スイートコーン
(2002年4月23日作成)
(2003年4月10日一部修正)



思い入れ ・・・ 1度に2〜3本を食べたい 
 北海道の代表的な作物としてスイートコーン(とうもろこし)が頭に浮かぶと思います。個人的には、
スイートコーンはご飯のおかずにならはないし、野菜というよりも雑穀というイメージですが、スーパー
では野菜売場で売っているので野菜として考えます。
 スイートコーンは、もぎたてを少しでも早く茹でなければ、甘みが時間がたつごとに落ちてしまいま
す。もぎたてをゆでたスイートコーンを口にしたとき、炎天下の中で追肥・土寄せして汗だくになった
苦労を忘れさせてくれる甘みが口いっぱいに広がります。
 私はスイートコーンが好きなので1度に2本、3本と食べてしまうので「食い過ぎ」と妻に叱られま
す。食べきれない分はほごしてから冷凍保存すると、バターでいためて戻したり、シチューに入れて食
べることができます。

生育特性 ・・・ 異品種混合(キセニア)に注意
 1 いね科に属し、連作障害はないので毎年同じ場所で栽培できる。
 1 発芽温度は最低7〜8℃、最適25〜30℃、最高40℃。
 2 生育適温は22〜30℃、夜温はある程度低い方がよく、15℃前後が望ましい。
 3 キセニア(異品種混合)について
   スイートコーンは風によって受精するため、異種のものが近くにあると、異種受精(キセニア)さ 
  れることがあり品質が低下するので、同一種を集団栽培することが必要。

品 種 ・・・ 期待の新人「ゆめのコーン」 
 1年目は「ハニーバンタム」と「ピータコーン」の2種類を、2年目は黄色種の「キャンベラ」を栽培しま
したが、昨年はバイカラー系の「ゆめのコーン」を栽培し、本年もゆめのコーンにします。
 ゆめのコーンは、昨年道内で飛躍的に作付面積が増えた品種で、今年も上記3品種に迫る勢いだ
そうで、近い将来、ピータコーンを追い抜くと期待されているそうです。
 特徴は甘みとボリュームがあって、ゆで時間が短いこと。
 沸騰したお湯にゆめのコーンを入れ、再度煮だってから5分で十分だそうです。

畑の準備 ・・・ 施肥は少なめでけっこう
 畑起こし、元肥、は種は同時に行います。
 1 石灰をまいて畑を起こす。
 2 畝幅75p、株間30p(28〜35p)では種位置を決める。
   1株2本立てにして間隔をあけて栽培する畑も見られるが、私は野菜作りの本に従って狭い株 
  間にしている。2年間この方法で栽培したが、受粉は順調で問題なく収穫できた。
   なお、受粉をよくするために1列まきは避け2列以上にすること。正方形に近い配置が好ましい。
 3 深さ8〜10pの溝を畝に沿って掘る。
 4 JA店舗で購入したスイートコーン専用の化成肥料をは種位置の下に1〜2握りに入れ、底土と
  混ぜる。
 5 間土は3〜5p。
   ほかには、1u当たり石灰を100g、たい肥2s、化成肥料100〜200gを散布してから畑起こし
  をする全層施肥を薦める本もある。どちらがよいかはわからない。

は種期 ・・・ 遅霜の心配がなくなってから
(1) スイートコーンの芽は遅霜に当たると枯れ死してしまうことがあります。
   北見の平年遅霜日は5月25日頃ですが、6月上旬になっても発生する年があります。
   は種から収穫まで3か月程度かかるので、危険を冒さないようにするなら6月上旬には種する 
  と、収穫は9月上旬になります。
   北海道産のスイートコーンが店頭に並ぶのは、だいたい8月に入ってすぐです。搬入量が多くな
  って値段が下がるのは中旬になってからで、これはたまねぎ・てんさいの苗ハウスを利用して5月
  上・中旬には種したものです。
(2) やはり、店頭にスイートコーンが並ぶと食べたくなるので、6月は種の9月収穫では待ちきれま 
  せん。よってハウスなどの施設がない我が家では、少しでも早く生育させるために一部ビニール 
  ポットで芽だしをしてから移植します。
   ただし、過去の経験では、ビニールポットで芽出しをして移植したものは、直播したもの比べて根
  の張る力が弱いのか倒伏し易いため、直播中心でいきたいと思います。
    1回目を5月3日には種して、5月31日頃に畑へ移植
    2回目は5月17日頃に畑へ直接は種します。
    3回目は5月25日頃に畑へ直接は種します。
   3回に分けるのは1度にたくさん食べられないためで、危険分散の意味もあります。
(3) マルチシートをかけると収穫まで3〜5日程度短縮でき、雑草の繁殖を抑えることができます  
  が、資材もかかるし労力もかかるので、今年も使わないつもりです。

は 種 ・・・ 鳥の被害に注意
  1 ビニールポットへのは種
   @は種する前日に種を水に浸ける。 
   Aビニールポットにゴロ土を敷いた上に土を入れる。
   B指で深さ2pの穴を3か所あける。
   Cその3か所に種を入れる。
   D穴を土で埋め、軽く土を抑える。
   Eビニールポットの口にあわせて丸く切り抜いた新聞紙をかぶせ、乾燥を防ぐ。
   F乾燥させないよいように定期的に水を与える。
   G発芽したら新聞紙を取り除き、定期的に水を与える。
   H本葉2〜3枚、約3〜4週間後に畑へ移植。
    植え穴に十分灌水してから植え付ける。
    なお、ベランダにおいておく場合でも、鳥が近づく場合は対策をとる。
 2 直播
   @〜Dはビニールポットに同じ。
   ただし、土を抑えるのはやや強めに。
   E鳥の被害を防ぐため、キラキラテープやテングス等で対策する。

栽培管理 ・・・ わき芽を欠きとって、土寄せをしっかりと
 1 中耕、間引き、土寄せ、追肥について
   @草丈10p・・・弱々しい苗を間引き、軽く中耕・土寄せ
   A 〃 20p・・・1か所1本に間引く
   B 〃 30〜40p・・・草取り、土寄せ、追肥(一握りの化成肥料)、中耕
     この時に土寄せをしっかりしなければ台風等で倒伏します 
 2 わき芽について
   根元から出るわき芽は、欠きとるべきだと思います。
   最近では欠きとらず、そのままにしておいた方が雌穂(食す実の部分の名称)の発育が促進さ 
  れるという説の方が正しいようですが、昨年はそれに従った結果、わき芽を残したしたものだけが
  台風で倒伏しました。
   わき芽は抜こうとすると根を傷めるので、必ずはさみで切りましょう。
 3 雌穂の本数について
   1つの株には3〜4本の雌穂がつきますが、1〜2本を残して若いうちにぬきとりましょう。
   できればヤングコーンとして食べられる大きさで抜き取ることをお勧めします。むいてゆでてサラ
  ダにして食べましょう。
   ただし、雌穂を1本にするか2本にするかは迷うところです。1本にすると大きくなりますが、2本 
  にするとひとまわり小さくなりますが2度食べられます。
   我が家では欲張りのため2本残しています。

収穫期 ・・・ ひげが茶色くなったら試し取りをして確かめる
  1回目の5月11日には種したものは、ビニールポットでの生育時間が長く、また、6月の地温はま
だまだ低いので8月下旬に収穫できれば上出来と考えています。
 2回目のものは9月上・中旬、3回目のものは9月中・下旬になると思います。
ひげの茶色が濃くなったものを試し取り又は皮を少しはぐってみます。実の色が淡ければまだ 早い
証拠です。市販されているものと同じ色であれば収穫適期です。
 慣れると、穂先を触ってみた感触(堅さ)でわかるようになります。
 収穫適期を過ぎると実が堅くなり食味が落ちるので注意しましょう。
 スイートコーンの出荷最盛期を過ぎた頃に我が家の収穫が始まりそうです。

(おまけ) 
 14年産スイートコーンの作付面積・収穫量(農林水産省調べ)
 作付面積(ha)    収穫量(t)
全   国
   28,300   278,100
北 海 道
    9,850   114,900
網走支庁
    1,100    13,500
北 見 市
       44       572

  

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