ばれいしょ
(2002年4月27日作成)
(2003年4月10日一部補正)



思い入れ ・・・ 北海道ではまずいも作り 
 ばれいしょにとって北海道は最適な生育条件です。それは夏が冷涼なためいもの肥大に適してい
るからです。
 ばれいしょは肉じゃがやふかしいも、ポテトサラダ、コロッケ等、ばれいしょそのものがメインの食材
となる料理が数々あります。
 また、ばれいしょのもう一つの大きな特長は初春まで家の物置で保存できるため、たくさん作っても
大丈夫です。
 管理は土寄せ・追肥を2度行うくらいで比較的手がかかりませんが、病害として疫病やウイルス病
に感染することもあります。また、ヨトウムシ、アオムシ、テントウムシが付きやすいので注意が必要
です。

品 種 ・・・ 「男しゃく」「メークイン」「北あかり」と「インカのめざめ」の4品種を栽培 
 北海道における食用向けのばれいしょは「男しゃく」「メークイン」が代表的で圧倒的なシェアです
が、他に「北あかり」「とうや」「アンデスレッド」「レッドムーン」「インカのめざめ」等なども栽培され、ワ
セシロや農林1号も食用として流通されています。
 男しゃくはでんぷん質が高いですが、煮くずれしやすい特長があります。
 一方、メークインはでんぷん質は男しゃくに比べて低いですが、煮くずれしにくく、関西で人気がある
そうです。
 男しゃくとメークインを比べると、コロッケ・ポテトサラダは男しゃくの方が向いていますが、それ以外
の食べ方では好みの問題だと思います。
 北あかりは北海道では食用ばれいしょとして男しゃく、メークインに次いで栽培されており(加工用と
兼用のワセシロ・農林一号を除く)、メジャーな品種なのですが、本州の方ではいまいち知名度がな
いようですが、北あかりは男しゃく・メークインに比べ@肉が黄色っぽいA甘みが強いB水分が多い
C収量(単位当たり収量)が低いD種いもが高いなどの特長で、これらが長所でもあり短所でもあり
ます。
 我が家では「男しゃく」「メークイン」「北あかり」に加えて、今年は食味が「栗」「さつまいも」並みと評
される「インカのめざめ」の種いもを購入できたので、初挑戦します。

植付期 ・・・ 連休中が植付適期 
 いもの芽は霜に対して強くありません。よって、一般的には北見の平年の最終遅霜日である5月2
5日頃からほう芽(地上部に芽が出ること)までの期間を逆算した5月5日前後が植付け適期です。
(ほう芽までは約3週間かかります。)
 しかし、北見地方では6月にはいってからも遅霜が降ることがあるので、5月10日頃に植え付ける
方がよいと言う方もいます。
 その逆に、遅霜であっても強い霜でなければ被害には至らないので、4月下旬に植え付けたほう
が良いと言う方もいます。
 肥大期は冷涼な方が肥大は順調に進むので、7月中・下旬からの本格的な暑さが続く前に、少しで
も肥大始めを早めることによって肥大期間を確保することが求められます。
 我が家では、5月3〜5日の連休に植え付けする予定です。

種いもの準備 ・・・ 芽出しをしましょう 
 1 種いもは種苗店、農協店舗等で購入します。
   八百屋やスーパーで生食用として購入したものは避けましょう。
 2 種いもは芽の多い頂部から下へ縦切りにして30g〜50gの大きさにします。胴切りはやめましょ
  う。また、1個30g〜50gであれば切らずにそのまま使用します。
 3 植え付ける直前に切断しないようにしましょう。切ったばかりのものを植え付けると切り口から病
  原菌が入って腐れる事があるからです。(最低でも植え付け4日くらい前までに切断して切り口を
  乾燥させましょう。)
 4 できれば芽出しさせましょう。
   芽出しとは植え付けの1週間くらい前に切断して、日陰干しさせて芽を出せます。そのことによっ
  て、植え付けからほう芽までの期間を短縮できます。
   なお、芽出したいもを畑へ運ぶときに、芽がとれないよう細心の注意を払いましょう。 

畝幅・株間と栽培数 ・・・ 畝幅は広めの75p、株間は狭めの30p 
 1 畝幅75p
   70pでは土寄せするときにちょっとつらく、80pでは広いので、75センチがちょうど良いと聞い
  ています。
 2 株間30〜40p
   40センチと書かれている本が多くありますが、いも数を確保する方が賢明のため30pの方が 
  いいと思います、1個重を重くするなら40pにしましょう。
    
畑の準備・植え付け ・・・ 石灰を散布しません 
 1 ばれいしょは弱酸性を好むので、畑起こしをすると 
  きは石灰を散布しません。
 2 畑起こしの深さは20pくらい。
 3 植え付け位置を決めます。
 4 元肥として植え付け位置の真下にたい肥1握り、化
  成肥料半握り、
   鶏ふん半握りを入れ底土と混ぜます。
 5 間土として5p程度の土を戻します。
 6 種いもは芽を上にして(切り口を下にして)30〜40
  pの間隔で並べます。 
 7 覆土は5pくらい。厚くするとほう芽が遅くなります。
 
栽培管理 ・・・ 芽かきはしない、土寄せはしっかりと 
 1 ほう芽後すぐに芽かきをするよう勧めている本がありますが、北海道での栽培では行わない方 
  がいいと思います。
   芽かきをして茎数を少なくすると1個当たり重量は重くなりますが、いも数を確保した方が賢明で
  す。2L以上のいもよりもM・Lサイズの方が使いやすくておいしいはずです。また、年によっては肥
  大期に高温となった場合、急速に肥大するため大きいサイズのいもででは中心空洞になることが
  あるので、それを避けるためでもあります。
   農家の方は広大な面積を1株1株芽かきはしていません。
 2 ほう芽後3週間すると肥大開始期になるので1回目の土寄せをします。少なくても10センチの土
  が被るようにして、山と谷の差が25pくらいになるようにします。
   あわせて追肥を行います。ただし、肥料分が多いと茎葉が過繁茂になって倒伏しやすくなりま 
  す。私は過去2年それで失敗しました。
   肥料分が少ないといもの肥大は小さくなってしまうので、チッソ分の少ない肥料を適量追肥する
  ことが求められます。
   現在の私の知識ではここが欠けている部分なので、どのくらいの量が適量なのかもっと調べて
  いきたいと思います。
 3 蕾が見え始めた頃に2回目の追肥・土寄せをします。
   土寄せの理由は
    @倒伏を防ぐ
    Aいもの緑化防止(青いもはまずい)
    B除草
    C排水をよくして、いもの腐敗を防止
    D気温が30℃に上昇しても、土寄せをすることによって地温を17〜22℃に抑えるためです。
 4 ヨトウムシ、アオムシ、テントウムシが付いているのを見つけたら捕殺します。
   ウイルス病や病害の株は伝染する場合もあるので見つけたら抜き取るようにします。  

収穫期 ・・・ 試し堀してから堀あげましょう 
 地上部が黄変し始めたら収穫適期です。
 地上部が枯れる前に掘ったものでも食べられますが、でんぷん質の蓄積が十分ではないためおい
しくないことがあります。できれば試し堀りして味を確かめてから掘った方がいいと思います。
 収穫は雨上がりを避けて晴天の日に掘り上げましょう。
 半日くらい天日で干してから、日陰で通風のよい乾燥したところで貯蔵しましょう。

(おまけ ・・・ 北海道は全国一の生産量  
 14年産ばれいしょ(生食用・加工用すべて)の作付面積・収穫量(農林水産省調べ)
 作付面積(ha)    収穫量(t)
 全   国    92,000  3,069,000
 北 海 道    57,900  2,349,000
 網走支庁    17,900    794,100
 北 見 市       753     28,300


トップへ
トップへ
戻る
戻る