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9. 2008年の中国の貿易

9-1-1.中国の品種別輸出

9-1-2. 中国の品種別輸入

9-2. 中国の国別輸出入

(国別編)

9―3―Jp 日本との貿易

9-3-Kr.中国の対韓国貿易

9-3-Tw.中国の対台湾貿易

9-3-Th.中国の対タイ貿易

9-3-My.中国の対マレーシア貿易

9-3-Id.中国の対インドネシア貿易

9-3-Ph.中国の対フィリピン貿易

9-3-In. 中国の対インド貿易

(中国の貿易全体)

9-1. 中国の品目別輸出入(全体)

9-1-0.概観

2008年の中国の輸出は1兆4,285億ドルと前年比17.2%であった。2007年の伸び率25.8%であったからやや鈍化した。輸入は1兆1,133億ドルと18.5%増になった。貿易収支の黒字幅は2,955億ドルと2007年の2,627億ドルを12.5%上回った。

しかし、中国に外貨が急速に溜まってきており、中国は世界的に資源獲得のための投資をおこない始めた。特に注力しているのはいままで先進国がどちらかというと敬遠してきたアフリカへの進出が活発である。ヘッジファンドへの出資は失敗であった。

その米国の金融機関がサブプライム・ローンのコゲツキ問題で「金融恐慌」に陥ってしまった。米国はブッシュ政権の「見せかけの繁栄」を住宅投資ブームで演出してきたのである。住宅、自動車、家電などほとんど全ての耐久消費財の需要が激減した。オバマ政権は迅速な対応策を次々打ち出しているが、その効果はすぐには出てこない。

中国の輸出が米国向けはヨーロッパ向けなど全面的に減退している。ただし、中国は今までの官民の蓄えと民間部門の自動車などへの潜在的な渇望が強く、またインフラ投資をおこなう余地があるので「内需刺激策」はそれなりの効果を発揮することは間違いない。中国であれインドであれひとたび目覚めさせられた民間の消費意欲が経済回復の起点になるであろう。



表、9-0中国の貿易収支(単位;100万ドル)

輸出 輸入 貿易黒字
1995 148,780 132,084 16,696
2000 249,203 225,094 24,109
2003 438,228 412,760 25,468
2004 593,326 561,229 32,097
2005 761,953 659,953 102,001
2006 968,978 791,461 177,508
2007 1,220,456
956,116
264,340
2008 1,430,693
1,132,446
298,247
前年比 +17.2% +18.4% +12.8%


9-1-1.中国の品種別輸出

2008年の輸出金額の伸び率は17.2%であった。2004年の35.4%、2005年の28.4%、2006年の27.2%、2007年の25.7%と毎年鈍化してきている。

輸出品目で最も多いのはXVI機械・電機で6,106億ドルでシェアが42.7%伸び率15.4%であった。次に多いのがXI.繊維であり792億ドルであるが、伸びは11.1%と07年の20.1%にくらべ鈍化してきた。構成比は12.5%である。この2品目で輸出の55.2%を占める。

XV.基礎金属は1,437億ドル(+24.4%)と繊維についで3番目である。輸出に占めるシエアーも10.1%となった。

そのうち、#72.鉄鋼は07年に58.91%と06年の66.6%に続く異常は伸びを示したが、08年にも534億ドル(+33.8%)と急増傾向が続いている。08年上期には8.2%しか伸びなかったが、下期に入り国内の需要低迷を反映して、いっせいに海外市場に向かったことを示している。

07年までは中国鉄鋼業の無政府的な投資が過剰設備を生み、その被害を海外の鉄鋼メーカーが受けるている。中国の鉄鋼製品は中低級品が主体であり、アルセロール・ミッタルと激しい競争を演じつつある。ミッタルが新日鉄を買収するかもしれないなどというバカ騒ぎは一体どうなったのであろうか?こうなることは最初から分かっていたはずである。

最近増加が著しい品目はXVII輸送機械(金額708億ドル、伸び率28.7%)、そのうちの87.自動車および部品(金額393億ドル、伸び率23.4.%)である。輸送機械の輸出では造船が急増しているものと思われる。

また、VII.化学品が689億ドル+34.72%と高い伸びを維持している。

また、光学・精密機械類(XVIII)は476億ドルで伸びが16.9%となった。08年上には37.2%と急増していたが下期にはブレーキがかかってきた。る。

意外なことに中国はV.鉱物製品・石油の輸出が364億ドル、+54.3%と急増している。これは石油精製設備の作りすぎで輸出を伸ばしたものと見られる。

表9-1-1.中国の品目別輸出(2008年)   (単位;100万ドル、%)

2007 08/1H 2008 07/06 08/1h 08/07
I 動物・同製品 7,397 3,921 8,474 3.9 14.6 14.6
II 植物製品 11,269 5,816 11,553 26.7 7.3 2.5
III 動植物油 327 312 595 -16.2 95.3 81.8
IV 飲料・タバコ 16,477 8,588 18,211 19.4 11.7 10.5
V 鉱物製品・石油 23,578 16,629 36,372 10.2 56.0 54.3
27 石油等 19,944 14,543 31,635 12.2 64.7 58.6
VI 化学製品 51,115 35,272 68,853 35.4 51.2 34.7
VII プラスチック・ゴム 36,523 19,440 41,138 23.2 11.9 12.6
VIII 皮革製品 16,367 8,127 18,124 6.4 8.3 10.7
IX 木製品 11,434 5,591 11,460 15.4 1.2 0.2
X 紙・パルプ 9,199 4,741 10,336 33.4 17.6 12.4
XI 繊維 165,821 79,241 179,239 20.1 11.1 8.1
XII 履物・傘 30,583 16,391 35,818 16.5 13.5 17.1
XIII 窯業製品 18,296 10,131 22,366 17.7 20.2 22.2
XIV 宝石類 8,121 4,098 8,469 17.8 -2.1 4.3
XV 基礎金属 115,526 63,519 143,735 35.4 9.8 24.4
72 鉄鋼 39,944 22,392 53,463 58.9 8.2 33.8
XVI 機械・電機 528,939 288,754 610,645 27.7 23.8 15.4
84 機械・部品 228,599 128,057 268,626 22.5 22.6 17.5
85 電機・部品 300,340 160,697 342,019 32.0 24.8 13.9
XVII 輸送機械 54,996 34,647 70,757 43.1 39.7 28.7
87 自動車・部品等 31,816 19,814 39,263 42.2 40.1 23.4
XVIII 光学・精密機械 40,727 23,671 47,621 14.3 37.2 16.9
XIX 武器 59 35 77 - - -
XX その他製造品 69,013 36,544 82,919 25.1 25.8 20.2
XXI 美術工芸品 75 30 75 - - -
XXII 分類不明 2,173 754 1,709 - - -
合計 1,218,015 666,251 1,428,546 25.7 21.9 17.3

同上、構成比(%)

07年 08/上 08年
I 動物・同製品 0.6 0.6 0.6
II 植物製品 0.9 0.9 0.8
III 動植物油 0.0 0.0 0.0
IV 飲料・タバコ 1.4 1.3 1.3
V 鉱物製品・石油 1.9 2.5 2.5
27 石油等 1.6 2.2 2.2
VI 化学製品 4.2 5.3 4.8
VII プラスチック・ゴム 3.0 2.9 2.9
VIII 皮革製品 1.3 1.2 1.3
IX 木製品 0.9 0.8 0.8
X 紙・パルプ 0.8 0.7 0.7
XI 繊維 13.6 11.9 12.5
XII 履物・傘 2.5 2.5 2.5
XIII 窯業製品 1.5 1.5 1.6
XIV 宝石類 0.7 0.6 0.6
XV 基礎金属 9.5 9.5 10.1
72 鉄鋼 3.3 3.4 3.7
XVI 機械・電機 43.4 43.3 42.7
84 機械・部品 18.8 19.2 18.8
85 電機・部品 24.7 24.1 23.9
XVII 輸送機械 4.5 5.2 5.0
87 自動車・部品等 2.6 3.0 2.7
XVIII 光学・精密機械 3.3 3.6 3.3
XIX 武器 0.0 0.0 0.0
XX その他製造品 5.7 5.5 5.8
XXI 美術工芸品 0.0 0.0 0.0
XXII 分類不明 0.2 0.1 0.1
合計 100.0 100.0 100.0


9-1-2. 中国の品種別輸入

中国の08年の輸入は1兆1331億ドルと前年比の伸び率は18.5%であり、2007年の伸び率30.7%を大幅に下回った。

最大の輸入品目はXVI.機械および電機の4,054億ドルであり、伸び率は6.6%で似すぎず、輸出の伸び率15.4%を大きく下回った。これは2005年から始まった傾向である。この品目だけの貿易収支の黒字は2,052億ドルに達した。中国の貿易黒字の69.5%をここで稼いでいる計算になる。

このことは中国内で機械・電子部品のメーカーが増えて、部品の自給率が高くなったということ意味する。その分周辺の「部品輸出」国は輸出が相対的に減るということになる。
特にマレーシア、タイ、フィリピンはその影響が近いうちに顕著に出てくるであろう。台湾、韓国でも電機部品輸出が鈍化しかねない。

同じことはXVII#87自動車部品にも起こっている。08年は輸出は393億ドルあり、輸入額は269億ドルでり、このアイテムの貿易収支は124億ドルの黒字である。「自動車および部品」も中国にとっての一大輸出品目になりつつある

V鉱物製品および石油の輸入額は2,617億ドル、伸び率61.6%である。鉄鉱石の輸入もこの中に含まれ、高い伸びを示した。#27石油は1,691億ドル、伸び率は61.2%である。中国の自動車の普及を反映したものである。

また、、パーム油などのIII動植物油の輸入は108億ドル、伸びが42.62%と高いが08/上の伸び率は93.2%と異常にに高かった。

XVIII光学器械の輸入は797億ドル、伸び率12.1%であるが、このアイテムの輸出金額は476億ドルであり、321億ドルの輸入超過である。これは中国の国内設備投資がなお活発であることを物語っている。

表9-1-2. 中国の品目別輸入(2008年)(単位;100万ドル、%)

2007 08/1上 2008 07/06 08/1上 08/07
I 動物・同製品 6,023 3,503 7,200 29.2 30.5 19.5
II 植物製品 15,053 12,465 26,314 37.1 94.3 74.8
III 動植物油 7,575 5,750 10,803 93.2 93.2 42.6
IV 飲料・タバコ 4,543 2,719 6,091 11.5 26.1 34.1
V 鉱物製品・石油 161,969 132,702 261,674 31.1 87.0 61.6
27 石油等 104,882 85,487 169,119 17.7 82.1 61.2
VI 化学製品 68,523 39,519 76,921 21.9 21.5 12.3
VII プラスチック・ゴム 54,911 30,748 60,762 18.7 19.1 10.7
VIII 皮革製品 6,865 3,375 6,794 9.4 -0.7 -1.0
IX 木製品 8,013 4,202 8,067 23.4 3.8 0.7
X 紙・パルプ 14,528 9,020 17,449 22.2 28.3 20.1
XI 繊維 25,376 12,818 24,935 -1.2 3.4 -1.7
XII 履物・傘 944 612 1,239 21.8 48.1 31.2
XIII 窯業製品 4,467 2,459 4,748 12.7 24.2 6.3
XIV 宝石類 6,257 3,734 7,536 35.6 29.5 20.4
XV 基礎金属 77,694 41,493 79,582 29.9 9.3 2.4
72 鉄鋼 23,019 12,121 24,535 14.9 5.3 6.6
XVI 機械・電機 381,048 197,495 405,397 16.1 14.7 6.4
84 機械・部品 124,218 68,223 138,866 13.8 17.7 11.8
85 電機・部品 256,830 129,272 266,531 17.3 13.2 3.8
XVII 輸送機械 35,014 19,516 39,827 17.8 24.1 13.7
87 自動車・部品等 22,130 14,053 26,942 29.8 42.8 21.7
XVIII 光学・精密機械 71,140 41,639 79,745 18.4 38.2 12.1
XIX 武器 2 1 3 - - -
XX その他製造品 3,399 1,718 3,556 40.3 16.4 4.6
XXI 美術工芸品 10 10 22 - - -
XXII 分類不明 2,463 2,052 4,419 - - -
合計 955,818 567,549 1,133,086 20.7 30.7 18.5


9-2. 中国の国別輸出入

9-2-1.中国の国別輸出
毎回お断りしているが、中国の貿易統計では米国向けが過小に表示されている。実は香港向けのほとんどが米国向けなのである。実態を知るには米国の貿易統計を参照するしかない。

08年の中国の輸出の伸び率は17.3%であるが、米国向けは8.6%(香港向けは3.4%)であり、伸び率としては既に5%程度に落ち込んでいた。(米国の通関統計からチェックできる)

日本向けは13.6%(07年=11.4%)は若干増えている。台湾向けは10.3%(07年13.1%)、08年下期は2.8%と伸び率は大幅ダウンである。

韓国向けは31.7%(07年=26.1%)と依然として高く、しかも下期は34.8%と以上に高い伸びを示した。
鉄鋼などの増加が目立ったが、詳細は国別品種別編で検討する。

また、ASEAN向けで5カ国平均で27.1%(07年=34.2%)と高い伸び率を示したが、08年下期では17.1%と鈍化傾向にある。ベトナムは08年上期は63.4%であったが下期では-0.9%と減少に展示、08年合計では27.1%とASEANの平均値と同じレベルになった。

今のところASEAN全体としては対中貿易は黒字であるが中国が工業製品の組み立て完成品(家電、オートバイなど)をASEAN諸国に売り、パーム油、天然ゴム、石炭(インドネシア)、などの1次産品が主体であり(フィリピン、マレーシアは半導体が多い)、ASEAN内部の中小・零細製造業はかなり打撃を受けている。そのためASEAN-中国のFTAに対する不満が既に出始めている。

下の輸入の表と見比べると一目瞭然だがASEAN側からみたら、中国からの輸出の伸び率が27.1%に対し、中国の輸入の輸出の伸び率は6..5%にとどまっている。一次産品の国際価格が下落すればこの傾向はさらに拍車がかかる。東アジア内部の自由貿易などといっても、既に大きな矛盾が出てきている。

インド向け31.2%(07年=64.7%)の伸びが目立つが、中国はインドに工業製品を輸出し、インドは中国に鉄鉱石など原材料を輸出するという構造になっている。

ロシア向けは15.96%(07年=79.9%)と07年の異常な伸びに比べ落ち着いてきた。

EU5カ国向けは平均17.02%と07年の30.4%に比べ落ち着いてきた。

また、アフリカなどその他地域への輸出も急増している。これらの国々では既に中小企業が育つ基盤が中国によって奪われつつあるといってよい。このままではアフリカ諸国は工業品は中国から輸入し、石油などの天然資源を輸出するという方氏で新たな植民地主義が生まれつつある。アフリカの貧困は「固定化」される危機にあるといってよい。

表、9-2-1.中国の国別輸出    (単位;100万ドル、%)

2007 08/上 08/下 2008 07/06 08/上 08/下 08/07
USA 232,704 116,793 136,005 252,798 14.4 8.9 8.4 8.6
Japan 102,071 55,171 60,964 116,134 11.4 15.0 12.7 13.8
S.Korea 56,141 33,759 40,191 73,951 26.1 28.3 34.8 31.7
Taiwan 23,458 13,085 12,793 25,878 13.1 18.8 2.8 10.3
H.Kong 184,432 90,651 100,092 190,743 18.7 8.1 -0.4 3.4
S'pore 29,638 14,852 17,448 32,300 27.8 10.0 8.1 9.0
NIEs4 293,669 152,347 170,524 322,872 20.4 13.1 7.3 9.9
Malaysia 17,691 10,058 11,317 21,375 30.7 30.4 13.4 20.8
Thailand 11,974 7,736 7,870 15,605 22.6 39.9 22.1 30.3
Indonesia 12,611 7,995 9,196 17,192 33.4 36.9 35.8 36.3
Philippine 7,500 4,308 4,769 9,078 30.7 26.4 16.6 21.0
Vietnam 11,901 8,452 6,669 15,122 59.4 63.4 -0.9 27.1
ASEAN5 61,678 38,549 39,822 78,372 34.2 39.4 17.1 27.1
India 24,016 15,636 15,864 31,500 64.7 52.6 15.2 31.2
E.Asia Ttl 481,435 261,703 287,174 548,877 21.6 18.6 10.1 14.0
Germany 48,718 26,822 32,352 59,174 20.8 26.7 17.4 21.5
France 20,326 11,193 12,111 23,304 46.1 25.2 6.4 14.7
U.K. 31,658 16,243 19,826 36,069 31.0 16.9 11.6 13.9
Italy 21,172 12,469 14,140 26,608 32.5 23.8 27.4 25.7
Netherland 41,413 21,602 24,308 45,910 34.2 22.9 2.0 10.9
EU5 163,288 88,329 102,736 191,066 30.4 23.2 12.1 17.0
Russia 28,488 14,249 18,756 33,005 79.9 32.6 5.7 15.9
Australia 17,993 10,155 12,083 22,238 32.1 35.2 15.3 23.6
Others 294,106 175,021 205,540 380,561 36.8 35.2 24.8 29.4
Export Ttl 1,218,015 666,251 762,295 1,428,546 25.7 21.8 13.6 17.3


9-2-2.中国の国別輸入

08年の中国の輸入の伸び率は18.5%(07年=20.7%)とやや鈍化したが、08年上期30.6%、下期8.5%と下期の鈍化が目立つ。これは特に東アジア、ASEAN諸国からの輸入が減っているためである。

韓国は08年上期+34.2%が下期は-9.9%であった。これで韓国経済そのものが大打撃を受けている。台湾は上期+24.1%、下期-14.%である。

マレーシアは上期++24.1%、下期+1.9%、タイは上期24.4%、下期4.0%、インドネシアは上期30.6%、下期1.4%、フィリピンは上期8.7%、下期-36.0%といずれも08年下期のタイ中国輸出が激減している。

ASEANと中国の「自由貿易」促進ムードは急速に崩れつつある。

日本も上期+19.8%が下期は+6.0%に鈍化した。しかし、金額ベースでみると、日本向け輸出(FOB)=1,1611億ドル、日本からの輸入(CIF)=1,507億ドル、差し引き346億ドルの日本側の黒字である。

米国の金融資本神話が崩壊し、あっという間に世界不況に突入し、1930年代の「大恐慌」の再現だなどと騒がれているが、回復のキッカケは中国やアジア諸国の「内需」ではないかといわれている。中国の1人当たりGDPが3,000ドルに達したといわれている。これが一昔前の300ドルだったら絶望的である。

中国の自動車売り上げの増加に世界の注目が集まっている。世界は確かに変わりつつある。

表、9-2-2.中国の国別輸入    (単位;100万ドル、%)

2007 08/上 08/下 2008 07/06 08/上 08/下 08/07
USA 69,379 41,517 39,923 81,440 17.2 24.6 10.7 17.4
Japan 133,951 74,436 76,215 150,651 15.8 19.9 6.0 12.5
S.Korea 103,757 56,737 55,425 112,162 15.6 34.2 -9.9 8.1
Taiwan 101,022 54,929 48,410 103,340 16.0 24.1 -14.7 2.3
H.Kong 12,816 6,348 6,576 12,923 18.7 9.6 -6.4 0.8
S'pore 17,519 10,151 9,984 20,135 -0.8 21.4 9.0 14.9
NIEs4 235,113 128,165 120,395 248,560 14.5 27.3 -10.4 5.7
Malaysia 28,707 15,913 16,181 32,094 21.7 24.1 1.9 11.8
Thailand 22,665 12,655 12,993 25,647 26.2 24.4 4.0 13.2
Indonesia 12,398 7,852 6,478 14,330 29.0 30.6 1.4 15.6
Philippine 23,116 11,431 8,070 19,502 30.8 8.7 -36.0 -15.6
Vietnam 3,216 2,067 2,276 4,343 29.4 38.5 32.0 35.0
ASEAN5 90,101 49,918 45,998 95,916 26.4 21.7 -6.3 6.5
India 14,631 13,371 6,909 20,281 42.3 92.4 -10.0 38.6
E.Asia Ttl 473,796 265,891 249,517 515,408 17.7 26.2 -5.2 8.8
Germany 45,393 27,329 28,506 55,835 19.8 35.1 13.3 23.0
France 13,342 7,067 8,573 15,640 18.3 26.8 10.4 17.2
U.K. 7,777 4,866 4,689 9,555 19.5 38.1 10.2 22.9
Italy 10,210 5,829 5,819 11,647 18.7 20.3 8.4 14.1
Netherland 4,928 2,731 2,569 5,301 35.0 16.4 -0.4 7.6
EU5 81,650 47,822 50,155 97,977 20.2 31.0 11.1 20.0
Russia 19,677 12,610 11,215 23,825 12.1 29.7 12.7 21.1
Australia 25,852 17,073 20,346 37,419 33.8 42.4 46.8 44.7
Others 285,464 182,635 194,381 377,016 26.9 38.0 27.0 32.1
Import Ttl 955,818 567,549 565,537 1,133,086 20.7 30.6 8.5 18.5




(国別編)

9―3―Jp 日本との貿易

中国の日本からの輸入は下表に見るごとく年々増加しており、2008年には前年12.5%(2007年=15..8%)と比較的高い伸びを示した。しかし、08/上は19.9%であったのに対し08/下は6.0%の伸びにとどまった。

対日輸出は08年は13.8%と2007年の11.4%をむしろ上回っている。

貿易収支は中国の345億ドルの赤字であるが、輸入をCIF(運賃、口銭込み)、輸出をFOB(船積みベースで見ているので、中国側の赤字はもっと少ないはずである。しかし、日本経済は対中輸出によって少なからず救われてきたことには変わりはない。

表9-3-Jp;最近の対日貿易収支(100万ドル)

2005 2006 2007 2008/上 2008
輸出(FOB) 83,992 91,639 102,071 55,171 116,134
対前年比 14.2% 9.1% 11.4% 15.0% 13.8%
輸入(CIF) 100,452 115,717 133,951 74,436 150,651
対前年比 6.4% 15.2% 15.8% 19.9% 12.5%
貿易収支 -16,460 -24,078 -31,880 -19,265 -34,517


(中国の対日輸出)

中国からの対日輸出がもっとも多いのはXVI機械・電機で08年の金額は417億ドル、伸び率は14.5%である。上期は17.8%伸びたが、下期は11.5%と伸びは鈍っている。構成比は35.92%である。

このアイテムの日本からの輸入は715億ドルであり、ここだけで中国は298億ドルの貿易赤字という計算になる。

ついで金額が多いのがXI繊維であり08年の輸出実績は207億ドルで、電器・機械の約半分である。伸び率は8.0%と07年の4.3%を上回っている。中国製の衣類は近年質が向上してきており、価格も安いことから良く売れている。構成比は17.8%を占めているが、年々低下している。逆に、日本からの繊維の輸出は36億ドルに過ぎない。日本は171億ドルも繊維の輸入超過になっており、日本国内の繊維産業は壊滅的痛手を蒙っている。その対策が日本政府にはほとんど皆無であった。

伸び率で高いのはⅤ鉱物製品・石油で実に68.0%の伸びを示している。金額的には54億ドルで全体に占めるシェアは4.6%であるが、2007年の3.1%よりも急増している。

VI化学製品の伸びは24.08%(2007年=28.0%)と高い。金額は70億ドルで全体の6.0%のシェアを占める。肥料や農薬などが多い。

#72鉄鋼は50.7%(2007年=51.9%)と日本向けの輸出が増えている。しかし、金額は28億ドルに過ぎず、日本からの鉄鋼輸入85億ドル(伸び率20.6%)に比べ特に問題になる規模ではない。中国の鉄鋼の対日輸出は建材などの一般品であり、日本の鉄鋼輸出は自動車用・電機用などの高級鋼材が主体である。しかし、日本の国内市場価格に及ぼす影響は無視できない。韓国、台湾へも中国製鋼材が流入しており、その影響で韓国、台湾から安い鋼材が日本に入ってきている。

I~IIIまでの飲食物の対日輸出はほとんど伸びていない。

表9-3-Jp-Exp;対日輸出         (単位;100万ドル、%)

2007 08/1H 08/2H 2008 07/06 08/1h 08/2h 08/07
I 動物・同製品 1,310 628 785 1,413 -8.3 1.1 13.9 7.8
II 植物製品 1,942 912 843 1,755 0.7 -7.6 -11.7 -9.6
III 動植物油 33 20 39 59 -16.7 -0.8 200.5 77.9
IV 飲料・タバコ 4,934 2,047 2,299 4,346 4.7 -16.7 -7.1 -11.9
V 鉱物製品・石油 3,205 2,506 2,879 5,386 3.2 90.2 52.6 68.0
VI 化学製品 5,643 3,319 3,678 6,997 28.0 26.8 21.5 24.0
VII プラスチック・ゴム 2,710 1,446 1,582 3,029 12.7 11.0 12.5 11.8
VIII 皮革製品 1,482 739 857 1,595 8.1 8.3 7.2 7.7
IX 木製品 1,564 743 770 1,513 -3.2 -12.9 8.3 -3.2
X 紙・パルプ 643 338 415 753 8.6 13.5 20.4 17.2
XI 繊維 19,179 9,086 11,628 20,715 4.3 6.8 9.0 8.0
XII 履物・傘 2,166 1,187 1,377 2,564 14.1 15.6 20.9 18.4
XIII 窯業製品 1,408 805 834 1,639 3.2 19.7 13.4 16.4
XIV 宝石類 108 59 61 120 15.1 10.1 12.1 11.1
XV 基礎金属 6,991 4,040 4,300 8,340 13.0 14.0 24.7 19.3
72 鉄鋼 1,858 1,308 1,492 2,800 51.9 37.6 64.4 50.7
XVI 機械・電機 36,389 20,512 21,164 41,676 17.7 17.8 11.5 14.5
84 機械・部品 17,239 9,877 9,940 19,817 15.5 14.8 15.1 15.0
85 電機・部品 19,150 10,635 11,224 21,859 19.7 20.7 8.6 14.1
XVII 輸送機械 3,691 2,028 1,914 3,941 25.3 10.3 3.3 6.8
XVIII 光学・精密機械 3,468 1,882 1,995 3,877 -17.5 20.8 4.4 11.8
XIX 武器 0 0 0 0 - - - -
XX その他製造品 4,519 2,524 3,059 5,582 29.5 31.7 17.5 23.5
XXI 美術工芸品 1 1 1 2 - - - -
XXII 分類不明 685 349 483 832 - - - -
合計 102,071 55,171 60,963 116,134 11.4 15.0 12.7 13.8

同上構成比(%)

2007 08/上 08/下 2008
I 動物・同製品 1.3 1.1 1.3 1.2
II 植物製品 1.9 1.7 1.4 1.5
IV 飲料・タバコ 4.8 3.7 3.8 3.7
V 鉱物製品・石油 3.1 4.5 4.7 4.6
VI 化学製品 5.5 6.0 6.0 6.0
VII プラスチック・ゴム 2.7 2.6 2.6 2.6
VIII 皮革製品 1.5 1.3 1.4 1.4
IX 木製品 1.5 1.3 1.3 1.3
X 紙・パルプ 0.6 0.6 0.7 0.6
XI 繊維 18.8 16.5 19.1 17.8
XII 履物・傘 2.1 2.2 2.3 2.2
XIII 窯業製品 1.4 1.5 1.4 1.4
XV 基礎金属 6.8 7.3 7.1 7.2
72 鉄鋼 1.8 2.4 2.4 2.4
XVI 機械・電機 35.7 37.2 34.7 35.9
84 機械・部品 16.9 17.9 16.3 17.1
85 電機・部品 18.8 19.3 18.4 18.8
XVII 輸送機械 3.6 3.7 3.1 3.4
XVIII 光学・精密機械 3.4 3.4 3.3 3.3
XX その他製造品 4.4 4.6 5.0 4.8
XXII 分類不明 0.7 0.6 0.8 0.7
合計 100.0 100.0 100.0 100.0

(日本からの輸入)

日本からの輸出(中国の輸入)が多いのはXVI機械・電機で714億ドル、構成比で47.4%(2007年=50.3%)と約半分を占める。伸び率は6.1%と2007年の13.5%に比べかなり鈍化した。これは中国国内に部品工場が続々できているためである。同じ理由で、東南アジアから中国への電気部品やコンピュータ部品の輸出も減りつつある。

ついで金額が多いのはXV基礎金属で185億ドルで伸び率は16.9%である。その中でその中で#72鉄鋼は85億ドル、伸び率20.6%であった。これは高級鋼を使用する中国の自動車・家電製品の生産が引き続き好調であったためである。

XVII輸送機械は105億ドル、伸び率29.4%ときわめて高く、中国の自動車生産の伸びに対応している。

XVII光学器械・精密機械は133億ドルと額も多く、伸び率も22.2%(07年は9.6%)と高かったが、08/上は39.2%と高かったが下期には9.2%と大幅に鈍化した。この品目はぶひんもあるが、設備投資要の機器も含まれている。

VI化学製品、VIIプラスチックもそれぞれ6.6%、9.2%であったが、08/下期にはいり伸びが止まった。。

V鉱物製品・石油の伸び率が+128.9%というのは一時的なものと考えられる。日本はそもそもこのアイテムの輸出国でなない。

表9-3-Jp-Imp;対日輸入           (単位;100万ドル、%)

2007 08/上 08/下 2008 07/06 08/上 08/下 08/07
I 動物・同製品 218 89 101 190 -9.2 -6.9 -17.1 -12.6
II 植物製品 35 17 26 43 -3.4 15.6 28.5 23.0
III 動植物油 6 3 3 7 -12.5 14.0 15.1 14.6
IV 飲料・タバコ 114 56 69 126 5.6 8.7 12.2 10.6
V 鉱物製品・石油 2,318 2,575 2,730 5,306 32.7 188.2 91.7 128.9
VI 化学製品 12,405 6,791 6,428 13,219 24.3 13.2 0.3 6.6
VII プラスチック・ゴム 8,730 4,830 4,702 9,532 20.7 19.5 0.3 9.2
VIII 皮革製品 86 46 48 94 8.9 20.2 -0.7 8.5
IX 木製品 29 15 15 31 -11.8 14.7 -2.9 5.2
X 紙・パルプ 1,509 839 845 1,684 15.4 15.5 8.1 11.6
XI 繊維 3,573 1,753 1,854 3,607 -1.4 2.6 -0.5 1.0
XII 履物・傘 58 29 25 54 8.6 16.2 -24.5 -7.2
XIII 窯業製品 1,214 643 589 1,232 2.0 18.2 -12.1 1.5
XIV 宝石類 709 479 453 933 84.1 64.2 8.8 31.6
XV 基礎金属 15,792 9,109 9,354 18,464 17.7 20.7 13.4 16.9
72 鉄鋼 7,056 4,014 4,497 8,510 14.0 14.6 26.5 20.6
XVI 機械・電機 67,315 34,903 36,526 71,428 13.5 11.9 1.1 6.1
84 機械・部品 25,955 14,451 14,366 28,817 7.7 15.8 6.6 11.0
85 電機・部品 41,360 20,452 22,160 42,612 17.4 9.3 -2.1 3.0
XVII 輸送機械 8,100 5,191 5,291 10,482 31.1 38.3 21.8 29.4
XVIII 光学・精密機械 10,920 6,618 6,730 13,348 9.6 39.2 9.2 22.2
XIX 武器 0 0 0 0 - - - -
XX その他製造品 644 329 375 705 6.0 11.4 7.7 9.4
XXI 美術工芸品 0 0 1 1 - - - -
XXII 分類不明 175 118 48 166 - - - -
合計 133,951 74,436 76,215 150,651 15.8 19.9 6.0 12.5


同上構成比(%)

2007 08/上 08/下 2008
I 動物・同製品 0.2 0.1 0.1 0.1
V 鉱物製品・石油 1.7 3.5 3.6 3.5
VI 化学製品 9.3 9.1 8.4 8.8
VII プラスチック・ゴム 6.5 6.5 6.2 6.3
X 紙・パルプ 1.1 1.1 1.1 1.1
XI 繊維 2.7 2.4 2.4 2.4
XIII 窯業製品 0.9 0.9 0.8 0.8
XIV 宝石類 0.5 0.6 0.6 0.6
XV 基礎金属 11.8 12.2 12.3 12.3
72 鉄鋼 5.3 5.4 5.9 5.6
XVI 機械・電機 50.3 46.9 47.9 47.4
84 機械・部品 19.4 19.4 18.8 19.1
85 電機・部品 30.9 27.5 29.1 28.3
XVII 輸送機械 6.0 7.0 6.9 7.0
XVIII 光学・精密機械 8.2 8.9 8.8 8.9
XX その他製造品 0.5 0.4 0.5 0.5
合計 100.0 100.0 100.0 100.0

統計表は全て中国海関統計から作成。


9-3-Kr.中国の対韓国貿易
 
08年の中国の対韓国貿易は輸出が739.5億ドル、伸び率は31.7%となり07年の伸び率26.1%増を上回った。08/上期の伸び率35.9%に対し下期は28.1%(いずれも対前年同期比)とあまり落ちていない。

一方、輸入(韓国の対中輸出)は1121.6億ドル+8.1%と07年の15.6%にくらべ鈍化した。

しかし、過去の韓国の輸出が大きかったため貿易収支は08年は中国が382.1億ドルの輸入超過であった。しかし、07年の貿易赤字476.2億ドルに比べれば中国の輸入超過額は94.1億ドル縮小している。

中国からの輸出はXVI機械・電機が271億ドルと42.2%の高い伸びを示している。07年の伸び率+30.5%を上回る。輸出全体に占める構成比は36.7%である。

ついで、XV基礎金属が199億ドルと+42.2%の高い伸びをしめした。07年の伸び率34.1%を上回る勢いである。これは鉄鋼の輸出像+79.3%が寄与している。鉄鋼の対韓国輸出は08/上62億ドル+64.0%、下期76億ドル+94.4%である。これは過剰生産となった中国の鉄鋼が韓国に怒涛のごとく流入している様を物語っている。この基礎金属のシェアーは26.9%であり、このトップ2品目で63.6%となる。

そのうち#72鉄鋼製品のみの収支バランスをみると、中国の対韓国輸出138億ドルに対し、韓国の対中国輸出は410億ドル+18.6%に過ぎず、韓国側の97億ドルもの赤字となっている。

中国の鉄鋼の洪水に押し流される形で韓国のより高品質の鋼材が日本に流出し始めており、日本の鉄鋼業が思わぬトバッチリを受けつつあるようだ。

中国の対韓国輸出で3番目のアイテムは繊維製品であり、08年には54億ドルに達したが、伸びは-1.8%と減っている。

4番目はIVI化学品の45億ドルで伸び率は28.5%と高い。07年にも32.7%増であった。一方、韓国はこのアイテムは対中国輸出は120億ドルあり、伸び率は+10.8%である。中国の化学プラントの投資も多く、これは装置さえできれば輸出が容易なので、今後中国の化学製品輸出は対韓国だけでなく、周辺諸国に向け急増する可能性がある。

5番目はV鉱物製品・石油の42億ドルであり、+47.1%と高い伸びを示した。このアイテムは韓国は101億ドル+52..7%と対中輸出を急増させている。どういう品目で分業関係にあるかは詳細は明らかではないが石油製品が主体のはずである。

また、XVII輸送機械が19億ドルと+23.2%の伸びをしめした。07年は58.3%と大きく伸びた。これは自動車部品が主体である。

XVIII光学・精密機械も19億ドル、+22.6%の伸びである。ただし08/上は+71.1%と急増したが、下期には-11.0%と前年同期比でマイナスになった。

韓国から中国へ輸出は伸び率という面では相対的に低めである。これは中国の電子部品、電機部品、自動車部品など部品産業の充実の結果である。韓国で育ちかかった部品産業はこれからかなり苦戦を強いられそうである。韓国の失業問題は深刻さを増している。

9-3-Kr.中国の対韓国輸出        (100万ドル、%)

2007 08/1H 08/2H 2008 07/06 08/1H 08/2H 08/07
I 動物・同製品 865 453 372 825 -7.9 1.1 -10.6 -4.5
II 植物製品 1,548 534 431 965 61.7 -37.3 -38.1 -37.7
III 動植物油 21 14 11 25 10.0 29.3 12.6 21.1
IV 飲料・タバコ 1,093 683 596 1,279 19.1 32.2 3.3 17.0
V 鉱物製品・石油 2,880 2,118 2,120 4,238 2.5 73.7 27.6 47.1
VI 化学製品 3,476 2,341 2,126 4,467 32.7 37.3 20.1 28.5
VII プラスチック・ゴム 999 542 508 1,050 22.3 13.5 -2.7 5.1
VIII 皮革製品 618 260 258 518 9.0 -10.0 -21.6 -16.2
IX 木製品 438 208 191 399 4.8 -12.1 -5.1 -8.8
X 紙・パルプ 311 171 137 307 36.3 21.6 -20.0 -1.2
XI 繊維 5,513 2,670 2,745 5,415 6.4 9.7 -10.9 -1.8
XII 履物・傘 531 285 266 551 8.4 4.3 3.5 3.9
XIII 窯業製品 1,335 767 853 1,621 31.3 29.6 14.8 21.4
XIV 宝石類 117 43 50 93 19.1 -26.7 -15.0 -20.8
XV 基礎金属 13,029 9,584 10,295 19,879 34.1 48.6 56.4 52.6
72 鉄鋼 7,697 6,247 7,556 13,803 57.4 64.0 94.4 79.3
XVI 機械・電機 19,090 12,328 14,821 27,149 30.5 40.3 43.8 42.2
84 機械・部品 5,273 3,724 4,624 8,347 35.6 52.8 63.1 58.3
85 電機・部品 13,816 8,604 10,198 18,802 28.7 35.6 36.5 36.1
XVII 輸送機械 1,556 989 929 1,918 58.3 50.5 3.3 23.2
XVIII 光学・精密機械 1,558 1,090 819 1,909 29.5 71.1 -11.0 22.6
XX その他製造品 1,153 673 656 1,329 26.7 25.8 6.2 15.3
合計 56,141 35,759 38,191 73,951 26.1 35.9 28.1 31.7



9-3-Kr.中国の対韓国輸入        (100万ドル、%)

2007 08/1H 08/2H 2008 07/06 08/1H 08/2H 08/07
I 動物・同製品 143 82 81 163 73.1 63.7 -13.2 13.9
II 植物製品 32 7 23 30 -13.0 -8.4 -5.7 -6.3
IV 飲料・タバコ 119 59 74 133 12.5 11.1 12.3 11.8
V 鉱物製品・石油 6,644 5,178 4,969 10,147 12.7 72.6 36.3 52.7
VI 化学製品 10,861 6,177 5,852 12,030 20.8 19.2 3.0 10.8
VII プラスチック・ゴム 8,515 4,733 4,460 9,193 16.3 17.6 -0.7 8.0
VIII 皮革製品 561 245 242 487 -2.2 -13.3 -13.1 -13.2
X 紙・パルプ 447 254 224 478 3.8 8.5 5.0 6.8
XI 繊維 2,690 1,241 1,267 2,508 -1.8 -8.0 -5.5 -6.8
XII 履物・傘 121 55 55 110 -6.1 -8.9 -9.2 -9.1
XIII 窯業製品 319 197 167 364 12.9 51.5 -11.9 13.9
XIV 宝石類 81 41 38 79 12.7 8.6 -12.1 -2.5
XV 基礎金属 8,192 4,501 4,349 8,850 4.0 12.7 3.6 8.0
72 鉄鋼 3,429 2,009 2,056 4,065 -8.7 17.2 19.9 18.6
XVI 機械・電機 47,046 23,758 24,919 48,677 16.4 14.2 -5.0 3.5
84 機械・部品 11,330 5,727 5,292 11,020 33.1 0.4 -6.0 -2.7
85 電機・部品 35,716 18,031 19,626 37,657 11.9 19.4 -4.8 5.4
XVII 輸送機械 2,112 1,206 902 2,108 -1.9 2.4 -3.5 -0.2
XVIII 光学・精密機械 15,502 8,795 7,630 16,425 25.8 31.1 -13.2 6.0
XX その他製造品 191 98 113 211 -6.7 -1.6 23.1 10.3
合計 103,757 56,737 55,425 112,162 15.6 20.0 -1.9 8.1


9-3-Tw.中国の対台湾貿易       

(中国⇒台湾への輸出)

08年の中国の対台湾貿易は輸出が258.7億ドル、伸び率は10.6%増と07年の13.1%を下回った。一方、輸入は1,033.4億ドル、伸び率2.3%で07年の16.0%を大幅に下回った。

貿易収支は08年で中国側が774.7億ドルの大幅赤字である。07年も775.6億ドルの中国の輸入超過であった。いわば、一方的な片貿易の形になっている。

中国からの輸出でもっとも多いのがXVI機械・電機であり116.3億ドル、伸び率+7.0%と全体のシェアー44.9%(07年=108.7億ドル、46.3%)を占める。

ついでXV基礎金属の36.0億ドル、伸び率-5.7%、(うち#72鉄鋼=18.7億ドル)であり3番目がVI化学製品の31.0億ドル、伸び率+36.6%である。この3品目で全体の70%をめる。

台湾企業は中国の工場で製造した部品を台湾に輸入して、台湾で完成品に組み立て世界に輸出していたが、中国で完成品(パソコンなど)にまで仕上げ、中国から直接輸出するという方法に切り替わったために見かけの中国⇒台湾という輸出の流が比較的少なくなっている。

また、最近ベトナムに工場を建設し、そこから輸入し、中国生産のウエイトを徐々に落としてきていることも影響している。今後はこの中国離れの傾向が徐々に強まることは間違いない。台湾企業は東南アジアの再評価をおこない始めている。ベトナムへの投資は鉄鋼業にまで及んでいる。


9-3-Tw.中国の対台湾輸出        (100万ドル、%)

2007 08/上 08/下 2008 07/06 08/上 08/下 08/07
I 動物・同製品 200 98 88 186 47.0 1.3 -14.8 -7.0
II 植物製品 201 118 163 281 53.1 44.1 37.1 39.9
IV 飲料・タバコ 181 112 124 236 46.0 31.5 30.3 30.9
V 鉱物製品・石油 950 633 710 1,342 13.7 63.7 26.0 41.3
VI 化学製品 2,265 1,540 1,555 3,095 47.5 49.1 26.2 36.6
VII プラスチック・ゴム 605 313 290 603 12.4 9.2 -8.8 -0.3
VIII 皮革製品 77 40 49 89 -6.5 18.6 13.9 16.0
IX 木製品 203 76 70 146 -7.3 -42.2 -1.9 -28.0
X 紙・パルプ 254 140 126 266 11.8 9.2 -0.1 4.6
XI 繊維 648 374 412 787 2.7 36.7 10.2 21.4
XII 履物・傘 136 67 78 145 10.8 8.2 5.4 6.7
XIII 窯業製品 218 116 136 252 12.4 16.1 15.3 15.7
XIV 宝石類 121 64 36 100 6.1 -20.9 -11.1 -17.6
XV 基礎金属 3,811 1,986 1,609 3,595 3.9 1.1 -12.8 -5.7
72 鉄鋼 1,929 1,049 818 1,867 3.8 1.5 -8.7 -3.2
XVI 機械・電機 10,871 5,775 5,857 11,632 8.5 14.0 0.9 7.0
84 機械・部品 3,557 1,910 1,895 3,805 2.4 14.5 0.3 7.0
85 電機・部品 7,314 3,865 3,962 7,827 11.8 13.8 1.1 7.0
XVII 輸送機械 692 409 409 817 30.7 27.9 9.7 18.1
XVIII 光学・精密機械 1,530 959 771 1,731 36.7 48.9 -12.9 13.1
XX その他製造品 403 220 268 488 2.2 16.0 25.7 21.1
合計 23,458 13,085 12,794 25,878 13.1 18.8 2.8 10.3


(台湾⇒中国への輸出)

中国が台湾から輸入している最大のアイテムはXVI機械・電機であり08年では482.5億ドルと全体の46.9%を占めるが、伸びは前年比-1.6%と減少に転じた。上期は10.1%伸びたが下期は-11.0%と減っている。

、エレクトロニクス製品やコンピュータ部品の中国国内での自給体勢が整いつつあることを意味している。

次に台湾⇒中国向けが多いのはXVIII光学・精密機械の206.2億ドルである。伸び率は08/上が60.8%と異常に高かったが、下期には-26.2%と減少した。全体のシェアは20.0%である。この上位2品目で台湾の中国向け輸出は66.7%と約3分の2を占める。

3番目に多いのはVI化学品で93.4億ドルである。伸び率は08年上期は53.7%と高ったが、下期には-17.0%と減少し08年計の伸びは13.2%であった。

4番目に多いのはVIIプラスチック・ゴム製品で88.1億ドルであるが伸び率は-0.7%とマイナスになった。これも08年上期は+14.5%であったが、下期は-13.6%と減少した。

5番目に多いのはXV基礎金属の74.0億ドルであるが伸び率は08年上期3.4%に過ぎず、下期は-23.6%と大きく落ち込んだ。

V鉱物・石油の伸び率は前年比+154.1%と大きいが、08年の石油価格高騰と中国の需要急増によるものである。

全体としてみると、製造業製品は08年下期にはマイナスになっているものが多い。これは中国の輸出の鈍化にも対応しているが、中国国内の部品製造能力の高まりにも影響を受けている。

こうなると、台湾資本は国内で、これからどういう産業で生き延びていくかが難しくなってきた。韓国と同じ事情にある。

9-3-Tw.中国の対台湾輸入        (100万ドル、%)

2007 08/上 08/下 2008 07/06 08/上 08/下 08/07
I 動物・同製品 76 26 31 57 21.6 -18.9 -30.2 -25.5
IV 飲料・タバコ 44 28 34 62 19.2 36.6 44.6 40.9
V 鉱物製品・石油 1,331 1,908 1,474 3,382 38.5 298.6 73.0 154.1
VI 化学製品 8,251 5,421 3,919 9,340 36.7 53.7 -17.0 13.2
VII プラスチック・ゴム 8,870 4,677 4,128 8,805 20.1 14.5 -13.8 -0.7
VIII 皮革製品 496 225 228 454 -5.0 -14.6 -1.8 -8.6
X 紙・パルプ 511 224 219 443 1.9 -10.8 -15.8 -13.4
XI 繊維 3,287 1,530 1,399 2,929 -2.7 -8.2 -13.7 -10.9
XII 履物・傘 48 26 25 51 -12.5 6.6 2.9 4.8
XIII 窯業製品 832 424 329 752 11.6 22.5 -32.4 -9.6
XIV 宝石類 124 76 82 158 94.5 45.5 15.2 28.0
XV 基礎金属 8,298 4,048 3,349 7,397 10.3 3.4 -23.6 -10.9
72 鉄鋼 3,540 1,583 1,409 2,992 0.9 -8.9 -21.9 -15.5
XVI 機械・電機 49,040 24,048 24,205 48,253 13.1 10.1 -11.0 -1.6
84 機械・部品 7,410 3,419 3,314 6,733 -2.3 -3.0 -14.7 -9.1
85 電機・部品 41,630 20,629 20,891 41,520 16.4 12.6 -10.4 -0.3
XVII 輸送機械 261 108 140 248 -20.8 -23.2 16.2 -5.0
XVIII 光学・精密機械 19,163 11,961 8,656 20,617 21.4 60.8 -26.2 7.6
XX その他製造品 308 157 159 316 9.4 6.0 -0.8 2.5
合計 101,022 54,929 48,410 103,340 16.0 24.1 -14.7 2.3



9-3-Th,中国の対タイ貿易

(中国⇒タイへの輸出)

08年の中国の対タイ貿易は輸出が156.1億ドル、伸び率は30.3%増、輸入は256.5億ドル、伸び率13.2%増と輸出の伸び率が輸入のそれを大きく上回った。ただし、貿易収支は依然として100.4億ドルの中国の輸入超過になっている。

中国からの輸出で最も多いのはXVI機械・電機)で62.9億ドル、伸び率19.5%である。

このアイテムのタイから中国への輸出は148.2億ドル、伸び率17.0%であり、タイの方が「輸出超過」の形になっているが、タイからの輸出は多くが「部品」であるしかし、08年上期の伸び率は27.9%であったのに対し、下期は8.8%増と大幅に鈍化している。やはり、世界的にIT関連が不振になってきているとみてよいでろう。

2番目にタイへの輸出が多いのはXV基礎金属で26.0億ドル、伸び率27.8%である。そのうちの#72鉄鋼は14.2億ドルで伸び率は26.0%であた。鉄鋼製品の08年上期の伸び率は1.4%であったのに対し、下期には58.4%と急増した。これは中国国内の鉄鋼需要が落ち込んだため、急速に輸出を急増させたことによる。中国のここ数年の集中豪雨的な鉄鋼投資の問題点が露呈された。

3番目に多いのはVI化学品の18.8億ドル、伸び率38.8%と急増している。

4番目が繊維の11.3億ドル、伸び率38.8%である。07年の金額は13.6億ドル+42.4%であった。これは一般家庭用衣類が中国製に食われていることを意味し、タイの中小企業は大きな打撃を蒙っている。タイ社会にとっては大きな問題である。タイの中小企業者はこのタネをまいたのはタクシン政権であるという思いが強い。

IIの植物製品も3.4億ドルと金額はさほど多くないが、伸び率が07年31.5%、08年48.9%とタイの農民にとっては大きな圧力となっていることは間違いない。タイの北部・東北部でタクシン元首相の支持率は少しずつ低下してきている。タクシンが中国との農産品の自由化を促進させたことが問題視されつつある。

5番目がXVIII光学機械が7.1億ドル、伸び率108.8%(07年=3.4億ドル、伸び率7.2%)となぜか急増した。

金額は少ないがXVII輸送機械、4.2億ドル、伸び率56.8%が注目される。これは小型オートバイが主体であると思われる。タイの地方に行くと大変安い価格で中国製オートバイが売られている。タイの農民は自転車よりもこれらの安いオートバイを選好する。

9-3-Th.中国の対タイ輸出        (100万ドル、%)

2007 08/上 08/下 2008 07/06 08/上 08/下 08/07
I 動物・同製品 68 38 53 91 67.3 60.6 19.6 34.0
II 植物製品 227 136 203 339 31.5 56.7 44.1 48.9
IV 飲料・タバコ 196 130 138 267 44.6 37.3 35.6 36.4
V 鉱物製品・石油 135 92 144 237 93.7 66.6 80.6 74.9
VI 化学製品 1,355 1,081 800 1,881 42.4 68.4 12.2 38.8
VII プラスチック・ゴム 348 197 223 420 36.6 16.2 24.9 20.7
VIII 皮革製品 38 25 35 60 4.2 39.6 76.7 59.1
IX 木製品 88 50 53 103 40.9 36.8 1.4 16.0
X 紙・パルプ 134 84 74 159 27.5 51.0 -5.1 18.3
XI 繊維 813 554 579 1,133 28.1 63.5 22.1 39.4
XII 履物・傘 93 59 63 122 62.1 28.0 34.2 31.2
XIII 窯業製品 220 136 158 294 24.8 42.6 26.7 33.6
XIV 宝石類 150 92 83 174 -8.1 31.8 2.9 16.3
XV 基礎金属 2,036 1,256 1,347 2,603 24.2 17.4 39.4 27.8
72 鉄鋼 1,127 649 770 1,419 14.9 1.4 58.4 26.0
XVI 機械・電機 5,259 3,157 3,129 6,285 15.3 32.7 8.6 19.5
84 機械・部品 2,720 1,603 1,693 3,296 17.0 31.5 12.8 21.2
85 電機・部品 2,539 1,553 1,436 2,989 13.5 33.9 4.1 17.7
XVII 輸送機械 267 182 237 419 30.9 53.6 59.4 56.8
XVIII 光学・精密機械 338 331 376 707 7.2 127.9 94.4 108.8
XX その他製造品 200 133 171 303 44.9 64.8 43.2 51.9
輸出合計 11,975 7,736 7,870 15,605 22.6 39.9 22.1 30.3


(タイ⇒中国への輸出)

中国がタイから輸入した金額は08年は256.5億ドル、伸び率13.2%である。もっとも多い品目はXVI機械・電機の148.2億ドル(全体の57.7%)である。その多くは「部品」であることは上に述べたとおりである。中国の部品の自給率が高まれば、その量は次第に減少していく運命にあることはいうまでもない。

#84機械部品(88.4億ドル、伸び率24.9%)はコンピュータ関連が多い。しかし、#85電機(59.8億ドル、伸び率6.9%)の方は伸び率の鈍化傾向がみえ始めている08年上期は14.5%であったが、下期はわずかに0.9%の伸びにとどまった。

2番目に多いのがVIIプラスチック・ゴムの45.6億ドル、伸び率26.7%である。これは世界一の天然ゴムの生産国から中国の自動車用タイヤの原材料が多く輸出されているためである。「プラスチック製品」の輸出はそれほど多くはない。

3番目に多いのはV鉱物製品・石油、21.6億ドル、伸び率46.1%であるが、石油の清算がほとんどないタイは輸入した原油を精製して中国に再輸出したものであろう。これは一時的な現象と考えてよい。

一方で、VI化学製品は10.4億ドル、伸び率-35.2%と大きく減少している。タイの化学産業の基盤は今のところさほど強くないことを物語っている。

II植物製品が9.1億ドル、伸び率-13.5%である。

タイの輸出産業の目玉であるXVII輸送機械(自動車など)も中国にはさっぱり売れていない。

9-3-Th.中国の対タイ輸入        (100万ドル、%)

2007 08/上 08/下 2008 07/06 08/上 08/下 08/07
I 動物・同製品 100 64 55 119 42.4 52.0 -4.8 19.3
II 植物製品 1,053 543 368 911 1.1 -12.0 -15.6 -13.5
IV 飲料・タバコ 134 35 31 66 13.5 -59.5 -34.2 -50.6
V 鉱物製品・石油 1,475 1,357 798 2,155 38.2 111.8 -4.4 46.1
VI 化学製品 1,607 555 487 1,041 20.6 -34.2 -36.3 -35.2
VII プラスチック・ゴム 3,596 2,162 2,395 4,556 11.5 36.6 19.0 26.7
VIII 皮革製品 154 94 94 188 24.7 22.4 21.9 22.1
IX 木製品 274 147 156 303 3.6 11.9 9.3 10.5
X 紙・パルプ 211 107 75 181 24.9 -0.1 -28.4 -14.1
XI 繊維 352 182 185 367 4.5 4.0 4.8 4.4
XII 履物・傘 21 14 19 33 19.2 82.3 37.9 54.1
XIII 窯業製品 99 58 64 122 24.4 44.0 9.0 23.3
XIV 宝石類 67 28 43 71 17.0 9.6 5.3 7.0
XV 基礎金属 381 127 96 223 61.8 -19.3 -57.0 -41.4
72 鉄鋼 97 42 22 64 11.4 -10.2 -55.3 -33.6
XVI 機械・電機 12,667 6,934 7,882 14,816 34.5 27.9 8.8 17.0
84 機械・部品 7,079 4,114 4,727 8,841 41.4 39.1 14.7 24.9
85 電機・部品 5,589 2,820 3,155 5,975 26.6 14.5 0.9 6.9
XVII 輸送機械 51 22 22 44 -7.8 -16.3 -11.6 -14.0
XVIII 光学・精密機械 385 192 176 369 19.5 7.6 -14.2 -4.1
XX その他製造品 28 16 21 38 86.3 20.6 50.1 35.6
輸入合計 22,665 12,655 12,993 25,647 26.2 24.4 4.0 13.2


9-3-My.中国の対マレーシア貿易

08年の中国の対マレーシア貿易は輸出が213.8億ドル、伸び率は20.8%増、輸入は321.0億ドル、伸び率11.8%増と、輸出の伸び率が輸入のそれを上回る。

貿易収支は107.2億ドル(07年は110.2)億ドルの中国の輸入超過になっている。

(中国⇒マレーシアへの輸出)

中国からの輸出の最大のアイテムはXVI機械・電機で96.4億ドル、伸び率8..1%である。全体に占めるシェアは45.1%である。08上期の伸び率は24.4%であったが下期には-4.4%と減少している。マレーシアの不況を反映していると見られるが、マレーシア政府発表のGDPは08年3Qは+4.7%、4Q+0.1%とプラス成長を続けている。

この項目のマレーシアから中国への輸出は199.8億ドル、伸び率6.9%であるか。この品目の中国の貿易赤字は103.4億ドルとなる。しかし、中国からの輸出は組み立て完成品が多く、マレーシアからの輸出は半導体チップスなどの電子部品が多い。

2番目に多い中国の輸出品はXI繊維の20.5億ドル、伸び率20.4%(07年=16.7億ドル、伸び率53.0%)と比較的高い伸びを示している。これは人口の少ないマレーシアの国民が衣類を大量に消費したはずもなく、マレーシアの華人資本家が中国の衣類を第3石に再輸出した物と考えられる。

3番目に多いXV基礎金属の19.9億ドル、伸び率22.2%である。08年上期の伸び率は-0.8%であったのに対し、下期は47.9%と急増した。その背景は不明である。このうち#72の鉄鋼は7.8億ドルで伸び率は19.9%であった。こちらも上期の伸びは-4.5%であったが、下期には+46.5%と急増した。これは中国の鋼材輸出ラッシュ(ダンピング輸出の疑念ももたれている)によるものである。

4番目は XVIII光学・精密機械で、金額16.9億ドル、伸び率は.0%であった。しかし上期の44.9%にくらべ下期は-17.9%と九膳している。

5番目はVI化学品で12.2億ドル、伸び率は37.4%と高い。特に上期の伸びは78.2%と急増したが、下期は3.7%と急速に鈍化した。原因は良くわからないが肥料の輸入が増えていることは報じられている。

XVII輸送機械も7.7億ドルと75.5%も急増した。上期は90.6%もの伸びを示し、下期も65.1%と高い伸びを続けている。

9-3-My.中国の対マレーシア輸出  (100万ドル、%)

2007 08/上 08/下 2008 07/06 08/上 08/下 08/07
I 動物・同製品 72 39 61 100 29.3 41.1 36.1 38.0
II 植物製品 583 255 282 538 29.5 -22.0 10.4 -7.8
IV 飲料・タバコ 364 209 305 514 16.1 55.6 32.7 41.1
V 鉱物製品・石油 118 137 136 273 -25.4 139.2 124.1 131.4
VI 化学製品 885 713 503 1,216 42.2 78.2 3.7 37.4
VII プラスチック・ゴム 339 217 337 554 15.4 51.0 72.7 63.5
VIII 皮革製品 59 76 142 218 9.1 211.3 312.6 270.7
IX 木製品 107 77 138 215 92.2 149.1 80.3 100.2
X 紙・パルプ 178 93 97 190 54.9 19.5 -3.4 6.6
XI 繊維 1,665 753 1,251 2,005 53.0 21.8 19.6 20.4
XII 履物・傘 210 119 223 342 33.9 60.9 63.4 62.5
XIII 窯業製品 217 151 294 445 27.7 77.7 122.1 104.8
XV 基礎金属 1,624 848 1,138 1,986 59.7 -0.8 47.9 22.2
72 鉄鋼 653 325 458 783 78.4 -4.5 46.5 19.9
XVI 機械・電機 8,916 4,824 4,817 9,641 29.4 24.4 -4.4 8.1
84 機械・部品 4,159 2,194 2,283 4,476 20.2 27.9 -6.6 7.6
85 電機・部品 4,756 2,630 2,535 5,165 38.6 21.7 -2.3 8.6
XVII 輸送機械 436 341 425 765 18.4 90.6 65.1 75.5
XVIII 光学・精密機械 1,532 950 719 1,669 6.0 44.9 -17.9 9.0
XX その他製造品 348 237 436 674 43.3 82.8 100.5 93.9
合計 17,691 10,057 11,318 21,375 30.7 30.4 13.4 20.8


(マレーシア⇒中国への輸出)

機械・電機(XVI)の中国の中国側の輸入は199.8億ドルと金額は大きいが伸びは6.9%に鈍化している。08年上期の伸びは16.5%であったが、下期には-0.8%と減っている。全体に占めるこのアイテムのシェアは62.2%であるが、05年は71.6%、06年69.9%、07年65.1%と着実に減少してきている。

電機(#85)だけみると172.22億ドル、伸び率3.1%と伸び率の鈍化が目立つ。#84機械は27.61億ドル、伸び率39.1%(07年=19.8億ドル、伸び率1.1%)と急増した。コンピュータ部品が急増したためである。

マレーシアからの電機輸出は半導体や電子部品が主体であるが、このアイテムは中国が着実に自給体制を整えつつあるため、マレーシアからの輸出は徐々に減退傾向をたどるであろう。

2番目に中国がの輸入額が多いのはパーム油を主体とするIII動植物油の38.8億ドルであり、伸び率は33.6%であるが、08年上期の伸びは82.9%と極めて高いかったが、下期には3.3%ひ鈍化した。全体に占めるシェアは12.1%である。

3番目に多いのが、VIIプラスチック・ゴムで29.19億ドル、伸び率16.2%である。これは天然ゴムが主体である。中国の自動車ブームに対応するタイヤ用である。

4番目は鉱物製品・石油(V)で19.0億ドル、伸び率42.2%と急増している。しかしながらマレーシアにこれ以上石油を輸出する余力はさほどなくなってしまった。金額の上昇は価格上昇によるものである。

5番目はVI化学品で12.1億ドル、伸び率11.6%である。

9-3-My.中国の対マレーシア輸入    (100万ドル、%)

2007 08/上 08/下 2008 07/06 08/上 08/下 08/07
III 動植物油 2,901 2,016 1,859 3,875 77.2 82.9 3.3 33.6
IV 飲料・タバコ 68 56 59 116 34.3 90.7 54.0 69.9
V 鉱物製品・石油 1,337 958 944 1,902 68.5 74.2 19.9 42.2
VI 化学製品 1,088 655 559 1,214 24.9 15.4 7.4 11.6
VII プラスチック・ゴム 2,506 1,490 1,422 2,912 10.0 29.7 4.8 16.2
IX 木製品 439 206 148 354 -0.2 -5.5 -32.9 -19.3
X 紙・パルプ 32 18 18 36 11.9 17.5 9.8 13.5
XI 繊維 151 70 67 138 9.4 -5.7 -11.3 -8.5
XIII 窯業製品 68 43 40 83 29.5 42.7 5.2 21.6
XV 基礎金属 868 306 433 739 135.8 -36.5 11.9 -14.9
72 鉄鋼 136 42 79 121 173.2 -50.9 57.4 -11.2
XVI 機械・電機 18,682 9,733 10,244 19,978 13.4 16.5 -0.8 6.9
84 機械・部品 1,982 1,314 1,442 2,757 1.1 51.0 29.8 39.1
85 電機・部品 16,700 8,419 8,802 17,221 15.1 12.4 -4.5 3.1
XVII 輸送機械 52 44 34 78 60.4 95.6 16.4 50.5
XVIII 光学・精密機械 401 248 281 529 24.2 36.7 28.0 31.9
XX その他製造品 29 14 15 29 7.6 13.3 -11.8 -1.5
合計 28,707 15,913 16,182 32,095 21.8 24.1 1.9 11.8


9-3-My.中国の対マレーシア輸入構成比(%)

2005 2006 2007 08/上 08/上 2008
III 動植物油 6.3 6.9 10.1 12.7 11.5 12.1
IV 飲料・タバコ 0.2 0.2 0.2 0.4 0.4 0.4
V 鉱物製品・石油 2.6 3.4 4.7 6.0 5.8 5.9
VI 化学製品 4.1 3.7 3.8 4.1 3.5 3.8
VII プラスチック・ゴム 7.7 9.7 8.7 9.4 8.8 9.1
IX 木製品 2.6 1.9 1.5 1.3 0.9 1.1
XI 繊維 0.7 0.6 0.5 0.4 0.4 0.4
XIII 窯業製品 0.3 0.2 0.2 0.3 0.2 0.3
XV 基礎金属 1.8 1.6 3.0 1.9 2.7 2.3
72 鉄鋼 0.8 0.2 0.5 0.3 0.5 0.4
XVI 機械・電機 71.6 69.9 65.1 61.2 63.3 62.2
84 機械・部品 8.6 8.3 6.9 8.3 8.9 8.6
85 電機・部品 63.0 61.6 58.2 52.9 54.4 53.7
XVII 輸送機械 0.1 0.1 0.2 0.3 0.2 0.2
XVIII 光学・精密機械 1.3 1.4 1.4 1.6 1.7 1.6
合計 100.0 100.0 100.0 100 100 100



9-3-Id.中国の対インドネシア貿易
08年下期からインドネシアの対中貿易収支が大幅赤字に

08年の中国のインドネシア向け輸出は171.9億ドル、伸び率36.3%となった。一方輸入は143.3億ドル、伸び率15.6%にとどまり、インドネシアとの貿易収支は28.6億ドルの黒字となった。07年も中国は輸出126億ドル、輸入124億ドルと2億ドル程度の黒字であったが、08年から大幅黒字に転換した。とりわけ08年下期は中国の対インドネシア輸出が92.0億ドル、+35.8%だったのに対し、輸入は64.8億ドル、+1.4%に過ぎず27.2億ドルの大幅黒字を記録した。この傾向は今後さらに拡大していくものと思われる

(中国⇒インドネシアへの輸出)

中国からのインドネシア向け輸出はほとんどの工業製品で30%以上大幅に伸びており、機械・電気(XVI)は66.9億ドル、伸び率65.3%(07年=40.4億ドル、44.1%)などをみても中国製の家電製品にインドネシア市場に怒涛のごとく流れ込んできている。インドネシア国内の家電メーカーは発展の余地が狭まるどころか、淘汰が進んでいくことは間違いない。

2番目に多いのがXV基礎金属であり、23.6億ドル、伸び率30.2%である。このうち#72鉄鋼は08年は9.6億ドル、伸び率16.3%であったが、07年に8.3億ドル40.9%増となり、国営クラカトウスチールは大打撃を受けた。08年上の鉄鋼の伸び率-0.5%にとどまったが、下期には+41.9%と再び急増した。

3番目はXI繊維であり、金額は18.3億ドル、伸び率27.8%である。インドネシアはここ数年大量の繊維製品を中国から輸入しており、インドネシアの輸出の主力製品であった繊維産業は壊滅に瀕している。

4番目はVI化学品であり、16.8億ドル、伸び率は39.9%である。

5番目はXVII輸送機械で4.3億ドル、伸び率64.9%とこれまた高い。オートバイがナダレを打ってインドネシア市場に入り込んできている。インドネシア国内の日系オートバイ・メーカーも販売台数を急増させているが、中国製が農村部を中心に着実に普及してきている。

このように中国製の工業品が大量にインドネシア市場に溢れかえり、インドネシアの地場産業が大打撃を受けているのは、インドネシア国内市場網を華僑資本が支配しているため、インドネシア国内の外資やインドネシア人企業(プリブミ資本)も中国製品には太刀打ちできなくなっていることを示している。

中国とASEANの自由貿易協定がさらに徹底すればこういう現象はもっと著しくなることは明白である。インドネシア政府としてもこういう傾向がインドネシア経済に将来いかなる影響を及ぼすか、あまり深刻に議論している様子は見えない。

要するにインドネシアの工業化はこと製造業に限って言えば、外資系の一部を除いてほぼ「失敗に帰した」といって過言でないであろうインドネシア政府はこれに対して具体的な対策を打ち出しているようには見えない。ここまで来るには長い歴史があるが、スハルト独裁政権の32年間が決定的な致命傷になったことは紛れもない事実である。拙著『東南アジアの経済と歴史』(日本経済評論社、2002年刊)を御参照ください。


9-3-Id.中国の対インドネシア輸出 (100万ドル、%)

2007 08/上 08/下 2008 07/06 08/上 08/下 08/07
I 動物・同製品 18 13 26 39 -17.1 83.6 130.7 112.7
II 植物製品 636 268 207 475 71.4 -10.1 -38.6 -25.2
IV 飲料・タバコ 211 106 173 279 8.8 7.4 54.9 32.6
V 鉱物製品・石油 1,129 322 728 1,050 0.8 -46.2 37.2 -7.0
VI 化学製品 1,197 922 752 1,675 26.4 68.3 15.8 39.9
VII プラスチック・ゴム 317 196 223 419 26.5 32.1 32.5 32.3
VIII 皮革製品 34 30 23 53 16.1 58.4 51.9 55.5
IX 木製品 73 33 36 70 45.9 -14.1 7.4 -4.1
X 紙・パルプ 88 60 41 101 53.7 73.8 -23.9 14.2
XI 繊維 1,435 886 948 1,834 38.8 36.0 20.9 27.8
XII 履物・傘 140 79 92 171 34.0 15.8 27.0 21.6
XIII 窯業製品 191 133 148 281 3.0 53.2 41.1 46.6
XV 基礎金属 1,816 1,161 1,203 2,364 37.9 16.0 47.6 30.2
72 鉄鋼 826 496 464 960 40.9 -0.5 41.9 16.3
XVI 機械・電機 4,044 2,933 3,750 6,683 44.1 72.7 59.9 65.3
84 機械・部品 2,007 1,468 2,120 3,588 47.8 75.3 81.2 78.8
85 電機・部品 2,036 1,465 1,630 3,095 40.6 70.1 38.7 52.0
XVII 輸送機械 628 428 466 894 13.5 64.9 26.4 42.3
XVIII 光学・精密機械 375 260 191 451 72.5 66.4 -12.9 20.1
XX その他製造品 263 162 185 347 42.5 44.7 22.9 32.2
輸出合計 12,611 7,995 9,196 17,192 33.4 36.9 35.8 36.3


(インドネシア⇒中国への輸出)

08年の中国のインドネシアからの輸入は143.3億ドル、伸び率は15.64%である。08年下期に限っていえば伸び率は1.4%にしか過ぎない。

インドネシアがもっとも多く輸出しているアイテムはV鉱物製品・石油であり、52.8億ドル、伸び率16.5%である。インドネシアの輸出全体に占めるシェアは38.8%である。石炭は別にして、石油はインドネシアは既に輸出国とはいえない。高硫黄分の原油を中近東から輸入し、自国の低硫黄の良質原油を輸出している。石油資源開発もスロー・ペースである。

2番目はIII動植物油の23.8億ドル、伸び率48.8%である。その大部分はパーム油である。輸出に占めるシェアは16.6%であり、この両者でインドネシアの対中国輸出は55.4%である。

このアイテムは08年上期は118.4%の伸びを示したが、下期は-8.4%の減少となった。

3番目はXVI機械・電機であり21.8億ドル、伸び率は1.9%に過ぎない。このアイテムのインドネシアの対中輸出に占めるシェアは2006年=21.4%、07年=17.3%、08年=15.2%と年々落ち込んでいる。本来、インドネシアの輸出の中心になるべき機械・電機が全く振るわないのである。

4番目はVIIプラスチック・ゴムの12.4億ドル、伸び率33.3%である。これは天然ゴムが主体である。対中輸出に占めるシェアは8.7%である。

5番目はX紙・パルプの10.7億ドル、伸び率15.1%である。輸出に占めるシェアーは7.5%である。

要するに、インドネシアの中国への輸出アイテムはそのほとんどが天然資源と農産品であり、工業品はおそらく4分の1にも満たない状況である。

一方中国からは安価な工業製品が怒涛のごとく押し寄せてくる。そのほとんどが本来インドネシアでも生産可能なものである。一体どうなっているのだろうか。

インドネシアの中国への事実上の「経済的植民地化」(工業製品を輸入、主に1次産品を輸出)が進行しつつある。その間インドネシアの工業化は一向に進まないという現象が起こりつつある。「東アジア共同体」の共存共栄体制やFTAも中国側が一方的有利のうちに進みつつある。インドネシアは中国にとっては誠にいいカモである。インドネシアの工業化は前進どころか後退に次ぐ後退を余儀なくされている。21世紀にインドネシアの経済的な劣化はいっそう進みそうである。これはフィリピンも同じである。

9-3-Id.中国の対インドネシア輸入 (100万ドル、%)

2007 08/上 08/下 2008 07/06 08/上 08/下 08/07
I 動物・同製品 46 19 35 54 -5.5 -41.2 166.4 18.6
II 植物製品 104 53 70 123 26.5 10.9 23.7 17.9
III 動植物油 1,597 1,573 803 2,376 49.3 118.4 48.8
IV 飲料・タバコ 51 35 35 70 32.7 77.1 12.3 37.5
V 鉱物製品・石油 4,530 2,963 2,314 5,277 100.2 28.3 4.2 16.5
VI 化学製品 882 392 308 699 -5.9 -12.2 -29.4 -20.7
VII プラスチック・ゴム 932 591 651 1,243 4.2 41.8 26.5 33.3
VIII 皮革製品 56 43 35 78 37.0 67.3 15.7 39.4
IX 木製品 255 109 88 197 -22.1 -18.8 -27.1 -22.8
X 紙・パルプ 928 550 518 1,068 1.1 19.0 11.3 15.1
XI 繊維 225 117 114 232 0.3 1.6 5.0 3.2
XII 履物・傘 48 41 42 83 97.6 104.0 47.3 70.9
XIII 窯業製品 22 11 9 20 -20.3 -15.7 -3.9 -10.9
XV 基礎金属 399 255 239 494 -16.6 49.3 4.9 23.9
72 鉄鋼 13 18 7 24 -78.9 132.4 15.4 81.5
XVI 機械・電機 2,140 1,016 1,164 2,181 3.9 2.0 1.8 1.9
84 機械・部品 1,003 423 519 942 -17.5 -15.2 2.9 -6.1
85 電機・部品 1,138 594 645 1,239 34.6 19.2 0.9 8.9
XVII 輸送機械 71 30 6 36 0.5 -2.0 -84.8 -48.8
XVIII 光学・精密機械 88 34 33 68 3.0 -9.1 -33.1 -22.7
XX その他製造品 25 15 14 29 68.4 32.3 4.2 16.9
輸入合計 12,398 7,852 6,478 14,330 29.1 30.6 1.4 15.6


9-3-Ph.中国の対フィリピン貿易

フィリピンは対中貿易では意外にも圧倒的に輸出超過であった。それは半導体の輸出によるものであったが、08年下期から様子が変りつつある。

08年の中国の対フィリピン輸出は90.8億ドル、伸び率21.0%に対して、輸入は195.0億ドル、伸び率-15.6%であり、中国側の貿易赤字は104.2億ドルに達している。

08年上期の中国の対フィリピン貿易赤字は71.2億ドルであったが、下期には33.0億ドルと一気に縮小した。あと数年で逆転するであろう。

(中国⇒フィリピンへの輸出)

08年の中国の輸出の内訳は、機械・電機(XVI)が34.8億ドル、伸び率20.7%(全体に占めるシェア=38.3%)が最も多い。

2番目に多いのはXV基礎金属で13.3億ドル、伸び率17.2%である。そのうち#72鉄鋼が7.0億ドル、伸び率10.2%である。フィリピンにはさほど有力な鉄鋼メーカーが存在しないため、中国にとっては鉄鋼製品の格好の輸出市場となっている。

3番目はXI繊維で、8.8億ドルで、伸び率16.2%である。フィリピンがなぜこれほどまで大量の繊維製品(主体は衣類)を中国から輸入しなければならないのか理油が分からない。

4番目はVI化学品で7.7億ドル、伸び率50.6%と急増している。コメ不足が顕在化しているフィリピン政府としては急遽肥料を撒いてコメの増産を図るという政策である。やることなすこと「後追い政策」である。そういう意味では日本も限りなくフィリピンに近づきつつある。

先進国の後進国化傾向ともいうべきものである
これはアメリカも同様である。必要なところに必要な人材がいないから、初歩的ミスがアチコチで起こる。しかもそれがしばしば致命傷になる。これも「ネオリベラリズム」の弊害というべきである。「長期雇用制度」を何もしないで長年勤めれば地位も給与も上がっていく「年功制度」だなどと勝手な歪曲をして批判してきた報いである。役人にもシンクタンクンのお兄さんにも「小池和男先生の本でもよく読んでもっと勉強しろ」といいたい。

フィリピンの市場に出回っている工業品は多くがメイド・イン・チャイナであり、あたかもフィリピンは中国の植民地のごとき有様である。

(フィリピン⇒中国への輸出)

フィリピンからの輸出品はXVI機械・電機が175.3億ドルで対中輸出の89.9%を占めている。しかし、伸び率を見ると08年上期は14.6%の伸びを示したが、下期には-36.4%と大きく落ち込んだ。08年通年では-14.0%のマイナスである。

このうち#84機械関係はパソコン部品(HDDなど)が主体であり、31.7億ドル、伸び率は14.6%であった。ところが金額が最も多い#85電機は主体が半導体であり、金額は143.5億ドル、伸び率は-18.5%となった。08年上期は13.3%の伸びを示したが、下期は-43.2%(前年同期比)というすさまじい減少となった。

これ以外では銅地金などのXV基礎金属が5.0億ドル、伸び率はマイナス51.6%、シェアは2.6%、V鉱物製品・石油が6.2億ドル、伸び率マイナス40.5%、シェアは3.2%である。これは銅精鉱などの「鉱石類」が主体であると思われる。

これら上位3品目の合計で95.7%を占める。他のASEAN諸国と違うのはパーム油や天然ゴムはゼロであり、ココナツも少なくなった。

ともかくアロヨ政権というのはこ工業化政策などで目に見える努力をしてこなかった。政策のほとんどが「後追い政策」と「その場しのぎ」であった。

政策の質としてはインドネシアよりもっとひどい。ASEAN4の中では最低である。国民の資質は相対的には優秀である。それが国内で仕事を見つけられず、海外への出稼ぎで送金をし家族を養っている。なんという国であろうか?

9-3-Ph.中国の対フィリピン輸出   (100万ドル、%)

2007 08/上 08/下 2008 07/06 08/上 08/下 08/07
I 動物・同製品 60 36 40 76 33.0 91.8 -4.2 25.4
II 植物製品 286 108 122 231 20.3 -21.3 -17.8 -19.5
IV 飲料・タバコ 190 101 133 234 12.7 21.8 24.6 23.4
V 鉱物製品・石油 222 157 196 353 16.4 19.1 116.0 58.6
VI 化学製品 508 451 314 765 41.1 92.1 15.0 50.6
VII プラスチック・ゴム 326 175 215 389 28.6 10.3 28.1 19.5
VIII 皮革製品 44 32 35 67 63.8 69.5 39.1 52.2
IX 木製品 24 14 16 30 36.3 28.1 19.1 23.0
X 紙・パルプ 76 54 48 103 46.5 54.8 17.3 34.6
XI 繊維 754 412 465 877 22.7 30.9 5.7 16.2
XII 履物・傘 158 84 84 168 25.0 19.5 -4.1 6.5
XIII 窯業製品 142 82 116 198 51.0 32.6 43.7 38.9
XV 基礎金属 1,134 674 655 1,329 51.8 20.9 13.7 17.2
72 鉄鋼 634 380 318 699 51.2 20.2 0.2 10.2
XVI 機械・電機 2,880 1,609 1,868 3,478 24.5 24.3 17.8 20.7
84 機械・部品 764 463 589 1,052 32.9 40.6 35.4 37.6
85 電機・部品 2,116 1,147 1,279 2,426 21.7 18.8 11.2 14.6
XVII 輸送機械 252 140 213 353 43.8 25.6 51.0 39.8
XVIII 光学・精密機械 244 71 82 153 27.3 -23.5 -45.6 -37.2
その他製造品 194 108 164 271 62.6 41.1 38.7 39.6
合計 7,500 4,308 4,770 9,078 30.7 26.4 16.6 21.0


9-3-Ph.中国の対フィリピン輸入   (100万ドル、%)

2007 08/上 08/下 2008 07/06 08/上 08/下 08/07
II 植物製品 119 72 72 144 -0.8 28.7 14.8 21.3
V 鉱物製品・石油 1,034 421 194 615 172.7 -7.1 -66.6 -40.5
VI 化学製品 76 55 64 119 11.7 74.9 44.0 56.8
VII プラスチック・ゴム 134 90 109 200 -38.6 30.1 69.6 49.1
XI 繊維 49 28 31 60 12.3 13.8 29.8 21.7
XV 基礎金属 1,029 328 170 498 20.6 -58.2 -30.3 -51.6
72 鉄鋼 129 25 25 51 -18.3 -79.8 618.5 -60.7
XVI 機械・電機 20,376 10,270 7,255 17,525 29.8 14.6 -36.4 -14.0
84 機械・部品 2,769 1,545 1,628 3,173 -0.1 22.1 8.3 14.6
85 電機・部品 17,607 8,725 5,627 14,351 36.2 13.3 -43.2 -18.5
XVIII 光学・精密機械 98 51 99 150 -36.6 15.3 82.3 52.4
合計 23,116 11,431 8,070 19,502 30.8 8.7 -36.0 -15.6



9-3-In. 中国の対インド貿易

中国とインドの貿易は最近両国の高度経済成長によって急増している。しかし、工業化の遅れているインドは電器・機械、繊維、化学品など広い範囲にわたり工業品を輸入しているが、インドから中国へ輸出できるような工業品は極わずかである。

インドから中国への輸出品は08年は実に73.5%が鉄鉱石を中心とするV.鉱物製品・石油である。

貿易バランスは圧倒的に中国の輸出超過である。
08年の中国の対インド輸出は315億ドル、前年比(FOB)+31.7%、輸入(CIF)202.8億ドル+38.6%で伸び率は拮抗している。

しかし、貿易収支は中国側の112.2億ドルの黒字である。輸出:輸入=3:2という典型的な「片貿易」である。

9-3-In.中国の対インド輸出入   (100万ドル)

2005 2006 2007 2008 05年=100
中国の輸出 8,933 14,582 24,016 31,500 347
インドからの輸入 9,767 10,278 14,631 20,281 208
貿易収支 -835 4,304 9,385 11,219

(中国の対インド輸出)

輸出の半分近くの48.7%がXVI機械・電機で金額153.4億ドル、伸び率36.5%であった。インドはこの分野の工業化がかなり遅れている。しかし、今後数年で家電製品などの自給は進むであろう。

ついで多いのがVI化学品の52.2億ドル、伸び率34.0%。3番目がXV基礎金属の36.6億ドル、伸び率8.5%であった。インドの鉄鋼業の投資はかなり活発であり、この分野も自給体制は急速に整いつつある。

4番目がXI繊維の20.9億ドル、+11.3%である。繊維産業は歴史的にインドが得意とするところである。おそらく合成繊維の輸出が多いものと思われる。

9-3-In.中国の対インド輸出   (100万ドル、%)

2006 2007 2008 06/05 07/06 08/07
II 植物製品 61 63 95 62.8 3.3 50.3
IV 飲料・タバコ 39 48 45 190.4 23.6 -6.2
V 鉱物製品・石油 595 379 929 0.4 -36.2 144.7
VI 化学製品 2,341 3,891 5,215 41.9 66.2 34.0
VII プラスチック・ゴム 418 830 868 58.2 98.6 4.6
VIII 皮革製品 45 66 97 33.5 47.2 46.9
IX 木製品 28 61 66 94.8 118.4 8.6
X 紙・パルプ 171 271 296 187.0 57.8 9.6
XI 繊維 1,419 1,877 2,089 3.9 32.3 11.3
XII 履物・傘 81 113 190 73.1 39.8 67.9
XIII 窯業製品 293 411 577 41.9 40.3 40.6
XIV 宝石類 114 147 113 25.5 29.5 -23.1
XV 基礎金属 1,846 3,370 3,657 148.4 82.5 8.5
72 鉄鋼 610 1,482 1,732 135.3 143.0 16.9
XVI 機械・電機 6,360 11,242 15,343 90.3 76.8 36.5
84 機械・部品 2,721 4,231 6,969 76.3 55.5 64.7
85 電機・部品 3,639 7,011 8,373 102.2 92.6 19.4
XVII 輸送機械 284 543 785 130.3 91.0 44.6
XVIII 光学・精密機械 241 342 434 38.3 41.8 27.1
XX その他製造品 225 334 477 47.4 48.7 42.8
輸出合計 14,582 24,016 31,500 63.2 64.7 31.2

輸出品構成比(%)

2006 2007 2008
II 植物製品 0.4 0.3 0.3
IV 飲料・タバコ 0.3 0.2 0.1
V 鉱物製品・石油 4.1 1.6 2.9
VI 化学製品 16.1 16.2 16.6
VII プラスチック・ゴム 2.9 3.5 2.8
VIII 皮革製品 0.3 0.3 0.3
IX 木製品 0.2 0.3 0.2
X 紙・パルプ 1.2 1.1 0.9
XI 繊維 9.7 7.8 6.6
XII 履物・傘 0.6 0.5 0.6
XIII 窯業製品 2.0 1.7 1.8
XIV 宝石類 0.8 0.6 0.4
XV 基礎金属 12.7 14.0 11.6
72 鉄鋼 4.2 6.2 5.5
XVI 機械・電機 43.6 46.8 48.7
84 機械・部品 18.7 17.6 22.1
85 電機・部品 25.0 29.2 26.6
XVII 輸送機械 1.9 2.3 2.5
XVIII 光学・精密機械 1.7 1.4 1.4
XX その他製造品 1.5 1.4 1.5
輸出合計 100.0 100.0 100.0


(インドからの対中国輸出)

インドから中国へ輸出できるものは鉄鉱石、繊維、化学品、鉄鋼製品の4品目ぐらいしかない。これらは輸出余力や輸出競争力が失われつつあるものが多く、大きな問題を抱えている。インドの工業化のスピード・アップが必要とされる。

鉄鉱石を主体とするV鉱物製品・石油は149.1億ドル+63.8%と著しく伸びているが、インド自身の鉄鋼業の発展により、鉄鉱石の輸出はここ2~3年のうちに激減する可能性がある。そうなると、対中国の貿易赤字はいっそう拡大する。

2番目はXI.繊維は12.2億ドル、伸び率+11.2%であるが綿製品が主体であると思われる。

3番目はVI.化学品の輸出が11.8億ドルあるが、前年比-2.2%である。

4番目はXV基礎金属5.8億ドルであるが-46.1%である。

9-3-In.中国の対インド輸入   (100万ドル、%)

2006 2007 2008 06/05 07/06 08/07
I 動物・同製品 96 100 110 53.3 4.7 9.7
II 植物製品 57 88 127 19.6 55.6 44.1
III 動植物油 62 85 130 13.7 35.5 53.6
IV 飲料・タバコ 165 132 258 139.9 -20.0 95.3
V 鉱物製品・石油 5,557 9,104 14,910 -4.8 63.8 63.8
VI 化学製品 1,054 1,210 1,183 7.7 14.8 -2.2
VII プラスチック・ゴム 549 348 348 19.5 -36.6 -0.0
VIII 皮革製品 155 201 212 22.3 29.9 5.8
XI 繊維 949 1,092 1,215 194.5 15.0 11.2
XII 履物・傘 77 123 123 44.8 60.6 0.3
XIII 窯業製品 9 42 61 84.8 372.3 45.2
XIV 宝石類 287 385 417 1.7 34.0 8.5
XV 基礎金属 751 1,081 583 -28.0 43.9 -46.1
72 鉄鋼 341 365 242 -61.1 7.0 -33.6
XVI 機械・電機 389 501 473 18.7 28.8 -5.5
84 機械・部品 245 304 256 9.5 24.0 -15.6
85 電機・部品 144 197 217 38.4 36.9 10.1
XVII 輸送機械 10 15 16 3.9 49.3 5.6
XVIII 光学・精密機械 68 73 80 16.0 8.1 8.3
輸入合計 10,278 14,631 20,281 5.2 42.3 38.6


輸入品構成比(%)

2006 2007 2008
I 動物・同製品 0.9 0.7 0.5
II 植物製品 0.6 0.6 0.6
III 動植物油 0.6 0.6 0.6
IV 飲料・タバコ 1.6 0.9 1.3
V 鉱物製品・石油 54.1 62.2 73.5
VI 化学製品 10.3 8.3 5.8
VII プラスチック・ゴム 5.3 2.4 1.7
VIII 皮革製品 1.5 1.4 1.0
XI 繊維 9.2 7.5 6.0
XII 履物・傘 0.7 0.8 0.6
XIII 窯業製品 0.1 0.3 0.3
XIV 宝石類 2.8 2.6 2.1
XV 基礎金属 7.3 7.4 2.9
72 鉄鋼 3.3 2.5 1.2
XVI 機械・電機 3.8 3.4 2.3
84 機械・部品 2.4 2.1 1.3
85 電機・部品 1.4 1.3 1.1
XVII 輸送機械 0.1 0.1 0.1
XVIII 光学・精密機械 0.7 0.5 0.4
輸入合計 100.0 100.0 100.0