2004年6月の兜狂会例会参加記
2004年6月6日に埼玉県の寄居で開催された兜狂会の10年ぶりとか言われる例会に参加しました。
車以外は交通の便があまり良くない場所にも関わらず、大勢の兜好きが集まって、遠くは宝塚の村主さんもわざわざ駆けつけて来られて盛況でした。
滅多に見られない珍しいタイプの兜を色々見ることが出来ましたし、村主さんによる兜原産地の自生の様子、アンドリュー氏による有星類の新種発見の報告など、大変楽しい例会となりました。
写真1.
まずは狂会会長の岩田さんの挨拶と、兜に対する思い入れのお話しです。
それにしても、兜を実生二十数年でこんな大きさにしてしまう腕前はすごいなあと思いました。
仙太郎なんて、竜神木接ぎでさえ、13センチ前後に育てるのに何度もこじらせながら三十数年もかかったんですよ。
(もっとも兜に限らず、サボテンはゆっくり生長させると長生きの傾向はあるようで、兜でもゆっくり育てると50年程度の寿命はあるような気がするのですが)
写真2.
ずらりと展示された兜の群像−1
一つ一つがかなりの個性を持っていて、見飽きない展示でした。
写真3.
ずらりと展示された兜の群像−2
30年ほど前の輸入球が全盛だった時代とは様変わりで、兜はみな、とにかく白点が目立つ、美しい姿になりました。
まさに園芸的な品種改良の賜物と言えます。
写真4.
岩田会長の思い入れの兜
25センチほどでしたか、スイカ顔負けの大きさですが、兜もこんな大きさになるんですね。
生頂点が停止して来て、さすがにもうそろそろ寿命のようですが、すごい姿になるもんです。
写真5.
これは今では貴重な、原産地球の血を濃く残していると言う、カイエス兜と呼ばれる個体だそうです。
村主さんが展示のために宝塚からわざわざ送って下さったものです。
現在の兜は近親結婚が進んでしまい、矮性化すると共に非常に虚弱化してきているそうなんですが、このような原種の血が濃い兜を使って再度鍛え直さなければならないと言われているんだそうです。
それにしても、原種に近いのにこの白点の密度の濃さ。まさに特別な選別品と言える銘球です。
帰路は再度荷で送るのもおそれ多いため、仙太郎が関西に行く際にお預かりして、VIP待遇で車でお送り申し上げました。
写真6.
岩田会長が想い出を語っていた大きな兜。
これも20センチを越える巨大球ですが、美しさを良く保っている元気な球です。
それにしても途中での成長ひずみも汚れも一切なく、育て方が本当に上手だなあ。
写真7.
ミラクル系の兜。
かつて竹尾園芸場に入った原産地球の親球写真を見ると分かるように、ミラクル兜は大きめの白点が肌にべったりと薄く貼り付く独特の姿をしており、白点が毛羽立つ傾向のあるスーパー兜とは見た目が異なるようです。
この兜はそのべったりと薄く白点が貼り付く姿を比較的良く再現しているように見えます。
それにしても、未だに仙太郎はミラクル兜の特徴は良く判別出来ません。
写真8.
村主さんによって、兜の原産地での自生状況のお話がありました。
川の上流から下流に行くに従って、兜はその進化の過程を良く表しており、スーパー兜やミラクル兜はその最も下流地域で発見されているため、おそらく兜の最終的な姿の一つなのだろうと言うお話しは大変に興味深いものでした。
また、花が底紅種の中では兜だけが白鸞鳳玉と交配出来る理由についてのお話も興味深いものでした。
写真9.
まるでアガベ牡丹かニンジンみたいな不思議な姿に底紅の有星類の花を咲かせる不思議な有星類が最近発見されました。
写真の右の方がスライドを使ってその報告をして下さったアンドリュー氏です。
この写真はその著書を村主さんにプレゼントしておられる場面。
写真10.
最後は楽しい競り会です。
岩田さんご自慢の色々な銘品がいっぱい登場して、それも結構安くどんどん落札して下さいましたから、兜ファンにはたまらないひとときだったでしょう。
仙太郎は岩田さんをいつでも訪問出来ますから、この日は遠路の方に全てお持ち帰りいただくのが良いと思って、安くてヨダレが出ましたが、競り苗は一つも持ち帰りませんでした。
また出来れば来年、例会をやりましょうと言うことで最後が締めくくられました。