2002年12月の戸澤さん訪問記


12月の終わりに横川さんの温室を訪問した際に、埼玉サボテンクラブ会長さんの戸澤さんの温室も訪問しました。
なぜなら、横川さんの温室と戸澤さんの温室は同じ所に並んでいたからです。
横川さんの温室は大型のものが1本ですが、戸澤さんは同じ大型温室を3本と、ご自宅にも3本の温室を持って居られ、規模としてはかなり大きいものです。
収集の対象が極めて巾広く、一般の人が見ても飽きない温室という雰囲気がありました。
温室だけでなく、ご自宅のお座敷に上げて歓迎して下さって、これには大いに恐縮してしまいました。


写真1.
鳥羽玉の群像
ご自宅の温室の1本目に入ってまず度肝を抜かれたのが鳥羽玉の群像でした。
これほどの規模の烏羽玉群像はかつてのシャボテン社と、加須の寺町さん以来です。
仙太郎は鳥羽玉も好きなのですが、実に色々なタイプがあるものですね。
特に手前のオバケ銀冠玉?の単体の大きさにはびっくりしました。


写真2.
刺もの?の群像
ご覧のように様々な種族のサボテンが一緒に同居しており、雑居温室の様相を呈していて掘り出し物を探し回る楽しみがある温室になっています。
こんな所にこんなものがある・・・なんて具合に楽しめてしまったりします。


写真3.
ギムノのミラレシーと思われる天賜玉系のギムノが沢山並んでいました。
戸澤さんはゼガラエかも知れないと言っておられましたが、このタイプは鑑賞価値が高いのですが、今ひとつ良く分からない個体群です。
鳥羽玉やツルビニが混じっていたり、刺ものが居たりで、種類毎に居場所が決まっている温室が多い中ではいまや珍しい並べ方でしょう。


写真4.
多肉植物の群像
臥象の一群でしょうか。なかなかタイプの良いギムノの海王丸が混じっていたりします。


写真5.
ツルビニカルプス/アロンソイの大球
仙太郎がサボテンを中断している間に新しく紹介されたサボテンの一つにアロンソイというものがあります。
ストロンボカクタスの菊水と、帝冠と、牙城丸の中間のような顔つきですが、この株に出会うまでは今ひとつのサボテンだなあと思っていたのですが、この株に出会ってその見方が一変してしまいました。
大きくなると実に風格と味のあるサボテンだったのですね。


写真6.
緋牡丹錦の大球
盛りを過ぎて形が崩れはじめているんだそうですが、なかなかどうして、まだまだ斑のバランスが一級品で、非常に素晴らしい緋牡丹錦です。
仙太郎が理想とする緋牡丹錦の一つですね。


写真7.
ギムノカリキウム/活火山
戦後紹介された紅蛇丸系の活火山は、戦後ギムノの中でもなかなかの役者ではないかと思います。
去年の銘品交換会で競りに出され、仙太郎がピンぼけ写真を撮ってしまったあの個体がここにいました。
ご覧のように大球性で偏球形を保ち、刺が密生して非常に見栄えのする素晴らしいギムノだと思います。


写真8.
アガベ/王妃笹の雪の斑
通称を「ピンキー」と言うのだそうです。
王妃笹の雪は仔吹きしませんから、芯止めなどで強制的に仔を吹かせないと繁殖することが出来ず、青物の王妃笹の雪も安いものではありませんが、それが斑となれば品薄は目に見えています。
初めて見たのが昭和40年代に西宮市苦楽園の江隈さんの温室だったと思いますから古くからあるものだろうと思うのですが、繁殖の困難さから今でも大変高価なもののようです。
仙太郎の元には当分来るはずもないので、じっくり拝んで参りましたf(^-^;)


写真9.
ギムノカリキウム/羅星丸
散々に駄物扱いにされて今や殆ど見なくなってしまったこんなギムノまで大切にされているのを見るとほっとします。
まだ寒さ厳しい早春のうちから温室を花で彩ってくれる可愛いギムノで、仙太郎が稚竜玉などと並んで大好きなギムノの一つなのですが、こんなところで大切にされているのを見るのは本当に嬉しいものです。


写真10.
繁殖用温室?の内部
大型の3本の温室の内部は全てこの状態。
市内の農協の即売会などに出すための苗らしいのですが、それにしても業者も真っ青の品数でさぞかし手入れも大変だろうと思います。
ここは苗の中身も我らサボテンマニア向けと言うよりは、一般の人に向けた品種で構成されていました。


写真11.
極太刺の光琳玉
去年の秋の銘品展に村主さんが出展された極太刺の光琳玉に一歩も引けを取らない光琳玉がここにもいました。
刺が太過ぎてかえって写真にすると小球に見えてしまうんですが、これでも大きさは14センチほどあります。
こんなのをなんとか繁殖に成功させて、多くの趣味人が持てるようになると光琳玉の評価もまた一段と高まるのでしょうけどね。


写真10.
ペンタカンツム錦
・・・と、言うんでしょうか。聖姿丸という和名があるようなんですが、それがペンタカンツムと同じものかどうかを知らないので、ここではペンタカンツムとしておきます。
ペンタカンツムと言いながら、このように大球になると稜が5稜以上に増えるようです。
散り斑の極上斑ながら、15センチ前後ある巨大球です。