40 猛鷲玉
Gymnocalycium nidulans Backbg.
標本となる球がないので簡単に解説するにとどめるが、斗鷲玉の名前で売られた原産地球の中に、刺が全部上向きに反り返って出るものがあり、Backeberg1)
の写真等と見比べて Gym. nidulans
ではないかと言われたものがあった。
おそらくそれと同じものと考えられるのが竜胆寺2)によって紹介されているので参考とされたい。
殆ど斗鷲玉に似ているが、縁刺も中刺も上向きに、比較的整然と出るものと見てよいであろう。
伊藤3)の解説及びさし絵は猛鷲玉という名前にあまりそぐわないような刺の短いものである。
花についての記載も、伊藤3)は竜頭の花に似た淡桃色のものと記しているが、Backeberg1)
によると花首は短く、鐘状から漏斗状と少し違っている。
参考文献
1) Backeberg;Die Cactaceae ,V,1768,(1959)
2) 竜胆寺 雄;カクタス研究 ,47,2,(口絵写真)(1965年7月号)
3) 伊藤芳夫;サボテン図説,p185,(1957)
41 若武者
Gymnocalycium rhodantherum Bod.
魔天竜に良く似たものに若武者がある。魔天竜の変種
G. mazanense var. rhodantherum として扱われたこともある。
Backeberg1)は写真一葉を載せ、「andereae
から送られた G. rhodantherum であるが、G. guanchinense
ではなかろうか」と記している以外、本文には本種の解説はのせていない。写真だけ見ると刺は少し曲がりくねっているが全く魔天竜によく似ている。
伊藤2)も原種魔天竜と殆ど見分けがつかないとしている。
参考文献
1) Backeberg;Die Cactaceae ,V,1768,(1959)
2) 伊藤芳夫;サボテン図説,p184,(1957)