2001年初夏の寺町さん訪問記


2001年の6月に今度は和45年の江隈さん以来30年ぶりに趣味家の温室を尋ねました。
場所は埼玉県の加須市にある寺町さんの温室です。
まず昔と違うなあと思った事の第1番目は温室がガラス温室ではないこと。これは後で他の殆どの趣味家もガラス温室でないことを知りましたが、この点は昔と非常に違うところでした。
ビニールは寿命が1年しかありませんから、これを毎年全部張り替えるとなるとコストが馬鹿にならなかったものですが、今では非常に安くなったようなので、これが理由としては大きいんでしょうね。
次に牡丹類が驚くほど普及していること。原産地球でしか大きな牡丹類を見たことの無かった仙太郎にはこれは大きな驚きでした。栽培のコツが分かって、内地でも充分大球を育成出来るようになったのだそうです。
現在は有星類の兜が非常に人気があることもここで初めて知りましたが、昔の兜に比べると白点が大きくて実に見栄えがするんですね。
その他にも昔はあまり見ることの出来なかったサボテンがずらっと並んでいるのを見て、時の経つのも忘れてしまいました。
逆に昔は沢山あったギムノ類が非常に少なく、これは寺町さんの趣向なのかなと思っていましたが、後になって、どこでもその傾向だと言う事を知って驚きました。


写真 1
エピテランタやマミラリアの大群生群
これには驚いた。こんなの一体幾らになるんだろうと思いましたが、どうも寺町さんはこのような群生株作りの第一人者のようで、思いの外安い値段だったのにはビックリしました。昔は温室のシンボルとして、清水の舞台から飛び降りる気持ちでエイヤッと買ったものなんです。
いつか温室を持ってこんなの5〜6株置きたいよお(f_f;)"


写真2
ロフォフォラの群生
仙太郎がサボテンから離れる頃はまだワシントン条約なんてものはなくて、輸入球のサボテンが幾らでも入って来ていた時期にこの鳥羽玉類だけは入って来なくなっていました。体内に含まれるアルカロイドという麻薬成分が問題になったらしいんです。ですから今、再びこれだけずらっと並んでいるのを見ると何だか嬉しくなってしまいます。おまけに当時とは比べものにならない位綿毛が豊富です。全て国内生まれのようですが、やはり鳥羽玉類は独特の雰囲気を持っていて良いですよv(^-^)


写真3
兜群像
当時でも比較的高価だった兜がこれだけずらっと並んでいるのなんて見たことありませんでしたし、白点の大きさとと肌の白さには驚きました。それにスーパー兜とかミラクル兜なんて、かつては聞いたこともないものまで居ました。何でも輸入球から分離改良されたものなんだそうです。
他が皆安くなっている今の時代にあって、この兜だけは高いものがまだ存在するようなんです。要はそれだけ需要があって、集めている人が多いって事なんですが、この顔かたちであれば当然でしょうね。
これまで兜はあまり置いたことがなかった仙太郎もこの出来映えには久々に何本か買ってしまいました。


写真4
三角牡丹の原産地球
牡丹類がずらっと並んでいるのには本当に驚きました。それもなんと殆どが国内産なんだそうです。牡丹類は成長が絶望的に遅いから、標本球が欲しかったら輸入球しかないと言われた時代は何だったんでしょう。
どうにも不思議で寺町さんにお聞きしたら、どうやら当時言われていたのとは全てが逆の性質だったようです。夏は高温、湿度は高くだそうですが、そんなサボテンをカンカラカンに管理すれば育たないのは当然ですね。
これはれっきとした三角牡丹の原産地球の作り込みです。こんな大きくて姿形の良い三角牡丹は昔も見た記憶がなかったですからしばし見とれてしまいました。


写真5
燻光殿の開花
こんな時期なのに美しい花を咲かせていました。刺先が褐色ですから、燻光殿の方だろうと思います。
(刺先の赤い種類を麗光殿と言います)
こういうのって、温室のシンボルになります。