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PKS



168.西ジャワ、北スマトラ州知事選挙でPKS候補が連勝(08年4月17日)

4月13日(日)には西ジャワ州、4月16日(水)には北スマトラ州の知事選挙がおこなわれ、ゴルカルやPDI-P(闘争民主党)といった大政党の候補者がイスラク原理主義的な新興勢力のPKS(繁栄公正党=Prosperous Justice Party)の候補者に敗北するという注目すべき事態となった。

PKSはイスラム原理主義者と学生が中心となり草の根的な政治活動をおこなっており、2004年の総選挙ではジャカルタでは最大の得票率を上げPDI-Pの票が奪われるということになり、メダワティ落選の最大の原因ともなって注目された。

しかし、PKSはあくまで大都市の若手知識層の政党という観が強かったが、今回の「地方選挙」で連勝したことにより、PKSは全国的に支持者を集めていることが立証された。そうなると、2009年の大統領選挙では全く新しい人物が大統領に選出される可能性もあながち否定できないということになりそうである。

西ジャワではPKS とPAN(国民信託党)といういずれもイスラム原理主義に近い政党の共同候補者のアーマド・ヘルヤワン(Ahmad Heryawan)氏が40%の得票でPDI−Pの候補(Agum Gumelar)35.5%を破り当選が確実となった。

北スマトラではPKSにくわえ保守的イスラム政党のPPP(開発統一党)などが推すシャムスル・アリフィン(Syamsul Arifin)候補が28%の得票でトップに立っている。ただし、30%以上の得票がないと決選投票がおこなわれるようである。

このような動きを見るとインドネシア国民はゴルカルといった既成の大政党には期待感をもたず、新しい何かに希望をつなぐという気持ちが強いのではないかと考えられる。そのせいか最近の大統領は毎回新顔が登場している。

スハルトの後継者のハビビはアッサリとグス・ドゥルに席を譲り、その後継者はメガワティであったが、ユドヨノに完敗した。ユドヨノは再選を目指しているが、PKSの支持を取り付けない限り、再選はやや怪しくなってきたようだ。