少女革命ウテナ いつか革命される物語 レビュー 

発売日 :1998年5月28日
価格(税別) :6800円
対応機種  :SEGA SATURN
メーカー :セガ

あらすじ

父親が昔勤めていた関係から、鳳学園に転校することになった主人公。
転校早々、仮面舞踏会に招待された主人公は、謎の人物から「4日後の決闘にウテナが負けると、お前は消える」と告げられる。

ゲーム内容

選択肢のみで進行するアドベンチャー。
ゲーム期間が4日間と短いため、選択肢が発生する頻度は多め。

序盤に若葉から○○さんは最近どこどこによく顔を出すらしいよとヒントを教えられるので
放課後にはどこへ行けばお目当てに会えるかはすぐ分かるし
相手の性格を考えれば、どの選択肢がより相手に好印象を持たれるかは分かりやすいと思います。

とはいえ、お目当てのキャラだけ追っかけてればOKというわけではないところがこのゲームのポイント。
敵の手に落ちてしまった生徒会メンバーがいる場合、主人公と一番親しい生徒会メンバーと決闘する展開になるのですが
生徒会メンバーも4人いる以上、組み合わせはいくつかあるわけで
全ての組み合わせの決闘を見ようとすると、キャラクターの好感度を調整する必要が出てくるわけです。

生徒会メンバーが決闘してる間にもウテナは敵のデュエリストと闘ってるので
ウテナの好感度があまりに低すぎると、ウテナがあっさり負けてしまいゲームオーバーなんてことも。

つまり、お目当て以外の好感度もチェックする必要があるから
狙いのキャラだけ追い掛け回すだけでいいゲームに比べて、単調さ・作業感を覚えずに済むんですね。
(ちなみに好感度が上昇下降した場合はちゃんと表示されるし
ウテナと生徒会メンバーの現在の好感度がどれくらいあるかは、いつでも確認可能という親切設計。)

他にも、黒薔薇EDやアキオED、アンシーEDなど、特殊な条件のときのみ見ることのできるEDもアリ。
1周にかかるプレイ時間が短くて複数回プレイもしやすいのはマルチEDのゲームとしては嬉しいところ。

システム

セーブ数  10
スキップ  あり ※既読判定なし
読み返し  なし
オート再生  なし
ボイス  フルボイス 主人公のみON/OFF切り替え可能
おまけ  キャラ紹介、そのキャラの留守電メッセージ

ここが○
・ロードは基本的にいつでも可能(選択肢セレクト時やED直前時は不可)
・挿入アニメーションもメッセージスキップと同じボタンで飛ばせる
・口パクがわりと合っている

ここが×
・メッセージスキップと主人公のボイスをOFFにも出来る点以外はこれといった機能はなし
・BGM・ボイス・効果音のON/OFF切り替えやボリューム調整なども出来ない
・ED回想やスチル鑑賞などがない

古いゲームだけあって、オプション画面に入ったとき出るときのロード時間がわりと長くて気になりました。

グラフィック

立ち絵のポーズは固定。表情のみ変わります。
表情パータンは4種類くらいで最低限のものしかなく、どのキャラも表情が固く感じられました。
表情があまり変化しないから、表情切り替えのたびメッセージスキップが止まるみたいなストレスはなかったんですけどね。

それから笑った顔が笑ってると分かりづらかったり
照れ顔があまりに漫画っぽい表現でキャラに合ってない点も引っかかりました。
(色も変。赤やピンクじゃなく橙色。)

バスケしない?と誘われたときに、相手がバスケットボールを持っていたり、
汚れたキャラがちゃんとそれらしい姿になってしまったりとか
たったひとつのイベントのために、わざわざ専用の立ち絵を用意していたのには好感が持てました。

また、キャラたちが喋ってる間、チュチュが何かを食べてるシーンをずっと映される演出が
原作であるアニメと同じようにゲームでも使われていたり、
千種のフェンシングシーンでの
決闘スチル→勝った千種がマスクを晴れ晴れとした表情で脱ぐスチル→ショックを受けた千種のアップスチル
の流れは上手いと思いましたね。

だからこそ、バスケシーンなのにバスケしてるスチルがないなど、あるべきところにスチルがないのが気になりましたけど。

OPと最終日の決闘シーンを除いた挿入アニメは原作からの流用なので、特にコメントすることはありません。

サウンド

原作アニメとほとんど同じ。
「アニメでもよく聞いたな〜」と懐かしい気持ちになりました。

フルボイスで効果音も多用されてるから、主人公のボイスもONでプレイしてると、さながらOVAのようです。

ただし、効果音の部分で引っかかったことが。

ゲーム中、最もよく聞く機会が多いであろう足音の音が足音に聞こえないんですよ。
25日の朝の鳥のさえずりも、最初何この音? 何の合図?と、見当がつきませんでした。
状況から判断するにたぶん鳥のさえずりなんでしょうが…
正直、いまだに鳥のさえずりなのか、別のものか分かりません。

チュチュが何かをガジガジとかじるシーン、
フェンシングシーンなどでは、効果音が上手く使われたと思うだけに、足音と鳥のさえずりは不満ですね。

シナリオ

途中で発生するイベントや最終日のパートナーとなる人は変化しますが、大まかなシナリオは同じです。
結末もゲームオーバーやバッドED的な内容のものを除くとひとつだけ。

原作付、その上原作途中が舞台となってるゲームだから仕方ないといえばその通りです。
でも 以下ネタバレ
千種の主人公への気持ちが最後まで変化しなかったのは
せっかくのゲームなのに、どうして…?と勿体無く思いました。

これがOVAとか小説だとしたらどうしようもありませんが、
せっかく各キャラに好感度が存在したり、選択肢によって発生する出来事・会話が変化するゲームなんですから
千種が主人公は母親・父親とは違う別の人間だと気づいて、
憎しみだけだった感情が変化する…という展開も用意して欲しかったです。


キャラクター ※ネタバレあり

■主人公(デフォルト名なし)
大人しい性格を想像していただけに、声にしろ性格にしろ最初は戸惑い
特に声はOFFにしたりONにしたりと序盤は悩んだんですが、しばらくプレイしてるうちに慣れちゃいました。

既存キャラに例えると、若葉に近いかな?
選択肢や相手にもよるけどなかなか積極的。
なんとなく幹が好みなのかな…と感じました。

■天上ウテナ
このゲームでは生徒会メンバーに比べて、少し影薄いかも…
細かいことは気にしない部分がわりと目立ってた印象。

ケーキをあげたとき歌を歌ってほしいと言うと、本当に歌ってもらえるのは予想外だった(しかも結構長い)
ウテナファンは必見のイベント?
自分の着ていた学生服をプレゼントするのはちょっと?

■桐生冬芽
この人攻略してると、乙女ゲーやってるような気分になります。
でも一般的な乙女ゲーと違うところは、主人公を口説いていたにも関わらず、他の女性が来た途端
この子は全く関係ない、君の誤解だよとその女性に言うところか。

ところで彼のEDって西園寺が退学する回のラストと同じじゃ?
意図的に同じにしたんでしょうか。
アニメで既に同じどんでん返しパターンを見てるので、衝撃が薄かった…ちょっとガッカリです。

彼は専用のED迎えるより、わざとEDフラグ外して(誰も千種の手に落ちないようにする)
「あの夜のことは忘れません」って形で別れた方がずっといい終わり方だ…

ちなみに彼がパートナーの場合、旧フェンシング場での千種との会話が他キャラと結構違うので
一度は見ておいた方がいいと思います。

■西園寺莢一
過程が一番いいのはこの人かな
仮面舞踏会では、好感度上がる選択肢より変化しないものを選んだときの方が展開としては美味しい。
24日の夜イベントも西園寺が最もお気に入り。

EDは期待はずれでした…。幹を先に見ていたせいか余計に淡白に感じちゃったし
スタッフロールの後のエピソードは全く樹璃と同じ…。

■有栖川樹璃
ウテナの学生服と同じ、いやそれ以上に餞別が微妙…。
しつこいナンパから助けてくれたり、優しい言葉をかけてくれたりと、攻略対象の中で最も誠実で男らしかった。

■薫幹
EDがかなり良しなキャラ。

唯一、主人公のことを好きだと伝えようとしてくれるし、
好きだけど…好きだからこそ嘘をついて振る主人公というのは新しい。
「師匠」呼びはちょっと笑った。

■三条院千種
初回プレイでは彼女にときめきを感じたんで
ああいう形の結末しか用意されておらず、主人公のことを最後まで憎んでいたのは残念です。

主人公は、彼女の言う泣いてるだけのお姫様じゃないし、主人公自身をもっと見て欲しかったな。

彼女の声担当してる人が、サクラ大戦の織姫役と同じってのには驚きました。
言われてみると同じ声って感じだけど、全く演技が違います。
久々にあのキャラとこのキャラは同じ声優!と、びっくりさせられました。

総合評価

選択肢のみで進めるノベルゲーにして、どの場所に行っても必ずイベントが発生する形にしたのは正解だと思います。
下手に期間を延ばしてイベントはたまに発生…みたいな形にすれば
イベントを探す攻略要素は出来るだろうけど、途中で飽きちゃいますからね。
原作付きゲームとしては十分良作でしょう。

シナリオ分岐をもうひとつ用意して欲しかったのが唯一惜しい点でした。

2005年03月

当時の雑記に書いた感想


戻る  総合トップへ