<サボテンは人類より新しい?>

サボテンて、いつ頃この世界に登場したんでしょうね。
サボテンは南北アメリカ大陸にしか自然界では自生していません。
その他の大陸にあるサボテンは皆、人が持ち込んで増えたものなのです。
すなわち、アメリカ大陸とアフリカ大陸が分かれる以前には無かった事は間違いありません。
200万年前の地層からオプンチアに似た植物の化石が1〜2例出たという話があります。
オプンチアは実生すると最初は普通の木の芽ですし、断面を見ると維管束が体表に添って並んでいて、構造が一般の木々によく似ています。
更には一般の灌木にも負けない非常に頑丈な根を持っていますから砂漠でなくても生きて行ける筈で、その意味では歴史の古い植物かも知れず、もしかするとこれくらいの歴史を持っているのかも知れません。
でも、普通の玉型サボテンはどうなんでしょうね。
実生しても最初からまん丸ですからその歴史はかなり新しいに違いありません。
なお且つその多くはとても普通の灌木や雑草に太刀打ち出来るような頑丈な根を持っていませんから、周りから灌木類や強い雑草が殆ど消えてくれない事には生きて行き難い筈です。
南北アメリカ大陸に砂漠地帯が出現したのが数万年前と言われています。
砂漠気候になるまではこれらの玉サボテンが登場出来る舞台はないと思いますから、玉サボテンはアメリカ大陸の砂漠地帯の出現より後に登場したと考えるのが妥当ではないかと思います。
もしそうだとするとこれはすごいことです。
動物界で一番新しいと言われる人類が登場したのが約500万年前あたりだろうと言われていますから、玉サボテンは何とその1/10〜1/100の歴史しかない新生物と言うことになります。
恐竜が人間の歴史の10倍前あたりまで生きていたことを考えると、サボテンにとっては人間なんて恐竜並に古臭い生き物だと言う事になりそうですね。

玉サボテンは又、個体差が非常に大きいことでも知られています。
これはまさに歴史が新しい事の証明にはならないでしょうか。
すなわち、登場して歴史が浅いサボテン達はまだまだ自然交配によって固定化が進む途中の段階にいる生物で、彼らが個々に固定化した種類になるのにまだ数十万年とか数百万年の歳月が必要なのだと考えればこれは納得が行くような気がします。
逆に言えば、オプンチアが比較的固定化が良く進んでいるのは歴史の古さを証明しているのかも知れません。
だからサボテン趣味はあと数十万年ほど待ってからやるようにすれば、今のように分類に頭を悩ましたりする事はないのかも知れません。
でもそれまでは普通の人ではなかなか待てないし、それまで待っていたりしたら面白くない形質の品種ばかりが生き残って、人が好みそうな形質を持ったサボテンはいなくなっているかも知れません。
なぜなら、同じ品種でも刺が太いとか白点が濃いなどの個体はそれを出すための体の負担が大きく、概して体や根が弱くて淘汰されやすい体質を持っているからです。
だからこそ、今の時代に一部の物好きな人間をサボテン趣味の世界に登場させ、姿の良いサボテン達を固定化させてこの世に残させようと言う、これは実は神様の計略なんですなあ。
・・・てのは、半分冗談でして、(半分は本気か ((((((^_^;)

ま、もうあと10回くらい転生したら、サボテン趣味をもう一度おやりになってみてはどうでしょうか。
その頃には反重力式の空中移動車に乗ってあらゆる地域のサボテン原産地に10分ほどで出かけ、自然界に生えているサボテン達を間近に観察することが出来るでしょう。
一方では園芸の世界では遺伝子園芸によってサボテンは個体差の中から抽出した色々な形質遺伝子の固定によって、過去に生存したであろう、あらゆるタイプの種が揃った数万種類の大世帯になっており、栽培に特に工夫を凝らなくても自動栽培室が趣味家の好みに応じた出来具合でサボテン達を機嫌良く美しく育ててくれている事でしょう。

とまあ、この話が事実になるかどうか、どなたかあと数万年ほどしたら検証してみてくださいv(^-^;)