クーラントって・・・ クーラントはエンジンを適温で保つ冷却の役割の他に、室内の暖房にもなります。 意外にも重要な働きにもかかわらず、成分の半分以上が水です。水以外では、不凍液として「エチルグリコール」、防腐剤としてリン酸塩素系物質(リン酸カリ塩、無機カリ塩など)です。 基本成分が水だけに、劣化するとヘドロや錆が発生する事も多く、メンテナンス不足が原因で冷却に悪影響を与えるどころか、ラジエターなどの補器類(ポンプなど)に余計な負荷を掛けしてしまったり、液量不足すればオーバーヒートしてしまいます。 最近の車の中には、10年レベルのメンテナンスフリーなんて物もあるが、ごく一部でしかなく、大抵のクルマはそうではないです。エンジンに致命的ダメージを与える部分だけに、少なくても点検は忘れずに行いたいです。 |
点 検 点検をする際は必ずエンジンが冷えているときに行い(間違ってもラジエターキャップは緩めない)、LLCのリザーブタンクに付いている目盛りと目盛りの中間に液面があればOK(LOWとFULLの間)。エンジンが温まった状態ではLLCの体積や圧力が変わってリザーブタンクを行き交いして正しく見れないので必ず冷えているときにチェックします。少ない時は補充、多すぎる時は抜きます。 補充は、その場凌ぎであれば、水だけでも良いのですがが、水だけ補充するとLLC濃度が薄くなり、沸点が低下してオーバーヒートを起こしやすくなったり、防錆効果が低下してしまうので「毎回水」は避けた方が良いでしょう。冬場などは凍り付いてしまい膨張による各経路の損傷(亀裂)にもつながりますので注意しましょう。エンジンブロックに亀裂なんていったらそれこそ目も当てられませんね。 東北以北にお住まいの方なら特に凍結には対処されていると思いますが暖かい地域にお住まいでスキーなど出かけて凍結したなんて事の無いように注意しましょう。余談ですが、燃料(特に軽油)もスキー場近くで一度給油した方が良いです。凍結防止剤が入ってます(等級による)。 参考 軽油の等級 特 1号 夏専用 1号 夏〜冬かかり用 2号 一般冬用 3号 寒冷地用、流動性悪化 -12℃以下を保証 特 3号 極寒冷地(北海道等)用、流動性悪化 -19℃以下を保証 冬場、関東以南は 2号だそうです。 また、LLCのみの補充も濃度の濃すぎによる沸点の低下などの弊害があるので、補充をするときには濃度( 30〜50%の間で)の事も考えてた方がいいでしょう。 |
もう一つ、点検の際に油が浮いていないかも、あわせて確認するようにします。(エンジンオイル参照)油が浮いているようなら、エンジンに問題があることを示すものなので、修理等の検討も必要です。
最近のクルマは減る事も少なくってきて、補充が必要なこともめったにありません。あまり、頻繁に補充が必要な場合は何かのトラブルの可能性も考えられるので早めに見て貰った方が良いでしょう。
LLCの「防錆効果」の寿命が気になるのは確かですが、 あまりに早く交換しても意味がありません。何の変色もしてない綺麗なLLCとお金です。私は、車検毎に交換しています。メーカーの定期交換部品に指定されていますので、ディーラで点検・車検を行っている方なら気にする必要は無いでしょう。きっぱり、2年に1回で十分でしょう。ただ、抜き方にもきちんとした作業を行わないと半分も交換できないなんて事も有りますので注意します。お願いするとして30分以内で終わる作業でしたら交換作業を疑った方が良いでしょう。ラジエター部分しか交換していない可能性があります。抜いて補給して暖気、また抜いて補給して暖気の繰り返しですので少なくとも1時間はかかります。 |
LLCが純粋に冷却系を循環していれば、ポンプにも余分な負荷が掛からず、ラジエター内も綺麗で、放熱性を落すことなくエンジンなどの冷却してくれます。変なたとえですが、風呂の水毎回交換されていると思います。
交換しないで「追い炊き」であれば、湯垢などが発生しますね。そうなれば入れ替えと言う事になると思うが、それをLLCに置き換えて考えても良いかも。ただ現実離れしてますが。ただLLCも月日が経てば多少の汚れはつくのは事実である。とにかく拘ってみるにしても、早めすぎてもあまり意味が無いのでメーカー推奨で良いでしょう。 またLLCの濃度は自分の行動(季節や地域等)から考えて、必要以上に濃くしない事が、放熱性の低下や余分な負荷が掛かるのを避けることになります。LLCの沸点付近がが一番冷却効率が良いと本で読んだ記憶があります。また、ラジエターの内側だけを気にしがちだが、ラジエタ―は外側も大事です。虫の死骸などを取り除いておく事で、腐食による液漏れ(殆ど粉砕されますが)や冷却効率低下を避ける事ができるのでチェックしておくと良いでしょう。 |