムが操縦するハマーにチャールズが乗るが、「私の腕前が見られて嬉しいだろ?」と言うキムの問いに、「2度とデートを申し込みたくないくらい」と後悔のチャールズであった。
グレートの時はグレートの人格が前面に出るが、ジャックの人格が全く反映されないわけではないらしく、
スタンレーを取り込んだバランガスを倒すのを躊躇い、UMAの援護を受けて何とか倒すも結局は逃げられてしまった。
しばらく辺りを見回すが、諦めて去っていくグレート。
その頃、オーストラリアの砂漠の地下では再び一つに融合したゴーデスが復讐の時を待っていた。
ジャックとスタンレーは対になって描かれていた。
スタンレーがゴーデス細胞に感染して、ゴーデスと共に生きていかなくてはいけなくなったのも、
ジャックがグレートと一体化して、グレートと共に生きていかなくてはいけなくなったのと根本的な部分では同じだとされている。
又、ゴーデス細胞に感染したスタンレーの意識が徐々にゴーデスに奪われ、それを進化とするのも、
一時期の『帰マン』の郷秀樹や『A』の北斗星司が一体化したジャックやエースに意識を取り込まれていったと言う解釈に繋がる部分があると思われる。
この事からゴーデスは裏ウルトラマンとも言える存在なのかもしれない。
スタンレーや郷秀樹や北斗星司がゴーデスやウルトラマンの為に自分の意思を犠牲にしていったのに対し、
ジャックが必ずしもグレートの意思に従わず、自分の意思を貫いていったのは、それらに対するアンチテーゼなのだろう。
第6話 「悪夢との決着 −邪悪生命体ゴーデス(第2形態)登場−」
脚本 テリー・ラーセン(原案・会川昇) 監督 アンドリュー・プラウズ 特殊技術 ポール・ニコラ
「ゴーデスは全ての破滅を願っている。生き抜く事が奴への抵抗なんだ」
・・・・デストルドー、死の本能エネルギー、自己破壊衝動的エネルギー。それこそゴーデスの正体なのかもしれない。
邪悪生命体ゴーデス(第2形態)
身長 107m 体重 34万6千t
なんと『初代マン』のスカイドンや『ウルトラマン物語』のグランドキングを上回る巨体と重量を誇る。
火星でグレートに倒されるが、いくらバラバラにされても再び一つにまとまる習性を持っていて、
地球各地に自分の細胞を撒き散らし、様々な生命に取り憑き、より強力な存在として復活した。
元々は熱の中から生まれたらしく、火山の熱とARMYの攻撃をエネルギーにして活動を開始した。
目的は全宇宙の生命を一つにする事。又、全宇宙の破滅を願っているらしい。
グレートの攻撃も吸収し、グレート自身も取り込んでしまう。
そこで自分が人間を滅ぼす事で地球は美しさを取り戻す事が出来る、自分と一体化すれば素晴らしい世界が待っていると告げるが、
ジャックの「哀れな奴だな」の言葉に心乱され、その隙を突いたグレートによってバラバラにされる。
しかし、ゴーデスの第3、第4形態がまた現れないとは誰にも言い切れない……。
物語
ゴーデス細胞に感染したジーンを救いたいと願うジャック。一方、ARMYはUMA基地を指揮下に置く。
そして遂にゴーデスが復活した!
感想
原題は「THE SHOWDOWN」。「最終決着」と言う意味の他、「真相の公開」と言う意味もある。
ゴーデス細胞に感染したジーン。そこでジャックとグレートの会話が交わされる。
「どうすれば彼女は目覚めるんだ?」、「私は以前にも言ったはずだ。UMAに入ってゴーデスと戦う事はとても難しいと……」、
「僕にお説教をするつもりか? 僕はどうしたらいいんだ?」、「ゴーデスの本体を倒す事が出来るか?」、
「どうすれば倒せる?」、「自分の命に誇りを持て!」。
なにやら分かるような分からんような会話。
ただ第2話でも書いたように、UMA入隊がグレートの意思ではなくジャックの意思だった事は確かなようだ。
砂漠で火山の噴火と思ったら、実は地面そのものが燃えて沸騰して大量の溶岩が流れ出ていた。
このままでは大気圏に熱風が吹き荒れ、オゾン層が破壊され、酸素は消滅、地球は燃え尽きてしまう。
ゴーデスは火星の時より強力な存在となっていた。
しかし、ゴーデスが最初は熱から生まれたと言う設定は伏線が無くて唐突だった。
インパクト抜群、ARMYのブリューワー将軍登場。
UMAはゴーデスに感染している恐れがあるとして、UMA基地を指揮下に置く。
前回、ゴーデス細胞に感染していたスタンレーがUMA基地内を歩き回り、今はジーンがゴーデス細胞に感染しているのである意味当然の処置かもしれない。
しかし、アーサー隊長はUMAは平和な科学的チームで軍人に利用される事は承服できないとして、
UMA憲章にある「もしUMAの装備が一部の国家や軍人によって勝手に使用される危険がある場合、自動システムによって発電システムを破壊し、基地の武装を不可能にすべし」を使って、
基地の装備を使うには全世界の各UMA支部の命令が必要、12人の支部長を説得するしか方法が無いと詰め寄る。
思えば、ウルトラシリーズの特別チームで軍関係と異なる組織はかなり少ない。
UMAはその数少ない例の一つなのだが、その設定を上手く使った展開と言える。
一方のブリューワー将軍は自分の命令に従わなかったら軍法会議にかけられて処刑されると脅しをかける。
それでもアーサー隊長は「私は全員に代わって返答する事は出来ん!」と言い、ロイド副隊長とジャックはブリューワー将軍の命令に従わないと答える。
ただチャールズだけはブリューワー将軍の命令に従ってハマーで発進。
「僕は銃殺されるのはまっぴらごめんだな。僕も少し大人になったんですよ、隊長」と述べる。
それを聞いたブリューワー将軍はものの分かる男だなとご満悦。
連行されるジャックとロイド副隊長だがARMYを倒して逃亡。
ロイド副隊長はジャックを逃がす為に1人残る。これで第5話の借りは返した?
ジャックは処刑されようとしていたジーンを連れてUMA基地を脱出するが、ブリューワー将軍はジーンがゴーデス細胞を撒き散らす前に破壊しろと命令。
キムが戸惑う中、チャールズは命令に逆らうつもりは無いと答える。
「チャールズこそ有能な隊員だ!」と喜ぶブリューワー将軍を見て、「今、必要なのは有能な指揮官だ」とアーサー隊長は呟く。
ところがチャールズはわざと攻撃を外し、ジーンもジャックも殺すつもりが無かった事が明らかになる。
キムとチャールズが乗っているので他にハマーは無く、ブリューワー将軍は手出し出来無くなってしまった。
チャールズが言った「銃殺されるのはまっぴらごめんだな」と言うのは自分だけでなく仲間の事も思ってのセリフ。
ブリューワー将軍が言ったように、一番ものが分かって行動していたのだ。「僕も少し大人になったんですよ、隊長」。
「彼らは非常に優秀です。優秀な隊員は無謀な命令に従う義務はありません」とアーサー隊長もご満悦。
(でも、一時はマジでチャールズが裏切ったと全員思っていたが)
意識を取り戻したジーンだが、ゴーデスが私を利用できないように殺してとジャックに頼む。
友達として絶対に救うと言うジャックに対し、ジーンはポツリと「スタンレーもあなたの友達だったわ……」と呟く。
しかし、ジャックは「ゴーデスは全ての破滅を願っている。生き抜く事が奴への抵抗なんだ」と励ます。
UMAの装備を使えなくなったブリューワー将軍はARMYの空軍を使ってゴーデスを攻撃するが、逆にエネルギーを与える結果になる。
アイクは命令は絶対とアーサー隊長とロイド副隊長に告げ、ロイド副隊長の神様じゃあるまいしと言う皮肉にもARMYにとっては神だと返答。
アーサー隊長に「少しは自分の頭で事態を判断したらどうだ?」と言われる。
そしてブリューワー将軍がB1爆撃機に核爆弾を搭載し、500ギガトンの爆発でオーストラリア大陸も太平洋もゴーデスもろとも吹き飛ばそうとしている事が分かった時、
遂にアイクはブリューワー将軍の命令に逆らい、自分の意思で行動するのであった。
さて、ゴーデスとグレートの関係が対になっている事は前にも書いたが、今回はゴーデスとブリューワー将軍の関係について。
ゴーデスは全宇宙の生命を一つにまとめようとし、ジャックはそれは全宇宙の破滅に繋がると語る。
自分の命令には逆らわせないブリューワー将軍も、全員の意思を無理矢理一つにまとめようとするところはゴーデスと同じである。
そしてゴーデス打倒の行動はやがてブリューワー将軍を含めた全ての人間の破滅へと繋がってしまった。
「彼らは死んで本望」、「私の部下は少なくとも死ぬ勇気がある」、「男なら戦場で死んでみせろ!」等のセリフは
デストルドー、死の本能エネルギー、自己破壊衝動的エネルギーを示したものだと言える。
(逆にグレートはジャックの意思を、アーサー隊長はUMA各隊員の意思を尊重していた)
又、『G』では「神」やら「運命」と言った言葉も頻繁に登場。神や運命の名の下に死や破滅へ進もうとする展開が多かった。
神だから、運命だからと無批判にそれに従うのではなく、自分で考え、生きよと言う意味であろう。
遂に復活したゴーデス。どうやらジーンも取り込んだようだが、その場面が無くて分かり辛い。
ジャックがグレートに変身するが、グレートもゴーデスに取り込まれてしまう。
ブリューワー将軍からUMA基地の指揮系統を取り戻したアーサー隊長は、まず周辺の発電所を止めたりとゴーデスのエネルギーを絶とうとする。
冷静な判断だが、いつの間にかグレートに依存する気持ちが芽生えていて、グレートがゴーデスに敗れたのを見て茫然自失。
「彼なら倒せると思ったのだが……」と言い、遂には「どんな攻撃も通用しない」と諦めてしまう。
その点、ブリューワー将軍は「信じられん馬鹿だな、君は。あんな宇宙人に頼るなんて……」と言って「男ならまず実行したまえ!」と核爆弾使用を求める。
色々問題ある人物だが、「なーに、いざとなったらウルトラマンが来てくれるさ」と言った『帰マン』の岸田長官や、
自分は安全な所にいて部下に特攻しろと命令した『A』の高倉司令官よりは遥かにマシ。
自分の保身の為ではなく、あくまで地球を守ると言う使命感からきている行動だし。
(でなければ自分も死ぬ核攻撃なんて行わないだろう)
ゴーデスの体内に取り込まれたグレートは精神世界でかつて戦ったゴーデス怪獣の幻影に苦しめられる。
苦しむグレートの上で、ジャックとゴーデスの会話が繰り広げられる。
「これで勝ったつもりか?」、
「私に全てを任せろ! 私が人間を滅ぼす事で、この星はまた美しさを取り戻す事が出来るのだ。
見るがいい! 人間が大気を汚した為にウルトラマンは肉体を保つ事さえ出来ず、苦しんでいるではないか!」、
「哀れな奴だな、ゴーデスよ……。全宇宙を吸収した時、お前はどうするつもりだ? 友達すらいない世界で、たった独りで生きていけるのか?」。
ジャックのこの言葉にゴーデスは心乱され、その隙を突いたグレートはゴーデスから脱出、ゴーデスは再びバラバラになったのだった。
「君は運が良かったな、アーサー」と握手を求めるブリューワー将軍。
しかし、アーサー隊長の「奴はまた現れるかもしれない」と言う言葉を聞き、「そうだな……。それはまだ誰にも分からん……」と握手しようとした手をしまった。
戦い終わって、ロイド副隊長は「かけがいのない友を失ってしまいました……」と嘆くがアーサー隊長は「彼らはきっと生きているさ」と答える。
そして、その言葉どおり、ジャックとジーンは生きていた。
それを見たキムの「彼らどうやって助かったと思う?」と言う問いにチャールズは答える。「決まってるよ、愛の力さ」。
デストルドーたるゴーデスに打ち克ったのは、リビドー、生の本能エネルギーであった。
第7話 「森の守護神 −守護獣ガゼボ登場−」
脚本 テリー・ラーセン(原案・宮沢秀則) 監督 アンドリュー・プラウズ 特殊技術 ポール・ニコラ
「アンタ、子供殺して勲章貰うの?」
・・・・上の言葉を投げかけたい人が世の中にはたくさんいる。
守護獣ガゼボ
身長 63m 体重 8万t
人間は入ってはならない、200年前に保護登録されている神の領域に棲み、侵入した人間に敵意を表す。
チャールズによると、爬虫類ではなく哺乳類に近いクロコフトロンの原型、すなわちカンガルーの先祖との事。
ある神経を麻痺させる毒キノコの胞子を嫌う。金属類を集める習性がある。
ジェニーの「殺さないで!」と言う願いを聞いたグレートによって地中に封印される。
ナレーションを聞く限り、元々は地中で眠っていたようだ。
物語
保護登録地域で住民の反対を押し切って道路建設が行われる。
UMAはガゼボが現れた森に取り残された少女ジェニーを救おうとするが……。
感想
原題は「THE FOREST GUARDIAN」。日本の題名と同じく「森の守護神」となる。
『G』は環境問題を取り上げた作品だが、ゴーデス編ではゴーデスと言う絶対悪がいるのであまり深く掘り下げられなかった。
(第3話や第6話等はいつの間にか人間の心の話にすり替わっていた)
本作以降のバラエティ編ではゴーデスではなく人間の自然破壊が様々な怪獣を出現させる展開となる。
住民の反対を押し切った道路建設。
建設工事自体は取り締まれないと言う警官に対して、それなら騒音として取り締まれと言うシンプソン夫人。
ここまで住民が強く言えるのはさすが外国作品?
ガゼボ出現で逃げる人々。この時、ジェニーだけが皆と違う山奥の方へ逃げるが何故だ?
その後、原住民と思しき少年が置いた果実を辺りを気にしながら食べるのがかわいい。
カメラでガゼボの姿を確認したジーンは「ゴーデス?」と呟く。細かいが今までの話を無視していなくて良い。
野戦装備でジェニー探索に向かうロイド副隊長とキム。
2人とも似合っているが、ガゼボも嫌うキノコの胞子であっという間に溶けてしまう。
そのキノコを使ってキノコ爆弾を作るキムと、すっかり投げやりになってしまったロイド副隊長。
第4話もそうだったが、ロイド副隊長は結構すぐやさぐれる。
ロイド副隊長とキムと連絡が取れず心配するチャールズ。
アーサー隊長に「何も食べていないのか?」と聞かれる。
ジーンがゴーデス細胞に感染した時も何か食べていたチャールズが何も食べていないと確かに不安になる。
現場の担当者サイクス警部。UMAのやり方に疑問を持ち、自ら行動して手柄を得ようとする。
ブリューワー将軍と違い、UMA上層部に働きかけて正式な許可を得てARMYに攻撃させる。
チャールズの「アンタ、子供殺して勲章貰うの?」に対しても、「娘さんの仇をとるんだ」とジェニーを殺したのは自分ではなくガゼボだと責任転嫁する。
自分が現場に着き次第、すぐにARMYが攻撃を開始すると言うサイクス警部をハマーで送ると名乗り出るチャールズ。
遠回りをして到着を遅らせた上、メチャクチャな操縦でサイクス警部を思いっきり酔わせる。
ジャックとジーンがロイド副隊長とキムに合流、さらにジェニーもみつかり、5人は原住民の少年の案内で森から脱出する事に。
そしてガゼボが金属を集める習性を利用して、デルタ=プラズマーを持ったジャックが囮になる。
第2話ではギガザウルスを倒したグレートだったが今回はガゼボを殺さないようにする。
グレートとガゼボの戦闘場面はオーストラリアならではの原生林が舞台。
地中に封印されたガゼボを見て死んでしまったのかと心配するジェニーにUMAは眠っただけでいつかまた現れると答える。
原住民達はと再び尋ねるジェニーに対し、ジャックは「これからも森で生きていくだろう。誰にも知られる事無く…」と告げる。
あの果実を置いてくれた少年がジェニーとUMAを見送っていた。
今までの話と違い、今回はジャックと他の隊員の対立が無かった。
ゴーデスとの戦い、正確には前回のARMYの襲撃でUMAの結束が固まったようだ。
ガゼボがまだ死んでいない為、危険なので建設工事は中止される事になった。
「文明を離れて暮す人々とその守り神の聖域に静寂と平和が戻ってきたのである」。
本作よりナレーションが藤岡弘氏から内海賢二氏に代わっている。
第8話 「姿なき復讐−昆虫の叫び− −昆虫怪獣マジャバ登場−」
脚本 テリー・ラーセン(原案・宮沢秀則) 監督 アンドリュー・プラウズ 特殊技術 ポール・ニコラ
「み、皆、僕がおかしいと言う……。だけど違う……。おかしいのは皆の方なんだ……。違う?」
・・・・人間は自分達とは少しでも違った存在を奇異な目で見る事が多い。
しかし、皆と一緒だから普通なのか? 皆一緒におかしい事だってある。赤信号、皆で渡れば怖くない?
昆虫怪獣マジャバ
身長 78m 体重 7万5千t
農薬に含まれるオルガノPCBを吸収して突然変異を起こした新種のイナゴ。
無数いたが、そのうちの2匹は脱皮を繰り返して巨大化。
1匹はハマーを上回る速度で空中の敵を襲い、もう1匹は毒ガスを吐いて卵を守っていた。
オルガノPCBを栄養とし、肉食と推測される。エンジン音にも反応する。
1匹はハマーによって倒され、もう1匹はUMAが開発した中和剤で動きが鈍ったところをグレートに分解させられた。
その後、残された卵もグレートのフィンガービームで焼き尽くされてしまった。
物語
ジョンソン農場で飛行機が墜落。UMAが調査を開始するが、農場のジョンソンとサンドマンに不審なところが見られる。
事件の背後には禁止された農薬が絡んでいた。
感想
本作より題名が『新ウルトラマンG 必殺! 怪獣大決戦』に変更されている。どうせなら前話から変更すればいいのに。
尚、新シリーズ突入と言う事でビデオでは本作を新第1話としているが、当ホームページでは旧シリーズと合わせて第8話とする。
今回は「地球征服編」の1本目。と言ってもマジャバが地球を征服するわけではない。地球を征服しているのは我々人間だ。
オープニング前にナレーションが入って今までの説明が行われる。
グレートがM78星雲光の国出身だと言う事が初めて明かされる。
UMAの説明が国際的軍事組織と言うのが違和感あるが、本作でのUMAはいつもより武器が多かった気がする。
原題は「BITTER HARVEST」。「皮肉な結果」と言う意味。
ジョンソン農場を調査した後、グレートとジャックの会話が行われる。
「大地の悲鳴が聞こえるか? 敵は大地に死をもたらそうとしている。気を付けろ! 既に近付いている!」。
グレートの声は聞こえなくても、ジャックの声は無線で聞こえるらしく、ロイド副隊長とジーンはジャックが独り言を始めると決まって何かが起こると会話する。
ジャックはいつも独り言をする変な奴と思われているのか。よくグレートとの関係がバレないなぁ。
このグレートとジャックの会話の後にマジャバが襲来。
展開上、マジャバがグレートの言う「敵」に思えるが、グレートの話をよく聞けば「敵」とは農薬の事とも考えられる。
マジャバの襲来でハマーは故障。エンジニアのジーンが1人で直すハメに。
その間、ジャックとロイド副隊長はトランプをしていたが、そのトランプどこにあった?
サンドマンは知能障害があるらしく、ジョンソンに「こいつの頭は空っぽ」だとか酷い事を言われてこき使われている。
喋るのが苦手らしいが絵を描くのは上手く、マジャバの絵を正確に描いていた。
耳も良いらしく、マジャバの襲来をいち早く探知していた。
病院で嫌な思いをしたらしくUMAに怯えるが、キムの「私達はアンタの味方だよ」で心を開く。
キムのこのセリフは第3話でも使われていた。
ジョンソンは30年以上前に使用禁止されていた農薬を使ってマジャバを生み出したあげく、その調査をするUMAを銃で脅すとんでもない奴。
証拠の農薬をトラックで捨てに行った後は登場していないが、どうなったのだろうか?
オルガノPCBの中和剤を開発し、ハマーでそれを届けようとするアーサー隊長とチャールズ。
しかし、チャールズの操縦が心許ないらしく、途中からアーサー隊長が操縦する事に。
ひょっとして、チャールズって操縦下手?
マジャバの卵を必死に割るサンドマン。自分が農薬を使った責任を取ろうと言うのだろうか。
今回のUMAは強い。マジャバの1匹を倒し、もう1匹も中和剤で動きを鈍らせた。
しかし「あまりいい気分じゃないね」との事。
マジャバのカマを切断したグレートスライサー。光の剣がカッコ良い。
最後、中和剤の泡の中から出てきたジャックとサンドマン。大丈夫?
大地に農薬を撒き続ける人間。
やがてその農薬に免疫をつけた害虫が現れるが、さらに強力な農薬を撒き、やがて大地に変調をきたす。
「農薬が染み込んだ死の荒野だ……」。
第9話 「バイオス計画−植物都市− −電脳植物バイオス登場−」
脚本 テリー・ラーセン(原案・鈴木智) 監督 アンドリュー・プラウズ 特殊技術 ポール・ニコラ
「あ……、5分待て」
・・・・アーサー隊長がいないので隊長代理として指揮を執る事になったロイド副隊長。
すっかりご満悦だが、攻撃するかしないか迷ったあげくの返答がコレ。
5分待って、指示があり次第レーザーで攻撃と命令するが、その指示を出せないまま夜が明けて朝になってしまった。残念ながら隊長には向いてないね。
その点、UGMのイトウチーフはオオヤマキャップの代わりにキチンと指示を出していた。
隊長不在での副隊長の話としては『ダイナ』の「決断の時」や『ネオス』の「決断せよ! SX救出作戦」等があるが、どちらも副隊長はなかなか決断できなかった。
電脳植物バイオス
身長 80m 体重 9万9千t
隕石についていた種をレオニー博士が育てた。
植物と機械が融合した存在で、人間と植物が共存共栄するユートピア、バイオ空間計画を打ち出すが、実際は地球支配の為に一度全ての動植物を排除するのが目的だった。
発売されたバイオスは今までに無い細胞パターンを持ち、とんでもない速度で二酸化炭素と窒素を吸収して通常の数十倍の酸素を放出する。
大気中の酸素濃度が15%以上になると、全ての物質が発火するようになるので兵器に転用する事も可能。
本体のバイオスはサザン大学を乗っ取り急速に成長して巨大化。
自分の必要とする栄養源を自分で選べて人間を襲う。触れた相手に電流を流し、電撃を放出する。
グレートとの長い睨み合いの末、連続して撃たれたフィンガービームで消滅した。音楽を好む。
物語
レオニー博士が打ち出したバイオス計画に疑問を持ったアーサー隊長。
バイオスには恐ろしい秘密が隠されていた。
感想
「地球征服編」の2本目。今度は人間に代わって地球を征服しようとするバイオスが登場。
原題は「THE BIOSPHERIANS」。手持ちの辞書には載っていなかったが、biosphereが「生物圏」と言う意味なので、それと似た意味だと思われる。
人間と植物の共存共栄を掲げるレオニー博士。
アーサー隊長の基金からの資金援助が必要らしくバイオ空間を紹介。腕を組んで「逃がさんぞ!」と言う感じが面白い。
キムの部屋が登場。何故かサーベルが置いてある。
ベゴイドと呼ばれるレオニー博士の助手達。レオタード姿で酸素吸入器を口に歩き回る姿は不気味。
体質を変えられて、バイオ空間以外の空気や食物を取ると死んでしまうらしい。
最後、バイオスの本体が倒され、バイオ空間が破壊されたので死んでしまったと思われる。
この設定は『平成セブン』の「地球より永遠に」に登場した硫黄人間を思い出させる。
植物と直接話がしたいと、デルタ=プラズマーを使ってバイオスと会話するジャック。
「聞こえるか?」、「お前は宇宙人か?」、「近いな」、「だがこの惑星に居住する人間と言う種の意思も持っているな」、
「お前は何者だ?」、「私達の計算では、人間と言う種はある重要な生命体を死に追いやろうとしている」、
「その生命体とは?」、「この惑星の事だ。人間はそれを破滅させようとしている。だが私達は様々な汚染を救い、浄化させられる」、
「人間を救いに来たのか?」、「この惑星を救うには一度全ての動植物を排除する必要がある。後に再生できる種があれば、そうでないものもあるだろう」、
「地球を支配するつもりか?」、「君達にはお馴染みの論理だろ? 確か弱肉強食と言ったな」。
この展開は後に『ガイア』のアグルと根源的破滅招来体に引き継がれる。(どちらもコンピューターを介してのメッセージ伝達)
それにしても、ここまで怪しさ大爆発な行動をとって、何故UMAはジャックの事を疑わないのだろう?
それとも既にジャックとグレートの関係に気付いているのか?
バイオスの言った人間と植物の共存共栄が嘘だと聞かされたレオニー博士。
自分も死ぬと分かっていながら、すぐさまバイオスの本体を撃つ! ロイド副隊長と違って決断が早すぎ!
巨大化したバイオスに音楽をかける事に。
チャールズは「音楽で怪獣をおとなしくさせるんですか? 耳だって無いのに? それにバッハが嫌いだったら?」と言いながら何故かテープを持っていた。
幸い、バッハは好みだったらしくバイオスはおとなしくなる。
この設定は『Q』や「初代マン」のラゴンを思い出させる。
ジーンはバッハが駄目ならベートーベンでもいいと言っていたが、『運命』なんかかけたら気分が高揚して暴れ出しそう。
グレートとバイオスの戦い。途中の長い睨み合いが緊張感を高める。
同じ植物怪獣である『初代マン』の対グリーンモンス戦を思い出す。
最後、これは植物が人間に取って代わると言う警告だったと語るアーサー隊長。
1人基地でノンビリしていたロイド副隊長を一喝して帰る。
どうやらロイド副隊長がアーサー隊長に取って代わる事は無さそうだ。
第10話 「異星人狂奏曲 −変身生命体リュグロー登場−」
脚本 テリー・ラーセン(原案・遠藤昭範) 監督 アンドリュー・プラウズ 特殊技術 ポール・ニコラ
「まだ尾行するんですか? 親分」、
「チーフと呼べ! 俺達情報部は手柄が少ない。エイリアンでも捕まえん事には、どっかに左遷されちまうんだぞ!」
・・・・アイク再登場。ジーンにちょっかい出して殴られたり、バレバレな格好でチャールズとベロニカを尾行したりと色々小ネタをかましてくれて憎めない悪役を演じている。
変身生命体リュグロー ベロニカ
身長 不定 体重 不定
流星の状態で地球にやって来た宇宙の旅行者。
どんな姿にも変身でき、夫のリュグローはハンバーガーショップに、妻のベロニカは店員に変身した。
人間に好意的なベロニカに対し、リュグローは人間を嫌っていて、ベロニカがチャールズと親しくするのが我慢できず、様々な物に変身して妨害する。
ベロニカがARMYに包囲された事に怒ってリュグローは巨大化。角からの光弾や頭のカマで街を破壊する。
故郷を追われたらしく、グレートに地球で生きる事を説かれる。
最後はリュグローも人間に変身してベロニカと共に幸せそうに去って行った。
ベロニカの年齢は5000歳らしい。
物語
謎の流星が落下。UMAとARMYがそれぞれ調査を開始する。
一方、婚約者に振られたチャールズはベロニカと言う女性と知り合って……。
感想
「宇宙侵略編」の1本目。しかし、リュグローとベロニカには地球を侵略する気は無かった。
原題は「TOURISTS FROM THE STARS」。「星からの旅行者」となる。
劇中でも旅行者と言われていたが、故郷を追われたのに旅行者って……。
リュグローとベロニカは夫婦らしい。それなのに夫を置いてチャールズとデートするベロニカって……。
知的生命体と出会うのが好きだと言っていたので愛情と言うわけではないのかもしれないが、
リュグローも人間が信用できないと言うよりベロニカに近付く男は許さんと言う感じで、なんか宇宙人と人間の壮大な痴話ゲンカな感じもする。
チャールズに事情があって調査が遅れている事を知らされたアーサー隊長は一言「腹痛か?」。
本当、いつも食べてばかりと言うイメージなんだな、チャールズ。
そのチャールズ、実は婚約者に別れを告げられていた。
スーザンと言うらしいが、チャールズが第1話で言っていた婚約者だろうか?
チャールズはスーザンから突っ返されたペンダントをベロニカにプレゼントする。
宇宙人である事がバレたベロニカは老婦人に変身するが、そのペンダントを付けていたのでスーザンに正体を見破られてしまった。
ベロニカを動物園に連れて行くチャールズ。しかしベロニカは「どの動物もみんな、みんな檻の中?」。
「動物は餌には不自由しない」、「だけど本当の生き方じゃないわ」、
「そうかもね。だけど敷物にされたり、剥製になったりするよりは幸せじゃないの?」、
「一つの生命が他の生命を支配し、貪り尽くすなんて不自然よ! 最後は全部破滅するわ。このままじゃいけない……」、
「その言い方。まるで見てきたみたいだね」。
リュグローとベロニカが故郷を追われたのと何か関係があるのだろうか?
ベロニカが宇宙人かもしれないとして厳しい態度を取るUMA。
ロイド副隊長は「彼女がゴーデスのようなエイリアンじゃないとなぜ言える!」と詰め寄り、アーサー隊長は「宇宙からの敵に対しては常に警戒しなければならない」と決める。
やはりゴーデスの話は強烈な印象として残っているようだ。
リュグローとベロニカを抹殺しようとARMYが取り囲む中、
ジャックは「もう一度、ベロニカと話をしたいのなら行くんだ。周りの連中なんか気にするな」とチャールズの背中を押す。
チャールズとベロニカの会話、
「君は本当は誰なんだ?」、「私達は旅先でどんな姿にもなれるの」、「今は何になりたい?」、「友達に」、
「……僕はUMA隊員としてここに来たんだ。UMAは君達に基地内での居住と安全を保障できる。
それに大した事じゃないけれど、世界中のUMA支部を観て回る事だって……。君達には手出しさせない」、
「それも牢獄だわ」、「誤解を解く間だけさ」。
しかし、ARMYが攻撃を開始。怒ったリュグローは巨大な怪獣に変身する。
そこにグレートが登場。今度はリュグローとグレートの会話、
「俺の気持ちが分からないのか?」、「お前はただ破壊しているだけだ」、「お前は人間の味方か?」、「戦いを止めるのだ」、
「戦わなければベロニカが殺される!」、「彼女を危険にしているのはお前自身だ」、「俺達はただの旅人なのに…!」。
そこに通りかかる列車。グレートは列車を救うがその隙をリュグローに攻め込まれて危機に陥る。
「人間の為に死ぬのか?」、
「故郷を追われたのだな?」、「そうだ! もう帰れない」、「ならここで暮すのだ」、「この星で?」、「その為の方法は分かっているはずだ」。
戦い終わって、リュグローはイタリア系のダンディーな男性に変身。それを見たベロニカはリュグローの元へ。
そう言えば、ベロニカからリュグローの名前を聞いた時、チャールズはイタリア系の名前だねと言っていたな。
幸せそうに去っていくリュグローとベロニカを見て、「まぁ、いいさ……。奴は趣味が良いぜ」とチャールズ。
尚、この時のリュグローはチャールズそっくりに変身したらしいが劇中では分かりにくい。
もしそうならチャールズの「奴は趣味が良い」発言がさらに面白く聞こえる。
第11話 「第47格納庫 −円盤生物UF−0登場−」
脚本 テリー・ラーセン(原案・小中千昭) 監督 アンドリュー・プラウズ 特殊技術 ポール・ニコラ
「我らが正義!」
・・・・とノルバーグ一味は連呼していたが、その行動はどう考えても正義ではない。
アーサー隊長も「君は正義と一番遠いところにいる事を忘れるな!」と言っている。
円盤生物UF−0
身長 15mから180m 体重 1万2千tから18万4千t
ARMYの空軍基地第47格納庫に収容されていた謎の円盤。
ノルバーグが自身の革命に利用しようと乗り込んでUMA基地を攻撃する。
実は意思を持った生命体で、ノルバーグを取り込んで円盤形態から戦闘形態に変形。
そのままUMA基地を攻撃してグレートと光線技の応酬で戦う。
リング状の光線でグレートの動きを止めて追い詰めるが、UMAの援護を受けたグレートに反撃されて宇宙へ逃げ去った。
『レオ』の円盤生物とは無関係だと思われる。
物語
ARMYの空軍基地第47格納庫に収容されている謎の円盤を使って革命を起こそうとするノルバーグ。
円盤に乗り込んだノルバーグはUMA基地を攻撃する。
感想
「宇宙侵略編」の2本目。劇中で見る限り、UF−0に地球侵略の意思があったとは思えないのだが…。
原題は「THE SURVIVALISTS」。「生き残るもの」又は「生存主義者」とでも訳すべきか?
どちらにせよノルバーグの思想の事を言っているのだろう。
UF−0のテクノロジーを見て狂喜乱舞するジーン。エンジニアの血が騒ぐ?
しかし、その為にノルバーグ一味に拉致されてしまう。
格納庫に侵入した人間は脳が死滅し、考える機能を完全に失った動く死体状態。
洗脳されたって事なんだろうけれど言い方が怖いなぁ。
ノルバーグは狂信的な自然保護主義者で、自然破壊する人間は殺すべきだと、自分の患者を洗脳して殺しをさせた疑いがある。
どこかの危ない宗教団体を思い出す。
裁判にかけられる事になったノルバーグだが交通事故で死んでしまった事になっていた。
ノルバーグは左手を義手に車椅子姿で登場しているが、その事故の時の傷だろうか? それとも元々?
自らの思想を高らかに語るノルバーグとそれに反論するジーン。
「あのテクノロジーを持ってすれば愚かしい自然破壊などと言う行為も止められる。人類の未来はバラ色だ!」、
「あなた方少数派の未来に過ぎないわ!」、
「優れた少数派が生き残り、やがて多数となるだろう。人類は誤った道を進んでいる。これ以上、自然破壊を許せば人類は死滅してしまう!
立ち上がる時だ! 私は革命を起こす用意を整えている! 大混乱の世界の上を円盤の群れが整然と飛行していく!」、
「あなたは間違っているわ……。力だけの革命など……間違っている!」。
自然保護より選民思想が見え隠れするノルバーグの言葉。
円盤の群れと言っていたが、UF−0のテクノロジーを解析して量産するつもりだったのだろうか?
(まぁ、1機で世界中に革命は起こせんわな)
ジーンを助ける為にジャックはあえてノルバーグが支配する病院に行って洗脳されるが、グレートのおかげで洗脳されずに済む。
しかし、ジャックからの返事が無い事を心配したアーサー隊長は「シンドーを死なせてしまったら、私はノルバーグと同じだ」と嘆き、
自分には指揮官の資格が無いと、ロイド副隊長に指揮権を譲ってしまう。
部下達に向かって革命決行を宣言するノルバーグ。
「このまま無能な政府にこの地球を任せていてはいけない! 正しい者が君臨し導くのを人々は待ち望んでいるのだ! 政府の役人は皆、この地球を汚す癌細胞だ!
やがて国と国、人と人が憎しみ殺し合う時代がやってくるだろう! その中で我ら革命の志を持った者のみ生き残るのだ! 我らが正義だ!」。
やはり危ない宗教団体みたいだ。
あといつの間にか自然保護の話が無くなり、自分達が人々を導くと言う話になっている。やはり自然保護より選民思想の方が強い。
ノルバーグが乗り込んで動き出すUF−0。それを見たジーンは「ウルトラマンの出番ね」。
「そういつも都合良く現れちゃくれないさ」とジャック。分かって言っているの?
ノルバーグのUF−0でUMA基地の砲台は破壊され、自動発進したハマーも撃墜される。(無人で発進できたんだ)
さらにノルバーグの部下も密かに潜入していてUMA基地は危機に陥るが、アーサー隊長はTVゲームに興じていて無関心。
代わりにロイド副隊長が第9話と違ってテキパキと指示を出す。
その後、復活したアーサー隊長とノルバーグの会話、
「よーし、ノルバーグめ。ゲームの相手をしてやろう!」、「グラント! アーサー・グラント!」、「聞こえている」、
「私は心優しい男だ。5分の猶予を与えるから基地を放棄したまえ! 抵抗するつもりなら、残念ながら基地を破壊する!」、
「そうなれば君はここを利用できなくなるぞ!」、「この円盤に比べたらUMAなど時代遅れの代物だ!」、
「では、なぜ基地を欲しがる?」、「君を跪かせたい。私はそれだけを願って生きてきたのだ。分かるか? グラント!」。
あれ? 自然保護とか関係無く、アーサー隊長に勝つ事が本当の目的だったのか?
アーサー隊長も「彼を放っておいた報いか?」と言っていたし、2人の因縁は結構深いのか?
色々大層な目的を掲げていながら、結局は因縁の相手への復讐を望んでいただけとは……。
UMA基地を襲撃したノルバーグの部下は倒され、ノルバーグ自身もUF−0に飲み込まれてしまう。
グレートとUF−0との戦いが始まるが、UF−0が宇宙へ逃げ去って終わり。なぜ倒さなかったのだろう?
戦い終わって戻って来た隊員達。自分達が戦っている間、アーサー隊長は何をしていたと尋ねる。
アーサー隊長は気まずそうに「私は……色々と……」。後ろにはやりかけのTVゲームがあった。
第12話 「その名は“滅亡” −伝説2大怪獣登場− −伝説宇宙怪獣シラリー 伝説深海怪獣コダラー登場−」
脚本 テリー・ラーセン(原案・会川昇) 監督 アンドリュー・プラウズ 特殊技術 ポール・ニコラ
「地球は……生きている」
・・・・衛星の修理の為に宇宙に上がったチャールズが地球を見て思わず漏らした言葉。
後の「ガイア理論」への伏線となる言葉なのだが、個人的にはガガーリンの「地球は青かった」に匹敵する名言だと思う。
伝説宇宙怪獣シラリー
身長 120m 体重 8万2千t
コダラーと共に金属プレートにその存在が書かれていた。
何かに呼ばれて、宇宙の闇を裂いて地球に向かってくる。
伝説深海怪獣コダラー
身長 62m 体重 9万4千t
海底地震が起き、その海底の裂け目から赤い藻が出現。酸素を無くし、海を死の世界に変えていく。
UMAがその海底で金属プレートを発見すると、それを奪い返そうとコダラーが出現した。
目や手から光弾を発射し、あらゆる攻撃を吸収。光線のはね返し合いの末にグレートを倒す。
物語
オゾン層修復計画の実験衛星が打ち上げられるが、それと同調して海で異常が観測される。
海底で発見された金属プレートには古代文明を滅ぼしたモンスターについて記されていた。
感想
「人類滅亡編」。ようやくビデオのタイトルと内容が合った気がする。
原題は「THE AGE OF PLAGUES」。「災難の時代」となるが、災難なのは人類にとってか、それとも地球にとってか?
アーサー隊長が長く提案していたオゾン層修復計画の実験衛星が遂に打ち上げられるが、
キムは神の領分を越えていると、ジャックは惑星のシステムそのものに手を加える事は驕りだと反対。
アーサー隊長はオゾン層の破壊が続けば地球に生命はいなくなると譲らないが、
ジーンは地球は自力で傷を癒せる、キムは余計な治療は地球を傷付けると再び反論。
しかし、アーサー隊長は地球の為にやっているんだとやっぱり譲らない。
UMAの実験衛星が軌道に乗ったのと同調して謎の海底地震が起き、地震があった海底の裂け目から赤い藻が出現。
海流とは関係無しに広がり、酸素が無くなって魚は死に、海は真っ赤に染まる。
「滅亡」と言う名の封印が解かれたのだった。
地震があった海底で何者かが残した光る金属プレートを発見するUMA。
その金属プレートを奪い返そうとコダラーが出現する。
金属プレートを見たジャックはグレートの能力で解読。
「コダラーの封印解けし時、天よりシラリー舞い降りる。やがて第三のもの目覚める。全ては再び闇に還らん」。
思い出した詩を朗読しただけと弁明するが、さすがに皆に何者なんだと思われる。と言うより、思わない方が変。
博物館。金属プレートが宇宙探査船に積まれたメッセージディスクに似ていると言う館長に対し、
アーサー隊長はこの金属プレートは少なくとも200万年前の物だと答える。それは神々の時代だと驚く館長。
金属プレートの解読を続けるアーサー隊長の所にブリューワー将軍がやって来る。
「愚かな人類に発せられた警告を伝えてくれている物なのです」と言うアーサー隊長に対し、
「その愚かな人類は今、街でミネラルウォーターの奪い合いをやっておる! いいか! 彼らを救えるのは君達だけだ!」とブリューワー将軍。
この後、金属プレートの解読でまず怪獣の謎を解く方が先だと言うアーサー隊長と今すぐ武器を取り怪獣を倒す方が先だと言うブリューワー将軍が対立。
「どちらが正しいかすぐに分かる」、「それは……同感です」。
アイクは食料と交換して手に入れた高級そうな腕時計をキムに自慢する。
時計と命とどっちが大事だと尋ねるキムに対し、この混乱は数日で収まるとノンキなアイク。
キムは諦めのような哀れみのような感じでアイクに食料を渡す。
その頃、宇宙の暗黒の闇を裂いて、一つの命が地球に向かっていた。まるで何かに呼ばれているように…。
ブリューワー将軍に金属プレートの件を報告しなかったので倉庫街の警備員に降格されたアイク。
第6話でブリューワー将軍に逆らってもお咎め無しだったが職務怠慢は許されなかったようだ。
そこでアイクは食料を盗もうとした少年と出会い、倉庫街で暮す人々と知り合う。
そこはアイクが今まで知らなかった世界であった。
TVでは博物館の館長が演説していた。
「人間は海を捨て、これを海の住人に返すのだ! 我々は裁かれねばならないのだ! 裁きの日はもう間近い!」。
ブリューワー将軍は原子炉を持つ衛星の使用許可を取り付け、
全てを連結しUMAの実験衛星のレーザーシステムに繋げた世界最大のレーザー砲を作り出そうとする。
相変わらず、やる事デカイ人だ。今度はちゃんとUMA本部に話をつけていた。
遂に上陸したコダラー。UMAの攻撃は全て吸収されてしまう。ジャックは今回、海に飛び込んで変身する。
デルタ=プラズマーを使わなかった変身は今回のみ。しかし、コダラーの前にグレートは手も足も出ず。
鉄塔を武器にすると言う珍しい戦法を取るグレートだが形勢は変わらず。光線技を使うもコダラーにはね返されてしまう。
グレートもマグナム=シュートでさらにはね返すが、コダラーにさらにはね返されて遂に敗北。消滅してしまう。
コダラーに倒され、消滅したグレート。さらに宇宙からはシラリーが迫っていた。
そして金属プレートに書かれていた第三のものとは一体?
第13話 「永遠なる勇者 −伝説2大怪獣登場− −伝説宇宙怪獣シラリー 伝説深海怪獣コダラー登場−」
脚本 テリー・ラーセン(原案・会川昇) 監督 アンドリュー・プラウズ 特殊技術 ポール・ニコラ
「希望は無いの?」、「僕達が希望を捨てなければいいのさ」
・・・・『G』は人類に絶望して滅亡を願う者達が多く登場してきた。
そんな中、希望を失わない者達による、人類の存在をかけた戦いが始まる。
伝説宇宙怪獣シラリー
身長 120m 体重 8万2千t
宇宙に追放されていたが、目覚めた地球に呼び寄せられた。
核ミサイルの爆発エネルギーを全て吸収して地球に上陸する。
口から炎を吐き、目や手から光線を撃つ。グレートに倒され、亡骸は宇宙へ運ばれた。
伝説深海怪獣コダラー
身長 62m 体重 9万4千t
海に封印されていたが、目覚めた地球に呼び出された。
シラリーと共にグレートを危機に追い詰めるが、光線を金属プレートにはね返されて消滅した。
物語
コダラーとシラリーに対抗する為、あらゆる手段を尽くす人類。
そしてこれを神の啓示だとして滅亡を受け入れようと説く人々。そんな中、グレートは最後の戦いに向かう!
感想
原題は「NEMESIS」。「天罰」、「因果応報」、「避けられない罰」、「天罰を与えるもの」、「とても敵わない強敵」となる。
内容には合っているが、最終回とは思えん題名だな。
グレート曰く、空間の裂け目に漂うジャック。前回の戦いでエネルギーを使い果たし、あと一度しか戦えない。
仮に戦っても勝てる保証は無いと言うグレートに対し、僕にもう一度力を貸してくれと頼むジャック。
当初はグレートの力を嫌々ながら仕方無しに借りていたジャックだが長い戦いの果てに信頼関係が生まれたようだ。
ところでこの場面、『ティガ』の「GUTSよ宙へ」でダイゴとユザレが語り合う真っ白な世界に雰囲気が似ていないだろうか?
どこかの海岸に流れ着いたジャックはアイクと倉庫街の住人に助けられる。どうやら1週間以上行方不明だったらしい。
この後もコダラー、シラリーとの決着が付くまで数日かかっているが、怪獣出現から倒すまで1週間以上かかったのは大変珍しい。
第6話でブリューワー将軍に逆らった時と同じく、自分の意思で行動するアイク。
ボロを着ていてもその顔に後悔は見られなかった。
ところでアイクが出会った少年、この話が終わった後、アイクが養子にでも引き取りそうな感じなんだがどうなったんだろう?
再びTVで演説する館長。
「人間は自然を破壊し、好き勝手に暮してきた! その報いを受けるのだ!
傷付けられた地球の悲鳴が銀河に届き、海と空から助けを呼び寄せた事を知るがいい!
あの怪獣こそ天使と呼ばれるもの達なのだ! 神の国の扉は近くまで来ている!」。
この展開は『ガイア』の根源的破滅招来体に繋がっていく。
UMAの実験衛星にいるチャールズはシラリーが地球の誰かと交信している事を突き止める。
その誰かとは館長の事だが、シラリーが自分の意思を館長に告げる事が出来るとは結構高等な意思を持っているのではないだろうか?
クトゥルー神話では旧支配者を崇め奉る人々には旧支配者の意識が流れ込んでいると言う設定がある。
博物館で金属プレートの解読を済ませたアーサー隊長。
どうやらサンスクリット語を基にした一種の暗号だったらしい。
「そして最後の夜が訪れる。追放され、封印されたもの、そして第三のものが目覚める」。
シラリーは宇宙に追放され、コダラーは海に封印されていたようだ。
クトゥルー神話の旧支配者も旧神によって地底や海底や宇宙に幽閉されたと言う設定になっている。
館長はアーサー隊長を襲って奪った金属プレートを倉庫街の住人に向けて高々と掲げる。
「我々は神が遣わされたものと戦ってはならん! あの怪獣達と戦う事は即ち冒涜である!
武器を取ってはならない! 戦いでは何も解決できない事を知るべきだったのだ! UMAやARMYは!
運命を受け入れ、神の国の扉を目指そうではないか! この神の声が刻まれたプレートこそ、我々が神に選ばれた者である事の証なのだ!」。
なんか第11話のノルバーグ一味を思い出す。『G』はこういう宗教団体まがいの存在がよく出る。
アイクだが、今度は館長の言葉に無批判に従っていた。
解読によって、金属プレートが旧石器時代以前に栄えた古代文明人の残した物である事が判明。
古代文明人はシラリーとコダラーに襲われながらも何とか生き延び、現在の人類の祖先となったのだった。
TVでまたまた演説する館長。
「我々はこの母なる地球と一つになるのです! 死を恐れず。私達は元々一つの命だったのです!
そして神の裁きによって再び一つの命に戻って幸せに暮す事が出来るのです! さあ、皆さん! 一緒に参りましょう!」。
この思想は『ダイナ』のグランスフィアを思い出させる。
シラリーとコダラーを呼び出したものを調べようとするアーサー隊長と、どう葬るかしか興味が無いと言うブリューワー将軍。
遂に衛星レーザーで地上のコダラーを攻撃するが1発も当たらない。
コダラーが倉庫街に上陸して阿鼻叫喚となる住人。
「望むものを与える」と言う館長に対し、アイクは「あいつは血を求めています!」と反論。
「それが望みなのだ」と言う館長に対し、アイクは「私は従えません!」と宣言。
コダラーの破壊に狂喜乱舞する館長を見てロイド副隊長は「イカレちまっている」、キムは「つまり普通の人間だったって事さ」。
宇宙空間では地球に迫るシラリーに対し、ブリューワー将軍が全世界のミサイル基地から核ミサイルを発射。
しかし、シラリーはその爆発エネルギーを全て吸収して遂に地球に上陸する。
この爆発の炎の中から現れたり、満月を横切ったり、夕焼けの街をバックに飛ぶシラリーがカッコ良すぎ!
シラリーに破壊されていく街。
今回はチャールズが宇宙に行く時のスペースシャトル、核ミサイル発射、燃える街の消火活動等の場面に実際のニュース映像が使われている。
再び衛星レーザーが使用されようとするが、地球が光り輝き、強力な電磁波が放射されて使用不可能になる。
アーサー隊長は遂に全ての謎を解いた。
「そう、第三のモンスターが目覚めたのだ……。地球と言う名のな……。怪獣を呼び寄せたのは地球自身です。
彼は再び元始の世界を生み出す為に、そして緑溢れる星に戻る為に、人間の文明がその限界を超えた時、目覚めるようになっていた」。
そして我々の敵は人間の文明そのものだったとして、もう戦えないと語る。
地球が意思を持った生命体と言う「ガイア理論」はその後『ガイア』でも取り上げられる事になるが、
地球そのものが人類の敵となると正面きって描いたのは『G』のみ。
そこにアイクが銃殺刑覚悟で現れる。手にはあの金属プレートがあった。「皆を救う為に!」。
アイクは最後に再び自分の意思で行動した。
金属プレートを見たアーサー隊長はブリューワー将軍に向かって、
「武器の時代は終わったのですよ。ミサイルやレーザーとは全く違う新しい道。それがこの答えです」。
そしてアイクを含めたUMAはシラリー&コダラーとの決戦に赴く。
「これで最後か……」とグレートに変身するジャック。
グレートを見たアーサー隊長は「やはり彼は不死身だったか……」。
しかし、初めて体験する1対2の戦いでグレートは危機に陥る。
そこをUMAが援護。コダラーが撃った光線を金属プレートがはね返す。
コダラーも再び光線をはね返すが、さらにはね返されて遂に消滅。
一方、シラリーが吐く炎に苦しむグレート。
「ウルトラマングレートの肉体は長く激しい戦いの中で傷付いてしまっていた。だが彼は今、最後の力を振り絞って戦うのだ!」。
グレートは起き上がり、グレートスライサー二刀流で反撃、遂にシラリーを倒すのだった。
戦い終わったグレートはシラリーの亡骸を担いで宇宙へ。そしてジャックと分離する。
「もう帰って来ないのかな?」とチャールズ。
「彼は自分の命を懸けて我々の為に戦ってくれたのだ。彼にとってかけがえのない地球と言う敵と……」とアーサー隊長。
「彼はもう一度やり直すチャンスをくれたんだよ。だから皆で地球を守り抜くんだ。彼は僕らを信じてくれたのだから……」とジャック。
そう、グレートはシラリー、コダラーと言う怪獣を倒したが、まだ環境問題や自然破壊は解決していない。それを解決するのは我々人類なのだ。
地球をここまで傷付けたのはその人類だが、グレートは戦っていく中で、ゴーデスにも打ち克つ人間の心に希望を見出し、人類を信じる事にしたのだった。
「ウルトラマンG ゴーデスの逆襲」
1990年12月15日公開
『G』の劇場版なのだが、ただの再編集映画ではなく、追加されたセリフや場面もある。
「それは人類の英知を遥かに超えた神々の戦いであった」と言うオープニングナレーションもその一つ。
歴代ウルトラシリーズの中でも結構カッコ良いオープニングナレーションだと思う。
原題は「the alien invasion」。「宇宙人襲来」となり、ゴーデスの事を指す。内容はゴーデス編の再編集。
『初代マン』の劇場版と違って、1話完結ではなく対ゴーデスと言う1本の線で繋がっているので劇場作品としてよくまとまっている。
オープニングとエンディングのテーマ曲がカッコイイ。
ビデオ吹き替え版のオープニングはちょっと『G』の雰囲気に合わない。
まずは第1話。
火星でのゴーデスとの戦いを終えたグレートがジャックに「私に力を貸してくれ」と一体化を頼む場面がある。
又、地球の大気汚染が活動時間に関わっていると言う説明がカットされている。
ビデオ版に比べて環境問題にはあまり触れられず、グレート&ジャック対ゴーデス&スタンレーと言う構図が強い。
(最後にゴーデスが大気汚染と活動時間について少し触れるが)
続いて第2話と第3話。話が同時進行なのでビデオ版を見ていないと混乱する恐れがある。
第2話の部分ではビデオ版で倒したギガザウルスが倒されずに冷凍されて再び冬眠について終わっている。
第3話の部分では精神世界でのジャックとジミーの会話が無く、キムの応援を受けたジミーが自力でゴーデスに打ち克ったと言う展開になっている。
第5話は特に変更無し。
最後の第6話だが、ゴーデスの声がスタンレーの声になっている気がする。
又、ジャックの「哀れな奴だな」の言葉にもゴーデスは心乱されず、ジャックのその言葉を聞いたグレートが最後の力を振り絞ってゴーデスに勝ったと言う感じに見える。
最後にナレーションが藤岡弘氏から内海賢二氏に代わっている。
「ウルトラマンG 怪獣撃滅作戦」
1990年12月15日公開
原題は「the battle for earth」。「地球の為の戦い」となる。内容はバラエティ編の再編集。
環境問題と言うより、人間の驕り高ぶりが様々な事件を引き起こした感じが強い。
まずは第10話部分で付け加えられたアイクの「それにしても彼女、俺に気がある」と言うセリフ。
ジーンに殴られた後によくこんなセリフが出るなぁ。
このセリフのおかげで第12話のアイクのジーンへの意味ありげな目線の理由が分かった。
どうせならキムとの時計と食料の話をジーンでやってほしかったなと思う。
上のアイクのセリフが付け加えられている代わり、チャールズとスーザンの話がカットされている。
動物園に行った時のベロニカのセリフは後の展開の伏線として生かされた。
又、グレートの活動時間と地球の大気汚染の関係が語られている。
ベロニカの警鐘を受けての第7話は特に変更は無し。
ここから人間の驕り高ぶりが自然破壊を生み、それが神々の怒りを買うと言う展開になる。
第4話では資金集めのパーティーの話がカットされている。
デガンジャはビデオ版と同じくゴーデス細胞によって目覚めたと言う設定。ゴーデス本体は倒されたが、ゴーデス細胞はまだ残っている?
第12話と第13話も特に変更は無し。
見終わった後の感想だが「怪獣撃滅作戦」と言う題名は合わないような気がする。
ウルトラマンG 総括
初めて海外で本格的に制作された実写作品として語られる事の多い『G』だが、
ウルトラシリーズの歴史の中でも昭和と平成の移り変わりに位置する作品として重要な存在意義を持っている。
『80』終了後、作品形態の違う『メロス』や単発作品である『USA』等を除くと『G』は約10年振りの新作ウルトラシリーズとなる。
この間、ファンによるウルトラシリーズの検証が進み、それは製作スタッフが無視出来ない力を持つに至った。
『G』はファンが指摘する過去のウルトラシリーズの問題点に出来るだけの答えを見せた。
ジャックとグレートは別人格であると言う設定を使った日常的に繰り広げられる両者の会話と意見の相違。
又、グレートの活動時間についても劇中でキチンと説明されるようになった。
そして日本のウルトラシリーズの特別チームと軍隊の関係が不明確なのが多かったのに対し、UMAははっきりと別組織とし、第6話のUMA憲章の話等が作られた。
又、構成隊員が日本人だけでなく各人種満遍なく揃っているのは評価できる。
対するゴーデスは『A』のヤプール等を引き継ぐレギュラー敵で怪獣出現に理由を付けられた。
そしてゲルカドンやデガンジャと言った過去に無い新しいタイプの怪獣を生み出した。
後半は1話完結型となり、人間の自然破壊が怪獣を生み出すと言う展開になる。
過去にもこういう展開はあったが、それを作品全体のテーマとしたのは『G』が初めて。
その究極として最終話では地球そのものが人類の敵となった。
このように『G』は過去の設定を検証し、それを現在の視点で新しく設定しなおしている。
そしてこれらの要素は後の平成ウルトラシリーズにいくつか引き継がれ、さらに発展されていった。
ジャックとグレートが別人格となのは『コスモス』の春野ムサシとコスモスや『マックス』のカイトとマックスの関係に、
ゴーデスは『ダイナ』のスフィアや『コスモス』のカオスヘッダーに、ガイア理論は『ガイア』の根源的破滅招来体に引き継がれている。
その他にも神や進化や滅亡と言った要素も平成ウルトラシリーズの世界に大きく関わっていっている。
このように昭和のウルトラシリーズの発展が、平成ウルトラシリーズの原点が、『G』にはあると思う。
過去を踏まえ、現在を取り入れた時、未来への道が開ける。