タイの経済動向

T11-4 タイの貿易（2011-12-1）

1）国別の輸出動向をみると、1995年は米国向けが17.8％で第1位であった。次いで日本向けが16.8％とこの2か国で全体の約3分の1を占めていた。中国向けはまだ2.8％と低かった。ASEAN4か国向けはまだ4.9％であった。東アジア向けが47.7％で約半分。EU5か国向けが15.1％と比較的多かった。

2005年の段階では米国向けが15.1％でトップ、2位が日本向けで13.6％と1995年から見るとシェアは減っては来ているがこの2か国で29％のシェアを保っていた。中国が8.3％と徐々にシェアを高め3位となた。EU15か国向けは12.9％であった。ASEAN4か国向けは10.7％とシェアを伸ばした。

2010年は中国向けが11.0％とトップになった。これは従来の機械・電機部品などに加え、ゴムやパ＾ム油といった1次産品が伸びたことが影響している。2位は日本で10.5％、3位は米国で10.3％であった。ASEAN4か国向けが11.7％で中国向けよりも多い。

タイの輸出先は日・米・中国で30％強であるが、特定の国に偏ることなく全体的にバランスがよく取れているのが特徴である。。

表11-4-1　タイの国別輸出（単位：100万ドル、％）

2）品目別動向をみると
1995年においては農水産加工品が11.3％、機械類が11.4％とほぼ同じであった。次いで繊維ルイか10.3％と比較的重要ないtを占めていた。4位が電機および部品が9.1％、5位が電気製品（エアコン、冷蔵庫など民生用電気品）が7.5％であった。自動車は部品も含め1.2％にすぎなかった。

2005年になると、機械類が14.8％と最も多い。機械類といっても実はコンピューター部品が中心で10.4％うを占めていた。みねべあなどが主力メーカーである。電機および部品が11.7％で2位、電気製品が8.0％で3位、4位には自動車が7.4％でシェアを急速に伸ばした。これらの機械関係4品目で41.9％に達した。これらは日本企業によるものがほとんどである。自動車部品の中にはタイ資本によるものもあるが、それとて日本企業の出資もしくは技術指導によって初めて輸出が可能となったものがほとんどである。

農水産加工品が7.1％で位、繊維ルイは4.8％で6位となった。

2010年になってもその大勢は変わらないが内容にやや変化が出てきた。機械類が14.0％で1位、自動車関連が9.5％で2位に躍り出た。3位は農水産ひんが8.8％と盛り返してきた。ゴム、米。タピオカ製品が増加してきたのである。電機が9.7％、電気製品が7.1％である。また石油製品や基礎金属製品や化学品も着実に増えてきている。タイは工業の多様化が一段と進んだASEANナンバーワンの工業大国に成長した。



表11-4-2　タイの主要輸出品目（単位」100万ドル、％）

1）国別の輸入動向をみると、1995年は日本からの輸入が30.6％と最も多く、次いでEU15か国からの輸入が16.0％であった。第3位がASEAN10か国からが13.3％、米国からが12.0％であり、中国からの輸入は3.0％であった。

2005年の段階では日本からの輸入が22.0％とトップであるが、1995年に比べシェアは大幅に下がった。次いでASEANからの輸入が18.3％と大きく躍進した。中東諸国からの輸入が12.9％と大きく伸びた、これは原油の輸入である。タイにも石油精製設備が本格稼働したためである。中国からの輸入が1995年の3％から9.4％へと大きく伸びた。これは工業製品のぉ羽化によるものである。EU15か国からのシェアは8.9％と大きく減退した。米国からの輸入シェアは7.3％へとこれまた大きく落ち込んだ。輸入金額自体が横ばいである。

2010年は日本からの輸入シェアが依然トップで20.8％を占めている。ASEANからの輸入は16.6％であり、2000年ころから横ばいである。ASEANから輸入すべきものが1次産品以外さほど増えていないことを物語っている。中国からが13.3％と第3位に浮上した。中近東からの輸入は11.4％とやや頭打ち気味である。EU15か国からは7.3％、米国からは5.9％である。

金額ベースでみても米国とEUからの輸入はここ15年間ほどさほど増えていない。この両地域の工業製品の輸出競争力が伸びていないことの証左でもある。これに比べ日本は1995年の216億ドルから2010年には379億ドルへと7％増加している。中国の日本企業からの輸出は統計上把握できないが大幅に増加しているはずである。

タイの国別輸入（単位：100万ドル、％）