大祥冠

仙太郎が大好きなコリファンタ属の一つに大祥冠があります。
コリファンタでは象牙丸やグリーン・ウッディと呼ばれる品種が人気ですが、仙太郎はそれよりも大祥冠の方がずっと好きです。
特に太平丸に一歩も引けを取らない原産地球のその風格には想い出があります。
当時、比較的高価だったにも関わらず、高校生の分際で１２センチばかりある原産地球を買って来て眺めていたものでした。
その姿形から刺の風情、白分を帯びたような青っぽい独特の肌の色。
初めの頃は、太平丸と同属の植物とばっかり思っていました。
ところが国内実生をすると概して小型化し、かつ大きくなると長球形になるものが多いようで、その意味では昔の天司丸によく似ています。
天司丸や象牙丸が大きな改良が加えられたのに比べ、大祥冠は優系分離を手がける人がだれも居なかったのでしょうか、今でも実生品は小型で長球形に育つものが多いようです。
いつかは大祥冠も優系分離が手がけられ、原産地球に頼らずとも大きさも姿形も太平丸に匹敵する固体が現れないものかと願っています。

＜ひとくち栽培メモ＞

その独特の肌色を保ちたいですから、象牙丸類よりも光線量の多い環境に置き、過湿には弱いですから、水は象牙丸類よりも控えておくこと。
決して象牙丸のように早く大きく育てようと考えないことが大切です。