6B快竜丸B型(別名:怪竜丸)
Gymnocalyciumu bodenbenderianum Berg.TypeB
写真の球の栽培者 布施市 石橋一男氏
「兜に刺をつけたら・・・」と言うのがマニアの一つの夢であったが、4年ほど前、G.bodenbendereianumとして輸入された球に丁度そのイメージにぴったり合ったものがあり、写真も発表され1)、又怪竜丸と命名されて、従来の快竜丸と区別され人気を博した2)。
昨年の原産地輸入球の中にもそれに近いものもあったが、少し刺が大きく浮いていた。フライレアの士童なども刺のある兜として有名になったものであるが、現在では現物に接し得ない。
このB型はA型に比べて球体は偏円で、やや円錐状を呈し、頂点はわずかにくぼむだけである。肌色は紫褐色でやや白粉を帯び、半陰で栽培すると緑がかってくる。稜は非常に低くわずかに丸みを持っているが、只稜線が切れ込んでいるだけと言ったタイプもある。刺点は少しへこんでいて、アレオレの綿毛は小さく、すぐに脱落する。3本(時に4本か5本)の針状の短刺がT字型に出る。A型と違って肌にピタリとついていて殆ど浮かない。刺の基部は黒色で先の方は褐色、次第に灰褐色となる。
花は5〜6月頃、花長5cm、径3.5cmの割合大きい花で、花弁はやや細く、外弁は丸弁、内側は剣弁で弁数24〜30、白色で底紅、外弁に紫褐色の中筋がある。
花筒は棍棒状、肌色に似て紫褐色で白粉を帯び、鱗片はうすいピンク色でふち取りされている。花粉はクリーム色、花糸は黄緑色、柱頭は黄白色で16裂、種は小さく、赤みがかっていてオワン型、1果中に種子数は多い。
先のA型と比べてみると全く別物のようであるが、学名では一緒に扱っている。
外国文献を見てもこのタイプの記載は見当たらなかったが、輸入の折りはこの学名で入っているらしい。
産地 アルゼンチン、コルドバ州 (山名利三郎)
参考文献
1)賀来得四郎;シャボテン、18、13 (1958,July)
山名利三郎;ibid. 36、28 (1962,Jun.)
2)シャボテン社代理部リスト No,14 (1959) P3