2004年10月の第13回サボテン多肉植物大銘品展参加記


10月31日埼玉県羽生市の羽生市民プラザで開催された、第13回サボテン多肉植物大銘品展に行ってきました。
今回は仙太郎は主催者となる埼玉サボテンクラブの会員として、事前のお手伝いも要望されていましたので、この日は朝早く家を出て、開場の2時間前には会場にいました。
この展示会は今や全国規模的なものだそうで、遠く関西や静岡、新潟方面からも多くの同好の士が詰めかけて来られます。
協賛の専門業者の出店も多数並び、競り大会では遠く中国からも参加された人までいて、大いに盛り上がりました。


写真1.
展示会場の風景1
これはまだ開催前の会場準備中のスナップですが、開館後では人が多くて良い写真が撮れなかったので、開会前の写真を使ってあります。


写真2.
展示会場の風景2
これも同じく準備時間中のスナップ。
開会ぎりぎりで持ち込まれた作品も多数ありましたから、開会後は展示がもう少し多くなって、棚のスペースががぎりぎりの状態になった部門がたくさんありました。


写真3.
ものすごい大きさの亀甲牡丹。
20センチ位あると思うのですが、これだけ巨大化すると仔吹きをするようで、成長点付近に仔を吹いています。
てっきり数十年の歴史があるのかと思ったら、作者によると平成の実生なんだそうです。
現代の名人の牡丹類の栽培技術には驚嘆します。


写真4.
すばらしい出来映えの多花玉。
今回多花玉は激戦で、同じような株が3株出ていました。
どれも根本が赤い黄刺のいわゆる古来型と言われてきた多花玉で、多花玉類の中では一番見栄えのするタイプです。
全体の雰囲気からすると、昭和時代のモンビレーの輸入球から派生してきたタイプのように思えます。
いつかは仙太郎の小さなフレームといえども、こんな多花玉を置いてみたいものです。
ちなみに今回のギムノ部門の金賞は多花玉でしたが、写真の球はその作品ではなく、もっと刺の豪壮な作品の方が受賞しました。如何に多花玉同士が激戦であったかが分かるでしょう。


写真5.
刺の素晴らしい天平丸。
信州のこの方の刺物ギムノは定評があるのですが、今回も素晴らしい天平丸を出展されて、見事に特別賞を受賞しておられました。
展示品の中でも皆が一様に注目していた、今回の人気株の一つでした。
(写真1.で左の隅で来場者が覗き込んでいる株がこの株です)
近々、種子を採ってこのタイプの天平丸の繁殖を目指したいと言っておられましたから、将来が楽しみです。


写真6.
ギムノの羅星丸の群生株。
羅星丸もこれだけまとまりの良い群生株にするのはかなりの腕前と思いました。
普通はすぐにばらけてしまいますから、このような姿にはなかなか出来ないのです。
でもこのような地味で小型の普及種が品評会で認められることはまだまだ少ないようで、この株もこれだけの出来映えで今回も受賞対象にはなっていませんでした。
ギムノ部門はいつも品評会の四天王(光琳玉、天平丸、魔天竜、多花玉)が賞をさらって行ってしまう傾向があるんですね。だからどこの温室にもこの四天王ギムノだけが残っていく。
このような普及種が認められ、賞を取るようになれば展示品の偏りもかなり是正されて行くような気がするんですが。


写真7.
素晴らしい出来映えの金冠竜。
これも信州からの出展でしょうか。よくぞこれだけ途中の刺落ちや歪みもなく、背も伸びず(金冠竜は普通は長球形に育ってしまうものです)美しく育て上げられたものだと驚きの他はありません。
金冠竜はこれまでずいぶん見て来ましたが、これほどのものは殆ど見たことがありません。
おそらく朝から夕方までたっぷり日を浴びる環境で育てられたのでしょうか。
都会の日陰ばかりの環境では及びもつかない事です。
仙太郎の気持ちの中では今回の刺物部門の金賞。


写真8.
ギムノの斗鷲玉または猛鷲玉。
かつて昭和30年代に原産地球で入って来たことがある原産地球の斗鷲玉に瓜二つの、そしてその荒々しさにおいても一歩も引けを取らない、素晴らしい刺を出している斗鷲玉がいました。
まさに仙太郎がイメージする斗鷲玉の姿そのものですが、本当に久々にこのような典型的なタイプを見ました。
最近は守金魔天という特殊なタイプばかり見せられて辟易していたのですが、このような古典もしっかり残されているのだと知って嬉しくなりました。
更に刺の荒々しい猛鷲玉という品種があったのですが、こちらは今では全く見ることがありません。
尤も国内球の場合は輸入球よりも一般に刺が細ることを考えれば、この球を猛鷲玉としても良いのかも知れません。


写真9.
アリオカープスの三角牡丹の巨大球。
参考出品のコーナーにあったので、以前どこかで賞を取った作品のようです。
それにしてもこの株も素晴らしい。花が頂部以外に、刺座の間からも咲いているのもすごいです。


写真10.
競り苗のスナップ。
今回も非常にたくさんお競り苗が用意され、3人のあんこが交代で特急でさばいても夕方の5時近くまでかかってしまうと言う、大変な盛況ぶりでした。
かなりの高値がついて拍手を浴びた苗もあった反面、数が多過ぎたせいか、変に安い苗もたくさん出ました。お陰で仙太郎も思いの外良い苗を安く手に入れることが出来たりしました。
落札者も遠く中国から駆けつけて来られた人まで居て、日本語の数字が言えないのか、指をたてて無言で競りに参加して居られましたが、それをしっかり見て対応してあげているあんこの皆さんも親切で大変好ましい光景でした。そして数十本の苗を落札して、それらを全て会場で鉢から抜いて段ボールに詰め込んで背負って帰るという、実にあわただしい光景が展開されていました。(私の目の前に座っておられたので、つぶさに観察していたのですf(^-^;)


写真11.
出店の業者もいっぱい並んで、空いた時間を利用して楽しい買い物をすることが出来ました。
業者さんが持ち込んで来る苗を見ることで、最近の流行や新入荷品の動向が見えてきます。
去年はB型の天平丸と、アリゾナ州の太平丸の原産地球が色々並んでいましたが、今回は30年ぶりに原産地球のコピアポアのコルムナアルバ(弧竜丸)がたくさん並んでいるのを見ました。
ただし買うことは叶わなかったのですが、なぜなら、今はCITESの許可証付きで非常な手間とコストをかけて入って来ますから、値段が昭和の頃の10倍もするのです。