誰にでも裏がある 〜True or Lie?〜 レビュー
発売日 :2009年12月4日 価格 :7140円 対応機種 :Windows 2000/XP/Vista/7 ブランド :AMEDEO 使用容量 :2.6GB 備考 :ディスクレス可能 ・あらすじ
・ゲーム内容
・システム
・グラフィック
・サウンド
・シナリオ
・総合評価□あらすじ
父親の転勤により、姉妹二人だけで暮らすことになった桜井百恵と菜々子。
折りしも、長女の百恵は念願だった教師の夢を叶え、次女の菜々子が通う並木学園の採用が決まったばかり。
新生活を送ることになった二人は、タイプの異なる四人の男性と出会い、恋に落ちる。
しかし、彼らには、他人に明かせない秘密があった。
教師と生徒、それぞれ異なる立場で同じ学園に通うことになった姉妹のどちらかを選択し
4人(+α)の男キャラとの恋愛模様を読み進めます。
プレイ期間は共通ルートが始業式の4月5日から17日までの約2週間、
個別ルートでは19日から5月10日頃まで1日単位で進行し
途中でバッドED直行の選択肢を選ばなければグッドEDになり、好感度が一定以上あるとベストED(追加エピソード付)が迎えられます。
ゲームシステム的に目新しさはありませんが、難易度は他の恋愛ADVに比べてやや高めに設定されており
一部キャラは個別ルートに入ることが困難で何度も共通ルートをやり直すことになります。
それ以外のキャラにしても、共通ルートで選んだ選択肢によって追加エピソードが出現しなくなります。
追加エピソード有無分岐は個別ルートの選択肢選びだけで判定されるのではなく
共通ルートで蓄積した好感度も関係しているから、共通ルートで躓いてしまうと個別ルート冒頭から何度やり直しても無意味なんですよ。
だから、下手に個別ルート冒頭データを取り、そのデータを使用し続けると
共通ルートの選択肢選びに間違いがあったと気づくまでは追加エピソードを見ることが出来ない。
この難易度設定自体は欠点と言うほどのものではないと思います。
ランダムで成否が決まるわけじゃないし
同ブランドの過去作にあった「好きな色でEDが分岐する」ような理不尽な選択肢はなかった。
簡単にグッドEDを見たい、これぐらいの方がやり応えがあるとか、そのへんは好みの問題だと思うんですよね。
たけど、この難易度設定が意図的なものだったとしたら
好感度の高低で相手の反応が変わる、出現イベントが変化するような、複数プレイの意味が出る要素も盛り込むべきでした。
1ルート1プレイで全イベントを確認出来る浅い作りはよくあることだけど
今作は妙な難易度の高さのせいで何度もやり直すはめになったから、同じ作りのゲーム以上に分岐のなさが目立っていました。
□システム
セーブ 常時可能で数は64個。8文字までコメント入力可能。クイックセーブはゲームを終了させた後も有効 スキップ 既読の自動スキップ、手動の強制スキップあり 読み返し ボイス再生、フォントサイズの拡大縮小も可能 オート再生 秒数設定も可能 ボイス 主人公二人とモブ以外フルボイス。全キャラ毎のON/OFF設定可能 おまけ スチル鑑賞、BGM鑑賞、スチル付イベントシーンのみ回想可能。
スチルをすべて埋めると、対応したキャラの立ち絵鑑賞と男キャラ視点の回想が開くその他 サウンドの個別ボリューム調整可能、スタッフロールカット可能、常時タイトル画面に戻れる さすがPCゲームというか、機能面で足りない部分はありません。
全年齢の前作『ペット探偵』も当時としてはトップクラスの快適さでしたが
それでもログがメッセージウィンドウ表示だったり、スタッフロールが飛ばせないといった残念な部分もありました。
今回はそれらの欠点も改善されて、また新しい機能がいくつも追加されています。
コンシューマで増えてきたバックログジャンプはないものの、前の選択肢へ戻る機能がその代わりを果たしているし
ウィンドウの透明度が固定でも、デザインを4種類、フォントの種類・影の有無・濃さを好きに選べるから
フォントが読みづらいと感じることはないはずです。
他にもホイールでのメッセージ送りが可能、ボイス再生中にメッセージ送りをしてもボイスが中断されない便利な機能もあり。
ただ、そんな充実な機能面と快適さを誇るこのゲームのプレイ環境にも欠点はあります。
まず起動させたとき、毎回このゲームのキャッチコピーと男キャラの顔アップが表示されるのが鬱陶しいです。
セーブデータがあればダブリクリックで省略出来ますが、飛ばすにしても少し待たされて、すぐにはタイトル画面に移らない。
前作のアクセスの早さはどこへ…? と思わずにはいられない。
次に右クリックでメニューを表示させたとき
セーブやロードといった主要機能以外を「環境設定」という項目に追いやった点。
サウンドやフォント設定を変更したとき、毎回「環境設定」項目にカーソルを合わせなければいけないのは面倒でした。
メッセージウィンドウ画面から、1クリックでウィンドウを消せるボタンを削除したのも解せなかったです。
過去作がそうであったように、端っこにそれと分かる小さいボタンなどを配置すればいいだけなんですし
デザインを損ねるわけでもないと思うのですが…。
コンシューマでも1ボタンで可能な部分だけに
ウィンドウを消したいとき、メニューを呼び出す→項目にチェックを入れると、2クリック要求されるのがおっくう。
手帳を模したセーブデータ画面において、ページ切り替えするたび、手帳をめくる演出を見せられるのも×
何度も使う部分で飛ばせない演出を入れられても、快適さを損ねるだけです。
それからシーン回想再生中、直前の画面に戻ることが不可能で
前の画面に戻りたいときは終わるまで待つか、タイトル画面からやり直すかしかないのは不便でした。
…こうやって一通り書いてみると、結構ありますね、欠点。
タイトル画面に移るまでのタイムラグとデータ画面の手帳がめくれる演出以外はストレスが溜まる段階には至っていないし
そういうもんだと受け入れられなくもないんですけどね。
基本が快適な上、前作では可能だったことが出来なくなっていたから、余計に気になってしまったのだと思います。
おまけモードは上がメニュー、下がキャラ項目になっている、PCゲームらしいレイアウトです。
各モードを一つの画面で行えるようにしているため
カーソルを右上に持ってくるとサウンド鑑賞一覧が表示されるのはちょっと困りものですが
一方で、他のゲームにはない「おまけモードで流れるBGMを好きに選べる」ことが可能。
好きな曲を流しながら、いろんなキャラのスチルや立ち絵を鑑賞することが出来ます。
おそらく偶然の結果で生まれたであろう要素だったとしても
おまけモードで使用される曲が好きじゃないことが多い私としては
この「おまけモードで流れる曲を変えられる」部分は、違うゲームでも取り入れて欲しいと思いました。
ただ、パッケージ裏にも記載されている「全キャラメガネ標準装備」と「男性視点回想」はどちらも不発でした。
前者に関しては、何がどう全キャラメガネ標準装備なのかさっぱり分かりません。
おまけモードの項目の一つの眼鏡スチル鑑賞があるけれど、眼鏡スチルを抜粋しただけというもの。
裸眼キャラの御門に関しては、このモードオリジナルの眼鏡差分が見られるわけでもない。
男性視点は本編と同じライターが書いたのかと疑問視してしまう適当さ。
百恵編と菜々子編の特定シーンを、攻略対象視点で見られるものなんだろうと思っていたら、大ハズレ。
夜空を背景に、攻略対象の簡単なモノローグが少し見られるだけです。
イベントが終わった後、家にいるときの考え事という感じで、主人公たちも登場しません。
え? これで終わりなの? と唖然とするしかない。
これが全シーンに用意されているとかだったら、ひとつひとつの短さも仕方ありませんが、たった3つですよ。3つ。それでこの短さ…。
しかも、この程度のものをパッケージ裏にわざわざ記載したり、両方の主人公でスチルコンプしないと開かない仕様にしているんですからね。
内容的にもキャラを熟知していなくても書けそうな底の浅いものでした。
特に御門は違った書き方が出来たはずです。菜々子編での行いに対する補完を描くにはかっこうのシステムなのに…。
せっかく本編を補える要素を取り入れていながら、どうして有効活用しないんでしょうか。もったいない。
スチル枚数は92枚、差分を含めると153枚。
使用場所は主人公と攻略対象の絡みシーンに集中しています。
菜々子編の浦島ルートでは、バレーボールという動きのあるシーンが何度も挿入されるため
立ち絵だけで済まさず、特別な演出を入れるべきだったとは思いましたが
それ以外のルートはシナリオ内容に合った配分で適切でした。
このあたりはさすが古参ブランド。恋愛ゲームで必要とされるスチルが何かをよく分かっていますね。
立ち絵は、顔つきとポーズが普段と大きく異なるものがキャラごとにひとつずつ用意されているだけ。
基本はデフォルトポーズ固定で表情しか変化しません。
動作・仕草の変化が好きなユーザーには寂しいものとなっています。
でも、百恵編で百恵が着物に着替えたとき、着物姿の立ち絵が表示されたのは嬉しかったです。
ウィンドウ内の顔グラフィック表示もあるから、普段から立ち絵を頻繁に表示されても困惑するけれど
こういった特別な装いのときに全身が確認出来る計らいがされていたのは好印象。
(それだけに、菜々子編で菜々子ドレスアップ立ち絵が表示されなかったのにはがっかりしましたが…)
背景は林の背景に頼りすぎていたのが気になったけれど、質的には可もなく不可もない出来。
男キャラの肌色が全体的に暗く、くすんでいたのは当初違和感を覚えたものの、肌色として不自然というほどでもないし、好みの範疇。
グラフィック全体の評価としては、演出的な意味で特色は何もなく、ただ表示しただけという芸のなさで褒めるべき点はありませんが
スチルごとのバラつきやシナリオとの食い違いなどの初歩的なミスがないため
絵柄が苦手でない限りは不満を覚えることはないはずです。
それにしても、いろんなルートで存在感を見せるペットの犬・ポチのグラフィックがないのはなぜなんでしょうね…。
□サウンド
BGMは15曲。
切ないメロディに弱い私としては、悲哀シーンで使われる曲「涙にまかせて」が流れると
BGMの影響を受けて感傷的な気持ちになることが何度かありましたが、それ以外の曲は凡庸。
馴染みやすいけれど個性に欠けており、ショップやオフィスで耳にする無個性な曲を彷彿させられる。
BGMとしては、それも間違った姿勢ではないけれど
個人的にはBGMも作品を構成する大事な一要素として考えているため、没個性的だと物足りなさを覚えます。
せめて各キャラのテーマ曲ぐらいはもう少し力を入れて欲しかった。
浦島と御門は直球すぎて安っぽいし、石川はテーマ曲としてはしっくりこない。
そして、悲哀や緊迫といった、特定シーン限定の曲が少なすぎます。
少しでもシリアスになると決まって「涙にまかせて」、緊迫や緊急事態では「急いで!」、「やっちゃった」と
なんでもかんでもこれらの曲を流しているため、食傷気味になりました。
前述した部分も併せて、BGMはなおざり仕事のように感じます。
ゲームのために書き下ろされた『誰にでも裏がある』は作品のコンセプトにマッチした、優秀な“主題歌”だったんですが
今作はコンセプトと実際の内容にギャップがあるため、クリア後に主題歌を聴くと、改めてそのギャップを認識するはめになります…。
ボイスは立ち絵が用意されているキャラのみ付いています。
モブが喋る場合、声優の兼用や、スタッフ(声演技の素人)が担当したかのような棒読みに萎えたりするから
無理して全フルボイスにするよりベターな選択ですね。
演技力は問題なし。御門と闇乃役の中堅声優はこなれていますし、メインの浦島役の方も上手いです。
しかし、合っているかどうかという点では微妙なライン。
合っていないと言うほどでもないけれど、今とまったく異なるキャスティングだったり、声なしのゲームだったとしても
このゲームに対する印象は変化していなかったと思います。
攻略対象たちより、浦島の友人であるサブキャラの青木の方が、キャラ立ちに貢献していました。
キャラに合っているか(どれだけそのキャラの個性を引き出しているか)、新鮮さを重要視する私からすると
今作のボイス面はサブキャラの青木以外、ピンと来なかった。
新鮮さの方でも、初めて声を聞いた声優が多かったわりにはいまひとつ。
既知の声優を彷彿させられて、独自の魅力を感じられなかったから
他のゲームでもこの声優を起用して欲しい、もっと声を聴きたいと思うことはなかった。
しかし、ここまでだったらBGM同様、個人的評価は高くないけれど、客観的に見たら十分水準には達している
で終わるとこなんですが…サウンド面でどうしても納得がいかない点がひとつあるんですよ。
どうして主人公に声優を起用していないんでしょうか?
プレイヤーキャラ時は、自分の分身という性質上、声を入れる必然性も薄いでしょうし
何よりも収録するボイス量が膨大になってしまうから、それは仕方ないかな…と諦められますけど
サブキャラ時にも一切喋らないのは怠慢にしか思えません。
主人公二人には声がついていないことは発売前から知っていたから、覚悟の上だったとはいえ
(ちなみにそれを知ったときはものすごい落胆しました)
実際にプレイしてみると、思っていた以上の違和感がある。
サブキャラとしての百恵と菜々子は、どのルートでも避けようのないほど出番の多いキャラなのに
最も関わり合いになるキャラに限って喋らないのは不自然すぎますよ。
主人公の声に需要がないのは知っています。
仮にあったとしても、OFFでプレイするユーザーの方が多いんでしょうし
それだったら予算がかからない方を選ぶのは商業としては無理からぬことです。
しかし、これだけ姉、妹しての交流を盛り込み、サブキャラとして確立させておきながら
需要がないから声は入れませんでしたは言い訳として通用しないのでは…。
一昔前の攻略対象の異性しか喋らない仕様同様に、需要を盾にした単なる手抜きです。
顔グラフィック表示は強制、設定などはきっちり固められているわりに声だけなしとか
このゲームの主人公に対する姿勢はどうにもちぐはぐで理解に苦しむところがありました。
ここまでサブキャラとしての比重を高めているなら、主人公にも声を用意するべきでしたよ。
□シナリオ
テキストは少女小説的で、このジャンルでは万人受けしそうな文体。
「乙女ゲーム」という名称がAMEDEOから生まれた説もある通り
ヒロインはジャンル名をそのまま反映した、乙女ちっくな思考回路を持つキャラです。
主人公の口を使ってライターの思想を延々と聞かされたりすることはないし、癖も特に強くはないから
古典的な乙女ゲヒロインが受け付けないわけでないなら、テキスト面での難点はないんじゃないかと。
(誤字はひとつ確認しましたが個人的には許容範囲内のミスでした)
一部(ペット探偵、カレ彼とSTEP体験版)しかプレイしていない私が言うことでもないけど
いつも通りのAMEDEOテキストのように見受けたので
過去にAMEDEOゲーをやって平気だった人は今回も大丈夫だろうし、ダメな人は相変わらずダメだと思います。
まあ体験版が公開されている以上、実際に自分の目で確認した方が確実でしょうけどね。
シナリオはペットの犬・ポチ&姉(妹)の家族交流が多く、日常描写を怠ることなく描いているため
主人公のこれまでの生活や人間像が掴みやすいです。
日常だけあって別段面白いものではないのですが
こういったシナリオには直接関係ない日常描写を入れることも、現代日本が舞台の恋愛ADVでは重要なことだと思います。
中でもペットのポチが日常描写を表現するだけの存在で終わらず
全ルートに自然に取り入れた点は評価出来るポイントじゃないでしょうか。
主人公が攻略対象に語る「黄色いレインコート姿のポチ」の話が出たとき、その姿をぜひ出して欲しいと思ってしまうほど
ポチに対する愛着が沸いていましたからね。
でも主人公像がはっきりとし、ペットの存在感が強い一方で、肝心の攻略対象たちの魅力は不足しています。
普通は個別ルートに入ると、共通ルートで抱いたイメージに変化が生じたりするもんですが
このゲームでは個別ルートをクリアしても何も変わらなかった。
そのうち二名は、共通ルートで予想していた恋愛展開と正反対のもので引いてしまったけれど
それはマイナス面での変化だし、基本的に共通ルートで興味がわかなかったキャラは興味のないまま終わります。
タイトルが“誰にでも裏がある”であるように、一応このゲームは「男キャラの見せる裏」が売りのはずなのに…。
個別ルートに入っても印象が変化しないという感想で推測出来るように、彼らに裏なんてありません。
あらすじ項目で裏という言葉を避け、秘密を使ったのもそのためです。
その秘密にしても、共通ルートからばらしすぎです。
あからさますぎるから、ライター自身も伏線のつもりはなく、ユーザーを驚かせないために分かりやすく書いたとしか思えないんですが
本当に伏線のつもりで書いていたりするんでしょうか…
もしそうなら、張り方があまりにも下手すぎでしょう。こういうのは伏線と呼べません。
恋愛過程にしても、個別ルート早々で告白されるなど、展開が早い。
共通ルートで既に友人としてそれなりに交流を重ねていたのなら納得もいくけど
百恵編の闇乃以外は初対面、共通ルートでは名前を知っている程度の知り合いです。
それなのにほぼ全員が早々に付き合う(付き合わずとも告白される)展開なんですからね…
相手を意識するまでの過程が好きな私には、その時点でついていけないものがありました。
さらに各ルートは特に長いわけでもなく、百恵編は1時間ちょいで終わる短さだから
交際中の蜜月期も短く、すれ違いも短くと、どの段階にしても、じっくり描かれることはない。
それでいながら、全年齢では入れる必要もないHシーンだけは(闇乃以外の)全キャラ標準装備。
本編で組み込むのが難しいキャラはエピローグでそれを設けていたほどです。
正直、ここまで拘られると引いてしまいます…
数人とかならシナリオの流れとして受け入れられますけど、是が非でも入れようとしていたのは理解出来ません。
全年齢ですから、二人でシーツにくるまっているスチルと、優しく愛されたといった遠回しのテキストで精一杯なわけです。
そんな制限がかかった状態で、シナリオ的にも不要のHシーンを無理に入れる理由はどこに?
これが純愛系の18禁ゲームなら分かりますよ。
Hシーンの挿入の仕方に無理やり感があっても、18禁として出した以上は、それを入れるだけの必然性があるんですから。
でもこのゲームは全年齢として売り出されたものです。
なぜ全年齢作品で、唐突なHシーンの不自然さを味わうことになるんでしょうか。
このHシーンに対する拘りを筆頭に、恋愛過程よりも相手からのアプローチ(甘い台詞をいかに囁かせるか)を優先するシナリオ、
無理にキスされる・迫られるシチュエーションの多さ、結婚こそ恋愛の最終目的かのようなワンパターンEDなど
いろんな面で私には合わない内容でした。
主人公に無関心なキャラを振り向かせるのが好きな人や
付き合うまでの過程が重要であって、甘い台詞や身体的接触描写は二の次だという人は避けた方がシナリオになっています。
□総合評価
乙女ゲームの古参ブランドだけあって安定した出来
実績のあるブランドが作ってこの程度?
そのどちらにも受け取れる乙女ゲームでした。
キャラデザは万人受けする絵柄で安定感があり、テキスト面での難点は特に見当たらず、シナリオは全キャラ個別。
分かりやすい欠点は見当たらず、直球なHシーンをほぼ全キャラに用意した点にさえ抵抗がなければ
PC乙女ゲーム入門作として打って付けのタイトルかもしれません。
しかし、特に秀でた箇所も特徴もないゆえに、このゲームをあえて選ぶ理由もないんですよ。
数年前だったら四行目に書いた要素を全て満たしているだけでも良作になっていただろうけど
現在の乙女ゲーム市場がそこまでレベルの低い状態だとは思えません。
新規参入のメーカーも、このゲームと同程度には仕上げているのではないでしょうか。
そうなると、このゲームの売りだったWヒロイン、裏の顔を知っても愛せるかというコンセプト
そのどちらも不発で終わっていたことがネックとなる。
購入動機がWヒロインだった私としては、需要の低い複数主人公に踏み切ってくれただけでも評価したいのですが
実際にプレイしてみると、リスクを冒してまでWヒロインを採用した理由が見当たらなくて、素直に褒めることが出来ない。
Wヒロインなのに、どちらの思考も変わらず恋愛展開も大差ない、サブキャラとしての出番が多いわりに声がない
シナリオ被りを避けることを優先しすぎて、ひとつひとつのルートは浅い内容になっているなど
Wヒロイン採用が裏目に出ていると思わされることが多い。
自己投影派のユーザーを逃したくないのなら、男女兼用ゲームで見られる
片方の主人公(教師)を選択するともう片方の主人公(生徒)が存在しなくなる作りの方がまだ適していたのではないでしょうか。
このゲームをきっかけに複数主人公の面白さを知ったユーザーが増え
複数主人公の乙女ゲーム需要が高まってくれることを期待していたのですが
このゲームに内容では、その魅力に目覚めた人がそういるとは思えない…。
それが何よりも残念です。2009年12月21日