アイレムコレクション パチパラ13 〜スーパー海とパチプロ風雲録〜 レビュー
発売日 :2008年2月7日 価格(税別) :1800円 対応機種 :PlayStation2 メーカー :Irem メモカ使用容量 :664KB CERO :区分D □まずはじめに
これから述べるのはすべて、オリジナルストーリーモード『パチプロ風雲録5 -青春篇-』を女主人公でプレイした感想です。
□あらすじ進路が決まらないまま高校を卒業してしまった18歳の少女、村瀬杏子。
今後のことで頭を悩ませていた彼女は、同級生の小川桜子から、父親の代わりにパチンコ勝負をして欲しいと頼まれる。
詳しい事情を聞いた杏子は、断り切れずにパチンコ勝負を引き受けてしまうが…。□ゲーム内容紹介
4つの町(+α)を舞台とした、ギャンブラーRPG。
一般的なRPGにおける戦闘部分がパチンコ勝負に成り代わり
何においても、パンチコ勝負をすることで話が展開する作りになっています。
朝、昼、夕方、夜の4つの時間帯が存在し、プレイヤーは食事や釣り、パチンコ、デートなどをしながら日々を過ごします。
時間帯はリアルタイム進行ではないので、じっくりと町の探索を行うことが可能。
一般的なRPGと異なり、戦闘を繰り返し強敵対策を行うレベル上げをする必要はまったくありません。
ストーリー絡みのイベントでは何度もパチンコ勝負を行うことになりますが
それ以外の日常生活において、パチンコを打つ必要は特にないんです。
プレイヤーには清潔度、健康度、運などのいくつかのステータス設定が存在しますが
このうち「運」が高ければ、パチンコ勝負に容易に勝つことが出来るから
パチンコに関する腕や知識は問われず、パチンコに関してまったくの素人でも問題なし。(私自身がそうでした)
既定のストーリーイベントを最後まで進めるとEDを迎えますが
ED後にも日常生活は続いているため、プレイヤーがやめない限りは半永久的にプレイし続けられます。
□シナリオパチンコ勝負に出ることになるキッカケをはじめとして
ストーリー内の主人公の位置づけは、「小川桜子の事情に巻き込まれた友人」で一貫しています。
話の中心、軸はあくまで桜子であり、主人公じゃないんですね。
でも、そのおかげで主人公の背景が明かされない状態でも不自然さを感じることはなかったです。
性格はもちろん、趣味や好みなども全てプレイヤーに委ねられている。
桜子との関係にしても、在学中にどういう仲だったかは明確に断言されていない。
仲の良い友人だったのかもしれないし、ただ同じクラスというだけの顔見知りだったのかもしれない…
プレイヤーの数だけ答えがあり、好きに想像する楽しみがあると言えるんです。□サウンド
メインストーリーに関係するイベントは全てボイス付で、他は一部のみ。
主人公もしっかり喋るので、妙な選択肢にしろカッコイイ選択肢にしろ、グッと盛り上がります。
名前をデフォルトで入力しても二人称で代用されてしまうこと
相手からの告白イベントや別れシーンにボイスがないなど、ボイス挿入の仕方にはやや不満が残りました。
町、時間帯ごとに流れる曲が変わるなど、BGMはなかなか豊富です。
ミュージシャンを目指している隣室の女性の歌が聴けた点も○
メニュー画面を開いたりすると、その曲が止んでしまうのがネックですけどね。
早朝の繁華街、ビル街の鳥のさえずりが、臨場感があるを通り越して、うるさく感じるほどのボリュームだったのは少し不快でした。
もっと抑えて欲しかった。□操作性、快適さ
はっきり言って、かなりイマイチです。
何と言っても、別の町に移動するとき、自分の家に入る際に生じるロードが長い。
別の町に移動するときのローディングでは運パラメーターの変動要素を入れるなど
なるべくプレイヤーがロード時間を気にしないような作りにしたのは伝わりますが
そういった要素が盛り込まれていない部屋の出入り、次のデート場所に移る際のロードに関しては、ストレスにしかなりません。
メニュー画面に入るときも必ずタイムラグが生じますし、アイテム欄は中盤以降に入手アイテムが増えたときのことを考えていない。
大まかなカテゴリ別だけではなくて、細かい種類別から表示出来るようにするか
どこか別に普段使わないアイテムを置ける場所を設けて欲しかったです。
また、カーソルや移動がもっさりと鈍くなる、いわゆる「処理落ち」も見受けられます。
セーブは自室に戻るか、各町にひとつずつ存在するたんぽぽに話しかけることで行えます。数は6つ。
ロードが行えないのは不便に思いました。(セーブポイントからタイトル画面に戻ることは可能)□恋愛要素
デート、同棲可能の男キャラは12人。女キャラ4人も恋愛対象となっています。
欲しがっているアイテムを渡す、パチンコ勝負に勝つなど
特定の条件を満たすことで電話番号を教えてもらえ、デートに誘えるようになります。
デート場所は飲食店が5、屋外が5、その他が2の計12箇所。
一部のデート場所では告白が出来ます。
告白に成功すると、当日から同棲状態に移り
いちゃついて運を大幅に上昇させられる、就寝時・起床時、出かけるとき・帰ったときに相手が声をかけてくれる
主人公がプレゼントしたパジャマ(2種類)に着替えてもらう要素など、1人のときは出来なかったことが可能になります。
「話しかける」というコマンドもありますが、パターン数が非常に少なくて、ほぼ固定化されています。
同棲の利点は、いちゃつくコマンドで簡単に運を上げられることと
起きた直後すぐにデートに誘える、一日中、制限なくいつまでもデートし続けられるぐらいしかないように感じました。
ちなみに別れを告げると攻略対象から外されます。復縁は不可能。
初回と2回目以降で各スポットに到着した際の台詞が変わるようですが
デート場所によって選択出来る話題の内容が変化するようなことはありませんし
話題にしても回数制限などがないから、2,3回目のデートでほぼ全ての話題を選択し終えてしまう。
相手の話を聞くときに、好感度によって内容が変わったりとか
特定のデートスポットでしか行えないことがもっと多かったら、デートの楽しみも増したんですけどね…。
飲食店の多さに反して、デート可能なところが少ないのも寂しい限り。
焼肉屋やバーですら対象外なのは落胆しました。
だけど、別れのシチュエーションはキャラ毎によって違い(被っているキャラもいますが)
別れを切り出す選択肢内容は妙に凝っているから、別れるときは楽しいです。
全キャラ共通で何を選ぶかは自己満足でしかない告白時よりも、断然力が入っています。
□キャラクター ※桐島と浅野以外は同棲状態確認済み。付き合った順に書いています。ネタバレあり。キャラの魅力は全体的に乏しいと思いました。
ポリゴンがリアルタッチで顔がイマイチだから…というのも影響していますが
それより何より、付き合う前のイベントが少なく、付き合ってからはイベントがないから
キャラに思い入れを感じる余地はほとんどないんです。広く浅くの悪さが出てしまっている。
■五味太刀雄
主人公と同年代の娘を持つ神社の神主。
キャラ紹介欄にまで「エロオヤジ」と評されるだけあって、実際にエロオヤジ以外の何者でもありません。
娘の交際相手がパチプロだと知って、交際に反対するイベントでのいつもとは打って変わった大人の男ぶりと
「知ってたよ」発言にうっかりもときめいたのが、今思えば間違いだった…
シリアスモード、このイベントだけでした。
淡白キャラに物足りなさを覚えた後に攻略すべきキャラで、初めての彼氏にするべき相手じゃない。
初彼氏としては濃すぎる。
同棲を始めると、娘から「あんなオヤジのどこがいいのか分からないけど、よろしくお願いします」(いい娘さんだ…)
と言われるのですが、「正直、私もどこがいいのか分からない」
と内心で思ってしまいました。
ファーストフードでデートすると
「こんな安っぽい店、若い彼氏と来ればいいじゃないか…」と言われたのにムカつきました。
別れるときもあっさりだし、別に杏子のことを好きで付き合ったわけじゃないんでしょう。
とりあえず若い子と付き合えるっていう軽い気持ちに思えて、恋人としてはどうにも好きになれなかった。
■乾
パチプロ界で一目置かれているパチプロ。交際後も下の名前は不明のまま。
第一印象が「いい声」になってしまうような、渋い声の持ち主。
ピンクのパジャマに対して「どうしてこの色なんだよ…」と言うけど
それは水着がピンク色のビキニだったからじゃないかなぁ…。
というか、パジャマ=主人公のプレゼントだと気づく前は
この人よっぽどピンク色好きなんだなと思ってましたよ。
トンデモない行動に出ることもある主人公と唯一まともに渡り合える人だと思います。
彼氏というよりも、腐れ縁の関係って感じだけど、デフォルトヒーローというか、女主人公の相手としては王道。
この手のタイプが王道つーのも変なゲームですけど、実際変なゲームだから。
萌え的には、電気を消したときの「んっ…」。
他キャラの「うっ…」が生々しすぎて引いただけに、一文字でこうも違うのかと思った。■高畠政和
母校の体育教師。お約束通り、ジャージ着用。ちなみにこのジャージは高いそうです。
好みのタイプで誰でもいいを選ぶと、もっと自分を大切にしろ!と言われたり
全体的に受け答えは先生らしいもの。
寝るときや起きたときの台詞までそうだから、艶っぽさはゼロですが…。
電話番号を教えられるイベントが、真っ当な恋愛ゲームでは絶対拝めない内容で面白かったです。
恋愛対象キャラのイベント郡じゃ3本の指に入るぐらい好き。
このときのイベントを別れる動機のひとつとして選べたのも笑えた。
■石川康勝
血気盛んなパチプロ。通称ヤス。
顔にしろ役柄にしろ三下なのに、イベント内容が希少な相手からの告白だわ
その内容も全キャラ随一の面白さだわ、付き合ってみると結構反応が可愛いと、意外にも良キャラ。
攻略条件は男キャラの中で最も厳しく、何も知らなかったら攻略対象なこと自体気づかないのが難なものの
女主人公でプレイした際は一度付き合ってみることをおすすめします。
姿勢が悪いのと、交際後にパチンコ勝負吹っ掛けたときの台詞が交際前と共通だったのがネックでした。
坊主で土下座する恋人をバカにするのは、さすがに引きます…。
■堀田六郎
たこやき屋。ゲームがゲームだと関西弁キャラにされそうなタイプ。
たきやき屋になった経緯などが語られるし、比較的、キャラの掘り下げはされている方です。
そして別れた後もたこやきをタダでおごってくれるいい人。
基本的に通常のアングルのまま進む別れシーンが
わざわざ顔アップのアングルに移り変わるなど、他キャラよりも力が入っていたから楽しかった。
■早乙女真一
孤児院「ちびっこハウス」の経営者。
血の繋がらない妹に思いを寄せている…そんなインパクトのある設定持ちなのに
それが何も意味もないことにびっくりさせられるキャラです。
妹攻略にその設定が関係するわけではないとしたら、なんでこんな設定入れたのか、甚だ疑問。
養護施設の運営資金が厳しそうなのに高級プールが好きな場所だとか
もうパチンコはしない発言とか、いろいろと謎も多い。
■川村清晴
ジャーナリストを目指すパチンコ屋の店員。
ヤス同様、相手から告白してくれるイベントがある貴重なキャラ。
告白を何度断ってもしつこく食い下がってきて、最後には付き合うから許して…と投げやりな選択肢になってしまうのが笑えました。
別れるとき「最後にキスしてもいいですか?」と聞かれてキスする…って流れはいいのですが
このときダメを選ぶと、別れを持ちかけたこと自体がなかったことにされるのは興ざめしました。
最後にキスしないと別れられないってのはどうかと思う。
好みのタイプで「いじめてくれる人」を選んだときの
「いじめる? 何言ってるんですか」という、かなり冷めた反応には微妙に傷ついた。
普段は杏子さん好きです憧れますってタイプなのに、なんでこのときだけこんなに冷静なのよ。
■香取勇作
エアロビ教室のアフロ先生。
さわやかなスポーツマン。気遣ってくれるし、優しいし、いい人
なんだけど…インパクトがないからアフロじゃなかったら印象はかなり薄かったろうな…とも思う。
別れのときの選択肢に「エアロビ エアロビ うるさいのよ!」があったのはかなりツボでした。
迷うことなくこれを選びました。
■沢北修平
元ヤンキーの見習いコック。
五味同様、あまり杏子への愛が感じられなくてイマイチ…
会話の受け答えも通りいっぺんだし。
人見知りかと聞いたときの「ヒトミシリって何だ? 外国語?」ぐらいしか印象にない。
■青井功治
女嫌いの八百屋。
ってことでツンデレぶりに期待したら
母親のデートを目撃した後に話しかけた途端、トラウマの呪縛から解き放たれるという超急展開ぶりにびっくり。
いきなり、いつも夕食がカップラーメンだった、毎日違う男を家に連れてきた…という重い過去を聞かされた末に
君のような女性もいるんだね…と唐突に女嫌いは直るし。主人公何もしてないぞ。
別れた後の罪悪感はダントツです。
所詮、恋心で癒されたトラウマは一時的なものに過ぎず、失恋と共にあっさり復活するってことですか…
恋愛ゲームのあっさりと癒されるトラウマのもろさを示唆してるかも。
■小川桜子
次から次へと不幸な出来事に襲われるメインヒロイン。
男キャラとの同棲中、プレゼント欄に化粧品が入っていながらも渡せないのが気になり
女キャラだとどうなるのか確かめたくて付き合ってみました。
女同士だからといって、そういった絡みの台詞を言われることはありませんでした。
男主人公での台詞を流用しているだけのようだったから、逆に抵抗感はなかったですけど
個人的には女友達としての共同生活を体験してみたかった。
キスがちゃんとドキドキしたものになっている辺り、やはりキスシステムは女キャラ攻略ありきなんだと思わせられました
男キャラだと罰ゲームだもんな…。
交際動機の化粧品については、ちゃんと渡せました。
渡したものに応じて化粧をしてくれます。
■桐島竜弥
ビッグになりたいパチンコ屋の店員。
主人公がプレゼントしたヘルメットで銀行強盗を実行するトンデモない野郎。
彼から預かった金を横取りした瞬間が、このゲームをプレイしていて最も楽しかった瞬間だった。
ちょうど山之上旅館に行くために必要な車の資金に困っていたから非常に助かりました。
いや、ありがたいイベントでしたよ本当に。
でも彼自体は、金を横取りした挙句、警察に自分を売った非道な主人公に対して恨み言のひとつも言わず
最後にあんたの声を聞きたかったんだ…とまで言ってくれるイイヤツ。
切羽詰って犯罪に走ったわけでもないし、金を横取りしたことに対する罪悪感は沸きませんけど
フラグを消してしまったことは悔やんでいます。
■浅野真治
養鶏場を営む穏やかな青年。
攻略条件が心情的にかなりキツイ。
私は何も知らなくてフラグを消してしまいましたが、仮に知っていたとしても同じ結果になっていたと思います。
よほど顔が好みとかではない限り、どうしてもフラグ消す展開で進めてしまう。□総合評価
ロードの長さや処理落ちなど、好みで左右されない明らかな欠点がありますし
着せ替え、釣り、家具集め、恋愛など、自由度が高そうに見えて、どの要素もそれほど奥が深くはありません。
雑用など他の事で時間を潰せるとはいえ、後半にもなるとパチンコ対戦に30,40分はかかります。
それでも、パチンコ実技シミュレーターソフトのひとつのモードとは思えない出来栄えなのは確か。
5040円、現在は1800円という価格は非常にコストパフォーマンスが良い。
普通の乙女ゲームじゃ物足りない、3Dで乙女ゲ要素が楽しめるものを求めてるユーザーにもおすすめです。2008年05月27日