結婚 〜Marriage〜(SS版) レビュー
発売日 :1995年12月15日 価格(税別) :6800円 対応機種 :SEGA SATURN メーカー :小学館プロダクション 開発に携わったメーカー :SOFIX、WESTONE、マーカス、イメージワークスなど □ゲーム内容&シナリオ
結婚相談所へと足を運んだ主人公が、そこで紹介された異性5人と交流を図り、
1年以内にプロポーズを成功させることがゲームの目的です。
主人公の性別によって、主人公の性格と登場するキャラ(攻略対象)が明確に分けられ、
男主人公のときには女キャラしか登場しません。
ゲームスタートの後に主人公の性別、年齢、誕生日と血液型、役職、衣食住にかける金額の入力を求められますが
ゲーム内容に大きな影響を与えるのは性別(違いは上記の通り)だけ。
年齢と役職が毎月の収入に、衣食住は手元に残るお金に関係しますが
収入が多くても少なくてもゲームの難易度や攻略対象の対応が変化する様子は見られません。
主人公の年齢や衣食住にも同じことが言えます。
攻略対象にはそれぞれ25回〜31回の段階性のデートが用意されており、決められた内容のものが展開していきますが、
主人公の年齢設定は攻略対象と同世代ぐらいの設定で作られているため
未成年や中年以上の設定にすると主人公の言動に違和感を覚えることになります。
主人公に習い事をさせてスキルを習得する育成ゲーム的要素があったりするんですが
習得しようがしまいがゲームの内容には全く関係ありません。
習い事をある程度こなさないと攻略対象との仲が進展しないとか、プロポーズが失敗するということもない。
習い事の習得具合によって攻略対象たちとの会話に影響を与えるようなこともありません。
電話をかければ、必ずデートはOKされ、育成も全くの無関係、
つまるところ、電話をかけて休日にデートを繰り返すだけでEDが迎えられる作りとなっているんです。
デートの内容もボタンを押して、主人公と攻略対象2人の会話を見ているだけです。
プレイヤーがデート先を選択したり、デート先で選択肢が発生することはなくて、
例えば6回目デートのプラネタリウムで喧嘩をし、7回目のデートですっぽかされ、
8回目の映画デートで仲直りする…みたいに、本当に内容は固定されてます。
それからこの『結婚』は全てこちらが行動を起こさないと話が進まない作りとなっており、
プレイヤーの出来ることは、習い事(育成)と、攻略対象に電話をかけてデートの約束を取り付ける二つだけなんですが
この電話をかけない限り、攻略対象との仲は一切進展しません。
普通、この手の恋愛ゲームでは、親しくなるにつれて相手側から誘ってきたりするものなんですが
『結婚』では、どれだけ親密になろうが、相手側から電話をかけてくるべき出来事の後だろうが
そんな事情は関係なく、プレイヤーが電話をかけない時点で関係はストップします。
男主人公編で聖美、美夏、まみの3人と後1回デートすればEDになる状態で
誰にも電話をかけず、ただ毎日時間を進めるだけのプレイをゲーム期間残り2ヶ月の時に実行したことがありました。
しかし、この2ヶ月間に彼女たちから連絡が来ることは1度もありませんでした。
このことから、こちらが関わりが持とうとしない限り、どうにもならないことがはっきりしました。
苦手なキャラから連絡が来て、鬱陶しさを覚えるようなことはないけれど、
こちらが行動を起こさないと永遠に何も進展しないというのも、ゲーム性のなさを感じさせる要因の一つとなったと私は思います。
そんな中、唯一ゲームらしい要素として挙げられるのが、各キャラの一つずつ用意されているクリックモードの存在です。
これは画面上を自由に「見る」、「触る」ことが可能で、クリックした場所に応じて相手の反応が返ってくるというものです。
DSゲームなどでお馴染み…といった方が分かりやすいかもしれません。
だけどこのクリックモード、反応してくれる範囲が非常に狭くて、
特に女キャラの方は反応してくれる場所が全員同じ(髪と体の2種類だけ)で何とも味気ないものだったりします。
クリックモードが発生する時期が終盤なら、ある程度色っぽい会話になったりしたかもしれませんが
皆序盤に発生するため、相手の台詞は素っ気無くて面白味に欠けます。
また、デートが段階性の固定内容な上、作り込みが浅いことから、
クリスマスやバレンタインデー、誕生日などの行事に何も起こらない欠点もあります。
しかし、いいところが一つもないというわけでもなく、
デートが上手くいかなかったときは、次にデートに誘ったときの反応も芳しくない、
逆に2人の仲が近づく出来事があればそれらしい台詞になるなど、段階性ならではの良さはちゃんと表されています。
つまり、育成要素があることからか、SLGに分類されてはいるけど
実際の内容はADV的な作りというわけなんですね。
社会人同士ならではのデートや会話が多く、男主人公編だと性行為を匂わす描写もありますが、
お互い自立した社会人であり、そういう関係を持つのが自然な流れなため、無理がなかったです。
女主人公編ではドラマチックな展開はないものの、
ゆっくりと距離を近づけていくシナリオは、ありそうでなかったので新鮮でした。
誤字脱字、呼び方や喋り方の統一感のなさ、矛盾など
基本的なミスが少なくないので、お世辞にも絶賛出来るシナリオではありません。
何よりも、結婚をテーマにしながら、婚約後から結婚までの流れが全キャラほぼ同じ、
非常に短いという手抜きぶりには、かなりガッカリさせられました。
それでも、女主人公編のシナリオを楽しんだのもまた事実です。
『結婚』のように、衝撃的な事件や意外な過去などが出てくることもなく
次第にお互いが大切な存在になっていくような過程を描いた乙女ゲームがしたくなりました。
□システムゲームの発売時期が時期ですから
メッセージスキップやバックログといった便利なものは当然ありません。おまけモードもなし。
それどころか、オプションが存在しないため、環境設定の変更も出来ません。
同じシーンを何度も見返す必要のある作りじゃないですし、効果音が妙に大きいこともないため
メッセージスキップやオプションが存在しなくても、特に困ることはないのですが
メッセージの一括表示ぐらいは可能にして欲しかったです。
セーブが毎日出来ること、ソフトリセット機能が付いてる点は良いけれど
1日単位で進み、毎日「寝る」を選択しなければならないのは面倒くさかったので、
1週間単位で進む作りの方がスムーズにプレイ出来たのではと思いました。
□グラフィック服装は各キャラ1年間固定で季節感はゼロ。
しかし、表情は豊かです。
喜怒哀楽それぞれ2種類の上に驚き顔もちゃんと用意されていて、表情のみならず、ポーズも変わります。
発売時期を考えると力を入れた方だと思いますね。
でも、男キャラが童顔で25歳に見えず、女の子みたいな顔立ちをしているわりに、
女キャラはそれほど可愛いと思えませんでした。
特に美人系の聖美と麗子は美人に描けてるとは言い難い…。
(麗子は困ったときの表情は可愛かったんですが。)
また、女キャラはキスする際と、酔った状態になったときに
専用絵に切り替わるものの(立ち絵というより、背景が変わらない一枚絵のような感じ)
酔ったときはともかく、キスがイマイチなんですよ…
その上、皆同じような目で髪型だけ違うんじゃないかといった描き方。
結婚式での正装姿もキャラによっては熱も冷める程だったし
ここぞ!という見せ場に限ってダメな印象を受けました。
それから乙女ゲームではスチルと呼ばれる一枚絵(イベント絵)は見事に存在しません。
最初から最後まで立ち絵「だけ」で進行します。
背景は9割が実写画像です。
下手くそな背景絵を使われるよりかはマシといった感じでしょうか…。
攻略対象以外では唯一、父親(母親)の立ち絵が存在しますが
どのキャラも共通の立ち絵なために、むしろなくてもよかったんでは…と思ったり。
□サウンドゲームタイトル画面で鐘が鳴る演出は、『結婚』というタイトルらしいと思いました。
ゲーム内で使用されたBGMは以下の11曲でしょうか。
・オープニング(男性主人公編のみの出会いシーン)
・キャラの自己紹介デモ
・自室、コマンド実行中
・デート1(最も多くかかる軽快なリズムの曲)
・デート2(バーなどでかかるロマンチックな曲)
・デート3(公園などでかかるテンポのいい曲)
・デート4(鳥のさえずり)
・聖美と麗子のデートでのみかかる暗い曲
・結婚式
・スタッフロール
・ゲームオーバー
自室とデート4種以外はほとんど耳にすることはないんですが
ドラマチックな展開が存在しない、まったり進行なゲームの内容なためか、BGMの少なさは特に気にならなかったです。
ボイスはかなり少ないです。
自己紹介デモと電話の挨拶、プロポーズと披露宴直前のみ。
美夏と未希麿の2人はサターンお馴染みの警告メッセージの方が断然長く喋ってるくらいですからね。
□総合評価ゲーム内容よりも警告メッセージに力を入れた
なんて皮肉られても仕方ない出来ですね。
私は、いくらヘボかろうと、女主人公編があるSS版だからこそ購入し、その女主人公編のシナリオが予想より楽しめましたが
女主人公で男キャラ落とすことに全く興味のないユーザーからしたら
わざわざPS版より入手困難なこちらを選ぶ必要性はないと思います。
このゲームならではの面白さを見つけるとしたら、
主人公の年齢をかなりの高年齢設定にし、その年齢にそぐわない主人公の言動に突っ込みを入れるぐらいでしょうか。
個人的には、最初から悪評しか耳にしたことがなくて、ゲーム性に全く期待してなかったせいか
育成面の適当さより、婚約成立後の手抜きっぷりに落胆しました。
女性主人公編の婚約成立までのシナリオはそれほど悪くなかったので
婚約後のシナリオも、その半分ぐらいは力を入れて欲しかったです。2007年05月26日