ファンタスティックフォーチュン2 レビュー
発売日 :2003年6月26日 価格(税別) :7800円 対応機種 :PlayStation2 メーカー :ジェネックス メモカ使用容量 :164KB 備考 :サントラCD同梱 ―システム―
セーブ数 12個 スキップ なし 読み返し あり ※テキストのみ。音声再生はなし オート再生 なし ボイス 主人公以外フルボイス ※主人公は一部だけあり おまけ イベント絵の鑑賞、ED回想 このゲームをプレイして強く思わされたのが、こういうゲームを待ち望んでいたんだなぁ…ということ。
ずっと思ってたんですよ。
どうして女主人公の恋愛ゲームは少女漫画の亜流みたいなシナリオばかりで
相手の過去やら思い出を聞かされるだけだったり、相手のトラウマを主人公が癒したりするものばかりなんだろうと。
そして主人公と相手、1対1で進行するイベントばかりで他のキャラがほとんど介入しない。
ファンタ2はそれらの点が他の女主人公の恋愛ゲームとは違っていたんです。
男キャラそれぞれの関係がはっきりしていて、それは尊敬だったり、崇拝に近いものだったり、憎しみだったり…
相互関係が深くて、誰を攻略するにも必ず他のキャラが介入する。
だからそのキャラを狙っているときは見えなかった面が他のキャラ狙いのときに見えて
ひとりのキャラのいろんな面が知ることが出来る面白さがある。
何よりも、3人のキャラから主人公を選択するシステムだから、プレイするヒロインごとにキャラの印象も変わってくる。
かといって、1対1のイベントがないわけでもなく、ちゃんとふたりで進行するデートイベントも用意されている。
それに一部のキャラ攻略、ひとりの主人公プレイだけに留まっていると、全貌が見えません。
アクアでリュートを攻略して家族の話を聞いたとき、それがリュートをああいった行動に走らせた原因のひとつだったのかな…
と考えたんですが、マリンや葵でしかリュートを攻略していなかったら、そんな見方をしようにも出来なかった。
プレイすればするだけ、新しい面が開ける、一種のやりこみゲームだと思いました。
ただ気になったのが、恋愛ゲームとして肝心の恋愛描写がシナリオイベントにあまり盛り込まれていないこと。
主人公と相手のやり取りのみに重点を置いたデートイベントは
シナリオイベントとは関連がないため、発生させなかったとしても、恋愛EDには何の影響も与えません。
だからシナリオイベントだけ進めると相手と恋愛をした覚えがほとんどないものだから
いきなり最後の告白シーンで甘い台詞を言われて違和感を覚えてしまうことになる。
基本的に親密度も攻略にはあまり関係しません。
親密度が低くても、他の条件さえ満たせばシナリオイベントは起こりますから
親しい感じのやり取りのシナリオイベントを見た後、休日のフリー移動で冷たい挨拶をされて、その落差に戸惑うことが少なくない。
それから一番気になったのが、作りこみが非常にいい加減なこと。
例えば、何か事件が起こったときに関わるか、無視するかの選択肢が出ます。
他のゲームならここで無視すればそのイベントは見なかったことになり、フラグが消滅しますが
ファンタ2だと普通に次のイベントが進行するんですね。
無視した選択をしたのに関わったことになってるんです。しかも一度や二度のことじゃない。
プレイヤーの意思・選択を無視してイベントを続行させるなら、いったい何のために選択肢を用意したんでしょう?
他にもイベント絵と立ち絵でキャラの服装が違う、国から出て行ったキャラが他キャラのイベント時に平然と登場する、
その週の教師に選択したキャラが、週の途中で怪我をして安静状態になった場合も
スケジュール選択画面に戻ることがないまま普通に育成が進行し、スキルイベントでのんきに主人公と話す…などなど。
こういう作りこみのいい加減さのせいで、せっかく話が盛り上がっても、ふと現実に帰って醒めてしまうことが少なからずありました。
システムに関してもとても不親切です。
機能と呼べるものはバックログぐらいなもので、メッセージスキップすら備わっていません。
その上○ボタンでしかメッセージ送りが出来ないため、突然選択肢が現れたときに選択肢を押し間違えることが結構あったりします。
せめて、×ボタンでもメッセージ送りが出来るとか、
選択肢が現れた際に1回十字キーなどを押す必要があれば、少しはプレイしやすくなったのでは。
また、セーブ&ロードが日曜の夜だけでソフトリセットもないため、途中でやり直したくなったときも
日曜の夜まで過ごすか、本体のリセットボタン押すか、どちらかしかない。
育成がサクサク進むなら週1回のセーブでもそれほど困らないんですが
その育成がすごくスローペースなため本当にイライラします。
もうね、これが本当に遅い。2段階の速さを調整出来るのに、全く意味がない。
育成が終わるまでテレビの前から離れ、戻ってみたらスキルイベントで止まってた…
なんてこともあるために、テレビ画面から離れて時間を潰すわけにもいかない。
それでも、序盤などシナリオイベントが頻繁に起きるときは
そのスローペースな育成も、イベントがクッションになってくれてあまり気にならないんですが、
友情EDや職業ED、メインEDなど最終月までプレイしなくてはいけないED狙いの場合、本当に辛いです。
あまりの単調さ、遅いテンポの育成が一気に負担になる.。
恋愛EDだけは、最終イベントを発生させれば即EDが迎えられる仕様で助かりました。
これで恋愛EDまでもが、最終月までプレイしなきゃ見られない作りだったら、本当にしんどかったですよ。
ここまで作りこみがいい加減でシステムが不備というのは、2003年発売のゲームだとは思えません。
これじゃグラフィックが綺麗でイベントが多いとか長所以外は10年前のゲームと変わらない。
というか、現に数年前発売した1の方より退化してる箇所がチラホラあるのはさすがにどうかと思います。
と、後半結構批判しましたが、それでも私はファンタ2とても楽しめたし
今までプレイした女主人公恋愛ゲームの中でも特別な作品であることは事実です。
似たような女主人公恋愛ゲームが多い中、ファンタ2は他の乙女ゲームにはない魅力があった。
恋愛ゲームというのは、好きなキャラとそれほど好きでもないキャラへの印象に差が出やすいんですが
ファンタ2ではそういうことがほとんどなかった。
好き嫌いで印象が左右されなかったんです。
キャラ同士が密接に関わってるために、印象の薄いキャラというのがいないんですよね。
ファンタ2以上に新しい魅力を持った乙女ゲームが出てくれたらいいなあ…と今はそれが楽しみです。2004年5月26日