アンダー・イースタン・アイズ 

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円高放置の責任はやはり日銀白川総裁にあった(2013-11-18)

東南アジアの株・為替下げ止まらず(2013-8-27)

アジア経済の変調、株価も為替も(2013-8-21)


アジア株の最近の急落(2013-6-24)

ラテンアメリカ諸国はカラカス宣言調印ー独自ブロック形成(2011-12-4)

想定外もしくはイマージネーションの不足?(2011年4月14日)


日本政府は2008年に現有の原発は巨大地震に耐えられないという警告を無視(2011-3-16)

不思議な現象、なぜ日本だけがダメなのか?通貨政策の貧困(2011-1-4)

日本の09/3Qの改定GDPは-5.1%に悪化(09年12月10日)

日本の09/3Qの成長率は-4.5%、+4.8%という大嘘(09年11月17日)

日本の09年2Qの成長率は-7.2%で+2.3%ではない(09年9月12日)

GDPの数値は前年同期比で表示せよ(09年8月19日)

民主党の勝因(07年8月1日)

民主党の勝因
(07年8月1日)
07年7月29日におこなわれた参議院議員選挙における民主党の圧勝は日本の政治史に新たな1ページを加える重大な出来事であった。
これは2年前の小泉政権の「郵政改革」選挙による自民党の大勝利とは比較にならない。

その理由は「郵政改革」選挙は国民をダマクラカシた勝利であった。いずれ国民は小泉改革の欺瞞性に気付くし、その前に小泉・竹中政権の「ネオリベラル」的な経済政策の被害に気が付くはずである。いや、既に多くの国民が現実に被害にあっている。(被害にあっていない勝ち組も少数ながら存在する)

ネオリベラルの経済学は近年多くの日本の大学においても「主流」のようなカオをしている。それは市場原理主義といわれるもので「市場の競争に任せておけば、神の見えざる手によって結果的に全てがうまくいく」というイデオロギーである。アダム・スミスがそういったのは「重商主義」に反対するためにいったのであって、「普遍的原理」としていったわけではない。例えばスミスは「過当競争」を馬鹿げたこととしていさめている。

実はこのイデオロギーは歴史的に何回も「破綻」している。20世紀における最大の破綻は1929年にはじまる「世界恐慌」である。

それが1980年代になって「醜い頭を持ち上げて」地獄の底から復活してきたのである。最初に復活したののはアメリカであるが、日本にもバブルの崩壊後に一挙に伝染した。

「金持が元気になれば経済は復活する」という宣伝文句である。ホリエモンは「貧乏人は金持に食わせてもらえばいい」と言い切った。あほか!!?村上某はシンガポールに超高級マンションを買ってトンズラを決めこんだ。ホリエモンや村上某が貧乏人を食わしてくれるハズもない。こちらとしてもご免蒙りたい。

しかし、彼らの主張はネオリベラルの経済学の教科書にはちゃんと載っている。「トリクルダウン・イフェクト(Trickle Down Effect)」という考え方で、「金持が豊になればオコボレが発生して貧乏人もやがては少しは潤う」というものである。貧乏人はそれまで辛抱してジット待って居れというご託宣である。
クソ食らえである。
ジット待っていたら、どんなに良いことがあたか。小泉大勝利の「効果というか弊害」は既に身の回りに起こっている。低所得者への増税」(減税をやめたのだという)であり、老人医療の切り捨てである。
老人は医療費がかかりすぎるので、なるべく家で家族が面倒をみろだとか、「要介護」から「要支援」への格上げと称して、ほとんど身動きのとれない老人までもが病院のベッドから引き剥がされて、自宅に帰れとか「自立しろ」とか言われている。そのために未だ働かなければ食えない中高年が会社を辞めて老父母の介護をせざるを得ないという悲劇がアコチで生じている。地方に行くと病院という建物ががらんどうになりつつある。医療の荒廃も進んでいる。

今回の選挙では公明党も敗北した。それは老人層の叛乱があったからである。「創価学会に入り、公明党に投票していれば必ずご利益がある」などといわれてきた人々が、「様子が変だ」と気が付き始めたのである。

財界のお偉方は、これが「必要な構造改革だ」などと勘違いして小泉・安倍政権支持を続けている。しかし、おかげさまで、国民はだんだん自動車も買えなくなってしまったのだ。それより、老後のことを考えたら、「恐怖感で夜も眠れない」人が日ましに増えているのである。

農村も「補助金をタレ流しておけば文句を言うまい」ということで放置してきたのである。田舎の田んぼ道を舗装すれば「農業の生産性があがる」などというくだらないことを誰が考え付いたのか。

小泉改革は「年金問題」にも「農業問題」にも頬かむりを決め込んで5年以上も放置してきたのである。要するに大事な改革をおこなってこなかったのである。郵政改革などは実は本筋を外れた問題だったのに国民は小泉政権のサボタージュを見抜けなかったのである。

農村に一歩足を踏み込めば、これが毎年、何兆円も国民の税金をつぎ込んできた結果かと暗澹たる思いにならざるを得ない。廃屋がやたらに目に付くし(これは地方都市でも同じだが)、後継者もいない老人がやっと生きているという現実ががる。

小泉改革はこういうところに目がいっていたとは到底思えない。政府予算の赤字を減らし、公共事業を減らすのが改革だと思っている。その一方で「特別会計」で官僚達が好き勝手に「お手盛りで自分達の利権を拡大し、天下り先を確保して、国の借金をドンドン膨らましてきた。これを中央政府は「予算の対象外(オフ・バジェット)」だから知らないよといってきた。
これを防ぐには「郵政改革」でカネの流れを絶てばよいという安易な理屈である。

しかし、カネはいろんなところに転がっているし、特別会計といえども多くは「閣議決定」という事務処理を経ているのである。役人が勝手にやっていたという言い逃れは必ずしも適当でない。政府自民党が役人と組んで「適当にやっていた」というケースが少なくない。

こんなことは多くの国会議員が既に十分認識していることであって、民主党をはじめ野党の国会議員がテレビ番組などで時々取り上げてきた。

(民主党の勝因)
今回の選挙で民主党が勝つと思ったのは「農村問題」を正面から取り上げたことである。生活不安におびえる農民に「所得保障」を約束したことである。実際問題として狭い田んぼにいくら補助金をつぎ込まれても、それが「生活保障」には直結しないのである。しかも、耕作する体力も失われつつある農民が急増している。

こういう政策は「ネオリベラル」の思想からは残念ながら出てこない。何しろ「そのうちオコボレが回っていくかもしれないから、じっと待ってろ」では話しにならない。

農民の生活がきちんと保障されれば、農業も自由化できる。減反政策も耕作制限も必要なくなる。これが農業活性化の第1歩であることは間違いない。
貿易政策もFTA(コメと砂糖抜きの)だなどという姑息なことをやって世界の嘲笑をかうよりも、正々堂々とWTOベース(ドーハ・ラウンドの見直しは必要だが)の世界的自由化を進めることが出来る。

財源がないではないかといっても、それは今の仕組みを前提とするから無いのであって、特別会計などオフ・バジェットの予算を中央政府予算に取り込み、全ての特殊法人の洗い直しを行い、税金の累進課税を強化し、補助金の洗い替えや予算の組み替えをやれば、何とかなるかもしれない。日本の税金は高いからよその国で事業をやるという人には「どうぞご随意に」というほかない。

「美しい国のオソマツ閣僚」の失言問題や年金のズサン管理があったとかいっても、敵失だけで民主党が勝利したなどと考えていたら、自民党は次の選挙もまた負けるであろう。

「男前の安倍晋三がフツーの顔の小沢一郎に負けたるハズがない」などと思って、国民に「どっちを選ぶか?」などと迫って見ても、コチトラには人様のカオなど比較しているユトリはないのだ。自ら仕掛けた勝負に負けてなお地位にしがみつくような政治家に何の美学があるのだ。日本は美しい国ではなかったのか?


GDPの数値は前年同期比で表示せよ(09年8月19日)

大日本帝国大本営発表が戦後64年経って復活した?
最近発表された2009年2Qの経済成長率3.7%だという。よくよくみるとこれは1Q(1~3月)との対比ではないか。1~3月は正月休みもあり、2月は28日しかなく、操業日・営業日が極端に少ない期間である。それをベースに4~6月と比較してどういう意味があるのか?

景気が良くなったと選挙用に宣伝したい自公政権の応援を官庁が行い、それを新聞が宣伝しているだけの話しではないか。

麻生首相はこの数字を根拠に「景気は回復してきた」と口をひん曲げて、青筋立ててがなりたたてている。イイカゲンにしてもらいたいものだ。

GDPの数字はあくまで前年同期比の数字でおこなうべきである。その数字は日経新聞のどこを捜しても出てこない。NHKも報道しない。

こういう怪しげな数字を発表し始めた国としては韓国などにも見られるが、韓国は同時に前年同期比の数字も発表している。インドネシアやタイは前年同期比の数字しか発表していない。当たり前の話である。日本だけがどうしてこういうキタナイ数字を発表するのか到底理解できない。

一体これはどういうことなのであろうか?答えはハッキリしている。いまや民主主義国家日本というのは真っ赤な偽りで、戦前の大日本帝国に逆行しつつあるのである。新聞がそれを先導しているのである。

新聞記者がボンクラぞろいも大きな原因である。もっとしっかりと国民の知る権利を守ってもらいたいものだ。

輸出が増えて、成長率が上がったなどというなら、輸出の実額を公表すべきである。それも前年同期比で比較すべきである。

早く民主党政権ができて霞ヶ関の欺瞞・国民裏切り体質を一掃してもらいたいものである。今回の選挙は国民が自ら民主主義を守る意志があるかいなかの分かれ道である。


日本の09年2Qの成長率は-7.2%で+2.3%ではない(09年9月12日)

懲りない面々というか、無知なのか日本人の経済記者はGDPの成長率を前年同期比ではなく「前期比」で書いて平気な顔をしてる。

書いている本人が分かっていないか、役人の言い分を右から左に書き流しているだけのロボット記者なのか、およそ批判精神がない。ことの本質に迫る気迫など薬にしたくてもない。

こういう新聞記者に世間並み以上の給料を支払っていたのでは新聞社の経営もさぞ大変であろう。結局、読者にツケは回ってくる。

こういう記者は第2次大戦中にはいやというほど日本にいた。「大政翼賛記者」である。今日の日本ではいつでもファシズム体制を作れるのではないだろうか?空恐ろしいと思うのは私だけだろうか?

ところで、本論に戻ると、内閣府(元経済企画庁)は新聞記者(日ごろ飼いならしている記者クラブのメンバーか?)に09年4~6月のGDPの改定値なるものを発表した。

以前に発表した年率3.7%という数字は高すぎで、2.3%が正しいというのである。これは日経、毎日、WSJにも書いてある。

しかし、こういう数字はどう改定しようとウソなのである。なんとなれば、前期比の数字だから経済の実態(すなわち、深刻さ)が全く表現されていないのである。前回零点をとった小学生が今回20点とったので、成績が「20%も向上した」と喜んでいる類のバカ親的話しなのである。


内閣府が公表した別な表をにると「前年同期比」の表があって(ずっと後ろの方にある)それには-7.2
%(1Q=-8.7%)とはっきり書いてある。日経の夕刊は記事の終わりで、この数字にチョコット触れているが,毎日などは何も書いていない。

この-7.2%という数字を表に出して議論をすべきだし、記事も書くべきであろう。毎日の9月11日の夕刊の記事には林芳正経済担当相は「在庫調整が進んでいること自体は(国内経済に)悪い話ではない。ただ、設備投資のマイナスは心配。雲がすっきり晴れているとは言えない」と述べたとのことである。

あきれてモノが言えない。「雲がはっきり晴れたとは言えない」というような「陽気」なのだろうか。こういうとぼけたことをいう閣僚も閣僚だが、こんな話しを有難がって書く記者もオソマツである。偉い人の感覚には市井の老エコノミストは到底ついていけそうもない。

要するに日本経済は「暗雲立ち込めた」深刻な事態が続いているのである。内需が回復しないのは国民の多くが貧乏だからである。

一流紙の新聞記者はどうか知らないが、日本の若者は総じて貧乏になった。年寄りも老後のわずかな蓄えに金利がつかないから、何か買おうなどという気は起こらない。

自動車などは及びもつかない。「日常の糧を今日も与えたまえ」に近い人がやたらに増えてしまったのである。モノが売れないから企業は投資をしない。そういう状態が続いているのである。

4半期別GDP伸び率(前年同期比、%)

08/2Q 08/3Q 08/4Q 09/1Q 09/2Q
実質国内総生産 0.6 -0.3 -4.3 -8.7 -7.2
国内需要 -0.7 -1.1 -1.6 -4.8 -4.9
うち民間需要 -0.6 -1.1 -1.9 -6.5 -7.0
  民間最終消費 0.3 0.7 -0.3 -2.8 -1.0
  民間住宅 -16.5 -5.5 11.7 0.5 -10.1
  民間企業投資 0.5 -4.1 -11.8 -20.5 -23.4
  民間在庫品増減 (-0.2) (-0.4) (0.1) (0.5) ・・・
公的需要 -1.2 -0.8 -0.8 0.6 2.7
うち政府最終消費 0.1 0.4 0.2 0.6 0.9
  公的固定資本形成 -8.3 -6.6 -4.6 0.3 15.8
(再掲)総固定資本形成 -3.6 -4.7 -7.2 -14.7 -16.0
財貨・サイビスの輸出 5.9 4.4 -12.6 -36.4 -29.3
財貨・サービスの輸入 -2.0 -0.0 2.9 -15.6 -17.2

内閣府発表(09年9月11日)より作成


日本の09/3Qの成長率は-4.5%、+4.8%という大嘘(09年11月17日)

内閣府の発表では09/3Qの実質成長率は前Q比1.2%で年率4.8%であるという。毎日新聞によればこれがこのまま続けば年4.8%の成長するという。それでいて「回復には時間がかかる」とか。

マジスカ?お勉強をもっとしてくださいよ。特に毎日新聞の11月16日夕刊のトップ記事はひどい。日本の経済は一体どうなっているのですか?経済学博士の私でもこの記事がナニをイワンとしているのか理解できない。

前年同期比(普通の見方)では-4.5%で2Qの-7.0%から見れば少しは寒さが薄らいだかなという程度の話しである。-7.0%から-4.5%になったぐらいでオメデタがっている新聞記者はどうしようもない。役人は「何とかしろ」といわれているからこんな「子供だまし」の数字を公表しているのだ。

こういう「大本営発表」を右から左にタレ流すだけの新聞は罪悪である。ない方がましなくらいである。

下の表2の実数をジックリ眺めてみれば問題の所在がマクロ的には見当がつくであろう。

プラスになっているのは政府部門の消費(ムダ使いがほとんど)と公的資本形成(ムダな公共投資)だけである。

民間消費はもうこれ以上生活費も削れない段階にきているので-0.1%にとどまった。家の新築どころではないので民間住宅投資は-20.4%と派手な落ち込みで、2Qの-10.0%よりもっと悪くなった。

輸出も-23.0%であるが2Qの-29.3%よりはややましといった程度である。こういう状況では民間の設備投資もだめで-16.6%である。

円高なので輸出も苦しい。政府の景気対策としてはカネのかからないやり方はいくつもある。先ず株価対策である。これは「空売り規制」をキチント欧米並みにやることである。

個別の企業の業績は回復してきているところがかなり増えてきているにも関わらず、逆に「空売り屋」に押されて株価が下がっている。最近の「空売り」は空前の規模ではないだろうか。

「貸し株」を使えば問題ないというが誰の株を誰がどれだけ借りて空売りをやっているのか誰が同チェックしているのだろうか?

株が上がれば消費も増える。亀井静香金融大臣さまは東京大学経済学部のご卒業らしいのでもっと「政府のカネを使う」ことばかり考えないで経済全体の活性化をお考えいただきたいものだ。貴方しか経済を分かる人は政府にはいませんよ。

不況の時はなにか右上がりカーブ(失業率を除く)を1~2本作ることが大切である。カネのかからない方法は株の「空売り規制」が先ず第1である。日本経済新聞が反対しそうなことを選んでやるのがよい結果につながるであろう。

今のままでは法学部出身の与謝野さんとあまり変わらないではないですか?

表1、日本のGDEの伸び率(前年同期比)

08/1Q 08/2Q 08/3Q 08/4Q 09/1Q 09/2Q 09/3Q
国内総生産 1.3 0.6 -0.3 -4.3 -8.6 -7.0 -4.5
民間支出 1.6 0.3 0.7 -0.3 -2.8 -0.8 -0.1
 家計支出 1.8 0.3 0.7 -0.3 -2.9 -0.8 -0.1
民間住宅 -17.4 -16.5 -5.4 11.8 0.6 -10.0 -20.4
民間設備投資 -0.8 0.4 -4.1 -11.7 -20.5 -23.5 -16.6
政府支出 2.6 0.1 0.4 0.2 0.6 1.1 1.5
公的資本形成 -8.4 -8.2 -6.6 -4.6 0.4 15.9 13.1
輸出 10.9 5.9 4.4 -12.5 -36.3 -29.3 -23.0
輸入 2.7 -2.0 0.0 3.0 -15.5 -17.6 -13.8


表2、日本のGDE(2000年価格)          (単位;1兆円)

08/1Q 08/2Q 08/3Q 08/4Q 09/1Q 09/2Q 09/3Q
国内総生産 140.8 138.4 138.7 138.7 128.7 128.7 132.4
民間支出 76.8 76.0 77.5 78.5 74.6 75.4 77.4
 家計支出 75.5 74.3 75.8 76.6 73.4 73.7 75.7
民間住宅 3.6 3.6 4.0 4.1 3.7 3.2 3.2
民間設備投資 25.8 20.2 21.7 18.5 20.5 15.5 18.1
民間在庫増減 -3.2 2.8 -0.3 3.4 -2.5 1.4 -0.1
政府支出 25.1 24.4 23.9 24.4 25.3 24.7 24.2
公的資本形成 5.4 3.6 4.1 5.8 5.5 4.1 4.7
公的在庫増減 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1
純輸出 7.7 7.6 7.9 4.2 1.6 3.6 4.6
輸出 23.2 22.4 23.1 20.4 14.8 15.8 17.8
輸入 15.5 14.8 15.2 16.2 13.1 12.2 13.1

内閣府発表(09年11月16日)

日本の09/3Qの改定GDPは-5.1%に悪化(09年12月10日)

12月9日付で内閣府は日本のGDPは年率+1.3%であると発表して「プラス幻想」を振りまいている。毎日新聞は例によって9日の夕刊の1面トップで「GDP大幅下方修正」などといって大見出しで報じているが、記事の内容はまるで子供のお使いである。

これは毎日に限らず、日経でも同じである。要するに記者が自分の頭で考えていないのである。問題意識がないような記者はアメリカなどでは到底給料は貰えない。もちろんデスクもオソマツである。

製造業の設備投資が速報値よりもマイナスになったが個人消費と輸出が改善されているといったあくまで「プラス幻想」の宣伝にヤッキである。

本来GDPというのは前年同期比で見るべきものだがその数字はどこにも出てこない。景気が良くて問題がない時期ならば前期比対比の数字も多少の意味があるが、こういう不況のまただ中にあるときはあくまで前年同期比の数字で議論すべきでる。

前期比の数字というんは「季節調整」という余計なファクターが入ってくるからマズいのである。要するに下手くそな料理人の手が加わるから、とても食えたモノではないのである。

こういうイイカゲンな数字を公表する内閣府とそれを無批判にタレ流すという風潮は自公政権末期から著しくなったが民主党政権に変わっても一向に改まる様子はない。これは民主党も「経済音痴」であることを役人に早くも見透かされている証拠である。

「仕分けパフォーマンス」もそれなりに意義があるかもしれないが、もっと経済の現状分析を正しくおこない、マトモな政策をたてるべきである。

それにしてもオソマツなのは亀井静香金融担当「大臣」閣下である。こんなときに公共事業を9千億円積みましてどうするつもりであろうか。GDPのどの部門に効き目が出てくるのか明らかにすべきである。毎日のように都内では鉄道の「人身事故」がでているではないか。

生活に困窮して、生きる望みを失っている人が大変多いのが今の日本である。地方のゼネコンにカネを渡すのが政策の第1課題ではないのだ。生活困窮者への直接支援が必要な段階なのである。

小中学生を持っている家庭に「一律にカネをばら撒く」ような陽気ではないのだ。この辺は「お坊ちゃま」の鳩山総理大臣閣下にも良く考えていただきたい。「陽気を読み間違えるな」とお願いしたい。

マニフェストがどうであろうと,政策の順序をもう一度1からならべかえる必要である。

経済を財政政策で立て直す余地は限られている。調子が悪いのは「設備投資」である。設備投資は国内外の需要が出てこないから落ちているのである。これは世界的な傾向である。しかし、日本は国内需要を増加させる手だてはある。

その1つは株価対策である。前から主張しているように、「空売り規制」を規則に従ってキチント実行すべきである。「借株」で空売りができるということになっているが、そのチェックは事実上なされていない。

株価が上がれば消費は必ず増える。その2は困窮者対策である。これは困窮者になるべく「直接的に」カネを渡すべきである。昔の「ニコヨン」政策も再導入を検討すべきである。道路の新設ではなくて「老朽橋梁の補修」や「道路の補修」を最優先すべきである。

「職業訓練」というのは実際の効果は少ないが。失業者にカネを渡すという意味がある。


輸出について言えば「円高」を何とかすべきである。「ダメな日本経済なのに円高」だなどというのはおかしいではないか?これは藤井財務大臣閣下にも問題がある。「円高介入はしない」などと大見得を切ってしまったトガが残念ながら出てきているのである。

日銀の「お坊ちゃま」などに任せていてはダメだ。大体彼らが「ドロをかぶって」でも何か役に立つようなことをやりそうな顔をしていますか。泥をかぶるのはなんといっても「東大の野球部」ですよ。ただ、あそこは「負けて当たり前」という伝統があるらしいのがヤヤ気になるが。

ともかく今の政権は藤井大臣閣下が中心になって「経済建て直し」をやるほかない。亀井閣下は分かっていないということが今回良く分かった。落選した方の亀井さんは大変立派な政治家のようにみえる。捲土重来をお祈りしたい。

下の「改定値」と上の表1をを比較してみてください。いかに内閣府のエコノミストがなっていないかが良く分かる。大学で「経済学」をちょっと齧ったぐらいの「優等生」というのはこの程度のものなのである。このブレの大きさはアジアでもナンバー・ワンであろう。

今回改定の国内総支出(前年同期比)

08/3Q 08/4Q 09/1Q 09/2Q 09/3Q
国内総生産 -1.4 -4.1 -8.9 -5.8 -5.1
民間支出 -0.6 -1.8 -3.8 -1.1 0.0
 家計支出 -0.8 -2.0 -4.0 -1.1 0.0
民間住宅 -6.1 11.1 0.1 -9.9 -20.3
民間設備投資 -0.3 -7.5 -19.7 -22.2 -20.6
政府支出 -1.4 -2.0 0.0 3.2 2.9
公的資本形成 -6.6 -8.7 -1.8 12.6 9.4
輸出 4.2 -13.0 -36.5 -29.3 -22.9
輸入 1.9 1.0 -18.0 -19.0 -16.4


不思議な現象、なぜ日本だけがダメなのか?通貨政策の貧困(2011-1-4)

まず下記の表をご覧いただきたい。日本は全くどうかしている。

株価はこの1年でマイナスになったままである。その代わり対ドルの円は12.9%も上昇している。
お隣の韓国は株価が22.9%も上がっているのに対ドルのウオンはわずかに2.9%の上昇である。2008年の8月頃は1万ウオンが1000円であったが、現在は730円である。

これだけ多くのハンデを背負わされたらどうシャチホコ立ちをしたところで日本のエレクトロニクス・メーカーはサムソンに太刀打ちできっこない。
日本のメーカーは仕方なしに海外に出ていく。そうすると国内の雇用は減る一方である。

かわいそうなのは就職口が見つからない大学生や高校生である。いや日本国民である。全てはこの日本の通貨政策に起因する。円高になればワシントンから「イイコ・イイコ」とほめられる。それが日銀の幹部や金融庁の役人にとって何よりの「勲章」のようだ。

今後1年は為替政策をしっかりやってもらいたいものだ。そうしないと韓国や中国の企業にとことんやっつけられる。

日米同盟とは米国の政治・行政担当者に都合のいい関係が最優先されるようだ。それを断ってわが道を行くと「日米関係がギクシャクスル」などと右翼政治家や新聞記者に騒がれる。尖閣問題で最もいい気になって騒いだのは彼らである。

毎日新聞の某論説委員までが、本当は誰からも歯牙にもかけられないのに「時局を憂いている」ようなそぶりを見せるのは見ていてコッケーである。

オバマ大統領などはもっとクールである。日本にきちんとやってもらいたいと本心で望んでいるのは明らかである。

日本の経済リーダーまでもが覚えたてのネオ・リベラルの政治的経済学を信奉していると見えて、「自分の会社さええつぶれなければ」あとはどうでもいいやなどという狭い視野で行動しているとしか思えない。

財界幹部は尖閣問題でも事実上、仙石官房長官に助けられたのに、誰もお礼の一つも言わずに、彼がたたかれるのを手をこまねいてニヤニヤしながら傍観しているかのごとしである。民主党政権も自公が審議に協力しなければ放っておけばよいのである。国会議員としての義務を果たさなければこれは単なる「税金泥棒」である。

日本では検察庁に問題を振ったのは卑怯だとか、中国人の船長を釈放したのは許せないだとか、近視眼的論調が横行している。韓国も「外交的配慮」から逮捕した船員をすぐに釈放したではないか。

あのまま自民党幹部が言うように船長を長期拘留して「強硬外交」とやらを推し進めれば、中国の世論が沸騰して抜き差しならない事態に発展したであろうことは明らかである。だから右翼政権は怖いのである。自公政権下では安心して中国などで事業経営はできない。

株価は1年前の中国は上がり過ぎた反動が出ているだけの話である。日本の株価の低迷は「空売り規制」が有名無実だからに他ならない。証券取引所も規制を強化すれば、取引が減って「手数料収入が減る」などとブツブツ言っている。目先のカネ勘定ばかりやっている。

株価が投機筋に操作されているから、国民は怖くて株に手を出せない。その結果取引が減っているのである。証券取引所ももっと賢く立ち回らなければ、株式市場としても衰退していく。「かたい頭」では所詮いい結果は生まれない。

  2010/1/4  2011/1/4  伸び率  2010/1/4  2011/1/4  対ドル上昇率 
 日本 10654.79  10398.10  97.6   92.77  82.19 112.9 
 中国 3243.70  2852.65   87.9  6.827 6.610  103.3
 韓国 1616.10  2085.14   122.9  1154.10 1121.12   102.9
 タイ 732.28  1042.41   142.4  33.22 30.055   110.5
 インドネシア 2575.41  3760.06   146.0  9346.0 8982.5   104.0
 マレーシア 1275.75  1551.89   121.6  3.408 3.064   111.2
 フィリピン 3005.01  4218.73   140.4  45.94 43.6875   105.2
 シンガポール 2894.55  3250.29   112.3  1.394 1.286   108.4



日本政府は2008年に現有の原発は巨大地震に耐えられないという警告を無視(2011-3-16)

タイの英字紙ネーションが伝えるところによると、例のWikileaksが入手した米国政府の電報記事の中で日本政府は2008年(当時は自公政権)に国際原子力監視団(International Nuclear Watchdog)からの勧告を無視していたという。

その勧告とは国際原子力エネルギー機構(IEAE)の高官が「(2008年当時の)安全基準は時代遅れであり、強力な地震が来たら「重大な損傷」を受けることになると言明しており、2008年の東京で開かれたG8グループの「原子力に関する安全」委員会で提起されていたという。

この勧告に対して日本政府は「西日本にある原子力発電所の閉鎖」について地震に耐えられないという理由で同意するわけにはいかないといったという。

実際に日本に大地震が来ても日本の原発は大丈夫というのが電力会社や政府の立場であったように思われる。

今回の東北を襲った大地震でなぜもろくも東電の福島第1原子力発電所が全滅に近い状態になったかは十分に国民には知らされていないが、原子炉本体が破壊されたというよりは冷却水を送るシステムのトラブルー言いかえれば送水モーターの故障か送水管の破壊であろう。

情報の「小出し、後出し」はいい加減に止めて欲しいものだ。打つ手が次々に失敗している有様をみると、大事故に対する事前の研究がなされていたとは到底思えない。事故がないという前提でノー・天気で毎日を過ごしていたのではないかと疑いたくなる。

また、2008年頃から宮城・福島沖を震源とする地震はかなり頻繁に起こっていたように思う。これを大地震の前兆という風になぜ専門家集団は見抜けなかったのであろうか?

以下はバンコクのThe Nation の電子版のコピーです。


Japan warned in 2008 over nuclear plant safety : Wikileaks

Published on March 16, 2011

London - Japan was warned in 2008 by the international nuclear watchdog that its nuclear power plants were not capable of withstanding powerful earthquakes, US diplomatic cables obtained by WikiLeaks were reported to show Wednesday.

According to the cable, an official from the International Atomic Energy Agency (IAEA) said in December 2008 that safety rules were out of date and strong earthquakes would pose a "serious problem" for nuclear power stations, the Daily Telegraph said.

 The concerns were raised during a meeting of the Nuclear Safety and Security Group of the Group of Eight (G8) nations in Tokyo in 2008.

 The cable states: "He (the IAEA official) explained that safety guides for seismic safety have only been revised three times in the last 35 years and that the IAEA is now re-examining them."

   "Also, the presenter noted recent earthquakes in some cases have exceeded the design basis for some nuclear plants, and that this is a serious problem that is now driving seismic safety work."

   The cables also disclosed how the Japanese government opposed a court order to shut down another nuclear power plant in western Japan because of concerns it could not withstand powerful earthquakes, according to the Daily Telegraph.


想定外もしくはイマージネーションの不足?(2011年4月14日)

今回の東日本大地震は想定外の出来事だったといえるのか?地震そのものについても2008年頃から宮城沖を震源とするかなり大規模な地震が月に一度ぐらいは起こっていたのである。余震が問題にされているが、プレートの活動によるものが地震であるとすれば「予震」も必ずあったはずである。それを感知できないというのは関係する学者先生方の「想像力(イマージネーション)の欠如である。

ゲラー東大教授は地震の予知などできっこないから政府は地震予知研究を止めた方がよいという御託宣を述べておられるようである。確かにイマージネーションの欠如している「官僚的学者」にはこの際身を引いていただくのもよいだろう。ただし、「予震」の研究はもっとしっかりやる必要はある。

福島原発事件は東電や関係する役人がどう言い訳しようと明らかな人災すなわち彼らのミステークである。付帯電源設備の重要性を無視もしくは軽視していたことは紛れもない事実である。最近政権をとったばかりの民主党に責任を押し付けるのはいささか酷である。

近年の「近視眼的利益優先政策」が対策を怠ったのである。電力事業の「民営化」の弊害であもある。炉の本体を守ることに集中していたなどというのは全く的外れの議論である。付帯設備がきちんとしていなければ本体を守れないというのは「装置産業」のイロハである。

私は一時期製鉄所に勤務した経験があるが、最も日常的に神経を使っていたのは電気の問題である。大型の自家発電設備を備えていたが、瞬時たりとも電気に異変が発生すれば高炉以下ほとんどの設備が大きな損傷を被ることは徹底して社員が認識していた。

想定外の津波がきたので全部壊れましたなどというのは言い訳にも何もなっていない。自分の無知を天下に公表しているようなものである。素人をだまそうとする意図がミエミエである。津波でなくても間違ってヘリコプターが墜落しても同様な事故に発展した可能性がある。

東電の技術者は懸命に挽回策に取り組んでおられることは疑いはないが、なんとも「右往左往」しているかの感は免れない。想定外ということは間違いなく「全てが想定外」というより、普段から何も考えないでいたのではないだろうか?

これは日本人のだらしなさの典型的な例かもしれない。日本人は原発のような「超近代的設備」を動かしていくだけの知的能力やイマージネーションが根本的に欠如しているのではないだろうか?

飯塚浩二先生の『日本の軍隊』に書かれていたが、第2次大戦後米軍のある将軍が日本軍の敗因について調査し、その結論が『日本人は近代戦を戦う能力(資質)がなかった』と指摘していたことを思い出した。

それでも日本は戦後目覚ましい工業的な発展を遂げたではないかといいたいが、今回その米軍士官の話を思い出した。日本軍は決死の覚悟で戦った「下士官兵」の犠牲に上に成り立っていたという。

企業の発展も現場で働く名もなき労働者たちの力に支えられていることは、小池和男先生の『仕事の経済学』に書かれている通り「である。事故現場、津波現場で働く自衛隊、消防署員、警察官、地元住民、ボランテアの方々の頑張りをただただ「美談」で終わらせては申し訳ない。

今回もそうだ。現場で必死に働く人々の活躍は素晴らしいが、事故全体の責任者である経営者や技術者や役人や学者の体たらくはいったいなんだと言いたい。

国のリーダーや会社のリーダーや学者たちの姿はおよそ見られたものではない。何かが根本的に欠けている。それは日本の高等教育の在り方の反映ではなかろうか。あまりに規則や決まりや固定観念にとらわれ「想像力」が欠如しているとしか思えない。エリートがエリートとして機能してこなかったことこそが問題なのだ。

最後の決め手は個々人のイマージネーションである。


ラテンアメリカ諸国はカラカス宣言調印ー独自ブロック形成(2011-12-4)

ラテンアメリカとカリブ海諸国は12gつ4日に「カラカス(Caracas)宣言」に調印する。これによって「ラテンアメリカおよびカリブ海諸国の共同体(the Community of Latin America and Caribbien States=CELAC)」が結成されることになった。

これには米国とカナダは入っていない。米国はこれらラテン・アメリカ諸国を取り込もうとしたが櫛比した。ただしメキシコはカナダとともにNAFTAび1994年に参加した。米国はつぎは中南米を狙ったが中南米諸国の「反米感情」が強く、どうにもならなかった。

CELACの目的は「ラ米諸国間の貿易と統合(Integration)をめざし、世界の経済危機に対しメンバー諸国を保護するための国際通貨基金を設立する」ということである。

ベネズエラのチャベス大統領は「統合のための基礎を築く」のだと説明している。「統一(Unity)だけが我々を自由にするであろう」と述べている。

CELAC結成の中心メンバ-は反米感情の強いベネズエラ、キューバ、ニカラガであり、メキシコやチリといった比較的親米的な国々も今回参加した。

コロンビアのフアン・マヌエル・サントス(Juan Manuel Santos)大統領はCELACは我々の利益のために設立するものであり、米国主導のOAS(Organization of American States)や” Iberoamerican Summit"に反対するものではないと説明した。チリが最初の議長国に2012年になる予定である。

米国政府はコメントを避けている。前々からわかっていたことではあるがラテン・アメリカ諸国は「アメリカ帝国主義」に対する被害者意識を持ち続けてきた国が多い。事実米国の内政干渉は相当ひどかった。米国政府はここでも右翼独裁政権を支援したことがラテンン・アメリカの人々に強い反米感情を抱かせるもととなった。

今世界で最もマルキシズムが受け入れられている地域は中南米諸国であるという。ベネズエラちゃべす大統領は「社会主義者」を自称し、政策的にも実践している。もし、歴史的に米国がラテン・アメリカ諸国の民主主義の発展に力をかしていたらアメリカ大陸の政治的雰囲気は一変していたであろう。

米国は中南米を向いてもだめだから「アジア太平洋地域」を向いているという意味も今回のTPPには無きにしも非ずである。

アメリカは本当に民主主義国家といえるのであろうか?オバマ大統領が医療関係の福祉政策を実施しようとした時の共和党の反発ブリは激しかった。これは「階級闘争(Class WAR)」だと叫んだ共和党議員がいた。カネ持ち階級に減税を行えば景気が良くなるなどとして減税を強行したブッシュのいうことは事実によて裏切られた。ニューヨークではじまった「99%デモ」は瞬く間に全米に広まった。世の中が狂ってしまっているのである。それに立ち向かおうとしているオバマ大統領は大苦戦である。


アジア株の最近の急落(2013-6-24)


2013年6月に入って中国を始めとするアジアの主要国の下落が目立ち始めた。5月に入ってからの最高値と6月24日の株価を比べると、フィリピンが-19.3%、タイが-17.0%、日本が16.4%と大きく値下がりしている。タイの場合はインラク政権の「コメ買い上げ政策」のホコロビが顕在化して、政権支持率が最近急降下していることが響いている。

フィリピンはバブル的な株価上昇の反落である。日本は円安による株価上昇があったが5月23日に暴落して以来ジリ貧j状態にある。

中国株は国内の不況要因と金融不安が重なり最近下げ幅が大きくなっている。上海A株は6月24日は-114.79ポイントとー5.29%の大幅な下げとなった。

香港株は-449.33ポイントさげ2万台を割り込み19813.98(-2.22%)となった。これは2012年9月11日の19857.88以来のことである。

アジア株の下落は中国経済の国内外の不振が最も大きく影響しているとみられる。またヨーロッパの長期不況もジワリと効いてきている。

  直近の最高   最高株価  5月31日 6月24日  6月の下落率   最高値からの下落幅
 日本  5月22日  15627.26  13589.03  13062.78  -4.8% -16.4% 
 中国・上海A  5月29日 2432.60   2408.25  2054.62  -14.7 -15.5 
 香港  5月10日 23321.22  22392.16   19813.98  -11.5  -15.0
 タイ  5月21日 1643.34  1562.02   1364.09  -12.7 -17.0 
 インドネシア  5月28日 5176.23  5088.63   4429.46  -13.0  -14.4
 フィリピン 5月15日 7392.20  7021.95   5971.06  -15.0  -19.3
 マレーシア   6月10日  1787.80  1769.22  1738.19  -1.8  -2.8
 シンガポール  5月22日 3454.37  3311.37   3074.31  -7.2  -11.0
 インド  5月22日  20111.61 19760.30   18540.89  -6.2  -7.8



アジア経済の変調、株価も為替も(2013-8-21)


8月19日(月)に入ってからアジア経済の変調が急に表面化した。それまでは調子が悪いのは中国で東南アジア⇒インドは比較的マシであるとの見方が多かったが、貿易統計などを見ると肝心の輸出が不振で、その割には輸入は減らないという現象がみられ、株価が下落するとともに為替もタイドル相場が軟化している。

株価と為替のの値下がりはタイ、インドネシア及びインドが特に顕著である。フィリピンはマニラが大洪水のため今週は証券市場が閉鎖されている。タイの輸出についてはHPタイの経済をご参照ください。

  8月14日  8月19日 8月20日 8月21日   対ドル14日  21日
 日本  14050.16 13758.13  13396.3  13424.33 98.19 97.49 
 タイ  1460.65 1445.76 1338.49 1370.86 31.33  31.83 
 インドネシア 4699.7 4313.5 
4175.0  4218.5  10297 10775 
 マレーシア  1793.73 1778.36  1745.42  1744.85 3.274 3.296 
 シンガポール  3248.66 3173.36 3128.75 3108.99  1.271 1.277 
 インド  19367.59 18307.52 18436.04  17905.91 61.36  64.258 



東南アジアの株・為替下げ止まらず(2013-8-27)

8月26(月)の週に入っても東南アジアとインドの株式市場と為替(対ドル)の下落は止まらない。原因は輸出不振に加え内需の不振である。タイiの株式は1300ポイントの大台を割ってしまった。インドネシアも4000台を割る。フィリピンも6000台を割って5916.99になってしまった。フィリピンはマニラの大洪水のため8月16日~21日の間は株式市場は開けなかった。経済事情は他国と同じである。

インドは8月21日の17905.91から8月26日には18558.13まで回復したが27日には17968.08に再度暴落した。インドは輸出工業品が少ないため貿易赤字を削減する手段がない。

  8月14日  8月19日 8月20日 8月21日  8月27日   対ドル14日  21日 27日 
 日本  14050.16 13758.13  13396.3  13424.33 13542.37  98.19 97.49  97.77 
 タイ  1460.65 1445.76 1338.49 1370.86 1293.97  31.33  31.83  32.17 
 インドネシア 4699.7 4313.5 
4175.0  4218.5 3967.8   10297 10775   11337.0
 マレーシア  1793.73 1778.36  1745.42  1744.85 1701.24  3.274 3.296   3.327
 フィリピン 6656.61  6525.95 6525.95  6525.55  5916.99  43.77  43.97  44.59 
 シンガポール  3248.66 3173.36 3128.75 3108.99 3034.02   1.271 1.277   1.284
 インド  19367.59 18307.52 18436.04  17905.91 17968.08  61.36  64.258   65.905



円高放置の責任はやはり日銀白川総裁にあった(2013-11-18)


2013年11月17日の日経日曜版に珍しく(?)まともな解説記事が載っていた。「日本を襲った円高デフレ」「円売り介入米が封じる}という記事である。2008年の暮れ(たとえば12月5日)には1ドル=108.77円だったものがその後ジリジリ円高が進み、2009年4月13日には1ドル=100.53円、2011年11月13日には1ドル=79.88円となり、その後は70円台で推移するという状態が続いた。当然日本は円高不況に陥り、多くの家電メーカーが巨額赤字、大量解雇という悲惨な状態が続いた。

私は日銀は為替介入をやらなければどうにもならなくなるという論陣を張ったが、肝心の日銀はウジウジと優柔不断な態度をとり続けた。11月17日の日経によれば当時の白川総裁が米国の誰かから「円売り介入をするな」とクギを刺されていたという。その誰かとは明らかではないが、そンなことにヒルンでいられる状態ではなかった。もし米国の当局者に何を言われても、軽く聞き流してやるべきことをきちんとやるというのが白川氏の立場だったはずである。

それを黒田総裁になってからヒックリ返した。黒田氏には米国は何も言わなかったのだろうか?そんなはずはあるまい。どう考えても白川氏は日銀総裁の器ではなかった。今は京大で教鞭をとっているらしいがどんなことを学生に話しているのだろうか?

聞けば彼は東大経済学部で小宮龍太郎ゼミでの優等生だったらしいが、(私の履歴書)、こんな優等生(?)を生んだことを自慢しているようでは話にならない。私も小宮先生の講義を受けたがあまりのつまらなさに辟易した。それでも卒業試験で「可」を頂戴したので感謝はしているが、何ともかなしむべき「師弟」である。

要するに国際社会で日米関係は最重要だが、米国の一担当官が日本経済全体の責任をとってくれるはずもない。最終判断は日本の政策当局がいかに自主的に行うかである。