25 剣魔玉
Gymnocalycium castellanosii Backbg
写真の球の栽培者 大阪市 山名利三郎 氏 径約12cm


長球形、単幹で、光沢のないビロード状の青緑色の肌、径10cm前後で高さ15cmになる。稜は低く10〜12稜、アレオレの下には丸いコブがある。アレオレはやや大きく、だ円形で、黄味を帯びた白い綿毛がある。頂点はより綿毛が多く、生長点には棘はない。
棘は白色で先端は暗色 1),2)といわれているが、粉をふいたような白色である。長さは2.5cm位。側刺5〜7本、中棘1本、この中棘はしばしば欠けている。針状で真直か少しカーブしている。
花は径4.5cm、花筒の短い鐘状、白色でピンク色がさしている 1)。雄しべの付根より下はより濃いピンク色である。花糸、花柱、柱頭は淡桃色 3)。花実は多少丸く、緑色でいくらか霜をふく 2)。
産地 北アルゼンチン。(採集地不詳)2)
写真の球は本年6月輸入球を求めたものであるが、発根も早く、しかも多花性らしく1ヶ月後には次々と開花している。中棘の欠けたものも多数見て来たが、端正な美しさを持っている。花の色も大抵は白で花底に行く程ピンクを帯びているものであるが、中には黄緑色がかっているものもあった。
本種は戦前に渡来していた様であるが、標本球は残っていなかった。今回の大量入荷で相当行き渡ったのは喜ばしい。又米国から実生苗も入った。これは白色棘で今のところ王冠玉の実生苗に似ている。

参考文献
1)J.Borg;Cacti,P300,(1951)
2)Backeberg;Die Cactaceae,V,1762(1959)
3)伊藤芳夫;サボテン図説,p187,(1957)